妖精王の味

うさぎくま

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1、妖精の森

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「ここは何処かしら、あぁ…メンドくさい感じがバシバシくるわ」



 真っ白なベッドに横たわって寝ている私。ベッドはいい、気持ちいいから許そう。しかしこの周りの風景が頂けない。

 右を見ても左を見ても、芝生? 草? 青々とした木々、うん。ここまでも…まぁいい。

 木々から顔を出してこちらを凝視する奇妙な小さい…人?

 凛音は職業柄、人の身長を瞬時に読める。それが出来なければ、高級婦人服売り場には立てない。脱線したが、どう見ても全長三十センチほど。

 小人だ、小人。白雪姫の世界だ。しかし白雪姫の小人との違いをあげるとすれば、彼女らは九等身…いや、十等身か…。

 小さいが殴りたいほど美しい肢体と容姿の人達……あれは妖精か? 天使か? 妖怪か?


 まさしくこれがアウトだ。



「あの、あの、落ちた方。今しがた落ちた方を運びまして、その身に触れて…あんっ!!
  はぁんっ、はぅ、……も、申し訳ございません。はぁんっ!!!」


 そわそわ オドオド たまに変な声を出しながら ……股間に両手を当ててビクビクする嫌味なほど綺麗な容姿の女の人…小さいが。

 異世界転移のてっぱん、言語が理解出来る。これが破られなくて良かったと安心したものの、木の陰から凝視しながら、身体がビクッビクッしていて本当に気持ち悪い。

 そんな力いっぱい股間を押さえるなら、早くトイレに行ってほしいと願う。

 こちらに話しかけた羽の生えた小さい人と同じような綺麗な女の人が、一人、二人、三人…数えるのもメンドくさいほどいっぱいいた。


(落ちた方って。イメージ悪い。神隠しか異次元ワープか、他に色々言い方ってもんがあるでしょ)


 なにが落ちた方だよ、おっちょこちょいみたいに言わないで欲しい。凛音は企業戦士。優秀で引き抜きされたくらいなのに、落ちた方って気分悪い。

 凛音が黙っていると、ビクビク オドオド ちらちら の態度にイラッとくる。

 運んでもらってなんだが、日頃から会社で培われたお局性格が遺憾無く発揮される。



「小さな小さな小さな(嫌味のごとく小さなを連呼する)妖精さん、運んで頂きありがとうございます。
 小さな小さな小さな(嫌味)貴方がたには、私のような巨体はさぞ重かったでしょう。大変ご迷惑をおかけ致しました。
 身一つでこちらに来たもので、何もお渡しできる物もなく心が痛みます。いつか返せたらと思いますが、現状は果てし無く無理かと。
 小さな小さな小さな小さな(嫌味だ)妖精さんと縁があり嬉しく思います。今後私が生きていけたなら、機会があれば(機会なんていらない)またお会い出来たらと思います。
 さようなら」


 得意のアルカイックスマイルで、ふんだんに嫌味を入れて返答してやる。

 天草 凛音にとって、こういう前屈みになり胸を強調させ、『私、か弱くて…キュるんっ』『私、可愛いかなぁ?、キュるんっ』で見つめてくる女が一番最強に嫌いなのだ。


 まさしく奴はそうだ。嫌悪感しかしない。


 凛音の言動に、倒れそうなほど真っ青になる綺麗で可愛いお人形みたいな妖精ら面々に微笑みながら、私はその場を離れる事にした。


「なんでこんな馬鹿な事(異世界へワープ)が私に起きる!! 土の上ではピンヒールが埋まり歩きづらい!! そして暑い!!
 喉乾いた! キャラメルマキアート飲みたい!!! 」


