58 / 64
07 復讐の翼
爆風弾雨
しおりを挟む
12
それからしばらくは、特に尾行の形跡もなく順調だった。
だが運転手は、安全の為に同じ場所を何度も廻っている。
「うん?あれは…」
見覚えのある街路を3周もしただろうか。
それまでなかったものが道を塞いでいた。
それは救急車だった。
事故を起こした車に駆けつけたらしい。
運転手は、止まるわけには行かないとバックしようとする。
その時だった。
「危ない!」
救急隊員の制服を着た男が、M72LAWロケットランチャーを取り出し、こちらに向けたのだ。
マットと運転手は反射的に頭を下げる。
後方確認を省略してハンドルを切りながらバックしたのが幸いした。ロケット弾はSUVをかすめて、傍らの商店のシャッターを直撃し、大穴を開けた。
運転手は十字路に出ると車を切り返し、アクセルを踏み込む。
ところが、そこでまたも予想外のことが起きる。
所属不明の装輪装甲車が路肩の建設現場から飛び出してきて、幅寄せをかけてきたのだ。
「くそ!」
運転手が毒づく。
馬力が自慢のSUVも、重量にして倍以上ある装輪装甲車には分が悪い。
車体がガードレールに押しつけられて、火花を上げる。
「舌を噛むな!」
SUVは回転しながら路肩に放置されていた段ボールの山に突っ込み、やっと停車した。
「出るぞ!」
運転手に連れられ、マットは砲弾で大穴が開いた建物に隠れる。太鼓橋や滑り台があることからして、元は保育園だったらしい。
「まずいですね…」
「最悪俺が囮になる。目的地はここから歩いても…」
運転手はその言葉を最後まで言うことができなかった。
突然、外で銃撃戦が始まったからだ。
「なにが起きているんです?」
「わからんが妙だな。どちらも5.56ミリの音だ…」
そう言われればマットにも違和感があった。
この辺の紛争地帯でゲリラや民兵が使っているのは、いまだにもっぱら7.62ミリを使用するAK-47やAKMのはずだ。
1丁が非常に安く、映画のブルーレイやDVDと同じ程度の値段で手に入るからだ。
それの5倍以上するいい銃を、わざわざ使うとは思えない。
そんなことを思っている間にも、外での銃撃戦はひどくなる一方だった。
無反動砲か対戦車ミサイルが使われたのだろう。
装輪装甲車が爆発炎上する。
マットと運転手は、ただ成り行きを見守ることしかできなかった。
「まったく世話が焼ける…」
400メートル東で、そんなことをつぶやきながらドラグノフ狙撃銃を構えている男がいた。
銃撃戦の当事者たちを一人ずつ照準に捉え、狙撃していく。
激しい銃撃戦に狙撃が加わり、パニックになった銃撃戦の当事者たちは、銃弾をばらまきながら後退を試みる。
両サイドとも、逃げおおせたのは2、3人に過ぎなかった。
だが、それでも客人に対して驚異であることに変わりはない。
逃がしてはならない。
男はドラグノフを物陰に隠すと、愛用のAKMのボルトを引いて肩に担ぎその場を後にした。
「しつこいやつらだ」
指定された場所を目前にして、マットと運転手はまたも銃撃を受けることとなったのだ。
今度はどうあっても2人を殺す気らしい。
しつこく撃ちかけてくる。
「僕が囮になります!」
「おい…!」
マットは運転手の静止も聞かず、P99を構えて出て行く。
油断してうっかり頭を上げた敵の一人が、運転手に射殺される。
だが、幸運もそこまでだった。
「動くな!」
斜め後ろから声をかけられる。
「あんたは…」
P99を置いて振り向いて、マットは仰天することになる。
G36を構えた男は、昨日ホテルで見かけたニュースクルーの一人だったからだ。
「“飛龍”はどこだ!?」
「言うと思うのか?僕はジャーナリストだ。取材の秘密は明かせない」
マットの返答に、男の表情があからさまな怒りのそれに変わっていく。
「ろくでもないな。
報道の自由を振りかざして国益を平気で害する。
真実を暴くことがそんなに偉いのか?
