やり直し令嬢は未来を変えるために足掻く

托生@P

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第8話 砕けた口調の彼

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「リーナ今日もよろしくね‼」
「わかってますよ。…ゼノン‼早く来てください‼貴方は護衛でしょう‼」

よく朝からリーナは大きい声を出せるなぁ…私には絶対に無理だ。
というかゼノンが護衛をしてくれるんだ…

「わかってるって。というかこっちはこっちでやること有るんだよ‼護衛としてもちろんついて行くが、もう少しだけ待ってろって‼こっちに門を設置しておかないといけないんだよ‼」
「もう‼早くしてください‼あなたのせいで出発が遅れてるんですよ‼」
「しょうがねぇだろうが‼ふぅ…思わず言葉が粗くなってしまった。」

リーナとゼノンは同期ではないものの、年は比較的近い…のかもしれない。
正確な年齢を把握しているわけじゃないのでなんとも言えないが…二人は似合っている気がする。

「ふふ…リーナってばゼノン様に気があるの?」
「そんな事あるわけないです‼私があんなやつの事を好きになるなんて絶対にありえません‼」
「そうかしら?私は意外とあうと思うのだけど。まぁリーナがゼノン様のことを尻に敷きそうだけど。」
「そうですか?」

ゼノンが言っていた【門】とは、彼が使う魔法の一種の準備段階のような物である。
仮に領主である父が不在の間に領地で何かが起きてしまった場合、すぐに対処することは出来ない。

事案が発生したのを聞き、それから到着までにかかる時間を考えれば事態は変化し、大変な事になっている可能性がある。

そこで彼の魔法が本領を発揮する。
彼は【門】を設置することで、新たに生成した門から事前に生成しておいた門に瞬間移動をすることが出来るのだ。

これは同時に移動することが出来る数に限りがあるものの、非常に強力な効果を持っている魔法で戦争でも強力な力を誇った。

前世ではこの国は戦争を沢山の国に仕掛けていた。
当然国力は低下していたが、そこで活躍していたのが彼だった。
彼は持ち前の空間魔法を使い、軍全体の指揮をとりつつ的確な場所に兵士を送り込んだりしていた。

その当時の彼は、今より遥かに多くの人数を同時に転移させることが出来ていた。
魔法は、使い込んでいけば成長するとは聞いていたがまさかあれほどまでに協力になるとは思ってもいなかった。

私がこんな回想をしている間に、彼は門の設置を終えてきたようだ。

「ふぅ…門の設置完了。旦那様‼もう出発してもらって大丈夫です‼」
「了解した。では頼んだ。」

こうして、私を含めた家族全員とメイドであるリーナ。そして護衛であるゼノンと、数人の騎士たちで私達は王都を目指した。

王都までは馬車を使っても約6時間ほど…まだ太陽が出ているか出ていないかくらいの時間だからパーティーの開催には余裕で間に合うだろう。

パーティーの開催は18:00からだ。
早く着いていてもあまり良いことはないが、唐突な予定の変更やアクシデントにもある程度は対応できるようになる。

私の両親はそういったリスクを背負いたくないようだ。
他の家のパーティーであれば断ったり、遅れたりしても問題ないが今回はわけが違う。

遅れたりなどすれば…場合によってはお家取り潰しなんてこともあるかもしれない。

「はぁ…退屈だわ。ねぇお父様。そういえば誕生日パーティーが終わった後でプレゼントを上げるって言ってたわよね。」
「ん?そうだぞ。ちゃんと用意はしてあるが…どうかしたか?」
「なんとなく気になってしまって…駄目でしたか?」
「駄目なんてことはないさ。まぁ確かに馬車での移動は時間がかかる上に…この進藤だからな。パーティーの前に気持ち悪くなるなんてことは本当にあるからな。」

この馬車は侯爵家専用の物で入手するまでに時間はかかったものの、ある程度の改良を済ませた物だ。

第一に揺れの軽減を目指した。
従来の馬車よりかは大幅に揺れが修正されていると言うが…やっぱりキツイ。

前世の時も同様にこの馬車の揺れだけは無理だった。
どれだけキツイ魔法の練習よりもこれによって起きる症状の方がよっぽど辛いのだ。

「魔法の練習やダンスの練習よりも馬車の揺れがキツイです…お父様。これいつか改良しましょ。お母様の顔を見てください。」

私がそういったので父は視線を母へと向けた。

「ちょっ…大丈夫か?いつも以上に顔色が悪いが…」
「えぇ大丈夫よ。やっぱり馬車での移動はなれないものね。これからもっと気持ち悪くなるだろうから、寝ることにするわ。」
「そうした方が良いだろうな。これからパーティーなわけだし、お前も休んでおいたほうが絶対に良い。」
「そうさせてもらうわ。アリア。貴方も寝ておきなさい。今のうちにできるだけ疲れを取っておいたほうが良いわ。リーナ。貴方も眠くなったら私に言いなさい。寝てても起こしていいから。変わってあげるわ。」
「その時はそうさせてもらいます。お気遣い感謝します。」

そういうと母は眼を閉じてすやすやと眠ってしまった。

「相変わらず早いなぁ…寝るの。うらやましいくらいだよ。」
「お父様は寝れないの?」
「う~ん…そういうわけじゃないんだけどね、少し疲労感が強くてね。」

私は父と雑談をしながら馬車での移動を続けた。
しかし流石に気持ち悪くなってきたので寝ることにした。

「ごめんなさいお父様。私、少し寝るわ。」
「ああ。おやすみ。」

そして…次に私が目覚めたときには、王都の検問所の前だった。






本日も読んでくださりありがとうございます‼
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