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猫と、彼。
しおりを挟む僕は、へーちゃんのとんでもない事実を知ってしまった。
へーちゃんは、僕らの副担任である糠部壮介先生と肉体関係を持っている。
僕は昨日、彼らの行為を見てしまった。
へーちゃんは口止めをしなかった。ただ、心配はするなと苛立った様子で言った。それが焦りに感じたから、僕は不安で仕方がなかった。
正直、僕はへーちゃんと糠部先生の関係が健全なものであるのなら何も言う気はなかった。同性同士の恋愛に対しては僕は何とも思っていなかったし、当事者が幸せなら第三者が口出しするのもお門違いだろうと思う。でも、へーちゃんが「遊び」と言っていたことや、糠部先生に妻子がいることを考えると何とも言えない気持ちになった。それに、性別よりもまず先生と生徒という立場的には不適切に思える。
どれだけ考えても落ち着かなかった。気持ちの整理がつかなくて授業にも全く集中できない。
※
放課後になり、僕はリュックを背負ってチラリと教室の真ん中ら辺にあるへーちゃんの席の方を見る。
へーちゃんは席を立ち上がり、スクールバックを肩に掛けていた。
へーちゃんは、僕の視線に気付いた。僕の方を見ると明らかに不機嫌そうに目を細める。
何故か最近は加山くんや近衛くんとは一緒に帰らず一人で帰ることが多い。前までは3人で話しながら教室を出て行くことが当たり前だったが、9月に入ってからその光景は見なくなった。
へーちゃんは、加山くんと近衛くんと一言別れの挨拶を交わすと、大股で僕の方に近づいてきた。僕が咄嗟に目を逸らしても、逃れられはしない。
「優」
「あ、えっと、何?」
「そりゃこっちの台詞だ。ジロジロ見て鬱陶しいんだよ。用件はなんだ。昨日のことか」
気まずいと思いつつ、へーちゃんの顔を見ると、へーちゃんは呆れた顔をしており、肩を竦めた。撫で肩の彼のスクールバックが、ズルズルと下がる。
「言いたいことがあるならハッキリ言えよ。気持ち悪ぃでも何でも、お前には言う権利がある」
「そんなこと思ってないよ! 言いたいこととかないんだ」
食いぎみに反論すると、へーちゃんは益々嫌そうに顔をしかめた。
「じゃあジロジロ見るな」
「ご、ごめんね」
「いちいち謝んな、うぜぇから」
へーちゃんはそう言うと、一人で帰路に向かおうとする。
「へーちゃん!」
僕は、そんな彼の背中に何故か声を掛けてしまった。
へーちゃんは、まだ用があるのかと苛々を剥き出しにしていたが、それでも無視することなく振り返って僕と目を合わせる。
「その、今日は一人で帰るの?」
「悪いかよ」
「そう言う訳じゃないけど」
「もう行くからな」
「あ、うん。バイバイ」
「おう」
へーちゃんは、今度こそ教室を出て行った。
あれだけ嫌な顔をしても、彼は僕を無視しない。そんな、変わらないへーちゃんに安心しているはずなのに、やっぱり胸のモヤモヤは消えなかった。
僕も家に帰ろうと、教室を出た。僕自身は、常に一人での帰路だ。最後に人と帰路に立ったのは、小学生の頃で、へーちゃんと一緒だった。卒業式の前の日、2人でゲームの話をしながら歩いていたのが懐かしい。
僕が虚しさを感じながら廊下を歩くと、職員室の前で糠部先生を見かけた。彼は職員室に入る手前だった。
「ぬ、糠部先生!」
「相沼か。どうした?」
考えもせずに、咄嗟に彼を呼んだ。糠部先生は顔に笑みを貼り付けて僕に向き直る。
僕は糠部先生が以前から得意ではなかった。授業自体は分かりやすく、授業中にはお気に入りの生徒を指名するが成績はしっかりテストの点数で決める人ではある。それでも、彼が心の底から僕の様な出来損ないを嫌っているのは薄々気付いていた。現に、僕に呼び止められた糠部先生の表情は明らかに作られたものだ。
