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リンが出産した。
もちろん俺の子ではない。
まあリンのことだから相手はリョーだろう。
あのクズは子供を残して死ぬなんて無責任なクズだな。
だが産まれてきた子供に罪はない。
いくら父親が俺とリンを殺した過去があろうとも子供に罪はない。
「だが追放だ」
リョーの子が何の権利があって俺の庇護下に置かれなくてはならないというのか。
だが子供はそういった親を選んで生まれてきたのだから望んだとおりにしてやるのが優しさというものだ。
「まったく、リョーのクソ野郎は本当にクソだな」
まあもう死んだ野郎だからどうでもいいけどな。
だがあのしぶとさとしつこさはまた何らかの手段で俺の邪魔をしてもおかしくはない。
クソニートは引きこもっていればいいのに、どうして異世界まで追いかけてくるんだか。
まあそういった性格だから女にもてないし、だから無理矢理犯すしかなかったのだろう。
そう考えるとリョーも悲しい人生だったのだろう。
だからといって俺のことを殺した恨みは忘れないけどな。
まあいい。
「リョーのせいで不快な気分になった」
死んでもまだ俺への迷惑行為をやめないとはさすがリョーだな。
ムシャクシャしたので俺の女たちを犯して回った。
たまには相手をしてやらないとな。
俺にはこうやって俺を求める女が数えきれないほどいる。
それに比べてリョーは誰からも相手にされずに結局無理矢理犯すしかできなかった。
人間としての格が違い過ぎる。
だがあのリョーの性格の悪さは悪い意味ですごいものがある。
考えるだけで不快になる。

俺がそう感じたのも当然だった。
俺の知らないところでリョーが再び悪だくみをしていたのだ。
今度は間接的に、より狡猾に。
リョーのくせに少しは頭を使ったようだ。
魔物を支配し俺の国へと向かわせた。
遠くから数を集めたので俺が気付く頃には相当な数になっていることだろう。
だがリョーは無能だから俺の実力を知らない。
この程度の魔物でどうにかなると考えるなんて甘すぎる。
こうして俺の知らないところでリョーが暗躍していた。

「射精すぞオラァ!」
「あぁん!イっちゃいます!ユータ様!」
ふう、まだ気分が落ち着かないな。
次の女だ。
「あふんっ、ユータ様、大きくて壊れそうです」
まあそうだろうな。
俺を待つ列はまだまだ終わる気配がない。
こいつらも仕事をサボるのもいい加減にしてほしい。
だが俺が来るとなれば仕事を放り出すのも当然なので仕方ないな。
「射精すぞ!オラァ!!」
おおっと、つい気合が入ってしまった。
やれやれ、どうも嫌な予感がするんだよな。
「ユータ様、お願いします」
俺は考える暇がないくらい腰を振ることになった。
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