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08 “龍巣の雷神”
英雄たちの旅路
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03
2020年12月30日
ユニティア西部、ニアフリント
市立公園野外ステージ
「みんなー!ありがとー!」
歌い終えたヴォーカルのエスメロード・ライトナーが満面の笑顔で観客に呼びかける。
会場が割れんばかりの声援に包まれる。
(インディーズバンドのライブとしては上々じゃない)
観客に手を振りながら、エスメロードは思う。
バンドとして活動し始めて2年。
これだけの観客に演奏を聴いてもらえるようになったのは、努力が実を結んだ証左だと思える。
「お疲れ。売れ行きどうだった?」
「おかげさまでチケットはソールドアウトだ。
なんとか黒字に持ち込めそうだ」
エスメロードの問いに、ベース兼マネジメント担当のバーナード・カークランドが応じる。
自衛海軍の幹部として、艦長だけでなく、幕僚、人事会計など多岐にわたる任務をこなしてきた実績が活かされている。
右も左もわからない状況から芸能活動を初めて、なんとか軌道に乗せられたのは彼の力といっていい。
「明日は大晦日、そして明後日は正月。
せっかくだから少し豪勢にやりましょうや」
ドラム担当のリチャード・シャルダンがグラスを傾けるゼスチャーをする。
パイロットをしていたころは日に当たらないので白かったが、屋外で活動することが増えたせいか、すっかり日焼けして印象が変わっている。
「そうは言っても、これからのスケジュールと経費もあるんだ。
収支と相談してだな。
あまり俺たちの動きが気取られるのも避けたい」
ギター兼広報担当のケン・クーリッジが、はしゃぐリチャードを制する。
うかつに目立ちすぎて、各国の政府に動きを知られる事態はごめんだと、言外に付け加えていた。
ハーケン半島制圧戦終了後、ユニティア政府の意向を受けて、戦闘に関わった者たちは事実上の軟禁状態に置かれた。
「世界がもう少しで滅ぶところだった事実を、公にするわけにはいかない」
その点については、ユニティア以外の各国も利害は一致していたのだ。
なにせ、戦争を泥沼化させ、デウスから多くをむしり取るために“自由と正義の翼”を影から支援していたのだ。
デウスもデウスで、“自由と正義の翼”にまんまとはめられ、首都でのクーデターという失態を演じたという意味では同罪と言えた。
その傲慢と見通しの甘さのせいで、危うく四つの原子炉が地表に落下するところだった。
軍事、経済学上、世界の主要都市のいくつかが核兵器などによって壊滅すれば、人類は経済と流通を維持できなくなる。
その結果、飢餓や紛争、疫病をどうにもできなくなり、文明は崩壊するとされている。
その危機が現実のものになるところだったのだ。
国民に説明できなくて当然だ。
だが、軟禁されているがわから見れば、それはあまりにも不当な仕打ちだった。
「死力を尽くして戦った俺たちを罪人のように扱うのか?」
そう反発する将兵たちの怒りを、各国政府は無視できなかった。
世界的な軍縮が行われ、多くの軍人が転職を考えていたこともある。
「退職、予備役編入後も守秘義務は継続する」
結局、箝口令を厳守するという誓約書に署名させ、口止め料としていくばくかの金を握られて野に放つことになるのだった。
エスメロードたち四人も、予備役編入を希望して受理され、個人情報は防衛機密扱いという形として、表舞台から姿を消したのだ。
もう利用されるのも、誰かのエゴに振り廻られるのもごめんだ。
そう辟易して。
千秋楽を無事に終えて、逗留先である民宿に戻ったエスメロードたちは、夕飯までの間くつろいでいた。
この民宿は当たりだった。部屋もそれなりにおしゃれできれいだし、なにより飯がうまい。
