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04
二人分の切なくて素敵な気持ち
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11
「今日も来てないか…」
“化野”では、洋一が寂しげに言う。
「ええ…恵夢ちゃんだけでなく紗良ちゃんも…」
志乃が熱燗を鍋から上げながら相手をする。
この一週間、恵夢と紗良は全く“化野”に顔を見せなくなってしまったのだ。
その居心地の良さから、二日に一度は必ず来ていた2人の不在は、なんだかとても寂しい気分になる。
志乃は心苦しかった。実は、2人が来なくなった経緯に心当たりがあるのだ。
話は時間を八日ほど遡る。
「恵夢…これやっぱりやばいんじゃ…」
「だめなら私一人で行くわよ」
恵夢と紗良は、看板になった後の“化野”に忍び込んでいた。
淫魔とヴァンパイアの特殊な能力として、どんなに厳重に施錠された部屋にでも忍び込めるというものがある。
かつてはその能力を駆使して眠っている人間の異性の部屋に忍び込み、血や精をすったりもしたが、現代では彼らの種族、コミュニティーでも御法度とされる。
犯罪になってしまうし、そんなことをしなくとも血や精は手に入るからだ。
だが、今夜恵夢と紗良が“化野”に忍んだのはそういう理由からではなかった。
確かめるためだ。自分の気持ちを。
足音を忍ばせて二階に上がると、女のあえぎ声が聞こえてくる。どうやらことの真っ最中らしい。
宿泊用の座敷のふすまを少しだけ開けて、恵夢と紗良は中をのぞき込む。
中では予想通りのことが行われていた。
「ああんっ!♥洋一さん…感じます…!♥あんっ…とっても気持ちいいのお!」
「志乃さん…可愛いよ…!志乃さんのお○んこ…大洪水だ…!」
布団の上では生まれたままの姿の志乃と洋一がバックでセックスをしていた。
ワンワンスタイルというのは、端から見ると本当に犬の交尾のようでとても卑猥に映る。
「あああっ…!♥洋一さん…大好きっ!愛してます!♥」
「俺も愛してるよ志乃さん!」
ちくん
志乃と洋一のその言葉を聞いた瞬間、恵夢の胸に苦しくて切ない気持ちがこみ上げてくる。前に紗良と洋一がキスしているときに感じたのと同じ気持ちが。
「洋一さん…洋一さん…!♥私もうイきそう…!♥イっちゃう!♥」
洋一の激しい性運動に身体も心も蕩けたのか、布団に突っ伏して上半身を預けてしまう志乃。
その時、恵夢は偶然にも志乃と目線が合ってしまう。
志乃は恵夢に向けて妖艶に微笑む。
恵夢はそれにいたたまれなくなり、こっそりその場から離れる。
紗良も心配になりながらそれについていく。
恵夢の耳には、愛を囁き合う洋一と志乃の言葉がいつまでも響いていた。
翌日から、恵夢と紗良は“化野”に姿を見せなくなってしまった。
志乃は心配していた。ちらりと見えた恵夢の寂しそうな表情の原因はきっと…。
それは素敵なことだけど、とっても苦しくて切ないこと…。
その時、志乃と洋一はふと店の扉の先に人の気配を感じる。
「恵夢、紗良!」
気になった洋一が扉を開けると、そこには恵夢と紗良が立っていた。一応自分たちの立場と“化野”の体裁を気にしてか、大人の仮の姿をしている。
さすがに冷えるので、いつもの服装の上に上着を着ている。それが、いつもとだいぶ違う印象を与える。
「やあ、洋一、ご無沙汰。恵夢を説得するのに時間がかかっちゃってさあ」
「………」
紗良は苦笑しながらそう言うが、恵夢はなにか思い詰めたように顔を逸らしたままだ。
「まあ入りなよ。寒いだろ」
洋一はそう言って恵夢と紗良を迎え入れる。
“ポン”という音とともに、恵夢と紗良は本来の幼い姿に戻る。
「志乃さん、熱燗二つね」
なにやら難しい状況らしい恵夢と紗良を気遣って、洋一は気を利かせて熱燗を注文することにする。
「ありがと、洋一」
「ありがと…」
よほど身体が冷えているのか、二人は出された熱燗を早いペースで飲み始める。
「手、こんなに冷たくなっちゃって…」
「あ…」
洋一は恵夢の手を握る。恵夢の身体から発せられる冷気から想像された通り、その小さな手は驚くほど冷たかった。
恵夢は、真っ赤になりながらも嫌がる様子はない。
「洋一、恵夢ばっかりずるい。ボクも」
そう言って、紗良が手を差し出して来る。洋一は紗良の手も握って温めてやる。紗良の手もまた冷え切っていた。
「洋一さん、二階空いてますからよかったらどうぞ」
志乃が親切にそう言ってくれる。
「じゃあ、行こうか」
「うん、行こう、恵夢」
「うん…」
いつもなら3人の中で一番率先して二階に上がるはずの恵夢が、洋一と紗良に手を引かれて行く。
「恵夢、どうしたの?具合でも悪い?」
「そうじゃ…ないけど…」
二階に上がっても、恵夢は洋一の顔をまともに見られない様子だった。
