14 / 99
薬師ロセ
薬師ロセ④
しおりを挟む
自室があって良かったと思わずにはいられなかった。我慢しても涙が浮かんで止まらないし、気持ちは落ち込むばかりだった。
戸を閉じてしまうと隙間から入り込んだ月夜しか明かりがない部屋を突き進む。手探りで服を脱いでベッドに横たわった。まだ掛けるものもないので着ていた服を体に覆せると身を丸めた。
(大丈夫。明日は元気に笑ってみんなに挨拶できる。絶対に)
言い聞かせると無理やり目を閉じた。
生きる場所はここにしかないし、何も出来ないのは自分の責任だった。立場に甘え、何も覚えてこなかったアデリーが悪いのだ。
どこかでフクロウが鳴いている。夜気に周囲を囲まれ、夏だというのに凍りつきそうだった。
(なにもかも悪い夢で、明日目が覚めたときお母さんが微笑みかけてくれますように)
もし、そうなってもアデリーは料理を学びたいし、服も縫えるようにしたいと心に誓っていた。だから、とにかく今は眠りに落ちさせてほしいと神に懇願し、幾度も寝返りを打ってやっと眠りについたのだった。
翌朝、アデリーは肩を揺らされて目を覚ました。
「目を開けたか。大丈夫か?」
室内は暗く、しかし声の主はダグマだとすぐにわかった。ただ、目を開けることはおろか、口を開くことも難儀だった。
「看病して病をもらったんだな。寒くないか?」
油断すると微睡みの沼に引きずり込まれそうで、アデリーはベッドに腰をおろしていたダグマの衣服を掴んでいた。
「ダグマさん……」
「なんだ」
「私は起きなきゃだめなんで……」
脈を打つ頭痛に怯えて歯を食いしばった。頭が割れそうだ。
「起きる必要はない」
「私、ここしか居場所が──」
恐ろしい森での野宿は二度と嫌だった。古くから魔物が住むといわれている森で、幾晩も過ごしたが、アデリーはあの恐怖を味わうくらいなら無理してでも這い上がり仕事をしなければならないと思って必死だった。
半身を起き上がらせようと腕に力を込めたが、肘が抜けてベッドに突っ伏してしまった。
「あーあー、やめろ。俺が病人を追い出すと思うのか? まったく」
そう叱りつけると、ダグマは立ち上がり部屋から出ていってしまった。呆れられたのだと知り、ベッドに居るというのに森に放り出されたような気持ちになった。しかし、ダグマはすぐに戻ってきて、アデリーに毛皮をかけてくれたのだ。
「いいか、卑屈になるな。わかるな。確かにアデリーは何もできないが、そんなこと受け入れた時にわかってんだよ。だから、焦ることはこれっぽっちもない。これから仕事を覚えればいい。それには健康を取り戻さなきゃならないだろ」
アデリーはなんとか首を縦に振った。するとダグマが乱れた髪を直してくれた。
「とりあえず、カリーナを呼んでやる。もう一度言うが、俺はお前を迎え入れると決めたんだ。簡単には追い出さないからな」
最後に頬を撫で、立ち上がった。
「やれやれ、よく泣くな。じゃあ、カリーナを連れてくる」
「ダグマさん」
「なんだよ」
「……ありがとうございます」
ダグマは吐息のような笑いを漏らして肩を上げた。
「涙と礼がアデリーの得意分野なんだと思っとくよ。今はとにかく治せ」
ほどなくカリーナが足音を響かせてやってきた。
「アデリー! 昨日の夜も顔色が変だとおもってたんだよ。やっぱり体調おかしかったんだね」
カリーナの声は女性にしては低い方だが、今日はそんな声ですら頭にキンキンと響く感じがした。支えられて上半身を起こしたアデリーに、カリーナは額と額をくっつけて体温を測った。
「あらま。こりゃ高いね。熱だけかい? 他はどうなのよ」
カリーナはアデリーから離れて持ってきたカゴから中身を出していく。土瓶と、椀が入っていて、椀には皿が覆せてあった。
「スープなら飲めるだろ? 昨日のやつを薄めて持ってきてみたんだよ」
両手で椀を持ってきて、アデリーの横に座った。
「お腹が痛かったりするのかい?」
「いえ、頭……が、ちょっと」
ちょっとどころの話ではないが、とにかく頭が痛かった。カリーナはそんなアデリーの為に、スプーンでスープを口に運んでいく。優しい味のほんのり温かいスープだった。
「おいしい」
本当はもっとこの料理のおいしさを表現したいし、カリーナに伝えたかったがこれ以上の言葉は出てこなかった。頭がしっかり働いていないし、声もカスカスしてしまってしゃべる気力もあまりない。
