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14話 ロメオとリエッタ3
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もしかしたら、リエッタは男に強引にされているのでは?だとしたら放っておくわけにもいかない、と一縷の望みをかけて僕は2人が消えた物陰を覗き込んだ。
「んっ・・あっ・・・」
うわぁ・・・。
「どうだ?」
ジェドの小声の問いになんて答えたらいいか悩んだけれど、2人は淫欲のままに濃厚に貪りあっていた、と正直に話した。
「合意の上でしてるようにしか見えなかったよ」
「そうか・・」
別の異性とご飯を一緒に食べるのもダメだとか、遊びに行く程度なら問題ないとか、どこからを浮気とするかは個々の判断によって変わり、人それぞれではある。しかしこれは100人に聞けば99人が浮気のラインを越えていると判断するでしょ。ちなみに僕もキスを越えると浮気だと思う派。恋人いたことないけど。
「まさか職場で堂々とするとはな」
「一応隠れてるけどね・・。とりあえずもう出よう。彼女らにバレたら面倒だよ」
「あぁ どんな顔すればいいかわからないしな・・・」
僕らは色欲に溺れる2人を残し、足早に現場をあとにした。
☆
「で、どうする」
「どうもこうもないよ・・」
バレないよう犯行現場から立ち去った後、僕らはそのまま帰るわけにもいかず、目に入ったカフェに立ち寄っていた。
「ただ、ロメオ、連れてこなくてよかったね」
「あぁ 心に傷を負わせずに済んだな」
無関係な僕が見ても少し引いてしまうほどに濃厚なキスシーン。美男美女の濡れ場に思春期の僕は興奮を覚えても良さそうなものだったが、うわぁ・・という感想しか出なかった。疑っているだけで瞳に溜めていたようなあいつが見ればどうなっていたか。
「もしも黒だった場合、改心させて連れ戻せとか言ってたいたが」
「僕とジェドで出来る?」
「厳しいだろうな・・・」
そもそもそんなことを出来る人がいるのか甚だ疑問。
それよりも僕には気になることがあった。
「ロメオってさ、本当にリエッタって人と付き合ってたのかな?」
ロメオは恋人のリエッタが浮気をしているかもしれないと言って僕らに調査を依頼した。そして短い調査の結果、幸運にも、という言い方はおかしいかもしれないけれど、浮気の現場に遭遇して、リエッタが浮気をしていることがわかった。
しかしそれは本当に浮気なのか。
「どういうことだ?」
ジェドは目を細めて聞き返す。
「ロメオが嘘を吐いてるってことはないかな」
リエッタがロメオの恋人であるというのは彼の虚言で、僕らが見かけた情事はリエッタの徒し心によるものではなく、あの2人こそが正式にお付き合いをしているのではないか。職場でするのはどうかと思うけれど。
ロメオに失礼だが、彼にリエッタは不釣り合いで、彼女には先ほどのハットの似合いそうな男の方がお似合いに見えた。
もちろんロメオは嘘なんて吐いておらず、純粋にリエッタの貞操観念が低かったが故に起きた真実の浮気だって可能性はある。
というよりそちらの可能性の方が高いと思っているけれど、気になったのだ。
「さすがにそれはないだろう・・・。でないと彼がヤベェ奴ということになる。」
「そうだよね・・」
もしもロメオとリエッタがお付き合いしているということが、彼の吐いた嘘だったならば、このしょうもない話は一気にホラーへと変わる。
「ただ彼にとっては本当なだけで、実際は嘘ってことはあるかもしれないな」
ジェドは腕を組んで呟いた。
仕立て屋で見かけたリエッタに片思いをした彼が、その思いを独りよがりに加速させ恋人同士の関係だと思い込み始めた、とか?
