憑依系スキルで、美少女を誑かしてみた!

プーヤン

文字の大きさ
20 / 21

第20話

しおりを挟む
気合い充分で校門を飛び出した俺は道で頭を悩ませていた。

いつも四人で帰るときには鈴木とはいつもここで別れるので、ここからどう行けばいいのか分からないのだ。

俺は鈴木の家を知らないのだ。

そして彼女の連絡先も知らない。

美智ちゃんに連絡を取り、彼女の家の住所を聞くのもいいが、不振に思われてはどうしようかと憂慮する。

しかし、なりふり構ってられるかと携帯を取り出したところで、ある知人がこちらに歩いてくるのが視界に入る。

同じサッカー部であった高橋 洋治である。彼は夕日をバックにアホそうな顔でこちらに歩いてくる。

俺はすぐさま彼に駆け寄ると、彼は驚いた様子で後ずさった。

「洋治!すまん、こっちに生徒会長が走ってこなかったか?」

「なんだ?そいつがル〇ンか?」

「違うって!!生徒会長だ!!」

洋治は確かにこちらに生徒会長が走ってきたと言い、このまま道なりに走っていったという。

「なんか、お前がそんなフウに女性関係で焦っている姿を初めて見たわ。なんだ?彼女か?」

「は?どうでもいいだろうが?そんなことは」

「そうか。ならちょっと言ってみたかったこと言っていいか?」

「いや、時間ないから!!じゃあな!」

俺は彼に言われた通りにそのまま道なりに走っていく。後ろから「走れ!!佐々木!!青春は待ってくれねぇぞ!!」といかにもフィクションに染められた青少年の叫びが聞こえてきた。

俺は少しハニカんでしまい、「おう!」と後ろを振り返り返事をすると、彼は満足そうな表情でサムアップをしていた。

 

 

 

道なりに進んでいくと、閑静な住宅街に入った。そこに確かに鈴木の家があるのだろうが、いかんせん鈴木という姓は多い。

公園前の地域マップを見るに、このあたりにも三軒ほど鈴木という姓の家はある。

俺はその三軒を見て回り、ある家が目についた。

そこの庭には花が何輪も咲いており、その家の二階の部屋の窓越しに魔法少女サラナのポスターが見えた。

俺はここが鈴木の家だという確信を持てぬまま、何故か意気揚々とその家のインターホンを押した。

「………はい。鈴木ですけど」

か細い女性の声が聞こえた。

俺は緊張し、どもりながら答える。

「あの、えっと。僕は佐々木ですけど、穂香さんおられますか?」

その途端、インターホン越しに女性の咽る音が聞こえてきた。

「……は?佐々木?なんで?」

俺は三分の一の確立を見事当てることに成功したようだ。

「なぁ。鈴木。まだ話は終わってないんだが」

「いや、終わったわよ。………さっきので終わり」

まるで断ち切るように彼女が語気を強めた。しかし、俺はここまで追いかけてきてここで引き下がるわけにもいかない。

「いや、俺はまだ話したい。駄目か?」

「………分かった。待ってて」

俺の意志の強さが伝わったのか彼女の諦めたような声が聞こえてきた。

そうして、三十分まっても出てこないので、俺はインターホンを16連射してやろうかと考えたころ、彼女が姿を現した。

そうして、場所を公園に移し話を始めるころにはもう、日は沈み、外灯が彼女の黒髪を仄かに照らしていた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

里帰りをしていたら離婚届が送られてきたので今から様子を見に行ってきます

結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
<離婚届?納得いかないので今から内密に帰ります> 政略結婚で2年もの間「白い結婚」を続ける最中、妹の出産祝いで里帰りしていると突然届いた離婚届。あまりに理不尽で到底受け入れられないので内緒で帰ってみた結果・・・? ※「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています

図書館でうたた寝してたらいつの間にか王子と結婚することになりました

鳥花風星
恋愛
限られた人間しか入ることのできない王立図書館中枢部で司書として働く公爵令嬢ベル・シュパルツがお気に入りの場所で昼寝をしていると、目の前に見知らぬ男性がいた。 素性のわからないその男性は、たびたびベルの元を訪れてベルとたわいもない話をしていく。本を貸したりお茶を飲んだり、ありきたりな日々を何度か共に過ごしていたとある日、その男性から期間限定の婚約者になってほしいと懇願される。 とりあえず婚約を受けてはみたものの、その相手は実はこの国の第二王子、アーロンだった。 「俺は欲しいと思ったら何としてでも絶対に手に入れる人間なんだ」

