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第1章 異世界に立つ
第十話 セントフォーリア
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「ごめんアリサ、ターニャが話があるみたいで」
「あっ、ちょっと!リュウト!」
リュウトは私を置いて行ってしまった。私たちが異世界に来て半年が経つ。
半年経っても私の脳裏には、私たちがこの世界に召喚された時のことがはっきりと焼き付いている。きっと私たちがこの世界に着いた時に倒れていた人たちは、私たちを召喚する為の触媒として使っていたと思う。人の命を軽々と利用する倫理観に恐ろしくなった。
もっと怖いのは、それをクラスメイトに説明しても、誰も信じようとしないし、だからどうした?なんて言う人までいる。あり得ない、日本で育った私たちの殺人に対する忌避感が、こんなに簡単に消えるわけないのだから。
いや、召喚されてすぐから、みんなおかしかった。ギラギラした目をするようになったし、誰も召喚されたことに文句を言うこともない。仲の良い友達だった珠美や聡子、未来までもがおかしくなっている。きっと魔法か何かで洗脳されているんだと思う。私には【状態異常完全防御】のスキルがあるから、洗脳が効いていないんだとわかる。
「……、こんなんなら、私も洗脳されてた方が楽だったわ……」
それでもなんとかやってこれたのは、リュウトのおかげだ。リュウトにも洗脳は効いてない。だけどリュウトはあまり反教国のような言動をすると、命の危険があるからしないようにと言われた。それはそうかも知れない。だって、私たちを召喚するためだけに、あんな大勢の生贄を用意するくらいだもの、あまり騒いだら処分……、されちゃうかもと思う。
私は毎日が怖くてリュウトに縋り付くように近くにいた。だって唯一の洗脳されてないクラスメイトだし、もう珠美も聡子も未来も、会話こそ出来るけどまともじゃないのがヒシヒシと伝わってきて辛いから。
それに、日本の時はウザいとか思ってたけど、元々リュウトの顔はイケメンだ。それこそジャニニズにいてもおかしくないくらいだし。この環境ならちょっとくらい気になっても普通だと思う。いえ、正直に言うわ、多分好きになってると思う。
そんなリュウトに励まされながら、毎日魔法の練習を一緒にしてきた。魔法は使えば使うほど少しずつ上達するらしく、午前と午後1時間程魔法を唱えて練習している。魔法を使うと魔力を消費するみたいで、あまり魔力を使いすぎると、命の危険があるらしい。事実、ちょっとやりすぎるとこめかみのあたりが痛くなる。
3ヶ月くらいはそれでやってこれた。でも、ターニャと言う子が現れてから、リュウトは変わってしまった。
ターニャは初めはずいぶん馴れ馴れしい子だなぐらいにしか思ってなかったけど、明らかにリュウトを誘惑していた。大きな胸が溢れそうなほどシャツのボタンを開けて、私たちの制服より短いスカートをヒラヒラさせている。そして終始リュウトにまとわりつく。あまりにウザいから直接やめてと言ったこともあるけど、ターニャは、
「リュウトが好きなんだから良いでしょ。好きな男の気を引きたいって気持ちは悪いことなのかしら?そんなにあたしが気に入らないなら、あんたもやったら良いじゃない。……、ってその身体じゃ無理ね、あははは!」
とか言いやがった。それも私の胸を見ながら。
確かに私は身長も140しかないし、胸もそれなりにしかない。でもBはあるんだから!無乳じゃないんだから!
そして最近のリュウトは、明らかに私を避けている。仕方ないのかも知れない。私もターニャみたいに大胆になれば良いのかな……。てゆうか、普通の女子高生にあんなこと出来るわけない!
そして一人で、魔法の練習をしてると、
「大丈夫かい?疲れたんじゃないか?少し向こうで休憩しよう」
「ランスロットさん」
最近私を気にかけてくれる騎士さんだ。むしろ私を気にかけてくれるのは、今ではこの人しか居ない。この人もイケメンで、大人の男性って感じなんだけど、私はこの人と仲良くなるわけにはいかない。
「ありがとう、ランスロットさん。でも大丈夫だから」
「顔色が悪いよ、無理は良くない」
「良いの。私のことは放っておいて」
私は席を立ってランスロットさんから離れる。
私だってランスロットさんと仲良くしたい。現状、唯一の味方かもしれないのに、突き放すような態度をするのは本当に辛い。でも、まだリュウトを好きって気持ちもあるし、何よりも親友を裏切れない。
私がランスロットさんから離れると、
「異世界に来てずいぶんビッチになったね、アリサちゃん」
「っ!未来!違うって言ってるでしょ!」
必ず未来がやってきて、文句を言ってくる。ランスロットさんは私たちが異世界に来た瞬間から、未来が気になっていた騎士さんだ。未来はランスロットさんに相手にされてないみたいで、その鬱憤を私にぶつけてくる。
「リュウトにフラれたから、ランスロット?見境ないね。流石ジャニニオタ、イケメンなら誰でも良いんだね」
「違うってば!」
こうなるからランスロットさんと仲良く出来ないのに。私は洗脳されててもランスロットさんより未来のが大事なのに、なんでわかってくれないの?!
「ランスロットは貧乳が好きなのかな?あぁ、未来も貧乳に生まれて来れば良かった」
「たいして変わらないくせに!」
未来だってCしかない。たった一つしかカップが変わらないくせに私を貧乳扱いするな!
「とにかく、もうランスロットに近づかないで。……いくらアリサちゃんでも、ランスロットを取られたら、未来、何するかわからないから」
「私は!」
未来は私の返事を聞くまえに、スタスタと去って行ってしまう。
そんなつもりはないのに、唯一の味方より未来を大事にしてるのに、なんでわかってくれないの?!