 天草 凛音の脳には、今しがた購入したにもかかわらず飲みすごしたキャラメルマキアートだけが、脳内を占拠していた。

 今から少し時間が遡る。




 日本国、大阪市。五月らしい燦々と照りつける太陽に、そろそろ日傘が必要か? と思う今日この頃。
 ゴールデンウィークも終わり、本格的に若手の指導が始まる時期。


「楽しそうで何より」

 凛音は室内で飛び交っている可愛らしい声に、思わず心の声を出していた。
 現在は昼食中。大手企業ならではの設備の整ったこの休憩室は、女の園と化していた。


「凛姉さんもコッチで一緒に話しましょうよ!」

「はい、はい、私も凛姉さんと話したい! 何か面白い話してくださいよ!」

「ズルイっ、凛姉さん、私も聞きたい!」


 慕ってくれる後輩は可愛い。天草先輩と一緒にいると恐いけど落ち着くと言われている。大概見た目のせいで、最初は怖がらせるが、慣れてくるとうっとおしいくらい慕われる。

 話すと面白いし頼り甲斐があってお母さんみたいで好きと、かなりの確率で後輩につき纏わられていた。

 私と彼女らの差は平均して十歳は違う。まさかそこに「うははは、おほほほ」と入れる訳がない。最近は(ここ重要)自分のレベルを理解している。

 昔は恥ずかしい事も色々した…ゴスロリとか…コスプレとか…人に言えないレベルの本を作ったりとか…。今は言えない過去だ。

 自社の傾向として、皆二十後半から三十前半でドバドバっと結婚していき、現在会社にはその層がいない。私はいわゆる行き遅れだ。


「私はキャラメルマキアート買いに外に出るから、話 出来ないわ。ごめんね、話はまた聞いて!!」

 ニコッと微笑みを返すと、笑顔が返ってくる。


「はい!! いつでも聞きます!! 凛姉さんの話は、ぶっ飛んでて好きです!! 涙流して笑ったのなんかここ最近ないですもん」

「なにそれ。褒めてないでしょ~~」


 笑いながら注意すれば「恐い~」と冗談で返される。それを「はい、はい」と笑い飛ばしながら、その場を離れた。


 エレベーターで一階に降り、でっかいホールを横切る際は受付け嬢にも笑顔で会釈をし、愛想を振りまく。
 キュるんっと可愛らしい受付け嬢を、とてつもなく羨ましく思いながらも、気分を変える為に空を見上げて背伸びをしてみる。


「なんか、楽しい事ないかなぁ~。どっかにいい人 転がってないかなぁ~」


 どうにも思考がオタクよりになる自分が笑えた。

 彼女の名前は、天草 凛音。年は三十五歳。大手アパレルの中枢を担うブランドの統括マネージャー、そう企業戦士。

 父は精神科医、母はグラフィックデザイナー、妹はデザイナー+芸能事務所の次期社長候補、となかなかハイスペックな家族。

 四親等くらいまでの親戚血族も、大手銀行のトップだったり、宇宙開発事業団に勤めていたり、弁護士や医者は当たり前、オペラ歌手もいる、凄い経歴。

 天草 凛音に戻る、彼女の容姿は中の上。髪は黒髪を少し茶色に染めて肩につく長さで切り揃え、毛先はふんわりパーマ、瞳は黒に近い茶色。ザ、日本人である。

 身長は169.5センチとちょっと高め…イヤだいぶ高い。もともとが高めで、さらに仕事上、9センチのヒールを愛用しているから、かなりの高身長。男ならモテモテだろう。

 男性のコスプレをした時の人気は半端なかった。泣きながら電話番号を渡された時には、ドン引いた。

 身長があれなので、お見合いや合コン用にペタ靴は絶対に必要だった。それでも、お見合いで会った男性『170センチ』と書いてある人の全員が、凛音より目線が低い(169.5センチ+ペタ靴)


 なるほど男性は2センチほど高くサバを読み、女性は2センチほど低くサバを読む。

 ギリギリ170センチは欲しい私としては、涙を飲んで170センチの男性とお見合いしているのに、会うとハズレ、それはないだろうとガックリくるのだ。

 で、凛音は服を着てると着痩せするのか、大概 細いやスタイルいいと言われる。職業柄、細く魅せる技を持っているのだけの事。
 脱いだら、ほんのりポチャとしていて、それがコンプレックス。

