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(78)SIDE:奏太
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ドキドキしながら、重ねた唇をさらに軽く押し付ける。
恥ずかしいから、本当はすぐにキスを解きたかった。
だけど、僕のダメな部分も情けない部分もひっくるめて斗輝は大事にしてくれているから、そんな彼に応えたいと思ったのだ。
感覚として一分は過ぎただろうか。
ここで僕は静かに顔を引いて、キスを解いた。
オズオズと斗輝の様子を窺うと、嬉しそうで幸せそうで楽しそうで泣きそうな顔をしていた。
ものすごく複雑な表情を浮かべている彼に、僕は首を傾げる。
「うまく表現できない表情になっているけど、どうしたの?」
すると、斗輝は右手で僕の左頬を優しく撫でてきた。
「奏太と出逢えたことに、改めて感動していたんだよ。ああ、奏太にキスをしてもらえて、本当によかった」
頬を撫でた彼の手はスルリと僕の首裏に回り、やんわりと僕を引き寄せる。
彼の瞳が僅かに輝きを増しているのは、涙が潤んでいるからだろう。
泣くほどのことだろうかと思ってしまうけれど、僕だって斗輝に出逢えてよかったと何度も感じているのだから気持ちは分かる。
「番って、やっぱり特別な関係なんだね」
目に見えない部分で、それこそ心で僕たちは繋がっていると思えるほど、僕にとって
斗輝の存在はかけがえのないものだ。
きっと、彼も同じように思ってくれているのだろう。
「そうだな」
短く返した彼は、フッと口角を上げた。
その表情は少し穏やかなものに変わっていて、おまけに、どこか面白がっている感じもする。
「なぁに?」
パチクリと瞬きをしていたら、斗輝の切れ長の目が綺麗な弧を描いた。
「呼吸が落ち着いているのに、口調は戻っていないんだな」
「……ん?」
一瞬、なにを言われているのか分からなかった。
さらに瞬きを繰り返す僕に、彼はますます目を細める。
「自覚がないなら、それで構わない。今の奏太は、俺にかなり心を許してくれているということなのかもしれないな」
彼には分かっていて、僕には分からないということが、なんだか悔しい。
「僕に分かるように説明してよ」
ムウッと唇を尖らせたら、斗輝がキスをしてきた。
「悪いが、教えてやれないな。自覚してしまったら、そういう奏太が見られなくなってしまう」
キスは嬉しいけれど、教えてもらえないのは嬉しくない。
「ずるい」
頬もプウッと膨らませて抗議したら、僕のナカにまだ収まっていた彼のペニスがムクムクと成長し始めた。
「……え?」
そのことに驚いて、僕は不貞腐れていた表情を崩す。
「あ、あの……、斗輝、ちょっと、その……」
一気に顔を火照らせ、ドギマギと視線を泳がせてしまう。
僕がなにに気付いたのか勘付いた彼は、クスッと笑ってから腰をズンと突き上げた。
「……あっ」
動きは一度だけで止まってしまったけれど、快感を呼び戻すきっかけとしては十分だった。
腰の奥がジンジンと疼き、心臓がトクトクと音を立てる。
なにも言わずに黒曜石の瞳を見つめていたら、斗輝が照れくさそうに笑う。
「すまない。甘える奏太がとにかく可愛くて、思わず反応してしまった」
普段大人びている彼の顔が、なんだか可愛く思えた。
そのせいで、僕の心臓の動きが早まってしまう。
つられて、ナカがキュウッと締まった。
そうなると、刺激を受けた斗輝のペニスがググッと大きくなる。
「まいったな」
困ったように笑う彼は、腕を僕の背中に回してしっかりと抱き締めてきた。
「終わりにして、シャワーを浴びようと思っていたんだが」
囁く彼の瞳には、情欲の光が色濃く浮かんでいる。
