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始まり〜シイ村
16才になった
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すっかり忘れてました。すみません。
一年経ちましたので、16才です。
==========================
ギルマスとお茶を静かに啜っている。
時々遠くを見てため息をついて・・・・・・現実逃避しているようだった。
彼が理解できるまで待つよ。
急ぐ用事は何もない。
エンにもお茶菓子のクッキーをあげて、私も食べる。
そういえば、私が魔法で出した魔素の食べ物以外は、体内でナノレベルにまで分解されて消化、ならぬ浄化されているのだとか。
そんなんどうでもいい情報だけど、だからつまり、排泄が全くないのだ。
月のものもないから楽。
本当に便利な体だと思うよ。
そうそう、異世界に来て1年経ったから16才になったんだった。
実質1才だけどね。
お誕生日会はしなかったし、祝われても嬉しくもなんともないわ。
これからどんだけ長い時間生きる?と思うと、お誕生日とか、どうでもいいやって思っちゃう。
あ、お茶、飲み終わっちゃったよ。
そろそろどうかな?
「アレクさん、改めまして、ワタクシ妖精のシイです。
シイ・ルック・クリスチアーヌ・ル・フェと申します。
以後お見知り置きを」
自分の名前、自分でつけたのにすっかり忘れていて、自分のステータスを見ながら名乗った。
覚える気はなかった。
ギルマスはゆっくりティーカップを置いて、ゆっくり頭を下げた。
まだ夢の世界だったかな?
「シイ殿・・・・・・あ、いや、シイ様。
無礼をお許しください」
深々と腰を折って頭を下げている。
そのままテーブルに頭をぶつけそうだ。
「頭をあげてよ。どんな無礼をしたの?
普通に接してもらって構わないよ。
普通でお願いします」
「!!!!!
寛大なお方だ!!!!!」
「ふふふ。ね、びっくりしちゃったでしょ?」
少しずつギルマスの白い顔が色付いてくる。
でもやっと青になったくらい。
「ええ、驚きました。
シイ様、我がギルドへようこそおいでくださいました。
ギルド一同シイ様を歓迎いたします」
「ありがとう。
で、も、他の冒険者と同じように対応してよ」
ぶるぶるぶるぶると首を横に振って、すごい勢いだから体全身がぶるぶる震えちゃってた。
「一度会ったらお友だちって言葉があるの。
だから、私達、もうお友だちだからね。
よろしく、アレク」
勝手にお友だち認定。
街に行ったら街の人もみんなお友だちになっちゃうね。
「・・・・・・冒険者ランクは、いかがいたしましょう?
何かご希望はありますか?」
エン情報によると、私ってば神に近いスペックの妖精だから(魔力無限大)、いきなりSランクでもいいらしい。
でも護衛任務のノウハウ知らないんだけど、いきなりSで本当にいいのかな?
「ん-、特にないけど、いきなりSってありなの?」
ギルマスは大きく頷く。
「もちろんです。シイ様のようなお方にはSランクで問題ありません。
本来のランクアップ条件も全て免除されます。
仮に経験がなくとも、災害級の能力をお持ちの方の前に、盗賊の急襲や魔物の襲撃など塵のようなものですから。
全く問題ありません。
さらに近年、Sランクの上にSSランクを設けるべきか否かの議論が本部でされております。
シイ様のお許しをいただけたならば、シイ様の情報を本部へ流してもよろしいでしょうか?」
「うん、もちろんいいよ。
全然秘匿するつもりはないからね」
Sランクの上にSSランク?
それってもしかして、神々の娯楽絡みかな?
ソーマは人畜無害なスペックだったし、のんびり異世界楽しみたい人種だったから、彼じゃないよね。
他の8人か。
今後どっかで接触するのだろうか。
「ありがとうございます!」
ギルマスの元気な声でランクのことを思い出した。
「じゃ、ランクはエンと同じにする?」
右肩に乗っている小猫のエンに訊いてみた。
『ああ、Sランクだ』
念話で答えてくれた。
「えっと、じゃあ、Sランクでお願いします」
こうして私の冒険者ランクは、冒険者登録したその場で最高ランクSランクになったという、ギルド始まって以来の前代未聞のランク付けとなった。
そして翌日には、情報を秘匿しなくて良いというシイの言葉で、神の如きスペックの妖精が顕われたと、全世界が震撼したのだった。
そんなこと露にも思わず、透明なプレートを得意げに首にかけて私は喜んでいた。
Sランクって、黒とか金かなと思ってたけど、透明のプレートだったよ。
すっごくキレイ!
服の中に入れて普段は隠しておくんだろうけど、マルコたちに見せびらかすんだ!