恥を知れ、売国奴が!」
マットは、男の口調に明らかに私怨が含まれているのを感じた。
おおかた自分が出世し損なったのを、メディアのせいにしているのだろう。
こんなやつが国益を語るなど片腹痛い。
「笑わせるな!あんたの言う国益ってなんだ?
あんたの出世や面子か?政治家たちの票や利権か?
それを世間じゃ私利私欲って言うんだよ!」
マットの反論に、男の顔から表情が消える。
これはまずいかな?
そう思う。
図星を疲れてぷつんと切れたのだ。
“飛龍”の居場所などどうでもいい。殺してやる。男の目がそう言っていた。
そして銃声が響く。
だが、倒れたのはマットではなく男の方だった。
回り込んだ運転手が横から撃ち殺したのだ。
「さて、ここで問題だ。
同じ車の中にヒスパニックと黒人が乗っている、運転しているのは?」
「警官」
運転手の謎かけに、マットは少し考えてから答える。
ユニティアの社会構造を揶揄するブラックジョークだ。
人種のサラダボウルである一方で経済格差がひどい。
マイノリティはそれなりの暮らしをしたければ、公務員になるか犯罪者になることをたいてい選ぶことになる。
それを端的に表現した謎かけだ。
「俺がさっき撃ったやつは黒人だった。銃撃戦をやらかしたやつらの中には、髪の黒い白人もいた。
おそらく情報部の人間だな」
運転手は、自分が射殺した男を調べながらそう推測する。
実際、ボディーアーマーと武器弾薬以外は、ジャーナリストそのものの変装だった。
だが変装が完璧すぎる。先ほどの“国益”という言葉と照らし合わせても、政府の人間と見て間違いなさそうだった。
良くできた偽造の身分証の名前は、アンダーセンと読めた。
一方、銃撃戦の当事者たちのもう一方の生き残りの男二人は、砲弾で穴の開いたビルの内部を伝って逃げていた。
だが、しょせん土地勘ではこの辺りの者には及ばない。
男の一人が、銃撃を浴びて倒れる。
もう一人は、かすかに見えた人影に向けてFN-SCARLを発砲する。
だが、銃弾は空しくコンクリートをかすめるだけだった。
「銃を捨てろ」
いつの間にか回り込まれていたらしい。
後ろから声がかかる。
男はタクティカルスリングのバックルを外し、SCARLを地面に落とす。
正面のガラスに映った、CZ-75を構えた男の顔には見覚えがあった。
ほこりにまみれたM65フィールドジャケットの上に、マガジンポーチがすずなりになったアーマープレートキャリアをつけ、首にカモフラージュスカーフを巻いた姿は典型的な傭兵かPMCだ。
だが、かつてのパイロットの面影はなくとも、間違いようがなかった。
「お前は…“深紅の飛龍”!」
「ほう…俺を知っているのか?」
男の眉間にしわが寄る。
「知っているとも…!
お前もバロムスキーも、祖国から受けた大恩を忘れて敵になる。
反逆者…恥知らずどもが…!」
ジョージ・ケインは、一瞬目を丸くし、注いで厳しい表情になる。
「なに、そっちの祖国か?
二度馬鹿な戦争をおっぱじめた挙げ句に二度とも敗北。それにこりもせずまだなにか企んでいるのか?