それに加え、へーちゃんとああいう関係なのだと思うと、何とも言えない気持ちになる。糠部先生には守るべき家族がいるはずなのだ。
「あの、へーちゃん……」
「へーちゃん? ……双郷のことか?」
「あっ、えっと」
僕は、何を言えばいいのだろう。
そもそも、僕が何か言う資格があるのだろうか。これは、明らかにへーちゃんと糠部先生の問題だ。たまたま知った僕が口を突っ込んでもいいのだろうか。
それでも、黙って見逃すのも嫌だった。へーちゃんへの心配でいっぱいの思考から解放されたかった。
「最近、へー……双郷くんが、元気ないように見えて。その、先生何か知りませんか」
真正面から向き合う勇気が出なくて、僕は遠回しに尋ねてみた。糠部先生は貼り付けた表情を崩さないまま「うーん」と唸る。
昨日、へーちゃんとはバッチリ目が合ってしまったが、糠部先生とは目が合っていない。恐らく、糠部先生は僕が見たことを知らないだろう。へーちゃんも言った様子ではなかったし、何より今話している雰囲気は以前と変わっていない。さすがに、僕が見ていたと知ったら糠部先生は焦るだろう。
「私にはよくわからなかったが、そうだったら大変だ。今度、双郷にもそれとなく聞いてみるよ」
「はい。……あの、でも、もしかしたら僕のせいかもしれないんです」
「どういうこと?」
「僕、その……ここでは言いにくいんですけど」
「ああ、職員室でいいか?」
「ありがとうございます……」
糠部先生に促され僕は職員室に入り、端にあるソファーに座わった。僕の向かいに糠部先生が座る。人と話すだけで緊張する僕は、汗が涌き出る手をズボンで拭いた。
「その、僕、双郷くんとは小学校一緒で、昔から凄く良くしてもらって……だからもっと仲良くなりたいと思って、いつもジロジロ見てしまって。彼を不快にさせてるかもしれないと思って」
「そうなのか? なら、素直に仲良くしたいって言えばいいじゃないか」
「先生はその、」
どうにかして糠部先生からへーちゃんのことを聞きたい。
でも、何をどう聞けばいいのだろう。
糠部先生は教師らしく、僕の言葉を待ってくれている。しかし、表情は浮かばない。糠部先生が僕に向けているのは、嫌悪だ。自分への嫌悪感なんて、人生で一番向けられた感情だ。わからないはずがない。
彼が話を聞く気でいるうちに、へーちゃんのことを確認しないと……。
「失礼します」
僕がモゴモゴと口を動かしていると、先程帰ったはずの金髪の少年が職員室に入ってきた。
へーちゃんは僕と糠部先生が2人でいるのを見て、ほんの一瞬だけ目を細めた。でも、すぐに笑った。
へーちゃんの姿が見えると、糠部先生の顔はコロリと変わった。へーちゃん以上にわかりやすく、露骨に喜んでいる。
「どうした?」
「昨日の授業のことで質問に来ました。お話中のようですので、後でまた来ます」
へーちゃんはそう言うと僕の方をチラリと見る。笑みは崩さないままだ。
笑っている双郷平和は、まるでテレビの向こう側の芸能人のようだった。キレイ、という言葉がピッタリと合う。
へーちゃんは、僕に何も言うことなく職員室を出て行った。
このタイミングで糠部先生に話に来たのは、僕への牽制だろう。
余計なことをするな。そう言いたいのだ。
きっと、へーちゃんは僕がへーちゃんを心配していることを察知しているから、「余計なこと」だと思っているのだ。
本当に、そうなのかな。
「相沼?」
「……先生、双郷くんはとても優しい人なんです。見返りも求めずに僕を助けてくれた」
「……?」
「だから、僕は彼に傷ついてほしくないんです」
伝われ。伝わってくれ。
直球に聞けたらどれだけいいのだろう。
糠部先生、へーちゃんを傷つけてませんか?
糠部先生、貴方は先生としてそれでいいんですか?