「まあ、病気って言えば病気かな?お医者様でも草津の湯でも治らない類いの…」
紗良が変わりに洋一の疑問に答える。
洋一ははっとする。そう言われてみれば、恵夢の態度は納得できるものがあったのだ。
「私、変なの…。紗良とガチレズプレイをした日から…」
恵夢がようやく洋一の方を向き、語り始める。
「紗良と洋一がキスしてるのを見たら、なんだか胸がいっぱいになって、すごく切なくて苦しくなって…。
後でよく考えたら、紗良に焼き餅焼いてたんだって気づいたの…。
洋一と紗良がキスしてるのがなんだか許せなくて…」
恵夢は手を自分の胸の前で握り合わせる。今にも泣きそうな顔だ。
「そのあと、自分の気持ちを確かめたくて、洋一と志乃さんがセックスしてるところを覗いたの。
その時はっきりわかった…。私は洋一が好きなんだって。
だからあの時紗良に嫉妬したんだって。
紗良のこと大事な友達だと思ってたし、好きだから…。そんなことを思った自分がいやで…。
でも洋一のことが好きって気持ちが抑えられなくて…。
どうしていいかわからなくて…」
涙目になる恵夢の顔に紗良の手が添えられ、恵夢の唇がキスで塞がれる。
「紗良…」
「恵夢、人を好きになるのも、焼き餅を焼くのも自然なことだよ。
それに、素敵なことじゃない?」
紗良は慈母観音の笑みを浮かべながら言う。
「こういうのはどうかな?ボクも洋一と一緒に好きになってよ。
焼き餅を焼きながらでもいい。本当は洋一を独占したいって思いながらでもかまわないから。
ボクも、恵夢を洋一と一緒に好きになるからさ♥」
紗良の言葉に、恵夢は花が開くような笑顔になる。泣いたカラスがもう笑うとはこのことだった。
「その手があったか♥私は洋一も好き。紗良も好き。一緒に愛しちゃえばいいわよね♥」
恵夢はそう言って紗良にキスをし返す。
傍らで成り行きを見守っていた洋一は、拍子抜けする。恋の悩みって、こんなにあっさりと片付くものなの?サキュバスだけに、考え方も人間とは違ってくるのか?そう思う一方で、恵夢が笑顔になってくれたことにほっとしてもいた。
いつも笑っていた恵夢が思い詰めたような顔をしているのを見るのは辛かったのだ。
「さて、恵夢の問題は一応解決だね。どうする?お邪魔ならボクは下で飲んでるけど?」
「ううん。一緒にいてよ、紗良。決めたんだから。洋一も紗良も愛するんだって♥」
そう言った2人は、次いで洋一の方を見る。2人の眼は、淫らに蕩けたものになっていた。
12
「ああん!♥洋一の…いつもより大きくてたくましいかも…素敵…すごく素敵…!♥」
「ああ…紗良の舌が気持ち良すぎて…」
「んふふ…お尻の穴ひくひくしてる…♥洋一、気持ちいいんだね…♥あむむ…」
思い切り強く恵夢の小さな身体を抱きしめながら正常位でセックスをしている洋一の尻の穴を、紗良が得意のア○ル舐めで感じさせている。
紗良の吐息が心地よく尻の穴に当たり、紗良が尻の割れ目にキスし、尻の穴のすぼまりを舌先でくりくりと刺激する。その倒錯した心地よさに、洋一はいつもより荒々しく勃起してしまっていた。
「あああ…恵夢…好きだよ…。愛してる…」
「あああん!♥嬉しい…!♥私も洋一が大好きだよ…ちゅっ!」
洋一の愛の囁きに胸がいっぱいになった恵夢が、唇を重ねる。
なんだ…私は洋一に好きって言って欲しかったんだ…。ただそれだけのことなのに、難しく考えて苦しんでたんだ…。
「洋一…洋一…♥奥をぐりぐりしてよ…♥あんっ♥私…奥が弱いから…」
「うん、深く突いてあげるよ…!」
洋一は陰茎を根元まで埋め込むと、奥の方で前後させる。恵夢の細い腰は折れてしまいそうなのに、蜜壺は陰茎をくわえ込んで離さない。他の女であれば痛がっていた
「洋一が恵夢のお○んこで感じると、こっちもひくひくするね…♥れろれろ…♥」
「うううん…♥洋一のお○んぽ…また大きくなって…♥すごく熱いよ…!奥が…奥が気持ちいいよお!」
「あああ…紗良のア○ル舐めが気持ち良すぎるから…」
入れるときは緩み、抜くときは締まる、絶妙な具合の恵夢の蜜壺に陰茎を擦られ、絶妙な舌使いの紗良のア○ル舐めで排泄する場所を感じさせられる。洋一はあまりの快感に、早くも射精の衝動を我慢できなくなり始めていた。
「あああ…恵夢…!もう出そうだよ…!」
「うん…うん…♥出して…!♥あんっ!私の奥にザーメンいっぱい出して!♥」
「ほれほれ…♥気持ちいいか…?ア○ル舐めされて出しちゃえ♥じゅるるっ」
洋一の腰の動きが激しくなり、絶頂に向けてスパートがかかる。奥をがすがすと突かれ、ボルチオを激しく刺激される恵夢の声が切迫したものになる。紗良のア○ル舐めに熱が入り、舌をぬるりと尻の穴のすぼまりに侵入させる。
「くうう…出るう…!」
「ああ…♥イく…!気持ちいい…イくうううううううううっ!