大好きな斗輝に求められて、嬉しくない訳がない。僕のナカがいっそうキュンキュンと締まった。
「……いいよ」
了承の返事をしたら、彼は喜びと困惑が入り混じった複雑な表情を浮かべる。
「だが、体がつらいだろう? 俺のことは、気にしなくていい」
「こんなに、なっているのに?」
意識してナカを締めると、彼のペニスがかなり硬くなっているのを感じた。
ここで中断するというのは、男としてけっこう大変のはずだ。
「気にしなくていいって言われても、気になっちゃうよ。どうするの? 他の人のところに行くなんて、言わないよね?」
自分で口にしたセリフなのに、ものすごく悲しくなった。
僕が彼の相手をしてあげられないなら、そういう方法もある。
斗輝はかっこよくて魅力に溢れた人だから、何気なく歩くだけですぐに相手が見つかりそうだ。
それとも、『そういう場所』に行って、どうにかするのだろうか。
ブワッと膨れ上がる不安と、彼に抱かれる顔の見えない誰かに嫉妬して、さっきまでときめいていた心臓が、今度は泣きたいほどに痛くなった。
ところが、それはまったくの杞憂だった。
「奏太を溺愛している俺が、奏太以外の誰かを抱くはずがないだろ。たとえ太陽が西から登っても月が爆発しても、それだけは絶対にありえない」
力強く言い切った彼に、安心して涙が零れる。
「ご……、ごめんね。斗輝の気持ちを疑っている訳じゃないんだよ。斗輝は僕に優しすぎるから、僕の体を気遣って他の人とって、つい考えちゃって……。ごめん……」
ポロリと零れた涙を、斗輝が唇でソッと拭ってくれた。
「自分に自信が持てないのは、奏太の性格だからな」
彼の優しさが嬉しいのと同時に、申し訳なさがこみ上げる。
「……怒ってない?」
小さな声で尋ねると、彼はフッと口角を上げた。
「怒ってはいないが、少しだけ寂しいというのはある。俺の気持ちは、まだ完全には伝わっていないと思うとな」
「ち、違う! 斗輝が僕を誰よりも大事にしてくれているの、ちゃんと分かってる!」
慌てて言い返すと、彼の手は僕の頭をポンと叩いた。
「本当に怒ってないから。奏太を誰よりも大事にするのは、当然のことだ。だからといって、奏太以外の人間を抱く気にはなれない。相手が奏太だから、簡単に反応してしまうんだぞ」
そう言って、彼はまた腰を突き上げる。
さっきのように一度だけかと思ったら、緩やかではあるものの止まることはなかった。
「は、あ……」
途端に喘ぎ始めた僕を、斗輝はゆっくりベッドへと押し倒す。
僕の足を左右に大きく割り開き、その間に彼の体が収まる。
彼は僕の顔の横に手をつき、腰を揺らし続けた。
「気にしなくていいと言ったのは、自分で処理をするという意味だ」
「ん、んっ……、そう、だった、の……?」
その言葉を聞いてホッとした半面、悲しいとも思った。
「それなら……、僕のナカに、出して、ほし……」
素直に告げたら、斗輝の腰の動きが大きくなる。
僕の体から溢れた分泌液と彼の放った白濁が、ヌチュ、ジュプといやらしい水音を奏でた。
「奏太の体の負担を考えたら、すぐにでもやめるべきなんだがな。だが、奏太の気持ちを考えたら、やはり続けたほうがいいだろう。もちろん、奏太を抱きたいというのが、俺の正直な気持ちだしな」
困ったように笑いながら告げられた言葉に、僕はコクコクと頷き返す。
「うん、続けて……。もっと、もっと、斗輝を感じたいから……、あぁっ!」
言い終えると同時に、斗輝がガツンと突き上げた。
前立腺をグリッと抉られ、僕の口からは蕩け切った嬌声が零れる。
「あんっ……、く、は、ぁ……、気持ち、い……」
「……素直に甘えてわがままを言う奏太は可愛いが、俺はもう少し理性を保つ努力をしなくては。このままでは、これからずっと奏太を抱き潰しかねないな」