「またスポンサードのオファー来てるけどどうする?」
「いつも通りよ。取りあえず検討させてもらうって返答して、数日したら丁重にお断りしましょ」
スマホでメールを確認したケンの言葉に、エスメロードは即答する。
「そうとも。スポンサードを受けるなんてのこのこ出て行ったら、現れたのは情報部か軍のリクルーターだったなんてのがオチでしょ」
リビングのソファーに寝転んでいたリチャードが付け加える。
そもそも、エスメロードたちがどさ回りのインディーズバンドをしているのは、ユニティア政府と軍のしつこいオファーから逃れる意味もあった。
“デウス戦争”で深刻な人材難に陥ったユニティア軍は、人手の補充に手段を選ばなかった。
「エスメロードさん、少しお話しいいですかね?」
アキツィア政府の軟禁が解かれたとたん、怪しげなリクルーターが訪ねて来たくらいだ。
ユニティア軍にしてみれば、“デウス戦争”を戦い抜いた英雄であるエスメロードたちは、自軍の戦力としてよだれが出るほど欲しい存在であったことだろう。
だが、当人たちにその意思はまったくなかった。
常日頃人権国家を標榜しながら、国益という名のエゴのためには個人の人権を一顧だにしない。
そんなユニティアのダブルスタンダードは、“デウス戦争”で骨身に染みた。
もう関わるのはごめんだ。
「俺たちの立ち位置はどさ回りのインディーズバンド。
それでいいじゃないか」
パソコンで帳簿をつけ、売上を金庫に収めたバーナードがそう締めくくる。
その場の誰も異議はなかった。
なにせ、戦中戦後のスパイやテロリストの暗躍の悪夢を、どの国家も忘れていない。
なにもやましいところのない旅行者までが、官憲によってスパイと疑われる有様だ。
その点、どさ回りのインディーズバンドという体裁は、素性を隠しながら旅を続けるには悪くないのだ。
「まあ、ほとぼりが冷めるまでは是非もないしな」
スマホをポーチにしまったケンが嘆息する。
「ほとぼり冷めるんすかねえ…」
リチャードが天井を仰ぎながら相手をする。
「確かに…それは問題ね…」
エスメロードにも、それはわかっていた。
“デウス戦争”の真実が歪曲、隠蔽されている以上、当事者であった自分たちは多くの権力者たちにとって、未処理の不発弾のような存在だ。
彼らの機嫌を損ねずにいるためには、驚異と思われないようにするしかない。
そのために、自分たちはどさ回りのインディーズバンドという立場を取った。
いずれ、隠れて暮らさなくてもすむときは来るとは思うが、問題はそれまでどのくらいかということだった。
エスメロードの前世の記憶は、かなりの部分が蘇って来ている。
だが“エースガンファイトゼロ”は、当然のように“デウス戦争”の終了を持ってエンディングになった。
この先どうなるかは、全く予測がつかなかったのだ。
エスメロードは、誰にも黙ってフューリー空軍基地から姿を消すつもりでいた。
だが、トランクひとつ持って夜明け前にこっそり発とうとしたところに、旅支度を調えた三人が待っていたのだ。
「先輩が行くところに、ちょうど僕らも行く予定っす。
どうせだから乗っていってくださいよ」
とリチャード。
「やつを探すんだろう。見つけたらぶん殴るなら、手伝わせてもらうよ」
とケン。
「そうとも、やつに面と向かって、エスメロードから手を引け、お前は相応しくない、と言ってやらなきゃ収まらない」
とバーナード。
ご丁寧に、まっさらなワンボックスまでが用意されていた。
「あなたたち…」
予備役に編入されて、旅に出ても行くあてがあるわけでもないエスメロードは、三人に感謝して一緒に旅に出ることにした。
やりがいを感じていたパイロットを休業した一番の理由は、ジョージ・ケインの消息を確かめたいと思ったからだった。
そのための旅、自分のわがままに三人が付き合ってくれるのが、なんだかとても嬉しかった。
