なぜか側妃に就職しました。これは永久就職じゃございません。

たまとら

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28 飼育員かい! ヤルターシ

ヤルターシは訓練場の木陰で、アドルのやっちまった話を聞かされていた。
ちょっと頭痛を噛み締める。

やっぱりアホだろこの王子。

ガンガン敵対行動した挙句に、人間関係の修復もせずにいきなりのちゅう…。

そりゃわかる。
俺はわかる。
好きな子を虐めたくなるガキの習性も知ってる。

だか、何故、今。

厨二病、卒業おめでとう。
とでも言えばいいのか。
恋の自覚が、手遅れ崖っぷちの一歩手前で良かったね。
とでも言えばいいのか。



~~王子を御せる宰相はいない。
もっとも、いないから暴走したんだろうが。

オロオロと動物園の熊のようにうろつく王子に、座れと殴る。

ああ、自分では良い案が浮かばない。
こんな時は宰相閣下だっ。
とにかく宰相閣下に手紙を書こう‼︎


隣でもじもじしてるウザ王子を、とりあえず牽制しておく。

「今までの所業が悪すぎるだろうがっ!
それでどうして手を出そうなんて思い付くんだよっ。」

とりあえず文句を言いたい。
文句を言うぞ。

「だって、だって…」

ウザいっ‼︎
ガタイのでかい男がだってなんて言うなっ‼︎
もじもじするな!
キモ悪いやろうがっ‼︎


「……初夜の、ナイトドレス姿が浮かんで…」

王子よ。
その姿に、あり得ないほどの暴言を吐いたのはおまえだ。

ヤルターシは思わずアドル王子の頬を捻り上げていた。
ぃで、で、で、
と、もがきながら馬鹿王子は、
真っ赤になったジュノが可愛いくてつい。だの
泣いてる可愛い子ちゃんの涙をちゅうで止めるのは、男のロマンだ。だのとほざいている。

~~ああ、頭が痛い。

脳筋かっ!

拙い!
拙いです、宰相閣下!
この男がこの国トップになるのは拙いです!


~~宰相閣下が、
正妃を!
正妃を!
と、ナニかの鳴き声のようにおっしゃっていたその気持ちが、痛いほどわかって来ました!
至急、デキる伴侶を見つけなければ!




「3日後に討伐の遠征があるから、頭を冷やせ。」

そう、"混ぜるな危険"は混ぜなければいいのだ。
"遠征"と言う言葉に、嫌そうにするアドルの鳩尾に一発喰らわせる。

ゔっ。

と落ちたアドルの初恋(たぶん)に浮かれた脳みそに、少しでも染みる様に脅しつける。

マジ恋ならば考えろ。
一発逆転ホームランは、自分が打たなきゃできないんだぞ。
今のままでいいのか⁉︎
言っとくがな、今度ジュノを泣かしたら死ぬほど後悔させてやる。

~~そんな説教をしながら、
なんで俺が。
と、ぼやいていた。



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