悪いが、俺の客人には手を出させんぞ。
ついでに、反逆者と言う部分は否定せんが、お前たちに恥知らずと言われる道理はない」
やましいところがあったのか、ジョージの言葉に激昂した男は、腰のホルスターからHKUSPを抜いて構えようとする。
だが、間に合うはずもなかった。
Cz-75が火を吹き、男が糸の切れた人形のように倒れ伏す。
ジョージはそれでも気を許さず、4発、5発と撃ち込んでいく。
“そっちの祖国”の人間だったとすると、マット・オブライアンの拉致を目的にしていたということか。
彼はユニティアが隠蔽、歪曲したデウス戦争の真実をほぼ全て突き止めている。
誘拐して、彼の取材資料をネタにユニティアを脅迫でもしようというのだろう。
当然真実は隠蔽したまま。
「そんなことをさせるものか。
あの戦争の真実は、明らかにする」
誰ともなくそうつぶやいて、ジョージは客人との約束の場所に急いだ。
それからしばらくは、特に尾行の形跡もなく順調だった。
だが運転手は、安全の為に同じ場所を何度も廻っている。
「うん?あれは…」
見覚えのある街路を3周もしただろうか。
それまでなかったものが道を塞いでいた。
それは救急車だった。
事故を起こした車に駆けつけたらしい。
運転手は、止まるわけには行かないとバックしようとする。
その時だった。
「危ない!」
救急隊員の制服を着た男が、M72LAWロケットランチャーを取り出し、こちらに向けたのだ。
マットと運転手は反射的に頭を下げる。
後方確認を省略してハンドルを切りながらバックしたのが幸いした。ロケット弾はSUVをかすめて、傍らの商店のシャッターを直撃し、大穴を開けた。
運転手は十字路に出ると車を切り返し、アクセルを踏み込む。
ところが、そこでまたも予想外のことが起きる。
所属不明の装輪装甲車が路肩の建設現場から飛び出してきて、幅寄せをかけてきたのだ。
「くそ!」
運転手が毒づく。
馬力が自慢のSUVも、重量にして倍以上ある装輪装甲車には分が悪い。
車体がガードレールに押しつけられて、火花を上げる。
「舌を噛むな!」
SUVは回転しながら路肩に放置されていた段ボールの山に突っ込み、やっと停車した。
「出るぞ!」
運転手に連れられ、マットは砲弾で大穴が開いた建物に隠れる。太鼓橋や滑り台があることからして、元は保育園だったらしい。
「まずいですね…」
「最悪俺が囮になる。目的地はここから歩いても…」
運転手はその言葉を最後まで言うことができなかった。
突然、外で銃撃戦が始まったからだ。
「なにが起きているんです?」
「わからんが妙だな。どちらも5.56ミリの音だ…」
そう言われればマットにも違和感があった。
この辺の紛争地帯でゲリラや民兵が使っているのは、いまだにもっぱら7.62ミリを使用するAK-47やAKMのはずだ。
1丁が非常に安く、映画のブルーレイやDVDと同じ程度の値段で手に入るからだ。
それの5倍以上するいい銃を、わざわざ使うとは思えない。
そんなことを思っている間にも、外での銃撃戦はひどくなる一方だった。
無反動砲か対戦車ミサイルが使われたのだろう。
装輪装甲車が爆発炎上する。
マットと運転手は、ただ成り行きを見守ることしかできなかった。
「まったく世話が焼ける…」
400メートル東で、そんなことをつぶやきながらドラグノフ狙撃銃を構えている男がいた。
銃撃戦の当事者たちを一人ずつ照準に捉え、狙撃していく。
激しい銃撃戦に狙撃が加わり、パニックになった銃撃戦の当事者たちは、銃弾をばらまきながら後退を試みる。
両サイドとも、逃げおおせたのは2、3人に過ぎなかった。
だが、それでも客人に対して驚異であることに変わりはない。
逃がしてはならない。
男はドラグノフを物陰に隠すと、愛用のAKMのボルトを引いて肩に担ぎその場を後にした。
「しつこいやつらだ」
指定された場所を目前にして、マットと運転手はまたも銃撃を受けることとなったのだ。
今度はどうあっても2人を殺す気らしい。
しつこく撃ちかけてくる。
「僕が囮になります!」
「おい…!」
マットは運転手の静止も聞かず、P99を構えて出て行く。
油断してうっかり頭を上げた敵の一人が、運転手に射殺される。
だが、幸運もそこまでだった。
「動くな!」
斜め後ろから声をかけられる。
「あんたは…」
P99を置いて振り向いて、マットは仰天することになる。
G36を構えた男は、昨日ホテルで見かけたニュースクルーの一人だったからだ。
「“飛龍”はどこだ!?」
「言うと思うのか?僕はジャーナリストだ。取材の秘密は明かせない」
マットの返答に、男の表情があからさまな怒りのそれに変わっていく。
「ろくでもないな。
報道の自由を振りかざして国益を平気で害する。
真実を暴くことがそんなに偉いのか?