美人同僚のおまけとして異世界召喚された私、無能扱いされ王城から追い出される。私の才能を見出してくれた辺境伯様と一緒に田舎でのんびりスローライ

さら
恋愛
美人な同僚の“おまけ”として異世界に召喚された私。けれど、無能だと笑われ王城から追い出されてしまう――。 絶望していた私を拾ってくれたのは、冷徹と噂される辺境伯様でした。 荒れ果てた村で彼の隣に立ちながら、料理を作り、子供たちに針仕事を教え、少しずつ居場所を見つけていく私。 優しい言葉をかけてくれる領民たち、そして、時折見せる辺境伯様の微笑みに、胸がときめいていく……。 華やかな王都で「無能」と追放された女が、辺境で自分の価値を見つけ、誰よりも大切に愛される――。

『冷徹社長の秘書をしていたら、いつの間にか専属の妻に選ばれました』

鍛高譚
恋愛
秘書課に異動してきた相沢結衣は、 仕事一筋で冷徹と噂される社長・西園寺蓮の専属秘書を務めることになる。 厳しい指示、膨大な業務、容赦のない会議―― 最初はただ必死に食らいつくだけの日々だった。 だが、誰よりも真剣に仕事と向き合う蓮の姿に触れるうち、 結衣は秘書としての誇りを胸に、確かな成長を遂げていく。 そして、蓮もまた陰で彼女を支える姿勢と誠実な仕事ぶりに心を動かされ、 次第に結衣は“ただの秘書”ではなく、唯一無二の存在になっていく。 同期の嫉妬による妨害、ライバル会社の不正、社内の疑惑。 数々の試練が二人を襲うが―― 蓮は揺るがない意志で結衣を守り抜き、 結衣もまた社長としてではなく、一人の男性として蓮を信じ続けた。 そしてある夜、蓮がようやく口にした言葉は、 秘書と社長の関係を静かに越えていく。 「これからの人生も、そばで支えてほしい。」 それは、彼が初めて見せた弱さであり、 結衣だけに向けた真剣な想いだった。 秘書として。 一人の女性として。 結衣は蓮の差し伸べた未来を、涙と共に受け取る――。 仕事も恋も全力で駆け抜ける、 “冷徹社長×秘書”のじれ甘オフィスラブストーリー、ここに完結。

完結 辺境伯様に嫁いで半年、完全に忘れられているようです   

ヴァンドール
恋愛
実家でも忘れられた存在で 嫁いだ辺境伯様にも離れに追いやられ、それすら 忘れ去られて早、半年が過ぎました。

白い結婚は無理でした(涙)

詩森さよ(さよ吉)
恋愛
わたくし、フィリシアは没落しかけの伯爵家の娘でございます。 明らかに邪な結婚話しかない中で、公爵令息の愛人から契約結婚の話を持ち掛けられました。 白い結婚が認められるまでの3年間、お世話になるのでよい妻であろうと頑張ります。 小説家になろう様、カクヨム様にも掲載しております。 現在、筆者は時間的かつ体力的にコメントなどの返信ができないため受け付けない設定にしています。 どうぞよろしくお願いいたします。

冷遇妃ライフを満喫するはずが、皇帝陛下の溺愛ルートに捕まりました!?

由香
恋愛
冷遇妃として後宮の片隅で静かに暮らすはずだった翠鈴。 皇帝に呼ばれない日々は、むしろ自由で快適——そう思っていたのに。 ある夜、突然現れた皇帝に顎を掴まれ、深く口づけられる。 「誰が、お前を愛していないと言った」 守るための“冷遇”だったと明かされ、逃げ道を塞がれ、甘く囲われ、何度も唇を奪われて——。 これは冷遇妃のはずだった少女が、気づけば皇帝の唯一へと捕獲されてしまう甘く濃密な溺愛物語。

処理中です...