「無理に食べなくてもいいからね」
カリーナはアデリーのペースに合わせてスープを運んでくれていた。
「食べなきゃ……元気になれません」
泣くこととお礼を言うことしか特技がないと言われた手前、ここは何としても元気を取り戻さなければならなかった。ここで死ぬわけにはいかないし、元気になって自分はここに住む価値がある人間だと証明しなければならないのだ。
持っていた椀とスプーンをかごに戻すと、カリーナはアデリーを抱き寄せた。柔らかく肉付きのいい体は下働きのミーナをほうふつとさせる。
「そんなに頑張らなくても良いじゃないか。体調を崩すってのはこれまで無理してきた証拠だろ? 慌てて元気にならなくたって、体がもう十分休めたと思えば自然と回復するもんさ」
「私、学ばなきゃならないことがいっぱいあって──」
「焦ったところでなんにも身に付きゃしないんだよ」
「でも……」
そこでいま一度カリーナはアデリーを諭すように抱きしめた。
「今は休むこと。それだって学びのうち。体調管理は自分で出来るようにしなきゃね」
離れていく身体にアデリーはほんの少し未練を感じていた。幸福を感じると体の奥底から力が湧いてくる気がしたのだ。
カリーナは再び椀とスプーンをとって、アデリーにスープを飲ませていく。全部飲み切ったところで今度は土瓶を取り出した。
「ロセから薬を貰おうとしたんだけど、あの子ったら自分の持ってる薬じゃたぶんアデリーの症状とは合わないって」
土瓶を手渡しながら「だから、これは単なる水。悪いねぇ」と、謝ってくれた。
「いえ、たとえ合うお薬があっても払えませんから」
これは嘘だった。金貨を手に入れたいばかりだからいくら薬が高価だといっても支払えるはずだ。
戸を閉じてしまうと隙間から入り込んだ月夜しか明かりがない部屋を突き進む。手探りで服を脱いでベッドに横たわった。まだ掛けるものもないので着ていた服を体に覆せると身を丸めた。
(大丈夫。明日は元気に笑ってみんなに挨拶できる。絶対に)
言い聞かせると無理やり目を閉じた。
生きる場所はここにしかないし、何も出来ないのは自分の責任だった。立場に甘え、何も覚えてこなかったアデリーが悪いのだ。
どこかでフクロウが鳴いている。夜気に周囲を囲まれ、夏だというのに凍りつきそうだった。
(なにもかも悪い夢で、明日目が覚めたときお母さんが微笑みかけてくれますように)
もし、そうなってもアデリーは料理を学びたいし、服も縫えるようにしたいと心に誓っていた。だから、とにかく今は眠りに落ちさせてほしいと神に懇願し、幾度も寝返りを打ってやっと眠りについたのだった。
翌朝、アデリーは肩を揺らされて目を覚ました。
「目を開けたか。大丈夫か?」
室内は暗く、しかし声の主はダグマだとすぐにわかった。ただ、目を開けることはおろか、口を開くことも難儀だった。
「看病して病をもらったんだな。寒くないか?」
油断すると微睡みの沼に引きずり込まれそうで、アデリーはベッドに腰をおろしていたダグマの衣服を掴んでいた。
「ダグマさん……」
「なんだ」
「私は起きなきゃだめなんで……」
脈を打つ頭痛に怯えて歯を食いしばった。頭が割れそうだ。
「起きる必要はない」
「私、ここしか居場所が──」
恐ろしい森での野宿は二度と嫌だった。古くから魔物が住むといわれている森で、幾晩も過ごしたが、アデリーはあの恐怖を味わうくらいなら無理してでも這い上がり仕事をしなければならないと思って必死だった。
半身を起き上がらせようと腕に力を込めたが、肘が抜けてベッドに突っ伏してしまった。
「あーあー、やめろ。俺が病人を追い出すと思うのか? まったく」
そう叱りつけると、ダグマは立ち上がり部屋から出ていってしまった。呆れられたのだと知り、ベッドに居るというのに森に放り出されたような気持ちになった。しかし、ダグマはすぐに戻ってきて、アデリーに毛皮をかけてくれたのだ。
「いいか、卑屈になるな。わかるな。確かにアデリーは何もできないが、そんなこと受け入れた時にわかってんだよ。だから、焦ることはこれっぽっちもない。これから仕事を覚えればいい。それには健康を取り戻さなきゃならないだろ」
アデリーはなんとか首を縦に振った。するとダグマが乱れた髪を直してくれた。
「とりあえず、カリーナを呼んでやる。もう一度言うが、俺はお前を迎え入れると決めたんだ。簡単には追い出さないからな」