恥を知れ、売国奴が!」
マットは、男の口調に明らかに私怨が含まれているのを感じた。
おおかた自分が出世し損なったのを、メディアのせいにしているのだろう。
こんなやつが国益を語るなど片腹痛い。
「笑わせるな!あんたの言う国益ってなんだ?
あんたの出世や面子か?政治家たちの票や利権か?
それを世間じゃ私利私欲って言うんだよ!」
マットの反論に、男の顔から表情が消える。
これはまずいかな?
そう思う。
図星を疲れてぷつんと切れたのだ。
“飛龍”の居場所などどうでもいい。殺してやる。男の目がそう言っていた。
そして銃声が響く。
だが、倒れたのはマットではなく男の方だった。
回り込んだ運転手が横から撃ち殺したのだ。
「さて、ここで問題だ。
同じ車の中にヒスパニックと黒人が乗っている、運転しているのは?」
「警官」
運転手の謎かけに、マットは少し考えてから答える。
ユニティアの社会構造を揶揄するブラックジョークだ。
人種のサラダボウルである一方で経済格差がひどい。
マイノリティはそれなりの暮らしをしたければ、公務員になるか犯罪者になることをたいてい選ぶことになる。
それを端的に表現した謎かけだ。
「俺がさっき撃ったやつは黒人だった。銃撃戦をやらかしたやつらの中には、髪の黒い白人もいた。
おそらく情報部の人間だな」
運転手は、自分が射殺した男を調べながらそう推測する。
実際、ボディーアーマーと武器弾薬以外は、ジャーナリストそのものの変装だった。
だが変装が完璧すぎる。先ほどの“国益”という言葉と照らし合わせても、政府の人間と見て間違いなさそうだった。
良くできた偽造の身分証の名前は、アンダーセンと読めた。
一方、銃撃戦の当事者たちのもう一方の生き残りの男二人は、砲弾で穴の開いたビルの内部を伝って逃げていた。
だが、しょせん土地勘ではこの辺りの者には及ばない。
男の一人が、銃撃を浴びて倒れる。
もう一人は、かすかに見えた人影に向けてFN-SCARLを発砲する。
だが、銃弾は空しくコンクリートをかすめるだけだった。
「銃を捨てろ」
いつの間にか回り込まれていたらしい。
後ろから声がかかる。
男はタクティカルスリングのバックルを外し、SCARLを地面に落とす。
正面のガラスに映った、CZ-75を構えた男の顔には見覚えがあった。
ほこりにまみれたM65フィールドジャケットの上に、マガジンポーチがすずなりになったアーマープレートキャリアをつけ、首にカモフラージュスカーフを巻いた姿は典型的な傭兵かPMCだ。
だが、かつてのパイロットの面影はなくとも、間違いようがなかった。
「お前は…“深紅の飛龍”!」
「ほう…俺を知っているのか?」
男の眉間にしわが寄る。
「知っているとも…!
お前もバロムスキーも、祖国から受けた大恩を忘れて敵になる。
反逆者…恥知らずどもが…!」
ジョージ・ケインは、一瞬目を丸くし、注いで厳しい表情になる。
「なに、そっちの祖国か?
二度馬鹿な戦争をおっぱじめた挙げ句に二度とも敗北。それにこりもせずまだなにか企んでいるのか?
悪いが、俺の客人には手を出させんぞ。
ついでに、反逆者と言う部分は否定せんが、お前たちに恥知らずと言われる道理はない」
やましいところがあったのか、ジョージの言葉に激昂した男は、腰のホルスターからHKUSPを抜いて構えようとする。
だが、間に合うはずもなかった。
Cz-75が火を吹き、男が糸の切れた人形のように倒れ伏す。
ジョージはそれでも気を許さず、4発、5発と撃ち込んでいく。
“そっちの祖国”の人間だったとすると、マット・オブライアンの拉致を目的にしていたということか。
彼はユニティアが隠蔽、歪曲したデウス戦争の真実をほぼ全て突き止めている。
誘拐して、彼の取材資料をネタにユニティアを脅迫でもしようというのだろう。
当然真実は隠蔽したまま。
「そんなことをさせるものか。
あの戦争の真実は、明らかにする」
誰ともなくそうつぶやいて、ジョージは客人との約束の場所に急いだ。
0
あなたにおすすめの小説
❲完結❳乙女ゲームの世界に憑依しました! ~死ぬ運命の悪女はゲーム開始前から逆ハールートに突入しました~
四つ葉菫
恋愛
橘花蓮は、乙女ゲーム『煌めきのレイマリート学園物語』の悪役令嬢カレン・ドロノアに憑依してしまった。カレン・ドロノアは他のライバル令嬢を操って、ヒロインを貶める悪役中の悪役!