あっという間に快感の波に呑まれた僕を見て、斗輝は小声で呟いたのだった。
恥ずかしいから、本当はすぐにキスを解きたかった。
だけど、僕のダメな部分も情けない部分もひっくるめて斗輝は大事にしてくれているから、そんな彼に応えたいと思ったのだ。
感覚として一分は過ぎただろうか。
ここで僕は静かに顔を引いて、キスを解いた。
オズオズと斗輝の様子を窺うと、嬉しそうで幸せそうで楽しそうで泣きそうな顔をしていた。
ものすごく複雑な表情を浮かべている彼に、僕は首を傾げる。
「うまく表現できない表情になっているけど、どうしたの?」
すると、斗輝は右手で僕の左頬を優しく撫でてきた。
「奏太と出逢えたことに、改めて感動していたんだよ。ああ、奏太にキスをしてもらえて、本当によかった」
頬を撫でた彼の手はスルリと僕の首裏に回り、やんわりと僕を引き寄せる。
彼の瞳が僅かに輝きを増しているのは、涙が潤んでいるからだろう。
泣くほどのことだろうかと思ってしまうけれど、僕だって斗輝に出逢えてよかったと何度も感じているのだから気持ちは分かる。
「番って、やっぱり特別な関係なんだね」
目に見えない部分で、それこそ心で僕たちは繋がっていると思えるほど、僕にとって
斗輝の存在はかけがえのないものだ。
きっと、彼も同じように思ってくれているのだろう。
「そうだな」
短く返した彼は、フッと口角を上げた。
その表情は少し穏やかなものに変わっていて、おまけに、どこか面白がっている感じもする。
「なぁに?」
パチクリと瞬きをしていたら、斗輝の切れ長の目が綺麗な弧を描いた。
「呼吸が落ち着いているのに、口調は戻っていないんだな」
「……ん?」
一瞬、なにを言われているのか分からなかった。
さらに瞬きを繰り返す僕に、彼はますます目を細める。
「自覚がないなら、それで構わない。今の奏太は、俺にかなり心を許してくれているということなのかもしれないな」
彼には分かっていて、僕には分からないということが、なんだか悔しい。
「僕に分かるように説明してよ」
ムウッと唇を尖らせたら、斗輝がキスをしてきた。
「悪いが、教えてやれないな。自覚してしまったら、そういう奏太が見られなくなってしまう」
キスは嬉しいけれど、教えてもらえないのは嬉しくない。
「ずるい」
頬もプウッと膨らませて抗議したら、僕のナカにまだ収まっていた彼のペニスがムクムクと成長し始めた。
「……え?」
そのことに驚いて、僕は不貞腐れていた表情を崩す。
「あ、あの……、斗輝、ちょっと、その……」
一気に顔を火照らせ、ドギマギと視線を泳がせてしまう。
僕がなにに気付いたのか勘付いた彼は、クスッと笑ってから腰をズンと突き上げた。
「……あっ」
動きは一度だけで止まってしまったけれど、快感を呼び戻すきっかけとしては十分だった。
腰の奥がジンジンと疼き、心臓がトクトクと音を立てる。
なにも言わずに黒曜石の瞳を見つめていたら、斗輝が照れくさそうに笑う。
「すまない。甘える奏太がとにかく可愛くて、思わず反応してしまった」
普段大人びている彼の顔が、なんだか可愛く思えた。
そのせいで、僕の心臓の動きが早まってしまう。
つられて、ナカがキュウッと締まった。
そうなると、刺激を受けた斗輝のペニスがググッと大きくなる。
「まいったな」
困ったように笑う彼は、腕を僕の背中に回してしっかりと抱き締めてきた。
「終わりにして、シャワーを浴びようと思っていたんだが」
囁く彼の瞳には、情欲の光が色濃く浮かんでいる。
大好きな斗輝に求められて、嬉しくない訳がない。僕のナカがいっそうキュンキュンと締まった。
「……いいよ」