ジョージが生きている確証はない。
死んでいたとして、死体が残っている可能性は高くないだろう。
だが、死体でもいいから探したいと思う。
見つけたらどうするかは、その時になってみないとわからないが。
「ねえねえ、あなたたち。
今夜ユニティアのインターネット放送で、面白い番組やるみたいなのよ。
一緒に見ない?」
夕食時、豊満で肉感的な民宿の女将が、ノートパソコンの画面を見せる。
この町がまだデウス領だったころ、彼女の弟夫婦と姪は戦災で亡くなったのだという。
戦争の記憶が人々から薄れていくのを悲しんでいた。
予告のタイトルは“龍巣の雷神”とあった。
「お、面白そうじゃないすか?」
「どうせまた、ユニティア政府のちょうちん番組でしょ?」
リチャードはかつての相棒のタイトルを介した特番に興味を引かれるが、“雷神”本人であるエスメロードは関心が薄かった。
「いや、ちょっと待て…!」
ケンが画面を指さす。紹介される各国のエースパイロットにまじって、見覚えのある顔が映った。
「ジョージ…?あいつめ、やっぱり生きてやがった!」
だいぶ風貌が変わっているが間違いようのない顔に、バーナードが歓喜と苦渋が入り交じった声を出す。
「女将さん、ボリューム上げて!」
エスメロードの言葉に、にっこりとした女将がボリュームを最大に合わせる。
四人は、戦中を思い出しながら、特番“龍巣の雷神”に見入るのだった。
(ほとぼりは案外早く冷めるかも知れない。
それに、待ってなさいよジョージ。ぶん殴ってやるから)
エスメロードは、我知らずうれし涙を浮かべながらそんなことを思うのだった。
彼女にとって、この世界はもはや前世で知るゲームの世界ではない。
今生きている現実だ。
セーブロードもコンテニューもない。
それだけに、今でも愛している男が生きているという事実を、喜ばずにはいられないのだった。
“デウス戦争”と呼ばれた戦争は終わった。
だが、その戦争を生き延びた者たちの物語はまだ終わりではない。
それは、また別の講釈に譲ることとなる
完
2020年12月30日
ユニティア西部、ニアフリント
市立公園野外ステージ
「みんなー!ありがとー!」
歌い終えたヴォーカルのエスメロード・ライトナーが満面の笑顔で観客に呼びかける。
会場が割れんばかりの声援に包まれる。
(インディーズバンドのライブとしては上々じゃない)
観客に手を振りながら、エスメロードは思う。
バンドとして活動し始めて2年。
これだけの観客に演奏を聴いてもらえるようになったのは、努力が実を結んだ証左だと思える。
「お疲れ。売れ行きどうだった?」
「おかげさまでチケットはソールドアウトだ。
なんとか黒字に持ち込めそうだ」
エスメロードの問いに、ベース兼マネジメント担当のバーナード・カークランドが応じる。
自衛海軍の幹部として、艦長だけでなく、幕僚、人事会計など多岐にわたる任務をこなしてきた実績が活かされている。
右も左もわからない状況から芸能活動を初めて、なんとか軌道に乗せられたのは彼の力といっていい。
「明日は大晦日、そして明後日は正月。
せっかくだから少し豪勢にやりましょうや」
ドラム担当のリチャード・シャルダンがグラスを傾けるゼスチャーをする。
パイロットをしていたころは日に当たらないので白かったが、屋外で活動することが増えたせいか、すっかり日焼けして印象が変わっている。
「そうは言っても、これからのスケジュールと経費もあるんだ。
収支と相談してだな。
あまり俺たちの動きが気取られるのも避けたい」
ギター兼広報担当のケン・クーリッジが、はしゃぐリチャードを制する。
うかつに目立ちすぎて、各国の政府に動きを知られる事態はごめんだと、言外に付け加えていた。
ハーケン半島制圧戦終了後、ユニティア政府の意向を受けて、戦闘に関わった者たちは事実上の軟禁状態に置かれた。
「世界がもう少しで滅ぶところだった事実を、公にするわけにはいかない」