あ…ああああああああああああああーーーーーーーーーっ!」
洋一が陰茎を深く突き込んで、恵夢の一番奥に大量の白濁を注ぎ込む。ほぼ同時に恵夢がオーガズムを迎え、陰茎をぎゅっと締め付けて白濁を搾り取ろうとする。
紗良のア○ル舐めのためだろうか?なんだか全身がじんわりと痺れて宙に浮いたような感じのする射精だと、洋一は思った。
恵夢もまた、いつもより荒々しく勃起した洋一の陰茎から与えられる快感にうっとりとしてしまっていた。
2人は荒い息をついて、きつく抱き合ったまま恍惚として絶頂の余韻を味わい続けた。
紗良は、洋一の尻の穴に舌を入れたまま、洋一の括約筋がひくひくとする感触を楽しんでいた。
「ああ…♥恵夢の舌気持ちいい…!もっと…もっと舐めて…!あんっ!♥」
「じゅるるる…紗良のお○んこ…美味しい…♥れろれろ…」
選手交代とばかりに背面騎乗位で洋一とつながった紗良は、つながった部分を恵夢に舐められていた。
「おおお…恵夢の舌が…」
恵夢の舌が、紗良のクリトリスを、小陰唇を、そして洋一の裏筋を、玉袋を這い回る。
その巧みな舌使いは、紗良にも洋一にもたまらない快感をもたらしていた。
「あんっ!♥洋一のち○ちん…また大きくなって…!♥ああああ…!♥」
「紗良も洋一も…もっと気持ち良くしちゃうよ…♥じゅりゅりゅりゅうっ…♥」
紗良は、洋一の陰茎がいつもより大きくなって蜜壺の中で動く感触と、恵夢の舌が弱いところを舐め回す感触に急速に高まっていく。
ああ…中と外の気持ちいいところ刺激されて…たまらないよ…。
「だめえっ…!♥イく…♥ああ…あああああああああっ!」
紗良は膨らみかけの小さな身体を仰け反らせてオーガズムに達する。蜜壺と陰茎の隙間からとろりと愛液が溢れてくる。
「ふふふ…可愛いよ紗良♥私の舌と洋一のち○ぽと、どっちが気持ちいい?」
「そ…そんなのわからないよ…♥どっちも気持ち良すぎて…」
恵夢の意地悪な質問に、紗良は耳まで真っ赤になる。
実際答えられないのだ。陰茎で蜜壺を擦られるのも、舌でつながった部分を舐められるのも、とても心地よかったのだ。
「ねえ洋一、お尻の穴にも入れてよ?♥」
「うん…わかった。入れるけど、無理しないでね…」
紗良は腰を上げ、蜜壺からぬるりと陰茎を抜くと、尻の穴の入口にあてがう。二、三度すぼまりに浅く出し入れし、ゆっくりと腰を落としていく。
「ううううううううんっ!♥ちょっときつい…!あああ…」
陰茎が愛液でとろとろに濡れているとは言え、小さなすぼまりには太すぎるものだった。だが、陰茎はすぼまりを押し広げてめりめりと紗良の尻の穴を犯し始める。
「はあああん…♥お腹の中…ち○ちんでみっちり詰まってる…!♥すごい…」
すっかり陰茎が根元まで入ってしまうと、排泄する場所でセックスしている倒錯した興奮と、直腸が陰茎で満たされている感触を、紗良はうっとりと味わう。
「洋一…動くよ…♥ああ…♥擦れる…!お尻…気持ちいいっ!♥」
紗良がゆっくりと腰を使い始める。
一度オーガズムに達しているせいか、日頃の拡張とアナニーの成果か、紗良の尻の穴はすっかり性器に変わっている。敏感になった腸壁が亀頭で擦られる感覚がたまらなかった。
「おお…紗良のア○ル…気持ちいいよ…!」
「ボクも…ボクも気持ちいいよ♥ああああ…!♥ウ○チの穴が…感じちゃう…!」
洋一も、蜜壺とは全く違う尻の穴から与えられる快感に酔っていた。陰茎がどこまでも入っていってしまい、本来異物であるはずの陰茎を融和しようとする。
紗良も、尻の穴で洋一の固さと体温を感じられる幸福感と充足感にうっとりしてしまう。蜜壺よりも、挿入感と密着感が強いのだ。
「恵夢…♥お○んこ吸って…吸ってえっ!♥」
「いいよお…♥じゅるじゅるじゅる…れろれろれえ…!♥」
恵夢は紗良の言葉に応じて、ア○ルセックスの快感でこんこんと愛液を溢れさせる蜜壺に顔を寄せ、キスをして舌を這わせる。
紗良の白濁した、いわゆる本気汁は濃い女のにおいを発して、味も卑猥で濃厚な感じがした。
「ああああんっ!痛い…痛いいいいっ!♥あああああああああっ!♥」
「ちゅぱちゅぱ…じゅるるるるううう…♥」
恵夢の舌が女の部分を這い回り、その快感で紗良の尻の穴の括約筋に力が入ってしまう。尻の穴の力が入ればずきーんと痛いのに、その痛みさえ今の紗良には快感のパルスとして認識されてしまう。
恵夢も、紗良の女の部分が自分の愛撫に反応してひくひくとするのを楽しんでいた。
「だめ…変な所当たる…♥ウ○チの穴気持ちいいっ!イく…イくよ…!♥
おおっ…おおおおおおおおおおおおおおおおおおおうううっ!♥」
「俺も出すよ…!」
洋一の亀頭の先端が薄い膜越しに子宮を刺激し、恵夢の舌が紗良の蜜壺にぬるりと入り込んだ瞬間、紗良の頭の奥が白く弾け、排泄する場所でセックスしながらのオーガズムに達していた。
少し遅れて、陰茎がものすごい力で吸い込まれる感覚に耐えられず洋一が達し、紗良の腸の奥に白い飛沫を浴びせかけた。
一見すると少女にしか見えない紗良の外見とは裏腹の、激烈としか言いようのない肉の反応だった。
「きゃっ…♥」
陰毛が生えていない紗良の女の部分から白濁した愛液が勢いよく噴き出して、恵夢の顔を汚していく。それはまるで女の子の射精だった。
