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2人の未来へ
戦勝祝賀パーティ⑤
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「ちょっとよろしいかしら」
何曲目かわからないくらいミゲルと踊った後、ルナは美しい令嬢に声をかけられた。
半年ほど前にユリアス公子の婚約者に選ばれた女性だ。
こちらから出向くはずだったのに令嬢の方から歩み寄られ、ルナは申し訳なさそうに頭を下げた。
「私はテネシン侯爵家のモニカです。あなたがミゲルの婚約者ね?」
「はい、ルナと申します」
本当はまだ婚約などしていないただの恋人なのだが、なぜかユリアス公子もモニカ嬢も、いや、ミゲル本人さえルナを『婚約者』と言っている。
その方が都合がいいのかは知らないが、ルナはそれに対して反論していなかった。
それより、なぜユリアン公子の婚約者が一介のお針子に用があるのだろうと、ルナは緊張してモニカの言葉を待った。
「ふふ…、そんなに緊張しないで。ルナさん、私あなたと一度お話ししたかったのよ。あなた、アルド商会のお針子さんなのでしょう?ガリウム公国の社交界で今、あなたの刺繍が素晴らしいって評判なの」
「…あ…、ありがとうございます」
たしかに、ルナの刺繍の腕は評判だった。
貴族からも、ルナを指名して注文してくる者もいるくらいだ。
「今夜のそのドレスの刺繍も、ご自分で?」
モニカはルナのドレスに施された美しい星空のような刺繍に目を見張った。
「え、ええ」
「ルナさん!」
モニカは突然ルナの両手を握りしめて、きらきらした目を向けてきた。
「私に、刺繍を教えてくれないかしら!」
「え?刺繍を、ですか?」
「ええ。私ね、どうしても刺繍が苦手なのよ。でも、我がテネシン侯爵家には、結婚式に花婿が身につける物に刺繍して渡す風習があるの。それで私、ガリウム大公家のシンボルである鷲の刺繍をどうしても自分でしたいと思って。でも私の腕では鷲ではなくひよこになってしまうのよ」
「は、はあ…」
「だから、私にでもできそうな鷲の刺繍を指導してくれないかしら」
縋るようなモニカの目に、思わずルナはうなずいてしまった。
「本当に⁈」
「はい。私でお役に立てるならば…」
「ありがとう!ルナさん!」
満面の笑みで喜ぶモニカを見て、ルナはなんて可愛らしい人なのかと思った。
しかも平民のルナにこんな声をかけるとは、なんて良い人なのだろう。
「ああホッとしたらお腹がすいちゃったわ。ルナさん、あちらでお菓子をいただきましょう?」
モニカに手を引かれ、ルナはお菓子のたくさんあるテーブルの方へ連れて行かれた。
それを、少し離れたところで見ていたユリアン公子は「しょうがないな」という顔をしている。
本当は婚約者のことが可愛くて仕方がないのだろう。
モニカにルナを取られた形のミゲルは、少々不機嫌な顔をしながらも、自分に話しかけてくる貴族たちを適当にあしらっていた。
「これ、このケーキ美味しいのよ、ルナさん。食べてみて」
そう言いながら、モニカがケーキを頬張っている。
「本当!美味しい!」
ルナもすすめられるまま、その一口大のケーキを口に入れてみた。
色々あって気疲れしていたが、甘いものを食べると少しだけ癒されていくようだ。
菓子を食べながら周囲を伺うと、いつの間にか元実家の面々はいなくなっていた。
子爵自身ユリアン公子に不敬な態度で接していたし、またエルミラがこれ以上失態を犯す前にと撤収したのだろう。
彼らがいつまで公国にとどまるのか知らないが、心の底から二度と会いたくないと思う。
まさか隣国で殺生に及ぶとは思えないが、ルナの生存を知った子爵が何を考えているのかはわからない。
彼らが自国に帰るまでは、今以上に身辺に気を遣わなくては。
あれこれ考えながらもぐもぐと口を動かしていると、モニカがルナの顔をのぞきこんだ。
「なんて可愛らしい人なのかしら。ミゲルが夢中になっているのも頷けるわ」
思わず驚いて、ケーキをのどに詰まらせそうになった。
だって可愛いのはモニカの方じゃないかと思う。
「あら大変。飲み物をもらいましょう」
せき込んでしまったルナを見て、モニカが近くにいた侍女の方に片手を上げた。
すぐに盆にのせられたコップが2つ運ばれてくる。
「お飲み物をお持ちしました」
侍女が、その片方をルナに手渡した。
その時、ルナと侍女の指先が少し触れあった。
(……え?)
