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いのちだいじに
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入室を許された兄ズが執事の後ろから飛び出してきた。
「エラ!ルド!」
「無事だったか?」
レオが優しくハグしてくれた。
「君たちも座りたまえ」
男爵の声でレオの体が震えた。
貴族なんて初対面だよね。
緊張か、恐怖か、とても警戒しているようだった。
「お兄ちゃん、貴族に逆らっちゃダメだよ」
小さい声で伝えると、レオは小さく頷いた。
そしてわざと大きい声で言う。
「お兄ちゃん達!このケーキ、私が考えたの!苺のショートケーキ、美味しいよ!」
ちょうど2ピース残っていて、それを兄ズに出してくれとアピール。
アリシアとサラももっと食べたかった様子を見て、シェフはもっと作ってきますと立ち去っていった。
「エラちゃんがうちのサラを助けてくれたお礼に、うちに来てもらったのだよ。毎日美味しいご飯やお菓子を食べると良い。可愛いお洋服もたくさん着せてあげるよ」
男爵は下品な笑顔で甘い言葉を囁く。
毎日ってどういうこと?
「夜は私と一緒に寝ましょうよ!妹ができたみたいで嬉しいわ!赤ちゃんも可愛い!」
サラが勝手に私を妹認定している。
夜は一緒にってどういうこと?
兄ズと顔を合わせる。
ふたりとも青白い顔をして、苺のショートケーキを食べていない。
食べろ。
こんなの一生に一度しか食べられない世の中なんだぞ。
「えっとー、エラ達は、お腹いっぱいになったら帰りまーす」
「やだー!エラはサラと一緒にいるんだから!ね!お勉強も一緒にしましょう?エラが居てくれたら私もっとお勉強頑張るわ!ねぇ、いいでしょ?お父様、お母様」
でたー!
貴族令嬢のワガママさん。
やっぱり帰れない感じ。
「うんうん、しばらくうちに居ると良い。サラのお友達になってくれないかな?」
それはほぼ決定事項で、ニタニタしている男爵。
「でも私たち、毎日お仕事しなくちゃ・・・・・・」
「そうかそうか、そうだな。お兄さん達は冒険者として立派にお仕事してるんだったな。では、エラちゃんとルド君はうちにしばらく居るといいよ。そうだ、サラの遊び相手としていてもらうなら、お小遣いをあげようね」
男爵は兄ズには用はない、帰れと言っている。
逆らえないからお小遣いをぼったくってやるか?
「妖精はねー、金ピカのお金とか、ピカピカキレイな石が好きなんだよ~?知ってるの?」
「おお、おお、そうだったな、妖精ちゃんは金ピカのお金とキレイな石が好きなんだな、もちろん知ってるとも!毎日たくさんあげるよ」
表情を崩さず私の要求に応える男爵。
毎日くれるほど財産たくさんあるんだね。
っていうか、そこまでしてでも私を?いや、妖精をお泊まりさせたいって、サラのために?
すごい親だな。
金で解決!てか。
「でも・・・・・・」
レオが渋る。
心配だよね。
でもこれ以上は逆らったら危険だよ。
命大事にしてくれ、兄よ。
私は大丈夫。
「お兄ちゃん、お金くれるって言うし、しばらくは私のお仕事は、このお家にお泊まりするってことでいいよね。お兄ちゃん達に会いたくなったらいつでも会えるんでしょ?」
「もちろんよ、お兄さん達もいつでもいらしてね。食事も一緒にできるわ」
アリシアが答えた。
「早速ふたりに可愛いお洋服を着せましょ!」
全く落ち着きがない人たちだな。
もうちょっと紅茶おかわりする時間をおくれよ。
「エラ・・・・・・」
「大丈夫、お仕事できるよ。お兄ちゃん達、しばらく寒いから、暖炉使ってね」
「毎日くるよ、エラ」
「ルドを頼むね」
兄ズは心の整理ができたようで離れ離れになることを渋々承諾した。
私たちを早く着替えさせたいサラとメイド達を無視して、5才児はマイペースで突き進む。
「私に紅茶のおかわりくださーい!アールグレイがいいでーす!お兄ちゃん達、早くケーキ食べてよ。美味しいよ!」
あれ?
この世界にアールグレイってあるのか?