そう言えればいいのに、勇気のない僕は言うことができない。
「先生、双郷くんがもし何かで傷ついていたら、先生として助けてあげてください」
情けない。
糠部先生は、僕の「先生として」の言い方に違和感を覚えたのか顔が強張った。でも、本性を表すことなく頷いた。
「当然だ。先生方に任せなさい」
糠部先生の薄っぺらい言葉に、僕は頷くしかない。
適当に挨拶を交わし、何の成果もないまま僕は職員室を後にした。出たところにへーちゃんが古典の教科書を眺めながら立っていた。
「へーちゃん」
「よお、糠部に言いてぇことは言えたかよ」
へーちゃんは教科書を閉じながら、青く澄んだ瞳に僕を捉える。先生がいないからか、もうあのキレイな笑みは浮べない。
「……言いたいことは、言えて……ない」
「ふーん。代わりに言っといてやろーか?」
「何て言うの?」
「糠部先生とへーちゃんってデキてるんですかとか、キモいですねとか?」
へーちゃんが、ハハッと馬鹿にするように笑う。こういう意地悪な顔も何故かキレイに見えるのだから、顔がいいというのはズルいものだ。絶対にイケメンは顔で社会生活も得していると思う。
「……自分でそう言うの……嫌じゃないの?」
「別に?」
「やめてよ、僕、そんなこと思ってない」
「だろーな。お前は俺のことを見てねぇんだから」
ずっと、気持ち悪いと言われるくらい見てるのに……それでも、へーちゃんは僕が彼を見ていないと言う。
「自分で言うのもアレだけど、ジロジロ見過ぎてるくらいだと思うけど……」
「それなのに、お前は俺のことを見えてねぇんだ」
へーちゃんはそう言うと、職員室の中へ行ってしまった。本当に授業のことで質問があるのだろうか。今日も当てられてしっかり正答をしていたけれど。
へーちゃんと糠部先生の話が気になりつつも、これ以上ここで僕にできることはなかった。
無力感を抱きながら、僕は下駄箱に向かった。周りが友だちと仲良く話しているのを羨ましく思いながら、外靴を取り出す。
かつては靴に画鋲を入れられり、隠されたこともあった。その度に僕は立ち尽くして笑うことしかできなくて、へーちゃんが「仕方ねぇな」と画鋲を取り出したり、探してくれた。
「懐かしいな……」
「何一人で喋ってんの」
「!?」
まさか、へーちゃん以外に僕に話しかけてくる人間なんていないと思っていたので、声をかけられたことに飛び跳ねるように驚いてしまう。手にしていた靴が音を立てて落ちていった。
そんなオーバーリアクションを素で取っている僕に、声の主である近衛くんは怪訝そうに眉をひそめた。
彼の後ろにはいつのもように加山くんもいる。こちらもまた、浮かない顔をしていた。
「こ、ここ、近衛くん……ドウシタノ?」
「何でカタコトだよ」
近衛くんはすっかり僕という人間をわかってくれたのか、僕の挙動不審さにヘラっと笑う。
「相沼って、双郷と長い付き合いなんだろ?」
「う、うーん……まぁ、そうかも」
「アイツって昔からあーなの?」
「どういうこと?」
近衛くんの言いたいことがわからず首を傾げると、近衛くんは「うーん」と言い淀む。まるで、言葉を選ぶように慎重に考えている様子だ。
そんな近衛くんの後ろにいた加山くんが、硬い表情で口を開いた。
「やっぱりやめようぜ、近衛。良くないって」
「でも……ちょっと、心配じゃん」
「ごめん、何のこと?」
二人が普段話さない僕に話しかけるのだから、よっぽどのことなのだろう。
近衛くんは観念したように溜め息を吐いた。
「この前、3人で帰ったときに車に轢かれた猫の死体があったんだよ。んで……双郷さ、その猫の死体を……笑って解体し始めてさ。なんか、もう、別人みたいにゲラゲラ笑ってて……止めたら今度はビックリするくらい泣き出して、終いにはごめんなさいしか言わなくなったんだ」
何、それ。
新しく知らされる双郷平和の姿に胸がザワつく。ブルリと身体が震え、サブイボが立つ。
僕は、小学生の頃起きた事件を思い出していた。
猫の生首が発見された事件だ。数ヶ月かけて何件もあったその事件は、警察のお父さんに聞いたところ、へーちゃんの継父が犯人だったらしい。
「あのときの双郷……マジでおかしかったんだ。昔から、そーいうことあったのか?」
近衛くんは、不安そうに眉を寄せた。その表情から、近衛くんがへーちゃんを心配しているのがヒシヒシと伝わる。