その侍女の心の中が一瞬にして流れ込んできて、ルナは驚愕した。
侍女の顔は、真っ青だ。
そして侍女がもう一方のコップを手に取った時、ルナはわざと彼女の腕がかすめるように触れた。
確信が欲しかったのだ。
(こっち…。こっちのコップをモニカ様に飲ませれば…!)
侍女の心の呟きが流れ込んでくる。
(…ダメ!)
ルナは即座にコップを持っていない方の手を伸ばして、侍女の手からモニカに渡るはずだったコップを奪い取った。
そして、ぐっと一口その飲み物を飲んだ。
「う…っ!」
喉が、焼けるように痛くて熱い。
「ルナさん⁈」
口を押えたルナは、その場に倒れこんだ。
「ルナ!」
ルナの異変を知ってものすごいスピードで駆けつけてきたミゲルが、彼女の体を抱き起こす。
「ルナ!何があった⁈ルナ!」
泣きそうな顔でルナの顔を覗き込んだミゲルは、声の限りに彼女の名を呼んだ。
(ああ、失敗しちゃった…。ごめんね、ミゲル…)
薄れゆく意識の中で、ルナはぼんやりと考えた。
咄嗟に反応したのは、瞬間的にコップに毒物が入っていると思ったからだ。
でも、冷静になって考えてみれば、何も自分が飲まなくても、コップをひっくり返すなりすればよかったのだ。
何曲目かわからないくらいミゲルと踊った後、ルナは美しい令嬢に声をかけられた。
半年ほど前にユリアス公子の婚約者に選ばれた女性だ。
こちらから出向くはずだったのに令嬢の方から歩み寄られ、ルナは申し訳なさそうに頭を下げた。
「私はテネシン侯爵家のモニカです。あなたがミゲルの婚約者ね?」
「はい、ルナと申します」
本当はまだ婚約などしていないただの恋人なのだが、なぜかユリアス公子もモニカ嬢も、いや、ミゲル本人さえルナを『婚約者』と言っている。
その方が都合がいいのかは知らないが、ルナはそれに対して反論していなかった。
それより、なぜユリアン公子の婚約者が一介のお針子に用があるのだろうと、ルナは緊張してモニカの言葉を待った。
「ふふ…、そんなに緊張しないで。ルナさん、私あなたと一度お話ししたかったのよ。あなた、アルド商会のお針子さんなのでしょう?ガリウム公国の社交界で今、あなたの刺繍が素晴らしいって評判なの」
「…あ…、ありがとうございます」
たしかに、ルナの刺繍の腕は評判だった。
貴族からも、ルナを指名して注文してくる者もいるくらいだ。
「今夜のそのドレスの刺繍も、ご自分で?」
モニカはルナのドレスに施された美しい星空のような刺繍に目を見張った。
「え、ええ」
「ルナさん!」
モニカは突然ルナの両手を握りしめて、きらきらした目を向けてきた。
「私に、刺繍を教えてくれないかしら!」
「え?刺繍を、ですか?」
「ええ。私ね、どうしても刺繍が苦手なのよ。でも、我がテネシン侯爵家には、結婚式に花婿が身につける物に刺繍して渡す風習があるの。それで私、ガリウム大公家のシンボルである鷲の刺繍をどうしても自分でしたいと思って。でも私の腕では鷲ではなくひよこになってしまうのよ」
「は、はあ…」
「だから、私にでもできそうな鷲の刺繍を指導してくれないかしら」
縋るようなモニカの目に、思わずルナはうなずいてしまった。
「本当に⁈」
「はい。私でお役に立てるならば…」
