異世界転生した時に心を失くした私は貧民生まれです

ぐるぐる

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ゴブリンナイフ

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「お兄ちゃんたち、魔物討伐できるの?」

思い立ったが吉日。
早速ゴブリンナイフをゲットすべく兄ズに話を聞いてみる。

「うん、できるよ。ゴブリン、フォレストウルフ、ホーンラビットや・・・・・・アレ(虫系魔物)とか・・・・・・。何か欲しいものある?ホーンラビットなら柔らかくて美味しいよ」

言い淀んだアレってなんだろうか?
まぁいいか、スルーしよう。

「あのね、ゴブリンのナイフが欲しいなーと思って」

「ゴブリンのナイフは使えないよ?」

うん、わかってるよ。

「ナイフの鉄で、何かを作れたらいいなと思って」

兄ズが一瞬固まる。
また何かやらかすのだろうかとでも思ったのかな?
大正解だよ。

「10個くらい欲しいな!」

ウフフとあざとく笑ってみた。
5才児の演技はたぶん板についてきたと思う。

兄ズは兄バカを発揮して、他の冒険者仲間に声をかけて、次の日にはゴブリンナイフ等を持ってきてくれた。

ゴブリンナイフ23個
ゴブリンの盾8個
ゴブリンの弓セット10個
ゴブリンの槍12本
ゴブリンの斧17個
ゴブリンの棍棒(ただの太い枝含む)32本

頼んでいないものまで持ってきた。
スキルあざとさを手に入れた5才児は満面の笑みでお礼を言っといた。

全てにクリーン魔法をかけて鉄製品以外を収納魔法で収納。

ナイフをよく観察する。
見た目綺麗になったけど、どれも刃こぼれが酷い。
前世にあった包丁シャープナーでも歯が立たないだろう酷さで、岩にでも当てたらすぐにパキッと折れそうな具合。

柄の部分は金属と木材が混在している。
再成形の処理で木材は燃えてなくなるからこのまま全部いっぺんにやってしまおう。

斧も鉄製の物をナイフと一緒に処理してしまう。

火魔法で鉄を柔らかくして、魔力の暴力でナイフ23個と斧9個を一塊に圧縮していく。
そして粘土のようにコネコネしてコネコネして・・・・・・

2本の剣を作って兄ズにプレゼントした。

今使ってる剣はギルドから借りたものだったから泣くほど喜んでくれた。

柄の部分も鉄製で、握りやすいように波状のグリップにしてみた。
前世の私が使っていた包丁を参考にしてみたよ。
握りやすくて疲れにくいから重宝したな。

残りの鉄で自分用の小さいナイフと鈴いくつかと針金を作ってみた。
針金はなんとなく作ってみただけだんだけど、針金って結構万能だと思う。
いつかきっと役に立つ時が来る。来なくても別の物に作り替えられるから大丈夫。

鈴は赤ちゃんのおもちゃ、にぎにぎするぬいぐるみの体内に埋め込んで、振るとチリチリ音がする物を作った。
布ボール作ってその中に鈴を入れてもいいよね。
売り出す商品が増えたぞ。

翌日、泣くほど喜んでくれたのに、兄ズが剣を持っていかなかった。
棚の上に置いてある。

なぜだろう?

祭壇の上に奉納しているつもりなのかな?
嬉しすぎてしばらく飾っておきたいからなのかな?
わからない。

とりあえずもう一度剣の完成度を見てみようと思って、剣を握って振ってみた。
重いのは魔法で軽減して、光にかざす。
曇りひとつない新品キラキラで、切れ味も良さそうだった。

剣を鞘に戻すイメトレして気付いた。

鞘が無かった。

兄ズの剣は鞘も借り物だったし、あの鞘にサイズが合うように作ってなかったことに気付いた。
ああ、だから持っていけなかったのか。

ならば作れば良い。
収納魔法で収納してあった倒木を使ってちゃちゃっと作る。
これで問題ないだろう、きっと。

鞘と柄の部分に兄ズの名前をいれておこう。

あと、そうだ、鞘を炙って黒くしたらもっとカッコ良くなるかもしれない。
名前が黒く見えにくくなったから名前を入れ直した。

元の場所に戻して手を合わせ、兄ズの安全を祈る。
その棚は祭壇でも神棚でもありませんが。



ドンドンドン

「エラちゃん、いるかい?」

「はーい」

授乳のおばちゃんだ。
ドアを開けると勢いよく肩を掴まれた。
何事ぞ。

「うちの子を見なかったかい?いつも目の届くところで遊ばせてて、ご飯だよって声をかけて先に家に入って待ってたんだけど、来ないし、外を見ても姿が見えないし・・・・・・一緒に遊んでた子に聞いてもわからないって・・・・・・」

物凄い剣幕で一息に言うおばちゃん。
おばちゃんちの末っ子は1才だからまだ外には出したりしない。
子どもは病気になりやすくて死にやすいから。
消えたのは4才の女の子だ。
いつもおばちゃんの言うことをよく聞いてお手伝いも上手にしてたっけ。

「ずっと集中してたからわかんない・・・・・・」

私の一言でおばちゃんの手が力なく落ちた。
一瞬でも子どもから目を離したら、もう二度と会えないなんて、ここではよくあること。

「そうかい、そうだね、ありがとよ」

すでに近所にはあたっているようで、おばちゃんは気丈にもありがとうなんて言って自宅に去っていった。

この事件のショックでおばちゃんの母乳が出なくなって、授乳ができなくなってしまったらルドが困る。
コップで水分補給ができるようになるまでは、まだ授乳をお願いしたい。

今日は全集中して耳強化して情報収集にあたった。
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