部屋に汗と精液と愛液のにおいが充満している。
三人は、激しいセックスの余韻をしばらくうっとりと味わっていた。
「なんか不思議な気分…。洋一が紗良とセックスしてると…すごく胸が切なくて苦しいのに…紗良が気持ち良くて幸せなら私も幸せって気持ちもあって…♥」
激しいセックスの後始末をしてシャワーを浴び、三人でベッドの上でじゃれ合いながら、恵夢が言う。
紗良に嫉妬する気持ちはあるのに、その紗良のことも大好きという気持ちもある。切ないけれど、素敵な感じ。
「ボクもなんだか、恵夢の恋の病がうつっちゃったかも…♥
洋一に抱かれてたら…洋一を大好きって気持ちが溢れて来ちゃって…。長く生きてるのに…こんな気持ち初めてだよ…♥
恵夢のことも…なんか前よりもっともっと好きになったかも♥」
紗良が、大きくきれいな眼でメガネ越しに洋一をのぞき込みながら言う。
洋一の顔をのぞき込んでいるとすごくドキドキする。これが誰かを好きなる…愛するってこと…。
「実は俺もさ…もう恵夢と紗良から離れられなくなってるんだ」
洋一は両脇に寝そべった恵夢と紗良の頭を抱き寄せて言う。
最初のきっかけは妖術で発情させられて二人とセックスをしたことだったかも知れない。最初は年端もいかない少女にしか見えない二人とセックスをすることにためらいもあった。
でも、今はもう恵夢と紗良を愛してしまっている。二人から離れられなくなっているとはっきりと言えた。
「洋一がついにロリコンに目覚めたわけね♥
こんなに切なくて素敵な気持ちにさせた責任、取りなさいよね♥」
「洋一と出会えて本当に良かったよ♥
洋一も恵夢も、こんなに大好きって気持ちになれたんだから♥
これからもよろしくね?」
そう言って二人は洋一に顔を寄せて目を閉じる。洋一は、ためらうことなく恵夢と紗良にキスしていた。
もうロリコンでいいや…ではないが、こんなに二人のことを好きになってしまったら、外見年齢などどうでも良くなってしまっているのだ。
座敷は、三人の愛欲と幸せに満たされていた。
13
そろそろ冬に入ろうかという季節。“化野”には今日も常連たちが集まって来る。
「こんばんわー。あー疲れた-」
「女将さん、ビール頂戴。後お腹空いてるんだ。なんかボリュームのあるものお願い」
かなりお疲れの様子の恵夢と紗良が暖簾をくぐって入って来る。
“ぽん”という音とともに二人は仮の大人の姿から本来の少女の姿に戻る。
考えてみれば、二人とも神社とお寺の経営者だ。社会的地位もあるし、責任も重い。大変なのだろうと洋一は思う。
「お疲れ様、恵夢も紗良も。忙しかったの?」
そう言って洋一は二人のグラスにビールをついでいく。
「よく聞いてくれました。そうなのよ。ご存じの通り保育園拡張するわけだけど、マイクロバスやら保育士の雇用やらいろいろ大変でね」
恵夢がビールに口をつけながら言う。
それに関してはお役所手続きを洋一が行政書士として引き受けているのでよく知っている。
待機児童問題が深刻なのをよそに、お役所は法律や条例通りの手続きを要求するばかりで全く問題を解決しようという気がない。
また、普通免許でマイクロバスを運転できたころとは違い、中型免許はそれなりにハードルが高い。マイクロバスを運転できる人間といってもその辺に転がっているわけではない。
「で、こっちは檀家で資産家で会社のオーナーだった人が亡くなってね。
大きな葬式やることになったんだけど、とにかく遺族も派手好きな人が多くてねえ。
あ、女将さん、あれお願い」
ビールを飲み干した紗良がため息をつきながら言う。
洋一も仕事柄企業の偉い人とのつき合いもあるが、金持ちは葬式や墓にまで見栄を張りたがる。寺も坊さんも葬儀屋も、儲かる反面大変なんだろうという想像はつく。
「大変だったね。二人ともお疲れ様」
洋一はそう言ってビールを二人についでやる。
どう見ても子供にしか見えない恵夢と紗良と一緒に酒を飲むのもすっかりなれた。洋一はそう思う。
「恵夢ちゃんも紗良ちゃんもお疲れ様。はい、どうぞ」
そう言って志乃はスパムむすびを二人に出す。
紗良には、それプラス鶏の血。
「おお、なんか美味しそう」
「たしか沖縄の料理だっけ?」
二人は喜んでスパムむすびを口に運ぶ。スパムミートの塩辛さとご飯の甘めの味が良くマッチしている。巻かれている海苔の味がまた乙と言えた。
スパムミート、あるいはランチョンミートと呼ばれる食品はアメリカの保存食だ。戦後の占領時代に沖縄でポピュラーな食材になった。
食べ方にも色々あるが、志乃はこれを平たく切ってフライパンで軽く炒め、四角く握ったおむすびの上に乗せて海苔を巻くやり方を選んだ。
「うん、ビールに良く合うね」
「ご飯に乗っけることを考えた人は天才だね」
恵夢と紗良は上機嫌だった。
うまい酒と料理は疲労に効果的だな。美味しそうにスパムむすびをぱくつく二人を見て洋一はそう思う。
まあ、紗良が鶏の血を美味しそうに飲んでいる。のはまだ慣れないが。
紗良が言うには、ヴァンパイアにとっては血であればとくに何の血かは問題ないらしい。最近は保健所がうるさいこともあるとか。
「洋一、後で肩と背中揉んでよ。事務仕事でかちかちでさあ」
「おう、いいよ」
恵夢は肩こりしやすい体質らしい。最近はマッサージはもっぱら洋一の役目になっている。
