恋するじゃがいもと、先輩とボケナス

たまとら

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学園生活

3 田舎での立ち位置

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ルインの憧れはウルク兄様だった。
マッチョは無論、なめし皮の様に艶々してにやっと笑うと白い歯がキランと光る。
デカくて強いのに優しくてかっこよくて、ルインの頭をよしよしと撫でてくる。
膝の上に抱き込まれたらその安心感は地平よりも拡がって、もううっとりだ。

だから自分が頑張っても縦にも横にも大きくならないのを悟った時に、せめて日焼けしようと思った。
周りの戦う男は家族も領民もついでに農家のケニーおじさんも、皆んなテッカテカに黒いのだ。
いつのまにか頭の中で"かっこいい🟰黒い"とシナプスが間違った接続をしてしまったが、それは無理ない事だったと思う。

「騎士にならない貴族は色白なのよ」

母様は帽子も被らず畑に出るルインに言う。
母様も侍女も日傘だ日焼け止めだローションだと追いかけまわしたが、ルインの逃げ足は驚くほど早い。
なにせこんな恐ろしい田舎に来る貴族はまずいない。騎士科出身でない貴族なんて母様くらいなので、貴族色白説に真実味は無かった。


ジリジリ陽に晒されてルインの頬は赤黒くなり、雀斑が散らばってチャタテムシの様になった。
あれ?あの艶々ななめし皮みたいのと違う。
と、現実を知ったけれど
「平民の農婦だって外仕事では日焼け止めに薬草をぬってますよぉ」と侍女にぶちぶち言われて反発心からやめ時がわからなくなってそのままになっている。

そんな訳でルインは色黒のそばかす顔になっていた。
兄様達はウリ坊みたいで可愛いじゃないかと訳の分からない可愛がり方をしてくるが、母様はハラハラと世を儚んだ涙を見せた。

「貴族の条件は色白なのよ…」

ならせめて髪を手入れさせてね。
そんな訳の分からない交渉してくる母様にせめてそれくらいはと髪を伸ばしている。


ルインは四男坊だ。
家を継ぐわけでも無いし、手持ちの爵位も品切れになる。本人は平民で良いと言うけれど、身分の差が出来たら親子として会うことさえ難しくなってしまう。
魔力が多いと男でも子供が産める。
ルインは魔力が家族でもダントツ多い。
みそめられれば嫁にも行ける。

母様がそんな事を考えているのはわかっているけれど、今更嫁なんてポジは無理だし。
こんな気ままにやってたら、諦めてくれないかなぁ。


こんなふうに田舎では母様と葛藤があった。
だから母ストッパーの無い学園は渡りに船だった。
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