閃くソトアオの翼 悪役令嬢ですけど、戦争だから悪役やってる場合じゃない! 

ブラックウォーター

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03 首都の空で

朗報を持って

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02

2018年8月14日 
 
 エスメロードは仮設宿舎の自室にこもって、ノートパソコンと資料室から借りてきた本とにらめっこになっていた。
 明日、8月15日。
 デウス軍占領下のアキツィア首都、ヨークトー奪還作戦が敢行される。
 (激戦は不可避か)
 そんなことを考える。
 今やアキツィアに侵攻したデウス軍は敗走に次ぐ敗走を重ね、消耗しきっている。
 だが、独裁政権であるデウス政府は、おそらく撤退を許可しないことだろう。
 開戦当初、ヨークトーを占領したことはデウス政府によってデウス国民に広く喧伝され、お祭り騒ぎが起きた。
 アキツィア南部で敗走を重ねた挙げ句に首都まで奪還されたとあっては、デウス政府の面子が丸つぶれになることは必至だった。
 (無意味な消耗戦になろうとも、デウス軍は抵抗する)
 エスメロードには確信があった。
 最悪の場合、デウス軍駐留部隊は、首都の民衆を人の盾として使うかも知れない。
 (父様、母様、ダイアン…)
 エスメロードは連絡のつかない家族のことを案じていた。
 勘当された身ではあるが、父や母、妹、そして家の使用人やメイドたちのことが気にならないといえば嘘になる。
 実の所、資料の山に埋もれているのも、家族のことを考えないようにするためだ。
 (今までの戦いは割り切れた…)
 不謹慎な考えだが、人が死んだとしてもそれが戦争なのだと開き直ることができた。
 だが、万一家族が戦闘ですでに死んでいたら?
 あるいは、明日の戦闘で巻き添えを食って死ぬことになったら?
 嫌な汗が背中を伝う。
 エスメロードは無理に心の中の目を閉じてパソコンに向き直る。
 そして、メーカーがネットで流している、戦闘機のテスト飛行の映像に注目した。