アールグレイって、あっちの世界の人物名だったような・・・・・・
「エラ!ルド!」
「無事だったか?」
レオが優しくハグしてくれた。
「君たちも座りたまえ」
男爵の声でレオの体が震えた。
貴族なんて初対面だよね。
緊張か、恐怖か、とても警戒しているようだった。
「お兄ちゃん、貴族に逆らっちゃダメだよ」
小さい声で伝えると、レオは小さく頷いた。
そしてわざと大きい声で言う。
「お兄ちゃん達!このケーキ、私が考えたの!苺のショートケーキ、美味しいよ!」
ちょうど2ピース残っていて、それを兄ズに出してくれとアピール。
アリシアとサラももっと食べたかった様子を見て、シェフはもっと作ってきますと立ち去っていった。
「エラちゃんがうちのサラを助けてくれたお礼に、うちに来てもらったのだよ。毎日美味しいご飯やお菓子を食べると良い。可愛いお洋服もたくさん着せてあげるよ」
男爵は下品な笑顔で甘い言葉を囁く。
毎日ってどういうこと?
「夜は私と一緒に寝ましょうよ!妹ができたみたいで嬉しいわ!赤ちゃんも可愛い!」
サラが勝手に私を妹認定している。
夜は一緒にってどういうこと?
兄ズと顔を合わせる。
ふたりとも青白い顔をして、苺のショートケーキを食べていない。
食べろ。
こんなの一生に一度しか食べられない世の中なんだぞ。
「えっとー、エラ達は、お腹いっぱいになったら帰りまーす」
「やだー!エラはサラと一緒にいるんだから!ね!お勉強も一緒にしましょう?エラが居てくれたら私もっとお勉強頑張るわ!ねぇ、いいでしょ?お父様、お母様」
でたー!
貴族令嬢のワガママさん。
やっぱり帰れない感じ。
「うんうん、しばらくうちに居ると良い。サラのお友達になってくれないかな?」
それはほぼ決定事項で、ニタニタしている男爵。
「でも私たち、毎日お仕事しなくちゃ・・・・・・」
「そうかそうか、そうだな。お兄さん達は冒険者として立派にお仕事してるんだったな。では、エラちゃんとルド君はうちにしばらく居るといいよ。そうだ、サラの遊び相手としていてもらうなら、お小遣いをあげようね」
男爵は兄ズには用はない、帰れと言っている。
逆らえないからお小遣いをぼったくってやるか?
「妖精はねー、金ピカのお金とか、ピカピカキレイな石が好きなんだよ~?知ってるの?」
「おお、おお、そうだったな、妖精ちゃんは金ピカのお金とキレイな石が好きなんだな、もちろん知ってるとも!毎日たくさんあげるよ」
表情を崩さず私の要求に応える男爵。
毎日くれるほど財産たくさんあるんだね。
っていうか、そこまでしてでも私を?いや、妖精をお泊まりさせたいって、サラのために?
すごい親だな。
金で解決!てか。
「でも・・・・・・」
レオが渋る。
心配だよね。
でもこれ以上は逆らったら危険だよ。
命大事にしてくれ、兄よ。
私は大丈夫。
「お兄ちゃん、お金くれるって言うし、しばらくは私のお仕事は、このお家にお泊まりするってことでいいよね。お兄ちゃん達に会いたくなったらいつでも会えるんでしょ?」
「もちろんよ、お兄さん達もいつでもいらしてね。食事も一緒にできるわ」
アリシアが答えた。
「早速ふたりに可愛いお洋服を着せましょ!」
全く落ち着きがない人たちだな。
もうちょっと紅茶おかわりする時間をおくれよ。
「エラ・・・・・・」
「大丈夫、お仕事できるよ。お兄ちゃん達、しばらく寒いから、暖炉使ってね」
「毎日くるよ、エラ」
「ルドを頼むね」
兄ズは心の整理ができたようで離れ離れになることを渋々承諾した。
私たちを早く着替えさせたいサラとメイド達を無視して、5才児はマイペースで突き進む。
「私に紅茶のおかわりくださーい!アールグレイがいいでーす!お兄ちゃん達、早くケーキ食べてよ。美味しいよ!」
あれ?
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アールグレイって、あっちの世界の人物名だったような・・・・・・
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