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学園生活
12 行事のススメ
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シグルド先輩は取り囲まれている。
いつもと違うのは、おっさんおばさんが群がっていることだ。
今日から学園の行事がある。
新入生が慣れてから歓迎の祭りとして学園を解放している。
解放なので近隣住民や未就学児も、貴族平民問わずにやって来る。
勿論、保護者も押し寄せる。
そんな訳でヴィンターベルク公爵家の若様に我が子を売り込もうと、親達は目の色を変えていた。
この祭りは2年になって選択する学科をアピールするのが目的だ。
興味を持って入科して欲しいと体験したりして宣伝している。
魔導師科は回路を描いて作った魔道具を展示したり、参加者に簡単な手元灯を作らせたりしている。ほかには魔導紙で陣を書いて空調を上げ下げしたり薬草で薬を錬成したりしている。
専門学科では領地経営の法律手続きのノウハウや地図を等高線で立体にする魔法を見せていた。
恒例となった騎士科の集団行動の美しさは、令嬢達がため息さえ忘れて見入っている。
オープン初日から学園中がキラキラワクワクで大賑わいだった。
ルインは取り囲まれるシグルド先輩をうっとり見ていた。
なんで同じデザインの制服集団なのに、すぐ見つけられちゃうんだろう。
やばい。カッコいいし。
恋というフィルターを通さなくても、カラスの群れの中に降臨してる神みたいなオーラありまくりじゃん。
グッと力任せに握ったせいで、パンフはぐちゃぐちゃになった。
祭りは3日ある。
一番盛り上がるのは最終日で、驚く仕掛けもてんこ盛りだ。
しかも各学科ともゲストを呼んで、それを目当てに人がくる。
こんな初日に来園者を捌くシグルド先輩を探してた訳。
それは騎士科のゲストのせいだ。
何度も言うが、ルインはアルヴィン辺境伯家の末っ子だ。
森から国を護る緩衝として領地がある。アルヴィン家は強い。
アイゼルロイツ王国の中でも抜きん出た、武による武の為の家だ。
アルヴィン家はだいたい王立学園卒業と共に騎士団とか魔法師団とかの国防の要となっていく。
それでも最終的に森から湧き出る魔獣を物理的に何とかする為と帰っていくのは、単に他では熱く沸る闘魂の捌け口がないせいだ。
つまりアルヴィン家は自他共に認める戦闘民族な訳で。
男女問わず熱い視線のファンがいる
つまり騎士科のゲストと指名されるのに何の不思議も無いわけだ。
ただその名が次兄のランバとなるとルインは頭を抱えるしかなかった。
父も長兄も三男のウルク兄ならば何とか誤魔化す自信があった。
だがランバ兄は無理なのだ。
ルインは学園でのびのびやりたい放題するために、ぬるっとおつきを躱して五月蝿い王都の屋敷にも寄らずにとっとと学園に来た。
つまりガッツリ叱られる案件だ。
"ごめんなさい"としょぼんのくっすんで脳味噌に筋肉が直結している父様達はコロっといく。
でもランバ兄は違う。
父様の様な筋肉なのに母様の様に理路整然とした脳味噌なのだ。
ツンとした氷の剣士と呼ばれる兄様は、けして感情論では誤魔化されないのだ。その上説教はとてつもなく長い。
楽しい学園生活のためにその説教を躱すことが、今の重大目標だ。
ぐん!と気合いを入れる。
三つ編みがくいんと上がった。
やるっ‼︎
説教を逃れる為に僕はやる!
細工は流流、後は結果を御覧じろだ‼︎
百面相で表情筋を緩ませてから
ルインは歩き出した。
いつもと違うのは、おっさんおばさんが群がっていることだ。
今日から学園の行事がある。
新入生が慣れてから歓迎の祭りとして学園を解放している。
解放なので近隣住民や未就学児も、貴族平民問わずにやって来る。
勿論、保護者も押し寄せる。
そんな訳でヴィンターベルク公爵家の若様に我が子を売り込もうと、親達は目の色を変えていた。
この祭りは2年になって選択する学科をアピールするのが目的だ。
興味を持って入科して欲しいと体験したりして宣伝している。
魔導師科は回路を描いて作った魔道具を展示したり、参加者に簡単な手元灯を作らせたりしている。ほかには魔導紙で陣を書いて空調を上げ下げしたり薬草で薬を錬成したりしている。
専門学科では領地経営の法律手続きのノウハウや地図を等高線で立体にする魔法を見せていた。
恒例となった騎士科の集団行動の美しさは、令嬢達がため息さえ忘れて見入っている。
オープン初日から学園中がキラキラワクワクで大賑わいだった。
ルインは取り囲まれるシグルド先輩をうっとり見ていた。
なんで同じデザインの制服集団なのに、すぐ見つけられちゃうんだろう。
やばい。カッコいいし。
恋というフィルターを通さなくても、カラスの群れの中に降臨してる神みたいなオーラありまくりじゃん。
グッと力任せに握ったせいで、パンフはぐちゃぐちゃになった。
祭りは3日ある。
一番盛り上がるのは最終日で、驚く仕掛けもてんこ盛りだ。
しかも各学科ともゲストを呼んで、それを目当てに人がくる。
こんな初日に来園者を捌くシグルド先輩を探してた訳。
それは騎士科のゲストのせいだ。
何度も言うが、ルインはアルヴィン辺境伯家の末っ子だ。
森から国を護る緩衝として領地がある。アルヴィン家は強い。
アイゼルロイツ王国の中でも抜きん出た、武による武の為の家だ。
アルヴィン家はだいたい王立学園卒業と共に騎士団とか魔法師団とかの国防の要となっていく。
それでも最終的に森から湧き出る魔獣を物理的に何とかする為と帰っていくのは、単に他では熱く沸る闘魂の捌け口がないせいだ。
つまりアルヴィン家は自他共に認める戦闘民族な訳で。
男女問わず熱い視線のファンがいる
つまり騎士科のゲストと指名されるのに何の不思議も無いわけだ。
ただその名が次兄のランバとなるとルインは頭を抱えるしかなかった。
父も長兄も三男のウルク兄ならば何とか誤魔化す自信があった。
だがランバ兄は無理なのだ。
ルインは学園でのびのびやりたい放題するために、ぬるっとおつきを躱して五月蝿い王都の屋敷にも寄らずにとっとと学園に来た。
つまりガッツリ叱られる案件だ。
"ごめんなさい"としょぼんのくっすんで脳味噌に筋肉が直結している父様達はコロっといく。
でもランバ兄は違う。
父様の様な筋肉なのに母様の様に理路整然とした脳味噌なのだ。
ツンとした氷の剣士と呼ばれる兄様は、けして感情論では誤魔化されないのだ。その上説教はとてつもなく長い。
楽しい学園生活のためにその説教を躱すことが、今の重大目標だ。
ぐん!と気合いを入れる。
三つ編みがくいんと上がった。
やるっ‼︎
説教を逃れる為に僕はやる!
細工は流流、後は結果を御覧じろだ‼︎
百面相で表情筋を緩ませてから
ルインは歩き出した。
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