 そろそろ目が疲れ始めたというところで、ドアがノックされる。
 「はい」と応じてドアを開ける。
 そこに立っていたのはケンだった。
 「お邪魔だったかな?」
 「いえ、ちょうど休憩しようと思ってたから」
 「入ってもいいかい?ちょっと内密の話でね」
 「どうぞ」
 エスメロードはケンを迎え入れる。
 (ちょっと不用心かな?)
 そんなことを思う。
 ケンが万一変な気を起こしたら、女の力では男にはかなわないだろう。
 だが、エスメロードは明日の作戦のことで頭がいっぱいで、そこまで気を回す余裕がなかった。
 「おっと…すごい本の数。試験でも受けるの?」
 「いや。明日に備えてたの。
 デウス軍も馬鹿じゃない。そろそろ一線級の戦力を投入してくると見るべきでしょ」
 資料室から借りてきた資料は、戦闘機に関するものだった。
 現在各国で運用されている機体の資料はほぼ揃っていた。
 「やっぱり勉強が必要なわけか?」
 「知識だけでどうにかなるものじゃないけど。
 全く知らないで挑むよりはましね」
 F-16Cの三面図が書かれた本を斜め読みしたケンの問いに、エスメロードは肩をすくめる。
 基本設計、大きさ、エンジン出力、重量、パワーウェイトレシオ、ペイロード、レーダー有効半径。
 それらの知識を頭にたたき込んでおく必要がある。
 さらに、遠目から見た機体を一瞬で判別できることも必要になる。
 敵か味方か、どんな機体でどれほどの脅威になるか。
 それらを一瞬で見極められるかが生死をわけることだってあるのだ。
 「それで、用ってなに?」
 「ああ、実はヨークトーに住んでいる君の家族のことだ」
 そう言って、ケンは軍用のバックパックから紙ファイルを取り出す。
 表紙にアイズオンリー(持ち出し禁止)の文字が打たれているのを見て、エスメロードはぎょっとする。
 「ちょっと、これ機密資料でしょ?
 まずいじゃないの?」
 「ああ。だが、これを見ずに君らに飛んで欲しくなくてね」
 そう言って、ケンは1ページ目を開いてみせる。
 それはドイツ語だった。デウスの公用語だ。
 少しなら読める。
 (ヨークトー都民、安否確認報告?)
 ワープロ書きのタイトルはそう読めた。
 「デウス占領軍の資料じゃない?こんなものどうやって?」
 「それは秘密だ。
 ただ、情報戦は我々陸自の情報部の所管だからね。こういう情報も入ってくる」
 ケンの説明によると、デウス軍の占領部隊は首都の戸籍を元に、都民の安否確認を実施しているらしい。
 (占領政策の一環というわけか)
 占領軍による軍政が行われるなら、戦闘が起きた後の事後処理はデウス軍の責任ということになる。
 死んでいるか生きているか、怪我はしているかなどの確認報告を全ての都民に対して実施していたようだ。
 (几帳面なデウスらしいな)
 エスメロードは素直に感心する。
 確かに軍政を行うには、いい加減なやり方は許されなかったろう。
 政治とは、大衆に受け入れられなければ結局機能しないのだ。
 まして、軍政とは暴力装置に基礎を置いた政治である。
 まずは占領軍がしっかりとしているところを見せる必要があったわけだ。
 都民の関心事である、家族や友達の安否確認を行ったことは慧眼と言えた。
 「で、ここだ」
 ケンはファイルをぱらぱらとめくると、アルファベット順に並んだ姓の一つを指さす。
 「無事なの?全員、本当に?」
 エスメロードは、家族全員が生存していて、しかも怪我もしていないという表記をすぐには信じられなかった。
 自衛軍がほとんど戦わずに南部に撤退したとはいえ、ヨークトーとその周辺では戦闘も散発的に起きたと聞く。
 無傷ですんだとは思えなかったのだ。
 「それに関しては信用していいと思うよ。
 首都にも偵察は出ている。
 デウス軍の軍政はけっこう整然としている。
 財産を略奪したり、強姦や放火が行われたりってことは全くないらしい」
 エスメロードはそれを聞いて内心胸をなで下ろしていた。
 母や妹やメイドたちが、デウス兵たちの精液便所に堕とされている可能性をどこかで考えていたのだ。
 「よかった。
 ありがとう、ケン。
 実を言うと、家族のことが心配で仕方なかったの」
 感極まったエスメロードは、知らず知らずのうちにケンに抱きついていた。
 「あ…あの…。柔らかいの当たってるんだけど…」
 「あ…ご…ごめん」
 慌てて離れるエスメロード。
 (いけないいけない。こうも無防備だと、チョロい女と思われてしまう)
 そんなことを思いながら咳払いする。
 「それはともかく。
 こんな情報持ち出していいの?
 ばれたら処罰されるでしょ?」
 ケンの立場なら自分で閲覧することはできても、持ち出しは下手をすれば懲罰どころか刑事事件だ。
 「処罰がなにさ。
 みんなに迷いや不安を抱えたまま戦って欲しくなかった。
 それは戦場では命取りになる。
 家族の安否が不明っていうのが一番まずいからね」
 「ケン…」
 エスメロードはケンの慧眼と気遣いに、素直に敬服と感謝の念を抱いていた。
 自分たちは軍人だ。戦えと命令されれば戦うだけだ。
 だが、家族がどうなっているのかという不安を抱えたままでは、満足に戦えない。
 生きているにしろ死んでいるにしろ、家族の安否がわかるだけでも大きな救いなのだ。
 「ありがとう。
 これで、全力で飛んで戦えるわ」
 「役に立てて嬉しいよ。
 だが、礼を言うのは首都を奪還してからにしてくれ。
 首都が戦場になったら、この安否確認は過去のものになる可能性もある」
 ケンは背筋を伸ばしてそう答える。
 エスメロードもそれに応じて背筋を伸ばす。
 「そうね。明日はお互い全力を出しましょう」
 「おう。奪還した首都でデートしようぜ」
 「え…」
 ケンは、去り際に重要なことをさらりと言ってドアの向こうに消える。
 恐らく、他の将兵たちにも家族の安否を伝えに行くのだろう。
 エスメロードはあっけに取られていた。
 (ブルータス、お前もか…てか?)
 最近、なにやら突然モテ始めたような気がする。
 まあ、それ自体は悪いことではないと思える。
 今はソロ活動中だし、一番距離が近いジョージともキス止まりだ。が...。
 (なにやら素敵だけどめんどくさいことが起きそう…)
 そんな漠然とした不安に包まれるエスメロードだった。