了承の返事をしたら、彼は喜びと困惑が入り混じった複雑な表情を浮かべる。
「だが、体がつらいだろう? 俺のことは、気にしなくていい」
「こんなに、なっているのに?」
意識してナカを締めると、彼のペニスがかなり硬くなっているのを感じた。
ここで中断するというのは、男としてけっこう大変のはずだ。
「気にしなくていいって言われても、気になっちゃうよ。どうするの? 他の人のところに行くなんて、言わないよね?」
自分で口にしたセリフなのに、ものすごく悲しくなった。
僕が彼の相手をしてあげられないなら、そういう方法もある。
斗輝はかっこよくて魅力に溢れた人だから、何気なく歩くだけですぐに相手が見つかりそうだ。
それとも、『そういう場所』に行って、どうにかするのだろうか。
ブワッと膨れ上がる不安と、彼に抱かれる顔の見えない誰かに嫉妬して、さっきまでときめいていた心臓が、今度は泣きたいほどに痛くなった。
ところが、それはまったくの杞憂だった。
「奏太を溺愛している俺が、奏太以外の誰かを抱くはずがないだろ。たとえ太陽が西から登っても月が爆発しても、それだけは絶対にありえない」
力強く言い切った彼に、安心して涙が零れる。
「ご……、ごめんね。斗輝の気持ちを疑っている訳じゃないんだよ。斗輝は僕に優しすぎるから、僕の体を気遣って他の人とって、つい考えちゃって……。ごめん……」
ポロリと零れた涙を、斗輝が唇でソッと拭ってくれた。
「自分に自信が持てないのは、奏太の性格だからな」
彼の優しさが嬉しいのと同時に、申し訳なさがこみ上げる。
「……怒ってない?」
小さな声で尋ねると、彼はフッと口角を上げた。
「怒ってはいないが、少しだけ寂しいというのはある。俺の気持ちは、まだ完全には伝わっていないと思うとな」
「ち、違う! 斗輝が僕を誰よりも大事にしてくれているの、ちゃんと分かってる!」
慌てて言い返すと、彼の手は僕の頭をポンと叩いた。
「本当に怒ってないから。奏太を誰よりも大事にするのは、当然のことだ。だからといって、奏太以外の人間を抱く気にはなれない。相手が奏太だから、簡単に反応してしまうんだぞ」
そう言って、彼はまた腰を突き上げる。
さっきのように一度だけかと思ったら、緩やかではあるものの止まることはなかった。
「は、あ……」
途端に喘ぎ始めた僕を、斗輝はゆっくりベッドへと押し倒す。
僕の足を左右に大きく割り開き、その間に彼の体が収まる。
彼は僕の顔の横に手をつき、腰を揺らし続けた。
「気にしなくていいと言ったのは、自分で処理をするという意味だ」
「ん、んっ……、そう、だった、の……?」
その言葉を聞いてホッとした半面、悲しいとも思った。
「それなら……、僕のナカに、出して、ほし……」
素直に告げたら、斗輝の腰の動きが大きくなる。
僕の体から溢れた分泌液と彼の放った白濁が、ヌチュ、ジュプといやらしい水音を奏でた。
「奏太の体の負担を考えたら、すぐにでもやめるべきなんだがな。だが、奏太の気持ちを考えたら、やはり続けたほうがいいだろう。もちろん、奏太を抱きたいというのが、俺の正直な気持ちだしな」
困ったように笑いながら告げられた言葉に、僕はコクコクと頷き返す。
「うん、続けて……。もっと、もっと、斗輝を感じたいから……、あぁっ!」
言い終えると同時に、斗輝がガツンと突き上げた。
前立腺をグリッと抉られ、僕の口からは蕩け切った嬌声が零れる。
「あんっ……、く、は、ぁ……、気持ち、い……」
「……素直に甘えてわがままを言う奏太は可愛いが、俺はもう少し理性を保つ努力をしなくては。このままでは、これからずっと奏太を抱き潰しかねないな」
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