「ありがとう!ルナさん!」
満面の笑みで喜ぶモニカを見て、ルナはなんて可愛らしい人なのかと思った。
しかも平民のルナにこんな声をかけるとは、なんて良い人なのだろう。
「ああホッとしたらお腹がすいちゃったわ。ルナさん、あちらでお菓子をいただきましょう?」
モニカに手を引かれ、ルナはお菓子のたくさんあるテーブルの方へ連れて行かれた。
それを、少し離れたところで見ていたユリアン公子は「しょうがないな」という顔をしている。
本当は婚約者のことが可愛くて仕方がないのだろう。
モニカにルナを取られた形のミゲルは、少々不機嫌な顔をしながらも、自分に話しかけてくる貴族たちを適当にあしらっていた。
「これ、このケーキ美味しいのよ、ルナさん。食べてみて」
そう言いながら、モニカがケーキを頬張っている。
「本当!美味しい!」
ルナもすすめられるまま、その一口大のケーキを口に入れてみた。
色々あって気疲れしていたが、甘いものを食べると少しだけ癒されていくようだ。
菓子を食べながら周囲を伺うと、いつの間にか元実家の面々はいなくなっていた。
子爵自身ユリアン公子に不敬な態度で接していたし、またエルミラがこれ以上失態を犯す前にと撤収したのだろう。
彼らがいつまで公国にとどまるのか知らないが、心の底から二度と会いたくないと思う。
まさか隣国で殺生に及ぶとは思えないが、ルナの生存を知った子爵が何を考えているのかはわからない。
彼らが自国に帰るまでは、今以上に身辺に気を遣わなくては。
あれこれ考えながらもぐもぐと口を動かしていると、モニカがルナの顔をのぞきこんだ。
「なんて可愛らしい人なのかしら。ミゲルが夢中になっているのも頷けるわ」
思わず驚いて、ケーキをのどに詰まらせそうになった。
だって可愛いのはモニカの方じゃないかと思う。
「あら大変。飲み物をもらいましょう」
せき込んでしまったルナを見て、モニカが近くにいた侍女の方に片手を上げた。
すぐに盆にのせられたコップが2つ運ばれてくる。
「お飲み物をお持ちしました」
侍女が、その片方をルナに手渡した。
その時、ルナと侍女の指先が少し触れあった。
(……え?)
その侍女の心の中が一瞬にして流れ込んできて、ルナは驚愕した。
侍女の顔は、真っ青だ。
そして侍女がもう一方のコップを手に取った時、ルナはわざと彼女の腕がかすめるように触れた。
確信が欲しかったのだ。
(こっち…。こっちのコップをモニカ様に飲ませれば…!)
侍女の心の呟きが流れ込んでくる。
(…ダメ!)
ルナは即座にコップを持っていない方の手を伸ばして、侍女の手からモニカに渡るはずだったコップを奪い取った。
そして、ぐっと一口その飲み物を飲んだ。
「う…っ!」
喉が、焼けるように痛くて熱い。
「ルナさん⁈」
口を押えたルナは、その場に倒れこんだ。
「ルナ!」
ルナの異変を知ってものすごいスピードで駆けつけてきたミゲルが、彼女の体を抱き起こす。
「ルナ!何があった⁈ルナ!」
泣きそうな顔でルナの顔を覗き込んだミゲルは、声の限りに彼女の名を呼んだ。
(ああ、失敗しちゃった…。ごめんね、ミゲル…)
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