「洋一、ボクは髪洗って欲しいな。洋一は洗うのが上手だからね」
「うん、わかった」
紗良は、いつぞや風呂で洋一が髪を洗ってあげて以来洋一にシャンプーをしてもらうのがすっかりお気に入りだ。
「なんか、パパと娘みたいですねえ」
志乃が悪戯っぽい笑みを浮かべ、冗談めかして言う。
「せめて兄妹にしてくださいよ…」
そもそも、二人とも単純な年齢で言えば人生の大先輩だし。
「パパー♥」
「お兄ちゃん♥」
恵夢と紗良がふざけて抱きついてくる。
なんだか、洋一のことを本気で好きになって以来、二人ともすっかり甘えん坊になってしまったらしい。
最近では恵夢と紗良がちょくちょく洋一のアパートを訪ねて来ては、一緒の風呂や添い寝を要求する有様だ。
まあ、それだけ頼りにされてると思えば悪い気はしないか。甘えられるのもいいものだし。
恵夢のピンクブロンドのツインテールと、紗良の銀髪のベリーショートの髪を優しく撫でながら、洋一はそんなことを思うのだった。
つづく
「今日も来てないか…」
“化野”では、洋一が寂しげに言う。
「ええ…恵夢ちゃんだけでなく紗良ちゃんも…」
志乃が熱燗を鍋から上げながら相手をする。
この一週間、恵夢と紗良は全く“化野”に顔を見せなくなってしまったのだ。
その居心地の良さから、二日に一度は必ず来ていた2人の不在は、なんだかとても寂しい気分になる。
志乃は心苦しかった。実は、2人が来なくなった経緯に心当たりがあるのだ。
話は時間を八日ほど遡る。
「恵夢…これやっぱりやばいんじゃ…」
「だめなら私一人で行くわよ」
恵夢と紗良は、看板になった後の“化野”に忍び込んでいた。
淫魔とヴァンパイアの特殊な能力として、どんなに厳重に施錠された部屋にでも忍び込めるというものがある。
かつてはその能力を駆使して眠っている人間の異性の部屋に忍び込み、血や精をすったりもしたが、現代では彼らの種族、コミュニティーでも御法度とされる。
犯罪になってしまうし、そんなことをしなくとも血や精は手に入るからだ。
だが、今夜恵夢と紗良が“化野”に忍んだのはそういう理由からではなかった。
確かめるためだ。自分の気持ちを。
足音を忍ばせて二階に上がると、女のあえぎ声が聞こえてくる。どうやらことの真っ最中らしい。
宿泊用の座敷のふすまを少しだけ開けて、恵夢と紗良は中をのぞき込む。
中では予想通りのことが行われていた。
「ああんっ!♥洋一さん…感じます…!♥あんっ…とっても気持ちいいのお!」
「志乃さん…可愛いよ…!志乃さんのお○んこ…大洪水だ…!」
布団の上では生まれたままの姿の志乃と洋一がバックでセックスをしていた。
ワンワンスタイルというのは、端から見ると本当に犬の交尾のようでとても卑猥に映る。
「あああっ…!♥洋一さん…大好きっ!愛してます!♥」
「俺も愛してるよ志乃さん!」
ちくん
志乃と洋一のその言葉を聞いた瞬間、恵夢の胸に苦しくて切ない気持ちがこみ上げてくる。前に紗良と洋一がキスしているときに感じたのと同じ気持ちが。
「洋一さん…洋一さん…!♥私もうイきそう…!♥イっちゃう!♥」
洋一の激しい性運動に身体も心も蕩けたのか、布団に突っ伏して上半身を預けてしまう志乃。
その時、恵夢は偶然にも志乃と目線が合ってしまう。
志乃は恵夢に向けて妖艶に微笑む。
恵夢はそれにいたたまれなくなり、こっそりその場から離れる。
紗良も心配になりながらそれについていく。
恵夢の耳には、愛を囁き合う洋一と志乃の言葉がいつまでも響いていた。
翌日から、恵夢と紗良は“化野”に姿を見せなくなってしまった。
志乃は心配していた。ちらりと見えた恵夢の寂しそうな表情の原因はきっと…。
それは素敵なことだけど、とっても苦しくて切ないこと…。
その時、志乃と洋一はふと店の扉の先に人の気配を感じる。
「恵夢、紗良!」
気になった洋一が扉を開けると、そこには恵夢と紗良が立っていた。一応自分たちの立場と“化野”の体裁を気にしてか、大人の仮の姿をしている。
さすがに冷えるので、いつもの服装の上に上着を着ている。それが、いつもとだいぶ違う印象を与える。
「やあ、洋一、ご無沙汰。恵夢を説得するのに時間がかかっちゃってさあ」
「………」
紗良は苦笑しながらそう言うが、恵夢はなにか思い詰めたように顔を逸らしたままだ。
「まあ入りなよ。寒いだろ」
洋一はそう言って恵夢と紗良を迎え入れる。
“ポン”という音とともに、恵夢と紗良は本来の幼い姿に戻る。
「志乃さん、熱燗二つね」
なにやら難しい状況らしい恵夢と紗良を気遣って、洋一は気を利かせて熱燗を注文することにする。
「ありがと、洋一」
「ありがと…」
よほど身体が冷えているのか、二人は出された熱燗を早いペースで飲み始める。
「手、こんなに冷たくなっちゃって…」
「あ…」
洋一は恵夢の手を握る。恵夢の身体から発せられる冷気から想像された通り、その小さな手は驚くほど冷たかった。
恵夢は、真っ赤になりながらも嫌がる様子はない。
「洋一、恵夢ばっかりずるい。ボクも」
そう言って、紗良が手を差し出して来る。洋一は紗良の手も握って温めてやる。紗良の手もまた冷え切っていた。
「洋一さん、二階空いてますからよかったらどうぞ」
志乃が親切にそう言ってくれる。