最後に頬を撫で、立ち上がった。
「やれやれ、よく泣くな。じゃあ、カリーナを連れてくる」
「ダグマさん」
「なんだよ」
「……ありがとうございます」
ダグマは吐息のような笑いを漏らして肩を上げた。
「涙と礼がアデリーの得意分野なんだと思っとくよ。今はとにかく治せ」
ほどなくカリーナが足音を響かせてやってきた。
「アデリー! 昨日の夜も顔色が変だとおもってたんだよ。やっぱり体調おかしかったんだね」
カリーナの声は女性にしては低い方だが、今日はそんな声ですら頭にキンキンと響く感じがした。支えられて上半身を起こしたアデリーに、カリーナは額と額をくっつけて体温を測った。
「あらま。こりゃ高いね。熱だけかい? 他はどうなのよ」
カリーナはアデリーから離れて持ってきたカゴから中身を出していく。土瓶と、椀が入っていて、椀には皿が覆せてあった。
「スープなら飲めるだろ? 昨日のやつを薄めて持ってきてみたんだよ」
両手で椀を持ってきて、アデリーの横に座った。
「お腹が痛かったりするのかい?」
「いえ、頭……が、ちょっと」
ちょっとどころの話ではないが、とにかく頭が痛かった。カリーナはそんなアデリーの為に、スプーンでスープを口に運んでいく。優しい味のほんのり温かいスープだった。
「おいしい」
本当はもっとこの料理のおいしさを表現したいし、カリーナに伝えたかったがこれ以上の言葉は出てこなかった。頭がしっかり働いていないし、声もカスカスしてしまってしゃべる気力もあまりない。
「無理に食べなくてもいいからね」
カリーナはアデリーのペースに合わせてスープを運んでくれていた。
「食べなきゃ……元気になれません」
泣くこととお礼を言うことしか特技がないと言われた手前、ここは何としても元気を取り戻さなければならなかった。ここで死ぬわけにはいかないし、元気になって自分はここに住む価値がある人間だと証明しなければならないのだ。
持っていた椀とスプーンをかごに戻すと、カリーナはアデリーを抱き寄せた。柔らかく肉付きのいい体は下働きのミーナをほうふつとさせる。
「そんなに頑張らなくても良いじゃないか。体調を崩すってのはこれまで無理してきた証拠だろ? 慌てて元気にならなくたって、体がもう十分休めたと思えば自然と回復するもんさ」
「私、学ばなきゃならないことがいっぱいあって──」
「焦ったところでなんにも身に付きゃしないんだよ」
「でも……」
そこでいま一度カリーナはアデリーを諭すように抱きしめた。
「今は休むこと。それだって学びのうち。体調管理は自分で出来るようにしなきゃね」
離れていく身体にアデリーはほんの少し未練を感じていた。幸福を感じると体の奥底から力が湧いてくる気がしたのだ。
カリーナは再び椀とスプーンをとって、アデリーにスープを飲ませていく。全部飲み切ったところで今度は土瓶を取り出した。
「ロセから薬を貰おうとしたんだけど、あの子ったら自分の持ってる薬じゃたぶんアデリーの症状とは合わないって」
土瓶を手渡しながら「だから、これは単なる水。悪いねぇ」と、謝ってくれた。
「いえ、たとえ合うお薬があっても払えませんから」
これは嘘だった。金貨を手に入れたいばかりだからいくら薬が高価だといっても支払えるはずだ。
12
あなたにおすすめの小説
「がっかりです」——その一言で終わる夫婦が、王宮にはある
柴田はつみ
恋愛
妃の席を踏みにじったのは令嬢——けれど妃の心を折ったのは、夫のたった一言だった
王太子妃リディアの唯一の安らぎは、王太子アーヴィンと交わす午後の茶会。だが新しく王宮に出入りする伯爵令嬢ミレーユは、妃の席に先に座り、殿下を私的に呼び、距離感のない振る舞いを重ねる。
リディアは王宮の礼節としてその場で正す——正しいはずだった。けれど夫は「リディア、そこまで言わなくても……」と、妃を止めた。
「わかりました。あなたには、がっかりです」
微笑んで去ったその日から、夫婦の茶会は終わる。沈黙の王宮で、言葉を失った王太子は、初めて“追う”ことを選ぶが——遅すぎた。
そのご寵愛、理由が分かりません
秋月真鳥
恋愛
貧乏子爵家の長女、レイシーは刺繍で家計を支える庶民派令嬢。
幼いころから前世の夢を見ていて、その技術を活かして地道に慎ましく生きていくつもりだったのに——
「君との婚約はなかったことに」
卒業パーティーで、婚約者が突然の裏切り!