「あっ、ちょっと!リュウト!」
リュウトは私を置いて行ってしまった。私たちが異世界に来て半年が経つ。
半年経っても私の脳裏には、私たちがこの世界に召喚された時のことがはっきりと焼き付いている。きっと私たちがこの世界に着いた時に倒れていた人たちは、私たちを召喚する為の触媒として使っていたと思う。人の命を軽々と利用する倫理観に恐ろしくなった。
もっと怖いのは、それをクラスメイトに説明しても、誰も信じようとしないし、だからどうした?なんて言う人までいる。あり得ない、日本で育った私たちの殺人に対する忌避感が、こんなに簡単に消えるわけないのだから。
いや、召喚されてすぐから、みんなおかしかった。ギラギラした目をするようになったし、誰も召喚されたことに文句を言うこともない。仲の良い友達だった珠美や聡子、未来までもがおかしくなっている。きっと魔法か何かで洗脳されているんだと思う。私には【状態異常完全防御】のスキルがあるから、洗脳が効いていないんだとわかる。
「……、こんなんなら、私も洗脳されてた方が楽だったわ……」
それでもなんとかやってこれたのは、リュウトのおかげだ。リュウトにも洗脳は効いてない。だけどリュウトはあまり反教国のような言動をすると、命の危険があるからしないようにと言われた。それはそうかも知れない。だって、私たちを召喚するためだけに、あんな大勢の生贄を用意するくらいだもの、あまり騒いだら処分……、されちゃうかもと思う。
私は毎日が怖くてリュウトに縋り付くように近くにいた。だって唯一の洗脳されてないクラスメイトだし、もう珠美も聡子も未来も、会話こそ出来るけどまともじゃないのがヒシヒシと伝わってきて辛いから。
それに、日本の時はウザいとか思ってたけど、元々リュウトの顔はイケメンだ。それこそジャニニズにいてもおかしくないくらいだし。この環境ならちょっとくらい気になっても普通だと思う。いえ、正直に言うわ、多分好きになってると思う。
そんなリュウトに励まされながら、毎日魔法の練習を一緒にしてきた。魔法は使えば使うほど少しずつ上達するらしく、午前と午後1時間程魔法を唱えて練習している。魔法を使うと魔力を消費するみたいで、あまり魔力を使いすぎると、命の危険があるらしい。事実、ちょっとやりすぎるとこめかみのあたりが痛くなる。
3ヶ月くらいはそれでやってこれた。でも、ターニャと言う子が現れてから、リュウトは変わってしまった。
ターニャは初めはずいぶん馴れ馴れしい子だなぐらいにしか思ってなかったけど、明らかにリュウトを誘惑していた。大きな胸が溢れそうなほどシャツのボタンを開けて、私たちの制服より短いスカートをヒラヒラさせている。そして終始リュウトにまとわりつく。あまりにウザいから直接やめてと言ったこともあるけど、ターニャは、
「リュウトが好きなんだから良いでしょ。好きな男の気を引きたいって気持ちは悪いことなのかしら?そんなにあたしが気に入らないなら、あんたもやったら良いじゃない。……、ってその身体じゃ無理ね、あははは!」
とか言いやがった。それも私の胸を見ながら。
確かに私は身長も140しかないし、胸もそれなりにしかない。でもBはあるんだから!無乳じゃないんだから!
そして最近のリュウトは、明らかに私を避けている。仕方ないのかも知れない。私もターニャみたいに大胆になれば良いのかな……。てゆうか、普通の女子高生にあんなこと出来るわけない!
そして一人で、魔法の練習をしてると、
「大丈夫かい?疲れたんじゃないか?少し向こうで休憩しよう」
「ランスロットさん」
最近私を気にかけてくれる騎士さんだ。むしろ私を気にかけてくれるのは、今ではこの人しか居ない。この人もイケメンで、大人の男性って感じなんだけど、私はこの人と仲良くなるわけにはいかない。
「ありがとう、ランスロットさん。でも大丈夫だから」
「顔色が悪いよ、無理は良くない」
「良いの。私のことは放っておいて」
私は席を立ってランスロットさんから離れる。
私だってランスロットさんと仲良くしたい。現状、唯一の味方かもしれないのに、突き放すような態度をするのは本当に辛い。でも、まだリュウトを好きって気持ちもあるし、何よりも親友を裏切れない。
私がランスロットさんから離れると、
「異世界に来てずいぶんビッチになったね、アリサちゃん」
「っ!未来!違うって言ってるでしょ!」
必ず未来がやってきて、文句を言ってくる。ランスロットさんは私たちが異世界に来た瞬間から、未来が気になっていた騎士さんだ。未来はランスロットさんに相手にされてないみたいで、その鬱憤を私にぶつけてくる。
「リュウトにフラれたから、ランスロット?見境ないね。流石ジャニニオタ、イケメンなら誰でも良いんだね」
「違うってば!」
こうなるからランスロットさんと仲良く出来ないのに。私は洗脳されててもランスロットさんより未来のが大事なのに、なんでわかってくれないの?!
「ランスロットは貧乳が好きなのかな?あぁ、未来も貧乳に生まれて来れば良かった」
「たいして変わらないくせに!」
未来だってCしかない。たった一つしかカップが変わらないくせに私を貧乳扱いするな!
「とにかく、もうランスロットに近づかないで。……いくらアリサちゃんでも、ランスロットを取られたら、未来、何するかわからないから」
「私は!」
未来は私の返事を聞くまえに、スタスタと去って行ってしまう。
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