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MAIN STORY
time08 もう一人の被験者
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「ちょっといいかい、君ですよ、君」
また一人、あのプランへの契約者が増える。
あのときはそれぐらいにしか思っていなかったーーー。
「君...今11時だけど親御さんとか...大丈夫なの?」
「大丈夫です。だって、親なんて僕のこと心配もしてないですから。明日まで帰らなくたって別に構わないんです」
「...で、君いくつなの?」
「16歳...高校一年です」
そう、呼んだのは高校生の男の子だった。
夜11時に、高校の制服でこんなオフィスが並ぶ町を出歩いていた。
そしてその黒ずくめの男は、そこでも巧みな会話術を使い、新川のときと同じように、契約を迫ろうとしている...。
「君さ...学校で心配なことがあるんじゃない?」
「だ、大丈夫ですよ。あなたも何で僕を呼び止めたりしたんですか?」
「実はね...うちの会社の新プランで、こういうプランがあるんだよ...」
“あのとき”と同じように、黒ずくめの男は、新プランの説明を続けていく...。
「名前はなんて言うんだい?」
「た、高宮といいます...。電車で少し行ったところの高校に通ってるんです...」
そして結局、黒ずくめの男の巧みな術に引っ張られ、高宮はこのタイムスリップのプランを契約したのだった...。
僕は大丈夫なんだ。
そう心に言い聞かせて、惰性で生きている高宮。
翌日の朝、いつも通りの時間の電車に乗り、学校に行くと、机には大きく、こう落書きがしてあった。
「消えろ」「来るな」
その他にも机には、心ない言葉が並んでいた...。
高宮の朝は、これをひたすら消すことから始まる。
まだ不幸中の幸いなのか、油性ペンでは書かれていないのでなんとか消えた。
そしてそれからは何も変化はなく1時間目が終わった。
お手洗いに行き、教室に戻ろうとすると、廊下にバナナの皮が置かれていた。
高宮は寸前のところで気付いたので避けた。
そうすると...
「おいおいおい、避けんなよ!面白くねぇだろ」
そしてその言葉と一緒に、腹や顔を数発殴られた。
その後の休み時間もいつも通り、他の人から無視され、そして時が進んで行く...。
昼休みは、持ってきた弁当を食べる前にひっくり返された。
その日は、アドール社の言っていたことなんて、ただの騙し文句、そんなことできるはずがない、と思っていた...。
しかし、その翌日、ずっと我慢していた心が
張り裂け、ついに学校に足が向かなくなってしまった。
そこで高宮は、あの番号を、ダメ元で試してみることにしたという...。
「はい、こちらアドール社です」
to be continued...
また一人、あのプランへの契約者が増える。
あのときはそれぐらいにしか思っていなかったーーー。
「君...今11時だけど親御さんとか...大丈夫なの?」
「大丈夫です。だって、親なんて僕のこと心配もしてないですから。明日まで帰らなくたって別に構わないんです」
「...で、君いくつなの?」
「16歳...高校一年です」
そう、呼んだのは高校生の男の子だった。
夜11時に、高校の制服でこんなオフィスが並ぶ町を出歩いていた。
そしてその黒ずくめの男は、そこでも巧みな会話術を使い、新川のときと同じように、契約を迫ろうとしている...。
「君さ...学校で心配なことがあるんじゃない?」
「だ、大丈夫ですよ。あなたも何で僕を呼び止めたりしたんですか?」
「実はね...うちの会社の新プランで、こういうプランがあるんだよ...」
“あのとき”と同じように、黒ずくめの男は、新プランの説明を続けていく...。
「名前はなんて言うんだい?」
「た、高宮といいます...。電車で少し行ったところの高校に通ってるんです...」
そして結局、黒ずくめの男の巧みな術に引っ張られ、高宮はこのタイムスリップのプランを契約したのだった...。
僕は大丈夫なんだ。
そう心に言い聞かせて、惰性で生きている高宮。
翌日の朝、いつも通りの時間の電車に乗り、学校に行くと、机には大きく、こう落書きがしてあった。
「消えろ」「来るな」
その他にも机には、心ない言葉が並んでいた...。
高宮の朝は、これをひたすら消すことから始まる。
まだ不幸中の幸いなのか、油性ペンでは書かれていないのでなんとか消えた。
そしてそれからは何も変化はなく1時間目が終わった。
お手洗いに行き、教室に戻ろうとすると、廊下にバナナの皮が置かれていた。
高宮は寸前のところで気付いたので避けた。
そうすると...
「おいおいおい、避けんなよ!面白くねぇだろ」
そしてその言葉と一緒に、腹や顔を数発殴られた。
その後の休み時間もいつも通り、他の人から無視され、そして時が進んで行く...。
昼休みは、持ってきた弁当を食べる前にひっくり返された。
その日は、アドール社の言っていたことなんて、ただの騙し文句、そんなことできるはずがない、と思っていた...。
しかし、その翌日、ずっと我慢していた心が
張り裂け、ついに学校に足が向かなくなってしまった。
そこで高宮は、あの番号を、ダメ元で試してみることにしたという...。
「はい、こちらアドール社です」
to be continued...
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