その点については、ユニティア以外の各国も利害は一致していたのだ。
なにせ、戦争を泥沼化させ、デウスから多くをむしり取るために“自由と正義の翼”を影から支援していたのだ。
デウスもデウスで、“自由と正義の翼”にまんまとはめられ、首都でのクーデターという失態を演じたという意味では同罪と言えた。
その傲慢と見通しの甘さのせいで、危うく四つの原子炉が地表に落下するところだった。
軍事、経済学上、世界の主要都市のいくつかが核兵器などによって壊滅すれば、人類は経済と流通を維持できなくなる。
その結果、飢餓や紛争、疫病をどうにもできなくなり、文明は崩壊するとされている。
その危機が現実のものになるところだったのだ。
国民に説明できなくて当然だ。
だが、軟禁されているがわから見れば、それはあまりにも不当な仕打ちだった。
「死力を尽くして戦った俺たちを罪人のように扱うのか?」
そう反発する将兵たちの怒りを、各国政府は無視できなかった。
世界的な軍縮が行われ、多くの軍人が転職を考えていたこともある。
「退職、予備役編入後も守秘義務は継続する」
結局、箝口令を厳守するという誓約書に署名させ、口止め料としていくばくかの金を握られて野に放つことになるのだった。
エスメロードたち四人も、予備役編入を希望して受理され、個人情報は防衛機密扱いという形として、表舞台から姿を消したのだ。
もう利用されるのも、誰かのエゴに振り廻られるのもごめんだ。
そう辟易して。
千秋楽を無事に終えて、逗留先である民宿に戻ったエスメロードたちは、夕飯までの間くつろいでいた。
この民宿は当たりだった。部屋もそれなりにおしゃれできれいだし、なにより飯がうまい。
「またスポンサードのオファー来てるけどどうする?」
「いつも通りよ。取りあえず検討させてもらうって返答して、数日したら丁重にお断りしましょ」
スマホでメールを確認したケンの言葉に、エスメロードは即答する。
「そうとも。スポンサードを受けるなんてのこのこ出て行ったら、現れたのは情報部か軍のリクルーターだったなんてのがオチでしょ」
リビングのソファーに寝転んでいたリチャードが付け加える。
そもそも、エスメロードたちがどさ回りのインディーズバンドをしているのは、ユニティア政府と軍のしつこいオファーから逃れる意味もあった。
“デウス戦争”で深刻な人材難に陥ったユニティア軍は、人手の補充に手段を選ばなかった。
「エスメロードさん、少しお話しいいですかね?」
アキツィア政府の軟禁が解かれたとたん、怪しげなリクルーターが訪ねて来たくらいだ。
ユニティア軍にしてみれば、“デウス戦争”を戦い抜いた英雄であるエスメロードたちは、自軍の戦力としてよだれが出るほど欲しい存在であったことだろう。
だが、当人たちにその意思はまったくなかった。
常日頃人権国家を標榜しながら、国益という名のエゴのためには個人の人権を一顧だにしない。
そんなユニティアのダブルスタンダードは、“デウス戦争”で骨身に染みた。
もう関わるのはごめんだ。
「俺たちの立ち位置はどさ回りのインディーズバンド。
それでいいじゃないか」
パソコンで帳簿をつけ、売上を金庫に収めたバーナードがそう締めくくる。
その場の誰も異議はなかった。
なにせ、戦中戦後のスパイやテロリストの暗躍の悪夢を、どの国家も忘れていない。
なにもやましいところのない旅行者までが、官憲によってスパイと疑われる有様だ。
その点、どさ回りのインディーズバンドという体裁は、素性を隠しながら旅を続けるには悪くないのだ。
「まあ、ほとぼりが冷めるまでは是非もないしな」
スマホをポーチにしまったケンが嘆息する。
「ほとぼり冷めるんすかねえ…」
リチャードが天井を仰ぎながら相手をする。
「確かに…それは問題ね…」
エスメロードにも、それはわかっていた。