え? 政略結婚しなくていいの? ラッキー!
領地に帰ってスローライフしよう!
そう思っていたのに、皇帝陛下が現れて——
「婚約破棄されたのなら、わたしが求婚してもいいよね?」
……は???
お金持ちどころか、国ごと背負ってる人が、なんでわたくしに!?
刺繍を褒められ、皇宮に連れて行かれ、気づけば妃教育まで始まり——
気高く冷静な陛下が、なぜかわたくしにだけ甘い。
でもその瞳、どこか昔、夢で見た“あの少年”に似ていて……?
夢と現実が交差する、とんでもスピード婚約ラブストーリー!
理由は分からないけど——わたくし、寵愛されてます。
※毎朝6時、夕方18時更新!
※他のサイトにも掲載しています。
婚姻契約には愛情は含まれていません。 旦那様には愛人がいるのですから十分でしょう?
すもも
恋愛
伯爵令嬢エーファの最も嫌いなものは善人……そう思っていた。
人を救う事に生き甲斐を感じていた両親が、陥った罠によって借金まみれとなった我が家。
これでは領民が冬を越せない!!
善良で善人で、人に尽くすのが好きな両親は何の迷いもなくこう言った。
『エーファ、君の結婚が決まったんだよ!! 君が嫁ぐなら、お金をくれるそうだ!! 領民のために尽くすのは領主として当然の事。 多くの命が救えるなんて最高の幸福だろう。 それに公爵家に嫁げばお前も幸福になるに違いない。 これは全員が幸福になれる機会なんだ、当然嫁いでくれるよな?』
と……。
そして、夫となる男の屋敷にいたのは……三人の愛人だった。
「無能」と捨てられた少女は、神の愛し子だった――。 凍てつく北の地で始まる、聖獣たちと冷徹公爵による「世界一過保護な」逆転生活。
秦江湖
恋愛
魔法適性「鑑定」がすべてを決める、黄金の国ルミナリス。 名門ベルグラード公爵家の末娘アデリーンは、十五歳の鑑定式で、前代未聞の『鑑定不能(黒の沈黙)』を叩き出してしまう。
「我が家の恥さらしめ。二度とその顔を見せるな」
第一王子からは婚約破棄を突きつけられ、最愛の三人の兄たちからも冷酷な言葉とともに、極寒の地「ノースガル公国」へ追放を言い渡されたアデリーン。
着の身着のままで雪原に放り出された彼女が出会ったのは、一匹の衰弱した仔狼――それは、人間には決して懐かないはずの『伝説の聖獣』だった。
「鑑定不能」の正体は、魔力ゼロなどではなく、聖獣と心を通わせる唯一の力『調律師』の証。
行き倒れたアデリーンを救ったのは、誰もが恐れる氷の公爵ゼノスで……。
「こんなに尊い存在を捨てるとは、黄金の国の連中は正気か?」
「聖獣も、私も……お前を離すつもりはない」
氷の公爵に拾われ、聖獣たちに囲まれ、これまでの不遇が嘘のような「極上溺愛」を享受するアデリーン。
一方で、彼女を捨てた黄金の国は、聖獣の加護を失い崩壊の危機に直面していた。
慌ててアデリーンを連れ戻そうとする身勝手な王族たち。
しかし、彼らの前には「復讐」の準備を終えたアデリーンの兄たちが立ちはだかる。
「遅いよ。僕らのかわいい妹を泣かせた罪、一生かけて償ってもらうからね」
これは、すべてを失った少女が、真の居場所と愛を見つけるまでの物語。
【完結】冷酷伯爵ディートリヒは、去った妻を取り戻せない
くろねこ
恋愛
名門伯爵家に政略結婚で嫁いだ、正妻エレノア・リーヴェルト。夫である伯爵ディートリヒ・フォン・アイゼンヴァルトは、
軍務と義務を最優先し、彼女に関心を向けることはなかった。
言葉も、視線も、愛情も与えられない日々。それでも伯爵夫人として尽くし続けたエレノアは、ある一言をきっかけに、静かに伯爵家を去る決意をする。
――そして初めて、夫は気づく。