 胸が大きいのは結構自慢、ウエストが細いのも自慢、しかしお尻と太ももの太さは溜め息が出る悲しさだ。
 ウエストが細いのでハイウエストフレアスカートが大変似合う、ワンピースも勿論似合う。

 しかしタイトスカートとスキニーパンツが天敵の残念な体型。
 中世ヨーロッパのドレスなら完璧に着こなせる自信があった。だから自身もヨーロッパ風の物語や服やらが大好物で、いい年齢でゴスロリにハマったのもそれが原因。

 だからこそ、原色のトップスに黒やネイビーのロングスカートではなく、本当に着たいのはふわふわの素材の淡い色のミニスカートだ。

 逆立ちしても天草 凛音には、無理なのだ。

 溜め息をつきながら、某有名コーヒーショップに入り、朝出勤前、昼食後、会社終わりの計三回は飲むキャラメルマキアートを頼み、店を出る。

 手の中のカランコロンとなる氷と、コーヒーの香りがトゲトゲしい気持ちを軽くしてくれる。

 左手には携帯と財布のみ、右手にキャラメルマキアートを持ち、信号が青になったのを確認し足を踏み出す。

 しかしあるはずの白線がなく、足元は真っ暗闇。そして浮遊感。


「えっ!?」


 こんな清々しい日に貧血か!? と内心毒づきながら、天草 凛音は意識を手放した。

 突如出現したブラックホールに飲み込まれたのだ。



 ***



 太陽系の中にある惑星…地球。同じような惑星がもちろん広い宇宙には存在している。

 時も時間も、進化した生き物が全て違う、もう一つの地球。

 なんの因果か、神のいたずらか、今問題になりつつある異空間への転移。突如出現するブラックホールに飲み込まれた哀れな人々の報道がちらほら起きていた。

 世界ニュースで、日本ではまだ記録にはない。凛音を含め日本人はさほど興味を示していなかった。
 だいたい国の状況が悪く、内戦が勃発している場所からの転移が多く『異世界へのワープだ!!』と喚く外国人を見るたび、それは暗殺なのでは?と日本人の誰しもが思っていた。

 同じ地球に住んでいても、私達は大丈夫だと変な奢りがあったのだ。


 安全だと思われた日本で、それは突如出現した。天草 凛音は日本人でブラックホール飲み込まれた最初の人となった。

 凛音が飲み込まれたのは、真昼間。多くの人が飲み込まれた瞬間を見た。

 呆然と固まる人の目線の先には、携帯と財布、そして今しがた買ったのだろうと推測されるキャラメルマキアートが、道路の白線の上にブチまけられていた……。



 ***


 もう一つの地球は、種族で分かれ統治されていた。種族の数は大きく157に分けられ、同時に157の王が存在する。

 王は世襲制ではなく力が全ての原始的な決め方であった。しかしその157の国に人間という種族は存在しない。

 二足歩行する人に似た何かだ。


 寿命が恐ろしく長い妖精族は、各国の王の集いでの進行役としての役割が長い。


 種族によって、寿命は様々。肉食系の種族は短命で八十年。草食系では九十年。海に住む者は五十年ほど、妖精族だけは三百年をいうに超える。

 その結果、妖精族が皆のまとめ役になるのは当然といえた。


 異種族との交配も推奨されており、近しいモノ(種族)ではなく身体の形が遠ければ遠いほど、より力が強く長く生き、生命を糧として練り上げる魔法も多く使えた。


 十年に一度の王の集まりが、今年開催される。今年の開催国は血気盛んな熊を王に戴く、バルべ王国だ。
 力が強く豪胆な者が多い国で、なんと雌の奪い合いは常に殴り合い。


 皆が優しく、優しすぎる妖精族とは意見が常に合わなかった。


 妖精の国、フェア王国。


 次の開催に向けて現状での問題点をまとめる為の議会が王宮で行われていたが、世界の議題は今や『王のお相手は何処にいる』問題に変わっていた。


「各国の王と繋がる大切な会合。まだ番いを見つけれないと馬鹿にされます!!
 エティエンヌフューベル様にも、いつかと…待ってはいます。でもいったい いつなのですが?
 最近は出づらくなる精液酒を、無理矢理絞る取るようにして出して頂いても、それを飲める者が現れないとは、私は辛い、辛すぎます」


