スキル『睡眠』で眠ること数百年、気づくと最強に~LV999で未来の世界を無双~

雪月花

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第13話 双子の獣人

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「もうすぐ目的の山か……地図によると麓に村があるらしいから、まずはそこに寄るか」

 あれから数日。
 オレはアリスより教えられた地図を頼りに目的のアエーレ山脈の近くまで来る。
 なお、出発の際に騎士団からの正式な任務ということで騎士制服なるものを渡され、今はそれを着ている。
 胸の勲章のところに『特級騎士』の階級が刻まれているらしく、これを見れば村や街でも歓迎されるとのことだ。
 確かにここへ来る途中、場所に乗った時も御者に料金を払おうとしたが「特級騎士様から料金を頂くなど、とんでもない!」と断られた。
 まあ、さすがにそういうわけにもいかないので無理やり渡したのだが。
 確かに特別扱いされるのはそれはそれで悪くないが、あまりにそれがオーバーだとちょっと気疲れする。アリスには悪いが村に着く前にこの制服脱ごうかな……などと考えていると、

「あーれー!」

「そこの騎士の制服を着た方ー! お助けくださいアルー!」

 見ると二人の少女がオレに向かって走ってくる。
 なにやら厄介事に巻き込まれてしまった。
 やっぱ、この制服着るべきではなかったか……。

「やや! あなた様の制服の階級、もしや『特級騎士』の方アルか!?」

「本当ネ! これは神様のお助けアル! 私達二人を助けてくださいアルー!」

「ち、ちょっと!?」

 と、その二人の少女――おそらくは双子か?――は妙な中華かぶれな口調を口にしながらオレの背後に隠れる。
 それに少し遅れる形でいかにもガラの悪い、ザ・山賊と言った風貌の男達が数人現れる。

「へへ、なんだ兄ちゃん。その獣人達を守る気か? やめときな、怪我するぜ」

 あー、なんかこれに似たような光景、最近見たわー。
 呆れるオレに、しかし山賊達は気付いた様子なく各々武器を構えてオレを取り囲む。

「まあ、オレらに見つかった以上、身ぐるみは置いていってもらうぜ。なんだったら命も置いていくか? んん?」

「ひ、ひえー!」

「騎士様ー! お助けアルー!」

 一方の双子の少女――よく見れば猫のような耳や尻尾が生えている。おそらくは獣人ってやつだろうか? とにかくその双子は明らかにオレをあてにした感じで抱きつく。
 まあ、ここまで巻き込まれた以上は仕方ない。
 オレは腰から剣を抜き、山賊達へと構える。

「一応言っておくけど、襲ってきたのはそっちが先だから怪我しても後悔しないように」

「あ? 何言ってやがるんだ、この優男が! 野郎共、やっちまえー!!」

 ボスの叫びと共にオレの周囲にいた山賊達が襲いかかるが、オレはその場で剣を一回転。
 次の瞬間、山賊達の獲物が砕け、腕や足、胸などを真空で切り裂かれたように次々と血を流す。

「う、うわー!」

「ぎゃー! 斬れたー!? 血、血ー!?」

「な、なんだこいつ! 今何をしやがったー!?」

 見ると山賊達は阿鼻叫喚の大混乱。
 今のは剣術のレベル2の真空斬りなのだが、それでもこいつらには十分なようだ。
 一瞬で戦意を失うと、そこでオレが着ている制服に気づく。

「お、お前のその制服、聖都の騎士か!? し、しかもその胸のシンボル! と、特級騎士ー!?」

「な、なにいいいいいいい!!?」

 今頃気づいたんかい。と思わず突っ込み入れるが、どうやらそれで山賊達は完全に恐怖したのか慌てた様子で散り散りに逃げていく。
 オレはとりあえず腰にしがみついている双子の獣人少女を引き剥がすと事情を聞くことにした。

「で、なんであいつらに襲われていたんだ?」

「どうしてって……ルル達は商人アル!」

「そうそう! ネネ達は全国各地を渡り歩いて色々商売をしているアルよ!」

 と言って、双子は背中にどっさりとしょったリュックを見せびらかす。

「あー、なるほど。それで山賊に狙われたと」

「そうネ! 私達、商人は常に山賊達に狙われる死と隣り合わせの職人アル!」

「特にあいつら、私達みたいなか弱い獣人を見ると見境なく襲ってくるアルから迷惑千万アル」

「いや、それなら護衛つけろよ」

 思わず正当なツッコミを入れるが「そんなお金もったいなくて使えないアル!」と商魂たくましいのか、なんなのかよくわからない返事が返ってきた。

「お兄さんこれからどこ行くアル?」

「まあ、目的地はすぐそこにあるアエーレ山脈なんだが、その前に村に立ち寄ろうと思ってな」

「麓の村アルか? それなら急いだ方がよろしいアル」

「なんでだ?」

「だって、さっき私達を追いかけてきた山賊、本当は村を襲撃する部隊の一派らしいアルよ。その途中で私達を見かけたから一部の山賊達が私達の方へ来ていただけアル」

「そうネそうネ」

「なんだって!?」

 双子の獣人の発言にオレは慌てて村の方を目指すのだった。
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