「ちょっと怖くなってきたんだけど・・」
「・・・私も」
突如浮上したロメオヤベェ奴説に僕とジェドは頭を悩ませ始める。憶測でしかない事を深い考えもなく口に出したことを僕は後悔した。
何を頼むでもなく、しかめた顔でテーブルに座る僕らを店員が訝しみ始めたころにジェドが口を開く。
「悩んだところで答えは出ないんだ。もう直接聞きに行かないか?」
確かにヤベェ奴かどうかは僕らが勝手に疑い出しただけで、いくら考えてもどうしようもないことだ。
僕はジェドの提案に頷き、再びリエッタのもとへ向かうことにした。
「んっ・・あっ・・・」
うわぁ・・・。
「どうだ?」
ジェドの小声の問いになんて答えたらいいか悩んだけれど、2人は淫欲のままに濃厚に貪りあっていた、と正直に話した。
「合意の上でしてるようにしか見えなかったよ」
「そうか・・」
別の異性とご飯を一緒に食べるのもダメだとか、遊びに行く程度なら問題ないとか、どこからを浮気とするかは個々の判断によって変わり、人それぞれではある。しかしこれは100人に聞けば99人が浮気のラインを越えていると判断するでしょ。ちなみに僕もキスを越えると浮気だと思う派。恋人いたことないけど。
「まさか職場で堂々とするとはな」
「一応隠れてるけどね・・。とりあえずもう出よう。彼女らにバレたら面倒だよ」
「あぁ どんな顔すればいいかわからないしな・・・」
僕らは色欲に溺れる2人を残し、足早に現場をあとにした。
☆
「で、どうする」
「どうもこうもないよ・・」
バレないよう犯行現場から立ち去った後、僕らはそのまま帰るわけにもいかず、目に入ったカフェに立ち寄っていた。
「ただ、ロメオ、連れてこなくてよかったね」
「あぁ 心に傷を負わせずに済んだな」
無関係な僕が見ても少し引いてしまうほどに濃厚なキスシーン。美男美女の濡れ場に思春期の僕は興奮を覚えても良さそうなものだったが、うわぁ・・という感想しか出なかった。疑っているだけで瞳に溜めていたようなあいつが見ればどうなっていたか。
「もしも黒だった場合、改心させて連れ戻せとか言ってたいたが」
「僕とジェドで出来る?」
「厳しいだろうな・・・」
そもそもそんなことを出来る人がいるのか甚だ疑問。
それよりも僕には気になることがあった。
「ロメオってさ、本当にリエッタって人と付き合ってたのかな?」
ロメオは恋人のリエッタが浮気をしているかもしれないと言って僕らに調査を依頼した。そして短い調査の結果、幸運にも、という言い方はおかしいかもしれないけれど、浮気の現場に遭遇して、リエッタが浮気をしていることがわかった。
しかしそれは本当に浮気なのか。
「どういうことだ?」
ジェドは目を細めて聞き返す。
「ロメオが嘘を吐いてるってことはないかな」
リエッタがロメオの恋人であるというのは彼の虚言で、僕らが見かけた情事はリエッタの徒し心によるものではなく、あの2人こそが正式にお付き合いをしているのではないか。職場でするのはどうかと思うけれど。
ロメオに失礼だが、彼にリエッタは不釣り合いで、彼女には先ほどのハットの似合いそうな男の方がお似合いに見えた。
もちろんロメオは嘘なんて吐いておらず、純粋にリエッタの貞操観念が低かったが故に起きた真実の浮気だって可能性はある。
というよりそちらの可能性の方が高いと思っているけれど、気になったのだ。
「さすがにそれはないだろう・・・。でないと彼がヤベェ奴ということになる。」
「そうだよね・・」
もしもロメオとリエッタがお付き合いしているということが、彼の吐いた嘘だったならば、このしょうもない話は一気にホラーへと変わる。
「ただ彼にとっては本当なだけで、実際は嘘ってことはあるかもしれないな」
ジェドは腕を組んで呟いた。
仕立て屋で見かけたリエッタに片思いをした彼が、その思いを独りよがりに加速させ恋人同士の関係だと思い込み始めた、とか?
「ちょっと怖くなってきたんだけど・・」
「・・・私も」
突如浮上したロメオヤベェ奴説に僕とジェドは頭を悩ませ始める。憶測でしかない事を深い考えもなく口に出したことを僕は後悔した。
何を頼むでもなく、しかめた顔でテーブルに座る僕らを店員が訝しみ始めたころにジェドが口を開く。
「悩んだところで答えは出ないんだ。もう直接聞きに行かないか?」
確かにヤベェ奴かどうかは僕らが勝手に疑い出しただけで、いくら考えてもどうしようもないことだ。
僕はジェドの提案に頷き、再びリエッタのもとへ向かうことにした。
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