 綺麗な金色の髪を豪華に結んで、でっかいリボンを付けているキラキラフェイスの妖精の名はイヨカ。エティエンヌフューベルの右腕で、現在の性別は男。

 妖精族は番いに会うまで両性具有。

 対相手が妖精の場合は互いで相談し、男女を決める。番いが妖精族でない場合は番いに決めた相手と逆の性別になるのが一般的で、一度性別が固定されれば死ぬまで変わらない。

 イヨカの番いは同じ妖精族で、最近夫婦になった為 子供がいない新婚ホヤホヤ。幸せだからこそ、さめざめ泣くのだ。


「そうは言っても、こればかりは自分でどうしようもないわ。最近、絞り過ぎて股間が痛いのよ」



 冗談ではなく股間が痛いのか、細くきめ細やかな指が股間を隠すように覆い。透き通るほど白く滑らかな頬に涙がつたう。それは溢れ落ちそうなほど豊満な胸の谷間に流れ落ちる。

 現在の妖精の王は、過去の王の誰よりも生命力に溢れ、魔力もピカイチ。

 そんな素晴らしい力を持ちながら、見た目は日焼けなんぞの言葉を知らないほどの美しい白皙の肌。

 薄紫色の髪に同色の瞳。アーモンド型の瞳を縁取るまつ毛さえも薄紫色。美しく儚い美貌を持つ妖精族の絶対的な王、エティエンヌフューベル。

 番いに会えない苦しさは、生きながら絶望をエティエンヌフューベルに与えて続けた。



 妖精族は皆が絶世の美を持つ種族で、番いを持たない妖精族は両性具有。



 妖精族の服はたっぷりとした布地を合わせた形状の為、性別固定され男になっても美し過ぎる容姿から、一見すると皆が女にしか見えない。

 そして特に妖精族は涎が止まらないほどの肉感的な見目。


 バァンと張り出た胸は、柔らかい布地を美しい曲線として出しており、他の種族からは常に抱きしめたい美しさナンバー1。
 しかし驚く事なかれ、服で見えないが同時に男のイチモツも見事なサイズをしっかりぶら下げている。

 たっぷりした布地は下半身を隠すのにも有効的で、実は歩きづらいほど大きな袋と長い筒状の棒が股の間をぶらぶらしているのを隠す為の衣装でもあった。

 エティエンヌフューベルは、まだ見ぬ伴侶にさめざめ泣き続けている。



「あぁ、エティエンヌフューベル様。虎はあまりオススメ致しませんが、狼などいかがでしょうか? 精液酒を今騒がれている美丈夫の狼に渡しましょう!!」


 いい考えとして、補佐官のイヨカは手を叩いて喜んでいるが、エティエンヌフューベルは乗り気ではない。


「狼の男は、好みではないわ。私の好みは針に糸を通すほどなのよ。私が作り上げた理想の相手…夢でしか会えない。
 初めは神からのお告げかと信じ、きっと会えると思い、精液酒を何度も絞って絞って絞って、でも無駄に終わる。
 最近ではもう夢にも現れなくなってしまった……。会いたい……会いたいわ……私の運命の人……」