 
2020年6月28日

 アキツィア首都、ヨークトー。アーバンホテル。
 「これは一体どういうことだ…?」
 マット・オブライアンは、持っていたビールのグラスを取り落としそうになった。
 テレビの画面に再生された映像は、それだけ衝撃を受けるのに充分だった。
 映像のタイムレコードは、“2018/12/24 イノケンタス”と読めた。
 (イノケンタス、確か、デウス戦争の講和が話し合われていたな…)
 ホワイトクリスマスと言える天候の中、燃えさかるなにかが雲を突き破って落下してくる。
 やがてそれは地表に直撃し、すさまじい爆発を引き起こした。
 イノケンタスのクラシカルで落ち着いた町並みが、たちまち焼き尽くされていく。
 「隕石…?いや違う、これは衛星だ」
 最初はなにが起きたのか、マットには皆目検討もつかなかった。
 だが、何度もスロー再生して見る内に、燃えさかりながら落下するものが衛星だと気づく。
 わずかに見えた程度だが、部品を周囲にばらまきながら落下している。以前取材した、老朽化した衛星の落下の場面に酷似しているのだ。
 「だが、こんなこと初耳だぞ…」
 戦時であった2018年は、毎日のように新聞やテレビ、インターネット記事を見逃さないようにしていた。
 こんなドラスティックなことがあったなら、見落としているはずがない。
 (報道管制が敷かれた?)
 思い当たったのはそれだった。
 おかわりのビールをグラスに注いで、マットはインターネットで2018年の出来事を検索してみる。
 「ない…」
 どこにも、衛星が落下した等という記録はない。
 だが、興味深い記事を見つけることができた。
 “イノケンタスで大規模なガス爆発。講和妨害を目的としたテロの疑い?”
 マイナーな日刊スポーツ紙の記事だが、マットはそれに興味を引かれた。
 整理するとこういうことだ。
 デウス戦争の講和が話し合われていた2018年12月24日、イノケンタスに人工衛星がプレゼントされ、多くの被害が出た。
 だが、各国のどのマスコミもそれを報道しなかった。講和が話し合われている時で、世界中からプレスがイノケンタスに集まっていたにも関わらず。
 恐らく各国政府の圧力で。
 それは、衛星の落下そのものをなかったことにしなければならなかった理由が、なにかしらあることを意味していた。
 「いよいよきな臭くなってきた」
 ビールをあおりながら、マットはつぶやく。
 “国内では決して観るな。出国した後も、外部に繋がった端末で観るのは厳禁だ”
 上司であるピーター・ロッドマンが、自分の取材先に送ってきた映像DVDに張られていた付箋に書かれていた言葉だ。
 その意味を、マットはようやく理解した。
 外圧に屈しないことを信条としてきたロッドマンが、この映像を公開することができなかった。
 それだけ強い力が働いたことになる。
 そして、そんな暴力的なやり方をしなければならなかったなにかが、あの戦争にはあったことも意味していた。
 “覚えておけ。知ったら戻れなくなるぞ”
 ライズインフォの事務所を送り出されるとき、ロッドマンに言われた言葉だ。
 その意味を、マットは痛感していた。
 「気合いを入れ直した方が良さそうだ」
 マットは2本目のビールを開けながらつぶやく。
 2日後、このヨークトーで戦争当時を知る人間にインタヴューすることになっている。
 その時の取材の内容を再検討する必要がありそうだった。
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