自分がどれほど多くのものを、彼女から与えられていたのかを。
一方、エレノアは新たな地でその才覚と人柄を評価され、
「必要とされる存在」として歩き始めていた。
去った妻を想い、今さら後悔する冷酷伯爵。前を向いて生きる正妻令嬢。
これは、失ってから愛に気づいた男と、
二度と戻らないかもしれない夫婦の物語。
――今さら、遅いのです。
【完結】白い結婚を終えて自由に生きてまいります
なか
恋愛
––アロルド、私は貴方が結婚初日に告げた言葉を今でも覚えている。
忘れもしない、あの時貴方は確かにこう言った。
「初めに言っておく、俺達の婚姻関係は白い結婚として……この関係は三年間のみとする」
「白い結婚ですか?」
「実は俺には……他に愛する女性がいる」
それは「公爵家の令嬢との問題」を理由に、三年間だけの白い結婚を強いるもの。
私の意思を無視して三家が取り決めたものであったが、私は冷静に合意を決めた
――それは自由を得るため、そして『私自身の秘密を隠すため』の計算でもあった。
ところが、三年の終わりが近づいたとき、アロルドは突然告白する。「この三年間で君しか見えなくなった。白い結婚の約束をなかったことにしてくれ」と。
「セシーリア、頼む……どうか、どうか白い結婚の合意を無かった事にしてくれ」
アロルド、貴方は何を言い出すの?
なにを言っているか、分かっているの?
「俺には君しかいないと、この三年間で分かったんだ」
私の答えは決まっていた。
受け入れられるはずがない。
自由のため、私の秘密を守るため、貴方の戯言に付き合う気はなかった。
◇◇◇
設定はゆるめです。
とても強い主人公が自由に暮らすお話となります。
もしよろしければ、読んでくださると嬉しいです!
もう一度あなたに逢いたくて〜こぼれ落ちた運命を再び拾うまで〜
雪野 結莉
恋愛
魔物を倒す英雄となる運命を背負って生まれた侯爵家嫡男ルーク。
しかし、赤ん坊の時に魔獣に襲われ、顔に酷い傷を持ってしまう。
英雄の婚約者には、必ず光の魔力を持つものが求められる。そして選ばれたのは子爵家次女ジーナだった。
顔に残る傷のため、酷く冷遇された幼少期を過ごすルークに差し込んだ一筋の光がジーナなのだ。
ジーナを誰よりも大切にしてきたルークだったが、ジーナとの婚約を邪魔するものの手によって、ジーナは殺されてしまう。
誰よりも強く誰よりも心に傷を持つルークのことが死してなお気になるジーナ。
ルークに会いたくて会いたくて。
その願いは。。。。。
とても長いお話ですが、1話1話は1500文字前後で軽く読める……はず!です。
他サイト様でも公開中ですが、アルファポリス様が一番早い更新です。
本編完結しました!
大変お待たせ致しました。番外編も完結いたしました!
愛する人は、貴方だけ
月(ユエ)/久瀬まりか
恋愛
下町で暮らすケイトは母と二人暮らし。ところが母は病に倒れ、ついに亡くなってしまう。亡くなる直前に母はケイトの父親がアークライト公爵だと告白した。
天涯孤独になったケイトの元にアークライト公爵家から使者がやって来て、ケイトは公爵家に引き取られた。
公爵家には三歳年上のブライアンがいた。跡継ぎがいないため遠縁から引き取られたというブライアン。彼はケイトに冷たい態度を取る。
平民上がりゆえに令嬢たちからは無視されているがケイトは気にしない。最初は冷たかったブライアン、第二王子アーサー、公爵令嬢ミレーヌ、幼馴染カイルとの交友を深めていく。
やがて戦争の足音が聞こえ、若者の青春を奪っていく。ケイトも無関係ではいられなかった……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる