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何でも食べる国
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「でさ、もうレイダックは最悪なんだ。王都の食べ物は……まぁ……得体の知れない謎の肉とか、いろいろあったよ。味は……そこそこ? もう食べないけど。
んで、王都を出たら主食がクズ草なんだよ? しかも、レイダックのクズ草には毒があるんだから」
庭のクズ草をブチブチぬきながら、このクズ草ならギリギリ食べれるかも……なんて呟く様子は、よほどレイダックの食事情が気に食わなかったらしい。
「ワシもクズ草を食べてみたが、腹など下さなかったぞ。レイダックのクズ草が特殊なのか、あるいは……問題は土か」
「食べたの?」
「茹でて、マヨネーズを付けてみたが……アクが強くてな。美味くはなかったな」
なかなかチャレンジャーだな、パウル。
それにしても、マヨネーズって何でも美味しくなる、スーパー調味料だよ? 固くなったパン耳も、ご馳走にしてくれるマヨネーズだよ? それが負けるなんて、どれだけ不味いんだ、クズ草は。
バート村に送った水色髪の子供達から聞いた話では、レイダック人は動く物なら何でも食卓に乗せるらしい。
二本足は親以外、四本足はテーブルと椅子以外、なんでも食べるっていうキャッチコピーを思い出すね。
「移動扉はどこに設置したの?」
「王都から離れた場所にいい場所を見つけたんだよね。家具とか揃えたらいい感じになるかも」
「いいね。いろいろ揃えようか。子供の手じゃ無理そう?」
「ムリムリ。あいつらポンコツすぎだよ。何回も捨てようと思ったもん」
「捨てちゃダメだからね」
まだ子供だし、ガリガリだった身体に少し肉がついたとはいえ、まだ細い。これからまだ伸び代はあるだろう。
「大丈夫。そのうち立派な忍者になるって」
「……忍者って何」
クルトがコテンと首を傾げる。
あなたやパウルみたいな身軽な人達だよと言うと、ふ~~んと気のない声を出した。
レイダック国について、分かったことはいくつかある。
貧困層の人々は、テントのような移動式住居で暮らしていること。
ロバに似た家畜を数頭所有し、そのミルクでチーズを作って税金にしていること。
不毛の大地で唯一生えるクズ草を、葉は家畜が、根は人間が食べて暮らしていること……。モルントも食べないクズ草を食べる家畜がいるなんてね……。まぁ、蓼食う虫も好きずきって言うし、他に食べ物がなかったら生きる為にクズ草でも食べるか。
「とりあえずさ、拠点も見つけたし、領主に恩を売っておいたから、後日お嬢さまに挨拶しに来るって」
「え……領主様かぁ。面倒だな」
権力者になんて会いたくないけれど、レイダックで農業研究をする以上、領主に会わないわけにはいかないか。
後で研究の成果を根こそぎ横取りされても嫌だし。
「ん? ちょっと待って。領主に恩を売ったって何?」
「盗賊がさ、いい感じの場所をアジトに使ってたから、横取りしちゃった。そしたら、ちっちゃい兄弟が捕まってて、それが領主の息子達だったってわけ」
「あ~~、なんだかアルアルな感じ」
クルト達は保護するつもりはなかったみたいだけど、子供達は勝手について来た。途中で、子供達を捜索に来た一行に出会って引き渡した……ってパターンらしい。
そこから先はお決まりコース。領主は息子達を助けた恩を感じているらしい。
「お礼の押し売りされたから、盗賊のアジトをそのままちょうだいって言ったら、あっさりいいよって。くれなくても貰うつもりだったけどね。
あと、クズ草だらけの土地も。必要でしょ」
「そうだね。土地売買の件はちゃんとした手続きをしないと。後から返せって言われないようにしないとね……」
面倒な手続きは領主様に丸投げするとして、まずは観光して、レイダックの王都をチェックして、それから畑を耕して……うん、忙しくなるね。
「いや、ちょっと待って。領主様が来るって、その元盗賊のアジトに来るってこと?」
それはマズいよ。
盗賊のアジトだなんて、絶対に汚いじゃん。そんなところに領主様を入れるなんて出来ません。
「今からレイダックに行こうかな。掃除とか、いろいろやらないとダメそうだし」
「ええ~~、僕は今帰って来たばっかりだよぉ? 僕は留守番でいい?」
「ダメ」
「え~~っ」
だって、元盗賊のアジトって聞くとちょっと怖いじゃない。
それに、クルトがいないと、忍者のタマゴ達への接し方が分からないし。最初に襲いかかって来たことで、少し苦手意識があるんだよね。
※※※※※※※※※※※※※※※
石崖の中腹に、飛び出た大きな平たい岩。それを足場にして、ちょうどそこの奥に小さな自然の穴が開いていた。
入り口は小さくても、中は縦横5メートルはある。雨風は十分防げる洞穴だ。
そこに白い扉は設置されていた。
中はまさにただの洞穴。ここで人が生活した形跡はない。
「盗賊のアジトって言う割に、生活感なさすぎない?」
「アジトは崖の上だよ。ここはただの洞穴。お嬢さまが嫌がるかと思って、ちゃんと燻して虫を出しといたよ」
「虫……」
それは助かった。虫なんてモゾモゾいたら、一秒だってここにはいられなかったもの。
んで、王都を出たら主食がクズ草なんだよ? しかも、レイダックのクズ草には毒があるんだから」
庭のクズ草をブチブチぬきながら、このクズ草ならギリギリ食べれるかも……なんて呟く様子は、よほどレイダックの食事情が気に食わなかったらしい。
「ワシもクズ草を食べてみたが、腹など下さなかったぞ。レイダックのクズ草が特殊なのか、あるいは……問題は土か」
「食べたの?」
「茹でて、マヨネーズを付けてみたが……アクが強くてな。美味くはなかったな」
なかなかチャレンジャーだな、パウル。
それにしても、マヨネーズって何でも美味しくなる、スーパー調味料だよ? 固くなったパン耳も、ご馳走にしてくれるマヨネーズだよ? それが負けるなんて、どれだけ不味いんだ、クズ草は。
バート村に送った水色髪の子供達から聞いた話では、レイダック人は動く物なら何でも食卓に乗せるらしい。
二本足は親以外、四本足はテーブルと椅子以外、なんでも食べるっていうキャッチコピーを思い出すね。
「移動扉はどこに設置したの?」
「王都から離れた場所にいい場所を見つけたんだよね。家具とか揃えたらいい感じになるかも」
「いいね。いろいろ揃えようか。子供の手じゃ無理そう?」
「ムリムリ。あいつらポンコツすぎだよ。何回も捨てようと思ったもん」
「捨てちゃダメだからね」
まだ子供だし、ガリガリだった身体に少し肉がついたとはいえ、まだ細い。これからまだ伸び代はあるだろう。
「大丈夫。そのうち立派な忍者になるって」
「……忍者って何」
クルトがコテンと首を傾げる。
あなたやパウルみたいな身軽な人達だよと言うと、ふ~~んと気のない声を出した。
レイダック国について、分かったことはいくつかある。
貧困層の人々は、テントのような移動式住居で暮らしていること。
ロバに似た家畜を数頭所有し、そのミルクでチーズを作って税金にしていること。
不毛の大地で唯一生えるクズ草を、葉は家畜が、根は人間が食べて暮らしていること……。モルントも食べないクズ草を食べる家畜がいるなんてね……。まぁ、蓼食う虫も好きずきって言うし、他に食べ物がなかったら生きる為にクズ草でも食べるか。
「とりあえずさ、拠点も見つけたし、領主に恩を売っておいたから、後日お嬢さまに挨拶しに来るって」
「え……領主様かぁ。面倒だな」
権力者になんて会いたくないけれど、レイダックで農業研究をする以上、領主に会わないわけにはいかないか。
後で研究の成果を根こそぎ横取りされても嫌だし。
「ん? ちょっと待って。領主に恩を売ったって何?」
「盗賊がさ、いい感じの場所をアジトに使ってたから、横取りしちゃった。そしたら、ちっちゃい兄弟が捕まってて、それが領主の息子達だったってわけ」
「あ~~、なんだかアルアルな感じ」
クルト達は保護するつもりはなかったみたいだけど、子供達は勝手について来た。途中で、子供達を捜索に来た一行に出会って引き渡した……ってパターンらしい。
そこから先はお決まりコース。領主は息子達を助けた恩を感じているらしい。
「お礼の押し売りされたから、盗賊のアジトをそのままちょうだいって言ったら、あっさりいいよって。くれなくても貰うつもりだったけどね。
あと、クズ草だらけの土地も。必要でしょ」
「そうだね。土地売買の件はちゃんとした手続きをしないと。後から返せって言われないようにしないとね……」
面倒な手続きは領主様に丸投げするとして、まずは観光して、レイダックの王都をチェックして、それから畑を耕して……うん、忙しくなるね。
「いや、ちょっと待って。領主様が来るって、その元盗賊のアジトに来るってこと?」
それはマズいよ。
盗賊のアジトだなんて、絶対に汚いじゃん。そんなところに領主様を入れるなんて出来ません。
「今からレイダックに行こうかな。掃除とか、いろいろやらないとダメそうだし」
「ええ~~、僕は今帰って来たばっかりだよぉ? 僕は留守番でいい?」
「ダメ」
「え~~っ」
だって、元盗賊のアジトって聞くとちょっと怖いじゃない。
それに、クルトがいないと、忍者のタマゴ達への接し方が分からないし。最初に襲いかかって来たことで、少し苦手意識があるんだよね。
※※※※※※※※※※※※※※※
石崖の中腹に、飛び出た大きな平たい岩。それを足場にして、ちょうどそこの奥に小さな自然の穴が開いていた。
入り口は小さくても、中は縦横5メートルはある。雨風は十分防げる洞穴だ。
そこに白い扉は設置されていた。
中はまさにただの洞穴。ここで人が生活した形跡はない。
「盗賊のアジトって言う割に、生活感なさすぎない?」
「アジトは崖の上だよ。ここはただの洞穴。お嬢さまが嫌がるかと思って、ちゃんと燻して虫を出しといたよ」
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