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精通は免罪符では無い。断じて。
3 閨教本の始まり
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リヒトは平凡な容姿をしているが家族は違う。
パパンは大変妖艶な美人だ。
次兄のシェテラはパパンそっくりで、しかも泣きぼくろという最終兵器まで装備している。
その姿は周囲を魅了し、妄想を滾らせているが超肉食系の攻様だ。
リヒトは知っている。抱っこされると分かる。そのボディはしなやかだがみっちみちに筋肉があるのだと。
ママンはちょっと顔が濃い。
というかくどい。
どっかの覇王みたいだ。
そのマッスルボディは張りぼてじゃ無く、領地の兵団を牛耳っている。
長兄のヴォルフはママンそっくりで、心も攻様なので、飽くなき闘争心のまま騎士団に入っている。
ちなみに抱っこされると凄く暖かい。
ばっきばきな筋肉は熱力生産マシーンだから冬はうっとりの仕様だ。
そんな主張の激しい家族の中で、あっさりめのリヒトは天使扱いだ。使用人としても目に優しいリヒトは愛すべきものとして拝まれている。
そりゃ毎回シャトーブリアンを食べてたら、胃に優しいお粥だの野菜だのが欲しくなるよね。
そんな家族の中で自分が外からどう見られているかはすぐ悟った。
幼い頃から「お兄様と似てらっしゃらないわねぇ」と耳にタコどころかウツボがくっ付くほどに言われたからだ。
武の長兄と美の次兄、そして末っ子の"凡"だ。
面白おかしく焚き付けられたって、ごめんね妬みは出ないんだ。だって比べるにも烏滸がましいほどレベルが違うんだもの。
それに家族は凡なリヒトをデロデロに溺愛している。
幼児の時は医者に歩かせろと止められるまでは抱っこで移動が通常形態だった程だ。
特にヴォルフ兄は小さく産まれておとなしいリヒトを可愛がっている。
まさかの小児愛好の変態かと使用人が本気で案じたほどだ。
そんな訳でリヒトは家族に愛されてすくすく育っていた。
ファミリーファーストな家族にとって、夕食は大切なお喋りタイムだ。
シェテラ兄は寮でいないけど、パパンとママンとヴォルフ兄は必ず揃って談笑する。
リヒトは学校の出来事を話す。
精通を自慢するハンフリーと、寄ってたかってチヤホヤする同級生。ソレを取り囲んで噂する同級生。
昨日までのクラスカーストがどんでん返しされたのだ。
あらあらまぁまぁと笑いながらママンはメインのお皿にむかった。
「あ、そう言えば」
ハンフリーに聞かれたからとシェテラ兄の帰宅予定を尋ねた。
その瞬間、部屋の空気が変わった。
パパンが咳払いすると静かに告げた。
「詳しく教えてくれるかな?」
ナイフを掴んでいたヴォルフ兄の拳がぶるぶるして血管が浮き上がった。
パパンは大変妖艶な美人だ。
次兄のシェテラはパパンそっくりで、しかも泣きぼくろという最終兵器まで装備している。
その姿は周囲を魅了し、妄想を滾らせているが超肉食系の攻様だ。
リヒトは知っている。抱っこされると分かる。そのボディはしなやかだがみっちみちに筋肉があるのだと。
ママンはちょっと顔が濃い。
というかくどい。
どっかの覇王みたいだ。
そのマッスルボディは張りぼてじゃ無く、領地の兵団を牛耳っている。
長兄のヴォルフはママンそっくりで、心も攻様なので、飽くなき闘争心のまま騎士団に入っている。
ちなみに抱っこされると凄く暖かい。
ばっきばきな筋肉は熱力生産マシーンだから冬はうっとりの仕様だ。
そんな主張の激しい家族の中で、あっさりめのリヒトは天使扱いだ。使用人としても目に優しいリヒトは愛すべきものとして拝まれている。
そりゃ毎回シャトーブリアンを食べてたら、胃に優しいお粥だの野菜だのが欲しくなるよね。
そんな家族の中で自分が外からどう見られているかはすぐ悟った。
幼い頃から「お兄様と似てらっしゃらないわねぇ」と耳にタコどころかウツボがくっ付くほどに言われたからだ。
武の長兄と美の次兄、そして末っ子の"凡"だ。
面白おかしく焚き付けられたって、ごめんね妬みは出ないんだ。だって比べるにも烏滸がましいほどレベルが違うんだもの。
それに家族は凡なリヒトをデロデロに溺愛している。
幼児の時は医者に歩かせろと止められるまでは抱っこで移動が通常形態だった程だ。
特にヴォルフ兄は小さく産まれておとなしいリヒトを可愛がっている。
まさかの小児愛好の変態かと使用人が本気で案じたほどだ。
そんな訳でリヒトは家族に愛されてすくすく育っていた。
ファミリーファーストな家族にとって、夕食は大切なお喋りタイムだ。
シェテラ兄は寮でいないけど、パパンとママンとヴォルフ兄は必ず揃って談笑する。
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精通を自慢するハンフリーと、寄ってたかってチヤホヤする同級生。ソレを取り囲んで噂する同級生。
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あらあらまぁまぁと笑いながらママンはメインのお皿にむかった。
「あ、そう言えば」
ハンフリーに聞かれたからとシェテラ兄の帰宅予定を尋ねた。
その瞬間、部屋の空気が変わった。
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