「じゃあ、行こうか」
「うん、行こう、恵夢」
「うん…」
いつもなら3人の中で一番率先して二階に上がるはずの恵夢が、洋一と紗良に手を引かれて行く。
「恵夢、どうしたの?具合でも悪い?」
「そうじゃ…ないけど…」
二階に上がっても、恵夢は洋一の顔をまともに見られない様子だった。
「まあ、病気って言えば病気かな?お医者様でも草津の湯でも治らない類いの…」
紗良が変わりに洋一の疑問に答える。
洋一ははっとする。そう言われてみれば、恵夢の態度は納得できるものがあったのだ。
「私、変なの…。紗良とガチレズプレイをした日から…」
恵夢がようやく洋一の方を向き、語り始める。
「紗良と洋一がキスしてるのを見たら、なんだか胸がいっぱいになって、すごく切なくて苦しくなって…。
後でよく考えたら、紗良に焼き餅焼いてたんだって気づいたの…。
洋一と紗良がキスしてるのがなんだか許せなくて…」
恵夢は手を自分の胸の前で握り合わせる。今にも泣きそうな顔だ。
「そのあと、自分の気持ちを確かめたくて、洋一と志乃さんがセックスしてるところを覗いたの。
その時はっきりわかった…。私は洋一が好きなんだって。
だからあの時紗良に嫉妬したんだって。
紗良のこと大事な友達だと思ってたし、好きだから…。そんなことを思った自分がいやで…。
でも洋一のことが好きって気持ちが抑えられなくて…。
どうしていいかわからなくて…」
涙目になる恵夢の顔に紗良の手が添えられ、恵夢の唇がキスで塞がれる。
「紗良…」
「恵夢、人を好きになるのも、焼き餅を焼くのも自然なことだよ。
それに、素敵なことじゃない?」
紗良は慈母観音の笑みを浮かべながら言う。
「こういうのはどうかな?ボクも洋一と一緒に好きになってよ。
焼き餅を焼きながらでもいい。本当は洋一を独占したいって思いながらでもかまわないから。
ボクも、恵夢を洋一と一緒に好きになるからさ♥」
紗良の言葉に、恵夢は花が開くような笑顔になる。泣いたカラスがもう笑うとはこのことだった。
「その手があったか♥私は洋一も好き。紗良も好き。一緒に愛しちゃえばいいわよね♥」
恵夢はそう言って紗良にキスをし返す。
傍らで成り行きを見守っていた洋一は、拍子抜けする。恋の悩みって、こんなにあっさりと片付くものなの?サキュバスだけに、考え方も人間とは違ってくるのか?そう思う一方で、恵夢が笑顔になってくれたことにほっとしてもいた。
いつも笑っていた恵夢が思い詰めたような顔をしているのを見るのは辛かったのだ。
「さて、恵夢の問題は一応解決だね。どうする?お邪魔ならボクは下で飲んでるけど?」
「ううん。一緒にいてよ、紗良。決めたんだから。洋一も紗良も愛するんだって♥」
そう言った2人は、次いで洋一の方を見る。2人の眼は、淫らに蕩けたものになっていた。
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「ああん!♥洋一の…いつもより大きくてたくましいかも…素敵…すごく素敵…!♥」
「ああ…紗良の舌が気持ち良すぎて…」
「んふふ…お尻の穴ひくひくしてる…♥洋一、気持ちいいんだね…♥あむむ…」
思い切り強く恵夢の小さな身体を抱きしめながら正常位でセックスをしている洋一の尻の穴を、紗良が得意のア○ル舐めで感じさせている。
紗良の吐息が心地よく尻の穴に当たり、紗良が尻の割れ目にキスし、尻の穴のすぼまりを舌先でくりくりと刺激する。その倒錯した心地よさに、洋一はいつもより荒々しく勃起してしまっていた。
「あああ…恵夢…好きだよ…。愛してる…」
「あああん!♥嬉しい…!♥私も洋一が大好きだよ…ちゅっ!」
洋一の愛の囁きに胸がいっぱいになった恵夢が、唇を重ねる。
なんだ…私は洋一に好きって言って欲しかったんだ…。ただそれだけのことなのに、難しく考えて苦しんでたんだ…。
「洋一…洋一…♥奥をぐりぐりしてよ…♥あんっ♥私…奥が弱いから…」
「うん、深く突いてあげるよ…!」
洋一は陰茎を根元まで埋め込むと、奥の方で前後させる。恵夢の細い腰は折れてしまいそうなのに、蜜壺は陰茎をくわえ込んで離さない。他の女であれば痛がっていた
「洋一が恵夢のお○んこで感じると、こっちもひくひくするね…♥れろれろ…♥」
「うううん…♥洋一のお○んぽ…また大きくなって…♥すごく熱いよ…!奥が…奥が気持ちいいよお!」
「あああ…紗良のア○ル舐めが気持ち良すぎるから…」
入れるときは緩み、抜くときは締まる、絶妙な具合の恵夢の蜜壺に陰茎を擦られ、絶妙な舌使いの紗良のア○ル舐めで排泄する場所を感じさせられる。洋一はあまりの快感に、早くも射精の衝動を我慢できなくなり始めていた。
「あああ…恵夢…!もう出そうだよ…!」
「うん…うん…♥出して…!♥あんっ!私の奥にザーメンいっぱい出して!♥」
「ほれほれ…♥気持ちいいか…?ア○ル舐めされて出しちゃえ♥じゅるるっ」
洋一の腰の動きが激しくなり、絶頂に向けてスパートがかかる。奥をがすがすと突かれ、ボルチオを激しく刺激される恵夢の声が切迫したものになる。紗良のア○ル舐めに熱が入り、舌をぬるりと尻の穴のすぼまりに侵入させる。
「くうう…出るう…!」
「ああ…♥イく…!気持ちいい…イくうううううううううっ!