“デウス戦争”の真実が歪曲、隠蔽されている以上、当事者であった自分たちは多くの権力者たちにとって、未処理の不発弾のような存在だ。
彼らの機嫌を損ねずにいるためには、驚異と思われないようにするしかない。
そのために、自分たちはどさ回りのインディーズバンドという立場を取った。
いずれ、隠れて暮らさなくてもすむときは来るとは思うが、問題はそれまでどのくらいかということだった。
エスメロードの前世の記憶は、かなりの部分が蘇って来ている。
だが“エースガンファイトゼロ”は、当然のように“デウス戦争”の終了を持ってエンディングになった。
この先どうなるかは、全く予測がつかなかったのだ。
エスメロードは、誰にも黙ってフューリー空軍基地から姿を消すつもりでいた。
だが、トランクひとつ持って夜明け前にこっそり発とうとしたところに、旅支度を調えた三人が待っていたのだ。
「先輩が行くところに、ちょうど僕らも行く予定っす。
どうせだから乗っていってくださいよ」
とリチャード。
「やつを探すんだろう。見つけたらぶん殴るなら、手伝わせてもらうよ」
とケン。
「そうとも、やつに面と向かって、エスメロードから手を引け、お前は相応しくない、と言ってやらなきゃ収まらない」
とバーナード。
ご丁寧に、まっさらなワンボックスまでが用意されていた。
「あなたたち…」
予備役に編入されて、旅に出ても行くあてがあるわけでもないエスメロードは、三人に感謝して一緒に旅に出ることにした。
やりがいを感じていたパイロットを休業した一番の理由は、ジョージ・ケインの消息を確かめたいと思ったからだった。
そのための旅、自分のわがままに三人が付き合ってくれるのが、なんだかとても嬉しかった。
ジョージが生きている確証はない。
死んでいたとして、死体が残っている可能性は高くないだろう。
だが、死体でもいいから探したいと思う。
見つけたらどうするかは、その時になってみないとわからないが。
「ねえねえ、あなたたち。
今夜ユニティアのインターネット放送で、面白い番組やるみたいなのよ。
一緒に見ない?」
夕食時、豊満で肉感的な民宿の女将が、ノートパソコンの画面を見せる。
この町がまだデウス領だったころ、彼女の弟夫婦と姪は戦災で亡くなったのだという。
戦争の記憶が人々から薄れていくのを悲しんでいた。
予告のタイトルは“龍巣の雷神”とあった。
「お、面白そうじゃないすか?」
「どうせまた、ユニティア政府のちょうちん番組でしょ?」
リチャードはかつての相棒のタイトルを介した特番に興味を引かれるが、“雷神”本人であるエスメロードは関心が薄かった。
「いや、ちょっと待て…!」
ケンが画面を指さす。紹介される各国のエースパイロットにまじって、見覚えのある顔が映った。
「ジョージ…?あいつめ、やっぱり生きてやがった!」
だいぶ風貌が変わっているが間違いようのない顔に、バーナードが歓喜と苦渋が入り交じった声を出す。
「女将さん、ボリューム上げて!」
エスメロードの言葉に、にっこりとした女将がボリュームを最大に合わせる。
四人は、戦中を思い出しながら、特番“龍巣の雷神”に見入るのだった。
(ほとぼりは案外早く冷めるかも知れない。
それに、待ってなさいよジョージ。ぶん殴ってやるから)
エスメロードは、我知らずうれし涙を浮かべながらそんなことを思うのだった。
彼女にとって、この世界はもはや前世で知るゲームの世界ではない。
今生きている現実だ。
セーブロードもコンテニューもない。
それだけに、今でも愛している男が生きているという事実を、喜ばずにはいられないのだった。
“デウス戦争”と呼ばれた戦争は終わった。
だが、その戦争を生き延びた者たちの物語はまだ終わりではない。
それは、また別の講釈に譲ることとなる
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