買取のお金も貰って、ギルマスと別れた。
人類とは別次元のSランクだから、基本自由にしていいと説明があった。
国からの要請にはできるだけ応えてほしいとか無いし、更新期限とかも無い。
できるだけ死蔵クエストを請け負っていただきたいですが、基本自由です。と言われた。
そっか、死蔵クエストやってほしいのか。
暇だし、やってもいいよ。
一年経ちましたので、16才です。
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ギルマスとお茶を静かに啜っている。
時々遠くを見てため息をついて・・・・・・現実逃避しているようだった。
彼が理解できるまで待つよ。
急ぐ用事は何もない。
エンにもお茶菓子のクッキーをあげて、私も食べる。
そういえば、私が魔法で出した魔素の食べ物以外は、体内でナノレベルにまで分解されて消化、ならぬ浄化されているのだとか。
そんなんどうでもいい情報だけど、だからつまり、排泄が全くないのだ。
月のものもないから楽。
本当に便利な体だと思うよ。
そうそう、異世界に来て1年経ったから16才になったんだった。
実質1才だけどね。
お誕生日会はしなかったし、祝われても嬉しくもなんともないわ。
これからどんだけ長い時間生きる?と思うと、お誕生日とか、どうでもいいやって思っちゃう。
あ、お茶、飲み終わっちゃったよ。
そろそろどうかな?
「アレクさん、改めまして、ワタクシ妖精のシイです。
シイ・ルック・クリスチアーヌ・ル・フェと申します。
以後お見知り置きを」
自分の名前、自分でつけたのにすっかり忘れていて、自分のステータスを見ながら名乗った。
覚える気はなかった。
ギルマスはゆっくりティーカップを置いて、ゆっくり頭を下げた。
まだ夢の世界だったかな?
「シイ殿・・・・・・あ、いや、シイ様。
無礼をお許しください」
深々と腰を折って頭を下げている。
そのままテーブルに頭をぶつけそうだ。
「頭をあげてよ。どんな無礼をしたの?
普通に接してもらって構わないよ。
普通でお願いします」
「!!!!!
寛大なお方だ!!!!!」
「ふふふ。ね、びっくりしちゃったでしょ?」
少しずつギルマスの白い顔が色付いてくる。
でもやっと青になったくらい。
「ええ、驚きました。
シイ様、我がギルドへようこそおいでくださいました。
ギルド一同シイ様を歓迎いたします」
「ありがとう。
で、も、他の冒険者と同じように対応してよ」
ぶるぶるぶるぶると首を横に振って、すごい勢いだから体全身がぶるぶる震えちゃってた。
「一度会ったらお友だちって言葉があるの。
だから、私達、もうお友だちだからね。
よろしく、アレク」
勝手にお友だち認定。
街に行ったら街の人もみんなお友だちになっちゃうね。
「・・・・・・冒険者ランクは、いかがいたしましょう?
何かご希望はありますか?」
エン情報によると、私ってば神に近いスペックの妖精だから(魔力無限大)、いきなりSランクでもいいらしい。
でも護衛任務のノウハウ知らないんだけど、いきなりSで本当にいいのかな?
「ん-、特にないけど、いきなりSってありなの?」
ギルマスは大きく頷く。
「もちろんです。シイ様のようなお方にはSランクで問題ありません。
本来のランクアップ条件も全て免除されます。
仮に経験がなくとも、災害級の能力をお持ちの方の前に、盗賊の急襲や魔物の襲撃など塵のようなものですから。
全く問題ありません。
さらに近年、Sランクの上にSSランクを設けるべきか否かの議論が本部でされております。
シイ様のお許しをいただけたならば、シイ様の情報を本部へ流してもよろしいでしょうか?」
「うん、もちろんいいよ。
全然秘匿するつもりはないからね」
Sランクの上にSSランク?
それってもしかして、神々の娯楽絡みかな?
ソーマは人畜無害なスペックだったし、のんびり異世界楽しみたい人種だったから、彼じゃないよね。
他の8人か。
今後どっかで接触するのだろうか。
「ありがとうございます!」
ギルマスの元気な声でランクのことを思い出した。
「じゃ、ランクはエンと同じにする?」
右肩に乗っている小猫のエンに訊いてみた。
『ああ、Sランクだ』
念話で答えてくれた。
「えっと、じゃあ、Sランクでお願いします」
こうして私の冒険者ランクは、冒険者登録したその場で最高ランクSランクになったという、ギルド始まって以来の前代未聞のランク付けとなった。
そして翌日には、情報を秘匿しなくて良いというシイの言葉で、神の如きスペックの妖精が顕われたと、全世界が震撼したのだった。
そんなこと露にも思わず、透明なプレートを得意げに首にかけて私は喜んでいた。
Sランクって、黒とか金かなと思ってたけど、透明のプレートだったよ。
すっごくキレイ!
服の中に入れて普段は隠しておくんだろうけど、マルコたちに見せびらかすんだ!
買取のお金も貰って、ギルマスと別れた。
人類とは別次元のSランクだから、基本自由にしていいと説明があった。
国からの要請にはできるだけ応えてほしいとか無いし、更新期限とかも無い。
できるだけ死蔵クエストを請け負っていただきたいですが、基本自由です。と言われた。
そっか、死蔵クエストやってほしいのか。
暇だし、やってもいいよ。
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