あ…ああああああああああああああーーーーーーーーーっ!」
洋一が陰茎を深く突き込んで、恵夢の一番奥に大量の白濁を注ぎ込む。ほぼ同時に恵夢がオーガズムを迎え、陰茎をぎゅっと締め付けて白濁を搾り取ろうとする。
紗良のア○ル舐めのためだろうか?なんだか全身がじんわりと痺れて宙に浮いたような感じのする射精だと、洋一は思った。
恵夢もまた、いつもより荒々しく勃起した洋一の陰茎から与えられる快感にうっとりとしてしまっていた。
2人は荒い息をついて、きつく抱き合ったまま恍惚として絶頂の余韻を味わい続けた。
紗良は、洋一の尻の穴に舌を入れたまま、洋一の括約筋がひくひくとする感触を楽しんでいた。
「ああ…♥恵夢の舌気持ちいい…!もっと…もっと舐めて…!あんっ!♥」
「じゅるるる…紗良のお○んこ…美味しい…♥れろれろ…」
選手交代とばかりに背面騎乗位で洋一とつながった紗良は、つながった部分を恵夢に舐められていた。
「おおお…恵夢の舌が…」
恵夢の舌が、紗良のクリトリスを、小陰唇を、そして洋一の裏筋を、玉袋を這い回る。
その巧みな舌使いは、紗良にも洋一にもたまらない快感をもたらしていた。
「あんっ!♥洋一のち○ちん…また大きくなって…!♥ああああ…!♥」
「紗良も洋一も…もっと気持ち良くしちゃうよ…♥じゅりゅりゅりゅうっ…♥」
紗良は、洋一の陰茎がいつもより大きくなって蜜壺の中で動く感触と、恵夢の舌が弱いところを舐め回す感触に急速に高まっていく。
ああ…中と外の気持ちいいところ刺激されて…たまらないよ…。
「だめえっ…!♥イく…♥ああ…あああああああああっ!」
紗良は膨らみかけの小さな身体を仰け反らせてオーガズムに達する。蜜壺と陰茎の隙間からとろりと愛液が溢れてくる。
「ふふふ…可愛いよ紗良♥私の舌と洋一のち○ぽと、どっちが気持ちいい?」
「そ…そんなのわからないよ…♥どっちも気持ち良すぎて…」
恵夢の意地悪な質問に、紗良は耳まで真っ赤になる。
実際答えられないのだ。陰茎で蜜壺を擦られるのも、舌でつながった部分を舐められるのも、とても心地よかったのだ。
「ねえ洋一、お尻の穴にも入れてよ?♥」
「うん…わかった。入れるけど、無理しないでね…」
紗良は腰を上げ、蜜壺からぬるりと陰茎を抜くと、尻の穴の入口にあてがう。二、三度すぼまりに浅く出し入れし、ゆっくりと腰を落としていく。
「ううううううううんっ!♥ちょっときつい…!あああ…」
陰茎が愛液でとろとろに濡れているとは言え、小さなすぼまりには太すぎるものだった。だが、陰茎はすぼまりを押し広げてめりめりと紗良の尻の穴を犯し始める。
「はあああん…♥お腹の中…ち○ちんでみっちり詰まってる…!♥すごい…」
すっかり陰茎が根元まで入ってしまうと、排泄する場所でセックスしている倒錯した興奮と、直腸が陰茎で満たされている感触を、紗良はうっとりと味わう。
「洋一…動くよ…♥ああ…♥擦れる…!お尻…気持ちいいっ!♥」
紗良がゆっくりと腰を使い始める。
一度オーガズムに達しているせいか、日頃の拡張とアナニーの成果か、紗良の尻の穴はすっかり性器に変わっている。敏感になった腸壁が亀頭で擦られる感覚がたまらなかった。
「おお…紗良のア○ル…気持ちいいよ…!」
「ボクも…ボクも気持ちいいよ♥ああああ…!♥ウ○チの穴が…感じちゃう…!」
洋一も、蜜壺とは全く違う尻の穴から与えられる快感に酔っていた。陰茎がどこまでも入っていってしまい、本来異物であるはずの陰茎を融和しようとする。
紗良も、尻の穴で洋一の固さと体温を感じられる幸福感と充足感にうっとりしてしまう。蜜壺よりも、挿入感と密着感が強いのだ。
「恵夢…♥お○んこ吸って…吸ってえっ!♥」
「いいよお…♥じゅるじゅるじゅる…れろれろれえ…!♥」
恵夢は紗良の言葉に応じて、ア○ルセックスの快感でこんこんと愛液を溢れさせる蜜壺に顔を寄せ、キスをして舌を這わせる。
紗良の白濁した、いわゆる本気汁は濃い女のにおいを発して、味も卑猥で濃厚な感じがした。
「ああああんっ!痛い…痛いいいいっ!♥あああああああああっ!♥」
「ちゅぱちゅぱ…じゅるるるるううう…♥」
恵夢の舌が女の部分を這い回り、その快感で紗良の尻の穴の括約筋に力が入ってしまう。尻の穴の力が入ればずきーんと痛いのに、その痛みさえ今の紗良には快感のパルスとして認識されてしまう。
恵夢も、紗良の女の部分が自分の愛撫に反応してひくひくとするのを楽しんでいた。
「だめ…変な所当たる…♥ウ○チの穴気持ちいいっ!イく…イくよ…!♥
おおっ…おおおおおおおおおおおおおおおおおおおうううっ!♥」
「俺も出すよ…!」
洋一の亀頭の先端が薄い膜越しに子宮を刺激し、恵夢の舌が紗良の蜜壺にぬるりと入り込んだ瞬間、紗良の頭の奥が白く弾け、排泄する場所でセックスしながらのオーガズムに達していた。
少し遅れて、陰茎がものすごい力で吸い込まれる感覚に耐えられず洋一が達し、紗良の腸の奥に白い飛沫を浴びせかけた。
一見すると少女にしか見えない紗良の外見とは裏腹の、激烈としか言いようのない肉の反応だった。
「きゃっ…♥」
陰毛が生えていない紗良の女の部分から白濁した愛液が勢いよく噴き出して、恵夢の顔を汚していく。それはまるで女の子の射精だった。
部屋に汗と精液と愛液のにおいが充満している。
三人は、激しいセックスの余韻をしばらくうっとりと味わっていた。
「なんか不思議な気分…。洋一が紗良とセックスしてると…すごく胸が切なくて苦しいのに…紗良が気持ち良くて幸せなら私も幸せって気持ちもあって…♥」
激しいセックスの後始末をしてシャワーを浴び、三人でベッドの上でじゃれ合いながら、恵夢が言う。
紗良に嫉妬する気持ちはあるのに、その紗良のことも大好きという気持ちもある。切ないけれど、素敵な感じ。
「ボクもなんだか、恵夢の恋の病がうつっちゃったかも…♥