 夢の想い人を思い出したのか、エティエンヌフューベルはまたさめざめ泣く。

 美しい王の相手が現れなくて、皆が泣き出す始末。力が強いが残念な性格ばかりの妖精族。



「私が王の相手になります!!」

「私に王の……精液酒を飲ませてください。もしかすれば私なのかもです」

「私こそが王の相手かもしれません、私にもチャンスを!!」


 エティエンヌフューベルにつられて泣いていた皆が、口々に手を上げ豊満な胸を揺らし意見を述べる。
 妖精族の残念なところが此処で、自意識過剰で空気を読めないのが特徴的。

 さめざめ泣きながら言いたい事を発し、泣き姿に同情したものを自分の良いように先導する。見目にも肉体的にも絶対的な自信があるからこその技であった。

 泣きながらも厚かましく挙手をしてくる独り者を、エティエンヌフューベルは軽く一瞥し無視をする。

 エティエンヌフューベルが王になり、国がかつてないほど栄え、よりよい暮らしが出来ている。その根底にあるのがエティエンヌフューベルの恐ろしいまでの冷酷さと残忍さにあった。


 数十年前。

 妖精族の子供を手篭めにしようとした他種族の男を、薄紫色の髪をゆっくりとかきあげ、豊満な胸をたぷたぷ見せつけながら、いきり勃ったイチモツをパーツごとに切り刻み。
 それを目の前で消し炭にし、泣き喚く男に微笑みながらその男の種族の王に転送した経歴の持ち主。

 エティエンヌフューベルは全種族から恐れられた。その残酷な所存は皆が知る事となり、事実口にしてはいけない名前とまでされた始末。

 そんな扱いも短命な肉食系の種族からは忘れさられ、馬鹿みたいに筋肉隆々な肉食系種族からエティエンヌフューベルは求婚を受け続けていた。


 エティエンヌフューベルの右腕であるイヨカでさえも、エティエンヌフューベルの隣に立つのはこんな人! という理想があり、当たり前に筋肉隆々種族の〝男〟を紹介し、捜していた。


 イヨカは番いが同じ妖精族だから子を成すため男を選ばなくてはならなかったが、通常妖精族はほぼ女性になりたがる。

 ふんわりあざとい性格が多い妖精族は、男性の隆々な骨格美よりも豊満な胸やくびれたウエスト、優美に張った腰に、柔らかい身体を好む為、女性体が多いのだ。


 まさか妖精族の王であるエティエンヌフューベルが、夢でみる理想の相手が、女性の肉体を持つ『天草 凛音』とは思うまい。

 実はエティエンヌフューベル本人も知り得なかった事実は驚愕もの。

 エティエンヌフューベルが想像した理想の相手は、夢ではなく生きている異世界の人間〝天草 凛音〟であり。長きにわたり、盗撮に近い状態で〝天草 凛音〟を見ていた。


 エティエンヌフューベルに、バカでかい力があるからこそ出来る技。

 成長していく愛しい人を見ていたからこそ、両生具有の肉体であってもエティエンヌフューベルの『性』はすでに男性と決まっていた。

 全世界の男を虜にする美し過ぎる容姿を持ち、たぷたぷと揺れる胸や、綺麗な涙、細い手足があろうとも、受け入れたいのではなく自身の身体を愛しい人の内部に入れたいのだ。

 妖精族の体液は甘い。涙も汗も唾液もだ。しかし唯一甘くないのが、ぶっといごんぶとのイチモツから出る精液。

 自身が心から愛し、一生に一度たった一人の運命の相手のみは、この吐くように不味い精液が甘く甘く魔薬のように甘美に思えるのだ。

 妖精族の中では 夫婦になる儀式の一つ。

『この人だ』と思う人へ、自身にぶら下がる玉の中で造られた精液酒を、ぶっといイチモツをシゴき白い液体を出した後、豪華に彩色されたグラスに入れ、愛しい相手に飲ませる。

 運命の人なら簡単にその精液酒を飲み干せる。違うと喉を通す事も出来ず、口内が激しく痺れ吐き出す選択肢しかない。


〝エティエンヌフューベル〟の運命の相手は、間違いなく〝天草 凛音〟。


 よって選ぶ性別は迷う事なく男性だった。



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