狭間に輝く光と闇

Semper Supra

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第1章

狭間の少女

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カイラは、自分の過去を何も知らなかった。目を覚ましたとき、彼女は広がる白い霧の中に横たわっていた。冷たい空気が頬をかすめ、周囲には生き物の気配すらない。霧の中からかすかに光が差し込み、彼女の髪を照らし出していた。

彼女の耳元で、どこか遠くから響く声が囁いた。

「目覚めの時だ、カイラ。世界が再び動き出す。」

その声は優しくも力強く、まるで彼女の内なる魂に直接話しかけるかのようだった。カイラは無意識のうちに立ち上がり、声の方へと歩き出した。彼女の足音は霧に吸い込まれるように静かで、まるで空間そのものが彼女の存在を拒んでいるかのように感じられた。

霧の向こうに、巨大な門が現れた。門は黒い石でできており、無数の古代文字が刻まれていた。カイラはその文字を読めるはずもなかったが、なぜかそれが自分の名前を呼んでいるように思えた。彼女の手が無意識に門に触れると、冷たい感触が指先に伝わり、次の瞬間、門は重々しく開かれた。

門の向こう側には、エリュシオンの眩い光景が広がっていた。光の塔が空へとそびえ立ち、その頂点からは虹色のエネルギーが放たれていた。塔の周囲には、白く輝く都市が広がり、空には無数の浮遊船が行き交っていた。

「ここは……どこ?」

カイラはその壮大な光景に息を呑んだ。これまでに見たことのない光景に、彼女の心は圧倒されたが、不思議と懐かしさも感じていた。まるでここに来るべきだったかのような感覚が、彼女を包み込んだ。

そのとき、背後から新たな気配が迫ってきた。カイラが振り向くと、そこには青い瞳を持つ若い男が立っていた。彼の服装は、銀色の鎧をまとったエリュシオンの守護者を示していたが、彼の表情は穏やかで、敵意は感じられなかった。

「君がカイラだね?」男は静かに尋ねた。「私はリース、エリュシオンの守護者だ。君をずっと探していた。」

カイラはその言葉に驚きと戸惑いを覚えた。どうして自分を知っているのか、そして何を求めているのか。彼女の心には多くの疑問が渦巻いていた。

「探していた? どうして私を?」

リースは優しい微笑みを浮かべ、カイラに近づいた。「君は特別な存在なんだ、カイラ。この世界とナイトメアの狭間に生まれた唯一の存在だ。君の力が、今や宇宙の運命を左右する鍵となる。」

その言葉に、カイラの胸の中で何かが響いた。自分が特別な存在であることを受け入れるには、まだ時間が必要だったが、同時に彼女はその運命から逃れることができないことを感じていた。

「君には二つの世界の未来がかかっている。だが、その力をどう使うかは君次第だ。」

リースの言葉に、カイラは何も言えずにうなずいた。そして、彼女の旅は始まった。自らの力と運命を探るための、そして二つの世界を救うための長い旅が。
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