世界が終わるその日まで

今井ペン

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世界が終わるその日まで

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「はあ~眠。今日も頑張るか。」

この生活を始めてどのくらいたったかな。
日を数えるのは結構前にやめたけど、今は季節的に秋だから....、5ヶ月くらいか。
今はこの世界はだらけで終わったような世界だけど、僕の心が、僕の世界が終わるその日まで、頑張って生きていこうとあの日決めたんだ。あの日、あの日。

       ~5ヶ月前~

「行ってきまーすお母さん」

「行ってらっしゃい気をつけるのよ拓海。」

「おーい。拓海~。お父さんのこと忘れてるぞ~。」

「ごめんごめんwお父さんも、行ってきます」

「はい、行ってらっしゃい。」

ガタン

これといった雲ひとつない透き通るような青空が扉を開けると広がっていた。
思わず深呼吸をする。
すぅ~~~~はぁ~~~。

「今日も気持ちいい朝だなぁ」

一言呟くと隣の家の玄関からこれもまた透き通ったような声で
「あっ!拓海ー!おはよ~」

「おはよう十花」

十花とは小学生からの幼なじみだ。
朝は一緒に自転車で高校まで行っている。

「ねぇ朝のニュース見たー?」

「見てない」

「イケメンの極み男がまた不倫だってぇ~」

「アホだなぁ~」

このようなたわいもない話をしてる間に高校に着いた。
いつものように下駄箱で靴を脱ぎ階段を上る。
目指すは2-A。
扉を開けて教室に入る。

「おはよー」

「おう。おはよう」

「なぁ。拓海も見たか?朝のニュース」

「十花から聞いたよ。アホだよなぁ」

「だなぁ」

隼人とも小学生の時からの幼なじみだ。

「なぁ。お前いつ告白すんだよ」

「うっせぇなやめろよ。まだその時じゃねぇんだよ。」

「そうやって先延ばしにしまくって、誰かに取られちゃうかもよ?」

「ないないwあいつには男っ気ないんだからw」

「そんなこと言って、他にも何か理由ができて告白できなくなっちゃうかもしれないよ?」

「なんだよそれw

「おい、なんだよあの雲」
 
「あ?なんだよまた積乱雲の話?wほんと好きだよなぁ隼人」

「いや違うってあのきのこみたいな雲」

「はー?wどれどれ」

その時俺は何かを感じた。
なにかとてつもない恐怖のような感覚を。
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