運命の女~麗奈~

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弟子(21話)

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○水界・南夏村につながる東の森の中
走っているかいきとみらい。
みらい「あぁ、もう走れませんよぉ!というか、何でお二人と離れたのですか!
あ、もしかしてアタクシと二人きりに・・・なりたかったのですか?」
みらいがかいきに近づきながら言った。
かいきが眉間にしわを寄せながら二歩後ろに下がった。
かいき「私は・・・」
みらい「ん?なんですか?もしかして図星ですか!?」
かいきは深呼吸してから
かいき「私は・・・私は男色ではないからみらい殿の気持ちに答えられない!」
と言った。
みらい「男色?誰が男を好きになれと?
アタクシ、体は男でも見た目と中身はお・な・ごですよ!」
かいきは苦笑いしながら
かいき「あぁ、そうだったな・・・。」
と言った。
○水界・南夏村につながる南の森の中
何度も後ろを振り向きながら走っている幸太と麗奈。
後ろから麗奈達を追いかける大祐(真輝)。
麗奈「ねー、さっきから追いかけて来るのは誰なの?
どうして、みらい達とバラバラに行動するの?」
幸太「後ろにいる奴は誰か分からない!かいき達とは南夏村で合流する。」
麗奈「話だけでも聞いてみない?追いかけてくるのには何か理由があるはずよ?」
幸太「その理由が私達を殺すことなら?」
麗奈「あんな少年に何ができるの?」
幸太が黙った。
麗奈「もういい!私が確かめてくる!」
麗奈が幸太の手を振り払って大祐の元へ向かった。
幸太「王女!」
幸太も麗奈の後を追った。
麗奈が大祐のもとに着いた。
すると、大祐が麗奈に跪いた。
麗奈「何で跪くの?早く立って!私達を追うのには何か理由があるの?」
麗奈が手を差しのべると、大祐が麗奈の手をつかみ立ち上がりながら頷いた。
麗奈「遠慮しないでいいわ!私達にできることなら何でも引き受けてあげる!」
大祐「お姉さん、本当に何でも引き受けてくれるの?」
麗奈「うん!」
大祐「それなら、遠慮なく言うよ!僕をお姉さんの弟子にしてくれない?」
麗奈「え、でもそれは・・・」
大祐「僕は、十歳の時にお母さんもお父さんも亡くし、行くあてがないんだ。
でも、お姉さんとお兄さんは王族でしょ?
僕を下働きとして、弟子としてそばに置いてくれない?絶対役に立ってみせるから!」
幸太「どうして、王族だと?」
大祐「腰に着けている玉佩(ぎょくはい)で分かったんだ!
十歳の時から一人だったから、五つの界で旅もしたんだ。
だから、道案内ができるよ!」
幸太と麗奈は少し考えてから目を合わせて頷いた。
麗奈「分かった、私達と一緒に来ていいわ!でも、その前に名前を教えてくれる?」
大祐「本当に!ありがとう!僕の名前は大祐だよ!」
麗奈「大祐ね!覚えたわ!」
大祐(引っかかったか。お前達には悪いが俺にはもう時間がないんだ。
悪く思わないでくれよ。)
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