異世界転生したら辺境の錬金術師でした

3章

第3章：錬金術師、ラザルドの街へ

ラザルドの街に近づくと、辺境の村とは比べものにならないほど活気のある光景が目に入った。

城壁に囲まれた街の入り口には、多くの人々が行き交い、荷馬車や商人、冒険者たちが門番の検査を受けていた。

「これが……ラザルドの街……」

「辺境ではそれなりに大きい街だからな。お前さんの錬金術を活かすには、うってつけの場所だろう」

馬車はゆっくりと進み、俺たちは門番に手形を見せて街へ入った。

中に入ると、さらに賑やかだった。屋台が並び、果物や干し肉、布地を売る商人たちが声を張り上げている。鍛冶屋からはカンカンという鉄を打つ音が響き、道端にはローブ姿の魔法使いや、鎧を着込んだ冒険者たちが歩いていた。

「さて、まずはポーションの売り先を探さないとな」

「どこかいい店、知っていますか？」

「おうとも。『金鹿の薬舗』 って店が、この街じゃ一番の薬屋だ。あそこなら、いい値段で買い取ってくれるはずだぜ」

俺たちは馬車を進め、「金鹿の薬舗」に向かった。