「婚約者のイリアスから殺されないように頑張ってるだけなのに、なんでみんな、次々と告白してくるのよ!?」
これはそんな頭を抱えるカレンの学園物語。
おまけに他のライバル令嬢から命を狙われる始末ときた。
ヒロインはどこいった!?
私、無事、学園を卒業できるの?!
恋愛と命の危険にハラハラドキドキするカレンをお楽しみください。
乙女ゲームの世界がもとなので、恋愛が軸になってます。ストーリー性より恋愛重視です! バトル一部あります。ついでに魔法も最後にちょっと出てきます。
裏の副題は「当て馬(♂)にも愛を!!」です。
2023年2月11日バレンタイン特別企画番外編アップしました。
2024年3月21日番外編アップしました。
***************
この小説はハーレム系です。
ゲームの世界に入り込んだように楽しく読んでもらえたら幸いです。
お好きな攻略対象者を見つけてください(^^)
*****************
悪役令嬢が美形すぎるせいで話が進まない
陽炎氷柱
恋愛
「傾国の美女になってしまったんだが」
デブス系悪役令嬢に生まれた私は、とにかく美しい悪の華になろうとがんばった。賢くて美しい令嬢なら、だとえ断罪されてもまだ未来がある。
そう思って、前世の知識を活用してダイエットに励んだのだが。
いつの間にかパトロンが大量発生していた。
ところでヒロインさん、そんなにハンカチを強く嚙んだら歯並びが悪くなりますよ?
転生したら悪役令嬢になりかけてました!〜まだ5歳だからやり直せる!〜
具なっしー
恋愛
5歳のベアトリーチェは、苦いピーマンを食べて気絶した拍子に、
前世の記憶を取り戻す。
前世は日本の女子学生。
家でも学校でも「空気を読む」ことばかりで、誰にも本音を言えず、
息苦しい毎日を過ごしていた。
ただ、本を読んでいるときだけは心が自由になれた――。
転生したこの世界は、女性が希少で、男性しか魔法を使えない世界。
女性は「守られるだけの存在」とされ、社会の中で特別に甘やかされている。
だがそのせいで、女性たちはみな我儘で傲慢になり、
横暴さを誇るのが「普通」だった。
けれどベアトリーチェは違う。
前世で身につけた「空気を読む力」と、
本を愛する静かな心を持っていた。
そんな彼女には二人の婚約者がいる。
――父違いの、血を分けた兄たち。
彼らは溺愛どころではなく、
「彼女のためなら国を滅ぼしても構わない」とまで思っている危険な兄たちだった。
ベアトリーチェは戸惑いながらも、
この異世界で「ただ愛されるだけの人生」を歩んでいくことになる。
※表紙はAI画像です
完璧(変態)王子は悪役(天然)令嬢を今日も愛でたい
咲桜りおな
恋愛
オルプルート王国第一王子アルスト殿下の婚約者である公爵令嬢のティアナ・ローゼンは、自分の事を何故か初対面から溺愛してくる殿下が苦手。
見た目は完璧な美少年王子様なのに匂いをクンカクンカ嗅がれたり、ティアナの使用済み食器を欲しがったりと何だか変態ちっく!
