異世界で僕…。

ゆうやま

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2章67話

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僕は双子は人間の時の記憶が無くなった可能性が高いとルル姉に聞いて心が沼に沈む様な気持ちと力が抜けた。

イリヤとリリヤが神の使徒が眷属、それ自体はどうでもいい…。

しかし、僕と過ごした時間…そして、一緒にこなした様々なクエストと過した日常…。

それを全てを忘れてしまったなら…会いに行ったて無意味で…迷惑だと思うだろう…。

考え込んでも答えが出ないまま…息苦しさに外に出る事にしてして歩き回った。

みんな資材不足でもやれる事は頑張ってやっていて、その汗塗れの表情はとても眩しかった。

「見てよ!イリヤ、リリヤみんな凄く頑張って……」

何時も側にいるのが当たり前だったので無意識に二人を呼んでしまった。

その時…心の片隅から湧き出た嫌な感じが怒りや嫉妬、憎しみの感情が溢れ出した。

イリヤとリリヤが居なくてもこの世界は上手く回っている。

僕が死んでもそれは同じ…。

そんな虚しい現実を認めたくなくて心を静める為に足掻いた。

それでもみんなの明るい笑顔を見て僕の奥底には思ってはいけない事を思ってしまった。

もう何も要らない!いっそ滅べ!っと…。

「くっ!痛っ!」

そう思った瞬間…急に左目から激痛が走った。

「あー!いた!お兄ちゃん!執務室に居ないから心配になって探したよ!」

誰にも言わずに出たせいか、バルちゃんが慌てて僕を探していた様子で走って来た。

「あ…ごめん…アタタタ」

「お、お兄ちゃん!どこか痛むの?」

「うん…急に左目が…」

「左目?ちょっと見せて…」

バルちゃんが左目を見た瞬間…硬直したように固まった。

「その左目…」

「左目がどうした?今先ちょっと痛みがあったけど…もう大丈夫だよ」

「それは呪視眼だよ!お兄ちゃん!絶対負の感情に負けてはダメだよ!」

バルちゃんが何故か絶望に染まった顔で僕を見ていた。

「はい?…の、呪視眼?何それ?」

僕は自分の左目が気になって水溜りに自分の顔を映して見ると水面に映っている左目が真っ赤な瞳に禍々しいオーラを放っていた。

両腕と下半身が勝手に動くのに今更こんな事になっても驚かない。

しかし、バルちゃんの泣きそうな顔が気になった。

「バルちゃん…呪視眼って何?」

「それは…負の感情に反応して見たもの全てに呪いのような厄災を振り撒く…厄介な目だよ…」

「そ、そう?」

「うん…それより、一番問題はそれを使うと人格が徐々に壊れてしまう…」

呪い?災難?、一体どんな事かあまりピンと来ないない話しであるし、僕の事よりは大したことないと思った。

しかし、その時……。

「な、な、なんだあれは!」

「ほ、ほ、星振りだ!こっちに落ちて来るぞ!」

「みんな逃げろ!」

「バカやろ!どこに逃げればいいんだよ!」

空から僕が見ていた人達に向かって隕石が降って来た。

それを見て全て理解した……。

僕は未知の生命体から途轍もなく迷惑な…呪われた生命体に突然変異した事に気付き、問題児トリオと同じく天災仲間同士になったと知った。

しかし、今は隕石を今はあれを止めないと大惨事が起きると思ってバルちゃんに慌てて何とかしてくれと頼んだ

「バルちゃん!アレを何とか出来ない?このままじゃこの一帯蒸発してしまうよ」

「距離が近過ぎるから完全に破壊する前に落ちてしまう…ど、ど、どうしよう!」

僕がいっそ滅べと思ってしまったせいだ。

くっそ!こんな事…あってたまるかよ!

「ハルト君!伏せて!」

「ルル姉!危な……?」

急に現れたルル姉は凄いスピードで隕石に飛び込んで蹴りを入れた。

「デストロイヤースピンキック!」

ルル姉の空中廻し蹴りが隕石に炸裂し、大気が吹っ飛ぶ衝撃と共に隕石はサッカーボールのように蹴り上げられたあと、粉々になった。

「あの女、デタラメ過ぎるのも程があるわ…」

「あはは…僕もそう思う」

花火の様に粉々になって飛び散った隕石はティルナノーグから遠く離れた場所に落ちた。

そして…ルル姉は僕の前に10点満点の綺麗な着地をして僕に向かって来た。

「ハルト君!怪我はないか?」

「う、うん、ありがとう、本当に助かったよ」

「急に嫌な呪力を感じて来てみれば一体誰があんな物ぶっ放した?」

「こ、ごめんなさい…ぼ、僕がやったみたい…」

「えっ?ハ、ハルト君が?」

気まずくて落ち込んでる僕を見てバルちゃんが事の事情を説明した。

「呪視眼…バルトゥール!みんなを招集しろ!これに詳しいあとあいつもな…」

「わ、わかった」

ルル姉すら僕の左目の事で取り乱していた。

それにバルちゃんがルル姉の命令口調に素直に従うのを見て…きっとロクでもない事になっているだろうと気付いた。

そして、ルル姉と一緒に公務室に戻った僕はみんなが集まって来るたあとバルちゃんが事の事情を説明した。

「そういう事でハルト君の目を治せる方法を聞きたい」

「それを治せる方法は私は聞いた事がない、申し訳ございません、主様」

「私も…ないです、どうしよう!このままじゃ主様の精神が…」

「なにか方法があるはずだ…」

みんなは対処法を話し合っていたが…いい答えが見つからない様子だった。

その時…外から慌てた声が聞こえて来た。

[あの坊やに何かあったら工房や神殿の約束があやふやになるではないか!]

[しかし…私達は呼ばれてませんが…]

[ふん!工事の状況報告しに来たと言えば問題ないだろ]

[は、はい…]

その声は創造の女神ラグレシアの声だった。

これはヤバイ!

まだルル姉にはラグレシアさんの事を伝えてない…。

「シムラハルトオニイチャンよ…工事の状況報告に来た…入るぞ」

「いや…待っ!」

止める間もなく堂々と入って来て、ラグレシアとルル姉の目がバッタリあった。

どうしよう…みんなを避難させた方がいいかな…。
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