銀色童話

黒池 火魚

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二人で山を歩いていると、向こうから准と信が来る。

信は、光ちゃんのおうちのお隣に住んでるひとなんだよ。
年は・・・たしか、信の方が上なんだって・・・

「信~
 准~!」

近くに寄りながらの僕の声にびっくりしたかのように見つめた。
咄嗟に逃げ出そうとした准をパッと無理矢理捕まえて、

「僕だってば…」

耳元でそう言うと…逃げようともがいてた准が、落ち着いて僕を見る。

「もしかして…剛君?」

准の言葉に捕まえてた手を離し、その場で座って頷く。

「うん…そうなんだ~

 何でかわかんないけど…人間になっちゃったんだよ。 

 あと、光ちゃんも一緒なんだ…」

わ・・・こういう風に見えるんだねぇ~
人から見た僕等って…

小さく見える准の頭を思わずぐりぐりと撫でてしまう…

可愛いな~って。
こんな気分にもなるんだぁ~

准は気持ち良さげに目を細めている。
ふと気付いて声をかける。

「信?」

じっと信は光ちゃんを見てた。
僕の声も聞こえてないみたい。

凄く真剣に見てから、小さく呟いた。

「ボス?」

僕と准の話が聞こえてなかったのに、何で判るんだろう?

最初に逃げ出そうとしてたのは信も同じだったのに…

准が捕まってしまったから、その場に居たのかな。

信と准の関係はね・・・僕と光ちゃんみたく、准の世話を信がしてるんだ。
それとな、信の奥さんは准のお姉ちゃんなんだよ。兄弟って事になるからなのかな。

「ああ…そうだ。俺も剛と同じように人間になってしまったんだ。

 悪いが・・・信、健と二人で、俺の代わりに見回ってくれないか?

 俺も一応は見回るつもりなんだが…このように人の姿してるから、
 他の奴等は逃げてしまうだろ?

 報告を頼む。」

光ちゃんと信が話しているのを邪魔しないように…ちょっと離れて、准の喉元を撫でてみるとゴロゴロと喉を鳴らしてる。

自分でもして貰うと、此処が凄く気持ちいいって判ってたけど…
やってるこっちの方も面白いなぁ~

よくご主人様や拓哉さんがしてくれるけど…したくなる気持ちもよく判った。
光ちゃんとの話が終った信は僕を見て、溜息を零したみたい。

「はぁぁ~剛もでっかくなっちゃって…
 了解したよ、ボス。
 匂いは変わってないから、他の奴等も大丈夫だと思うけどね。

 一瞬、びっくりするだけで…」

そう言って信もするりと僕の側に寄ってくる。光ちゃんが僕を立ち上がらせた。

「そろそろ移動するか?」

その言葉にコクンと頷く。
そうだね…今日はもう少し歩いてみたいし…

「じゃあね、信、准。」

手をふって…その場を後にしたんだ。

こうして立って見ると、僕達の世界って凄く低いんだなぁ~

同じ場所に立ってるのに…目の位置が違うだけで、こんな風に見えるんだ。
これはこれで綺麗だって思うけど…

光ちゃんと一緒だから…何処を見ても綺麗だって思うのはかわらないね。
この手で光ちゃんの手を握ると…凄く幸せな気がするのは…光ちゃんには内緒。
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