殿下を好きだというピンク髪の男爵令嬢から恋のキューピッド役を頼まれてしまい、自分も殿下をお慕いしていたと気付くが時既に遅し。不本意ながらも婚約破棄を目指す事となってしまう。
※糖度甘め。イチャコラしております。
第一章は完結しております。只今第二章を更新中。
本作のスピンオフ作品「モブ令嬢はシスコン騎士様にロックオンされたようです~妹が悪役令嬢なんて困ります~」も公開しています。宜しければご一緒にどうぞ。
本作とスピンオフ作品の番外編集も別にUPしてます。
「小説家になろう」でも公開しています。
【完結】溺愛?執着?転生悪役令嬢は皇太子から逃げ出したい~絶世の美女の悪役令嬢はオカメを被るが、独占しやすくて皇太子にとって好都合な模様~
うり北 うりこ@ざまされ2巻発売中
恋愛
平安のお姫様が悪役令嬢イザベルへと転生した。平安の記憶を思い出したとき、彼女は絶望することになる。
絶世の美女と言われた切れ長の細い目、ふっくらとした頬、豊かな黒髪……いわゆるオカメ顔ではなくなり、目鼻立ちがハッキリとし、ふくよかな頬はなくなり、金の髪がうねるというオニのような見た目(西洋美女)になっていたからだ。
今世での絶世の美女でも、美意識は平安。どうにか、この顔を見られない方法をイザベルは考え……、それは『オカメ』を装備することだった。
オカメ狂の悪役令嬢イザベルと、
婚約解消をしたくない溺愛・執着・イザベル至上主義の皇太子ルイスのオカメラブコメディー。
※執着溺愛皇太子と平安乙女のオカメな悪役令嬢とのラブコメです。
※主人公のイザベルの思考と話す言葉の口調が違います。分かりにくかったら、すみません。
※途中からダブルヒロインになります。
イラストはMasquer様に描いて頂きました。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
転生しましたが悪役令嬢な気がするんですけど⁉︎
水月華
恋愛
ヘンリエッタ・スタンホープは8歳の時に前世の記憶を思い出す。最初は混乱したが、じきに貴族生活に順応し始める。・・・が、ある時気づく。
もしかして‘’私‘’って悪役令嬢ポジションでは?整った容姿。申し分ない身分。・・・だけなら疑わなかったが、ある時ふと言われたのである。「昔のヘンリエッタは我儘だったのにこんなに立派になって」と。
振り返れば記憶が戻る前は嫌いな食べ物が出ると癇癪を起こし、着たいドレスがないと癇癪を起こし…。私めっちゃ性格悪かった!!
え?記憶戻らなかったらそのままだった=悪役令嬢!?いやいや確かに前世では転生して悪役令嬢とか流行ってたけどまさか自分が!?
でもヘンリエッタ・スタンホープなんて知らないし、私どうすればいいのー!?
と、とにかく攻略対象者候補たちには必要以上に近づかない様にしよう!
前世の記憶のせいで恋愛なんて面倒くさいし、政略結婚じゃないなら出来れば避けたい!
だからこっちに熱い眼差しを送らないで!
答えられないんです!
これは悪役令嬢(?)の侯爵令嬢があるかもしれない破滅フラグを手探りで回避しようとするお話。
または前世の記憶から臆病になっている彼女が再び大切な人を見つけるお話。
小説家になろうでも投稿してます。
こちらは全話投稿してますので、先を読みたいと思ってくださればそちらからもよろしくお願いします。
悪役令嬢ですが、当て馬なんて奉仕活動はいたしませんので、どうぞあしからず!
たぬきち25番
恋愛
気が付くと私は、ゲームの中の悪役令嬢フォルトナに転生していた。自分は、婚約者のルジェク王子殿下と、ヒロインのクレアを邪魔する悪役令嬢。そして、ふと気が付いた。私は今、強大な権力と、惚れ惚れするほどの美貌と身体、そして、かなり出来の良い頭を持っていた。王子も確かにカッコイイけど、この世界には他にもカッコイイ男性はいる、王子はヒロインにお任せします。え? 当て馬がいないと物語が進まない? ごめんなさい、王子殿下、私、自分のことを優先させて頂きまぁ~す♡
※マルチエンディングです!!
コルネリウス(兄)&ルジェク(王子)好きなエンディングをお迎えください m(_ _)m
2024.11.14アイク(誰?)ルートをスタートいたしました。
楽しんで頂けると幸いです。
※他サイト様にも掲載中です
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる