遭難者の幽霊

美女缶

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山で迷った時に

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山登りが趣味の私は、雑誌に載っていた山へと登山しに行きました。実際に山に登ってみるとかなり険しくベテランでも大変な山だということが分かりました。天候が悪化しており、急いで山を降りているうちに山岳ルートからいつのまにか外れていました。

このままだと遭難してしまうという時に前方から人が来たことが分かりました。私は、その人にルートから外れてしまい登山ルートが分からなくなったという話しをしました。するとその人は登山ルートに戻る方法やこの先の道は絶対に進んではいけないという忠告をしてくれました。

その人の言うとおりに元の道へ引き返して進んでいると無事に下山することが出来ました。山の下にあった休憩所で地元の人にそのことを話していると一枚の写真を見せられました。その写真に写っている人物はまさしく山で道案内をしてくれた人でした。

結論から言えば、その人は山で亡くなった人であり、遭難した人を道案内して下山させるということで有名な幽霊でした。さらに、その幽霊は私が進んでいた道の先で滑落して亡くなった方でした。自分と同じように死んでほしくないと亡くなってからも遭難者の道案内をしているようです。

私は、亡くなってからも登山者のことを想い続けてくれているその人に対して感謝と供養の意味で小さく山並みへ手を合わぜて合掌しました。
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