運命の女~麗奈~

モモ

文字の大きさ
上 下
8 / 64

名も知らぬ人(8話)

しおりを挟む
◯魔界・村の市場
珍しい食べ物を買っている麗奈とみらい。
コソコソ話している幸太とかいき。
幸太「父上が私の所へ協衛時団の水隊長を遣わした?
てことは魔界にいると知られたってことか?
それなら、見張りがいるはずだ。
王女とみらい殿を呼んで来い!」
かいき「はい。」
かいきが麗奈達を探しに行くと幸太が周りに怪しい人がいないか確め
はじめた。
かいきがフルーツ市場に着くと、麗奈とみらいがオレブドを買っていた。
かいき「麗奈様ー!」
かいきが呼ぶと麗奈とみらいが振り返った。
麗奈「あ、かいきさん。どうしたんですか?そんなに慌てて。」
麗奈に質問されて、かいきが話そうとすると
水隊長「いたぞー!王女様達を連れ戻せー!」
協衛自団「はい!」
軍団が押し寄せると、かいきが麗奈の手を引っ張り逃げた。
みらい「待ってくださいよぉ!」
みらいも麗奈達の後を追った。
◯魔界・森の中
バラバラに走ってペリー塔に向かっている麗奈達。
五人ずつに分かれて麗奈達を追っている協衛自団。
麗奈「ここまで来ればペリー塔まで後少しね。」
すると、後ろに誰かがいる気配を感じ麗奈が振り向いた。
麗奈「あ、あなた、誰?」
麗奈(何で、右手に水滴が浮いてるの?
あれは、水界の臣下や王族の人が使えて、相手を気絶させる魔法よ。
なぜ名も知らない私を狙うの?)
麗奈がおびえていると
?「ウォーターフラッシュ。」
と、攻撃してきた。
麗奈は助けを求めるため叫んだ。
麗奈「助けてー!」
麗奈はだんだんと意識がぼんやりとしてきて倒れた。
◯魔界・ペリー塔
捕まっている幸太達。
麗奈の助けの声を聞いて空を見上げる幸太達と協衛自団。
幸太「水隊長!今のって・・・。」
幸太が真剣な顔で尋ねると水隊長がコクリと頷いた。
水隊長「はい、麗奈王女様の声です。」
皆が助けに行こうと言ったその時、幸太達の真上に一羽の鷹<たか>が
飛んでいた。
鷹は一枚の紙を落として飛び去って行った。
幸太はその紙を拾い中を見た。
幸太「{女子<おなご>を取り戻したければ日が沈む前に魔花洞<魔界と花界の境界線にある洞窟>に来い}と書かれている。」
水隊長「それは不可能でしょう。
ここから魔花洞まで半刻<はんときと言い一時間を意味する>はかかります。
恐らく四半刻<しはんときと言い三十分を意味する>ほどで日も沈みます。」
皆は何とかできないかと考えた。
すると、みらいが
みらい「あ、魔法の鏡で瞬間移動できます!
前に麗奈王女様が言っていました。
魔法の鏡に手をあてて行きたい場所を言うと連れて行ってくれるそうです。」
皆は疑いながらも一か八かでためした。
全員が鏡に手をあて叫んだ。
全員「魔花洞!」
すると、皆が光に包まれ消えた。
しおりを挟む

処理中です...