洋一に抱かれてたら…洋一を大好きって気持ちが溢れて来ちゃって…。長く生きてるのに…こんな気持ち初めてだよ…♥
恵夢のことも…なんか前よりもっともっと好きになったかも♥」
紗良が、大きくきれいな眼でメガネ越しに洋一をのぞき込みながら言う。
洋一の顔をのぞき込んでいるとすごくドキドキする。これが誰かを好きなる…愛するってこと…。
「実は俺もさ…もう恵夢と紗良から離れられなくなってるんだ」
洋一は両脇に寝そべった恵夢と紗良の頭を抱き寄せて言う。
最初のきっかけは妖術で発情させられて二人とセックスをしたことだったかも知れない。最初は年端もいかない少女にしか見えない二人とセックスをすることにためらいもあった。
でも、今はもう恵夢と紗良を愛してしまっている。二人から離れられなくなっているとはっきりと言えた。
「洋一がついにロリコンに目覚めたわけね♥
こんなに切なくて素敵な気持ちにさせた責任、取りなさいよね♥」
「洋一と出会えて本当に良かったよ♥
洋一も恵夢も、こんなに大好きって気持ちになれたんだから♥
これからもよろしくね?」
そう言って二人は洋一に顔を寄せて目を閉じる。洋一は、ためらうことなく恵夢と紗良にキスしていた。
もうロリコンでいいや…ではないが、こんなに二人のことを好きになってしまったら、外見年齢などどうでも良くなってしまっているのだ。
座敷は、三人の愛欲と幸せに満たされていた。
13
そろそろ冬に入ろうかという季節。“化野”には今日も常連たちが集まって来る。
「こんばんわー。あー疲れた-」
「女将さん、ビール頂戴。後お腹空いてるんだ。なんかボリュームのあるものお願い」
かなりお疲れの様子の恵夢と紗良が暖簾をくぐって入って来る。
“ぽん”という音とともに二人は仮の大人の姿から本来の少女の姿に戻る。
考えてみれば、二人とも神社とお寺の経営者だ。社会的地位もあるし、責任も重い。大変なのだろうと洋一は思う。
「お疲れ様、恵夢も紗良も。忙しかったの?」
そう言って洋一は二人のグラスにビールをついでいく。
「よく聞いてくれました。そうなのよ。ご存じの通り保育園拡張するわけだけど、マイクロバスやら保育士の雇用やらいろいろ大変でね」
恵夢がビールに口をつけながら言う。
それに関してはお役所手続きを洋一が行政書士として引き受けているのでよく知っている。
待機児童問題が深刻なのをよそに、お役所は法律や条例通りの手続きを要求するばかりで全く問題を解決しようという気がない。
また、普通免許でマイクロバスを運転できたころとは違い、中型免許はそれなりにハードルが高い。マイクロバスを運転できる人間といってもその辺に転がっているわけではない。
「で、こっちは檀家で資産家で会社のオーナーだった人が亡くなってね。
大きな葬式やることになったんだけど、とにかく遺族も派手好きな人が多くてねえ。
あ、女将さん、あれお願い」
ビールを飲み干した紗良がため息をつきながら言う。
洋一も仕事柄企業の偉い人とのつき合いもあるが、金持ちは葬式や墓にまで見栄を張りたがる。寺も坊さんも葬儀屋も、儲かる反面大変なんだろうという想像はつく。
「大変だったね。二人ともお疲れ様」
洋一はそう言ってビールを二人についでやる。
どう見ても子供にしか見えない恵夢と紗良と一緒に酒を飲むのもすっかりなれた。洋一はそう思う。
「恵夢ちゃんも紗良ちゃんもお疲れ様。はい、どうぞ」
そう言って志乃はスパムむすびを二人に出す。
紗良には、それプラス鶏の血。
「おお、なんか美味しそう」
「たしか沖縄の料理だっけ?」
二人は喜んでスパムむすびを口に運ぶ。スパムミートの塩辛さとご飯の甘めの味が良くマッチしている。巻かれている海苔の味がまた乙と言えた。
スパムミート、あるいはランチョンミートと呼ばれる食品はアメリカの保存食だ。戦後の占領時代に沖縄でポピュラーな食材になった。
食べ方にも色々あるが、志乃はこれを平たく切ってフライパンで軽く炒め、四角く握ったおむすびの上に乗せて海苔を巻くやり方を選んだ。
「うん、ビールに良く合うね」
「ご飯に乗っけることを考えた人は天才だね」
恵夢と紗良は上機嫌だった。
うまい酒と料理は疲労に効果的だな。美味しそうにスパムむすびをぱくつく二人を見て洋一はそう思う。
まあ、紗良が鶏の血を美味しそうに飲んでいる。のはまだ慣れないが。
紗良が言うには、ヴァンパイアにとっては血であればとくに何の血かは問題ないらしい。最近は保健所がうるさいこともあるとか。
「洋一、後で肩と背中揉んでよ。事務仕事でかちかちでさあ」
「おう、いいよ」
恵夢は肩こりしやすい体質らしい。最近はマッサージはもっぱら洋一の役目になっている。
「洋一、ボクは髪洗って欲しいな。洋一は洗うのが上手だからね」
「うん、わかった」
紗良は、いつぞや風呂で洋一が髪を洗ってあげて以来洋一にシャンプーをしてもらうのがすっかりお気に入りだ。
「なんか、パパと娘みたいですねえ」
志乃が悪戯っぽい笑みを浮かべ、冗談めかして言う。
「せめて兄妹にしてくださいよ…」
そもそも、二人とも単純な年齢で言えば人生の大先輩だし。
「パパー♥」
「お兄ちゃん♥」
恵夢と紗良がふざけて抱きついてくる。
なんだか、洋一のことを本気で好きになって以来、二人ともすっかり甘えん坊になってしまったらしい。
最近では恵夢と紗良がちょくちょく洋一のアパートを訪ねて来ては、一緒の風呂や添い寝を要求する有様だ。
まあ、それだけ頼りにされてると思えば悪い気はしないか。甘えられるのもいいものだし。
恵夢のピンクブロンドのツインテールと、紗良の銀髪のベリーショートの髪を優しく撫でながら、洋一はそんなことを思うのだった。
つづく
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