運命の女~麗奈~

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五界神からのご加護?・協力(57話)

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◯現在・森界・一番大きい山の中
幸太「そして、父上は水界に帰ってきて、私に言ったんだ。
"お前の弟は私達と縁を切り、麗奈と許嫁になった。
だから、もう奏太と麗奈の事は忘れなさい。"ってね。
だけど、十三年経った今でも、麗奈の事を忘れられない。
他の女子に言い寄られても、真っ先に麗奈の事を思い出した。
だけど、五界神(天界・水界・森界・魔界・花界より上の存在。)のご加護かな?
麗奈の許嫁になった奏太は、なぜか麗奈の姉と結婚したんだ。
だから、私にもチャンスがあると思って、旅の仲間を探してると嘘をつき、一緒に各界を歩き回った。
でも、麗奈の心の中では、私とは十三年経った今が初対面。
なかなか好きになってもらえない。
もう諦めたほうが、自分も楽になれるのかな?
ごめんな。こんな話してる場合じゃないな!
赤花の花を探さないと!」
幸太がまた土を掘り始めた。
勇気「楽にはなれないと思う。」
幸太が振り向いた。
幸太「え?」
勇気「もちろん、諦めることも大切だ。
だけど、十三年前に本当の許嫁はお前だったのに、弟にその座と最愛の人を奪われた。
お前は、それでいいのか?
お前の気持ちはそれくらい小さいもんなのか?
違うだろ?
本当の運命の相手がお前だから、五界神もチャンスを与えたのかもしれないぞ?
赤花の花でお嬢さんが良くなったら、自分の気持ちと真実を話してみるといい。
二人の空間ができるよう、手助けしてやる。」
勇気がそう言うと、幸太が
幸太「どうして、そこまで助けてくれるのだ?」
勇気「お前の気持ちが分かるからだよ。
俺にも、昔好きな人がいた。
だけど、勇気がでなくて告白できなかった。
その人は、ある夜に他の男と駆け落ちしてどこかへ行ったんだ。
その日が、俺との結婚式だったのに。」
勇気が少し暗い顔をして言った。
幸太「分かった。俺、頑張る!
そなたの分まで全力で頑張る!
だから、見ててくれ!
そして、そなたに好きな人ができた時、私が協力する!
よいな?」
勇気が少し笑いながら
勇気「あぁ、約束だ。ありがとう!」
と、言った。
勇気が地面を見ると、幸太の腕を掴み
幸太「おい、見ろ!赤花だ!」
と言った。
幸太も慌てて地面を見た。
幸太「やったぞ!やったな!勇気!」
と、二人は顔を見合わせて笑った。
勇気「早くお嬢さんに持ってくぞ!幸太!」
二人は赤花の花を持って、走って医院へ戻った。
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