加山くんもまた、じっと僕を見ている。
「小学生までのへーちゃんは、そんなことなかったよ。そもそも、性格ももっと明るかったし……色々あったんだと思う」
へーちゃんは施設で過ごしたと話していた。施設で過ごしていたことよりも、そうせざるを得なかった理由があったことが問題だ。
でも、施設で過ごしたと聞いてなるほどと納得することもあった。やっぱり、お父さんの言う通り、へーちゃんの継父は決して良い人ではなかったのだ。彼が猫を殺すのをへーちゃんも知っていたのだろう。
それが、今、彼の歪みになっているのだと思う。
「普通じゃねぇよ、アイツ」
加山くんがボソリと呟いた。
悲しいけど、彼らが最近一緒に帰らなくなった理由はこれなのだろう。残念だが、確かに死体を弄る人と一緒に帰りたくないと思っても仕方がない。
「まだいたのかよ」
「あ、双郷」
僕らが話し込んでいると、糠部先生との用事が終わったのかへーちゃんが下駄箱に向かってきた。
仏頂面のへーちゃんの対し、近衛くんが眉を八の字にして笑う。加山くんは、俯いた。
「双郷こそ、腹痛いって言ってたじゃん。はやく帰って休めよー」
「今から帰るんだよ」
近衛くんが努めて平然を装うのに対し、へーちゃんは本当に澄ました顔をしている。へーちゃんはまるで何もなかったように平然と下駄箱を開けた。
「へーちゃん」
「んだよ、しつけぇな」
近衛くんを邪険にはしないが、僕のことは露骨に嫌がって舌打ちをした。やはり、性行為を見られたというのは、へーちゃんにとってかなり苦しかったのだろう。
「小学生のとき、猫の死体が頻繁に出てたの覚えてる?」
近衛くんと加山くんが、僕の顔を見た。その顔がどちらも歪で、不思議だった。
へーちゃんは僕を睨む。だが、すぐに口角を上げた。
「覚えてる。……俺がやったとでも?」
「違う。お父さんに犯人、教えてもらったんだ」
「あー……そう。で?」
「君は、違うよね?」
どういう言葉を使えばいいのかわからなかった。
でも、僕を守ってくれたヒーローが歪むことを認めたくなかった。
糠部先生のことも、猫のことも、きっと理由があるはずだ。
だから、それを……知りたい。
「父さんは、車に跳ねられた」
「え?」
へーちゃんは「はぁ」と深い溜め息を吐いて、靴を履き替える。
「猛スピードで車が来て、ぶつかったと思ったら、簡単に身体が吹き飛んだ。頭から色んなモン撒き散らして、身体がビクビク跳ねてんの」
「へーちゃ」
「猫の死体を見てたら、そんときのこと思い出していた。訳わからなくなって、しちゃいけねぇことしてた。……近衛が声かけてくれなかったら、ずっと、してたのかもな」
履き替えた上靴をしまうと、へーちゃんは近衛くんと加山くんに視線を向けた。その顔には、なんの感情も浮かべていない。
「お前らの反応は正しいと思う。だから、俺なんか気にしなくていいから」
「いや、俺等ビックリしただけで……てか、そんな事情あったのもはじめて知ったし……」
「ごめん」
へーちゃんは消え入るような声で謝ると、僕には見向きもせずに学校を後にする。
「アイツ、やっぱ何か無理してるよな」
加山くんが下駄箱から自分の外靴を取り出し、放り投げるように乱暴に床に投げる。近衛くんも上靴を下駄箱にしまってから外靴を取り出した。
「だよなぁ、まぁ、何とかするんだろーけど」
近衛くんの言う通りだ。へーちゃんはきっと、自分で何とかするのだろう。
それができる強さを持っている。
なら、こんなに嗅ぎ回るのは余計なお節介だろうか。
「相沼、変な話に付き合わせて悪かったな」
「ううん、話してくれてありがとう」
じゃあ、と近衛くんと加山くんがいなくなるのを見届けてから僕も歩き出した。家にはバスで帰るが、今バス停に行けばへーちゃんと鉢合わせてしまうので気まずい。でも、それを逃せば今度は30分待たないといけない。
また嫌な顔をされるのだろうと思いながらバス停に向かったが、先に学校を出たへーちゃんはいなかった。彼も、僕と鉢合わせるのが嫌だったのだろうか。
避けられているようで悲しいが、仕方ない。
僕は晴れない気持ちのまま、バスを待っていた。
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