神々の娯楽に巻き込まれて強制異世界転生ー1番長生きした人にご褒美有ります

始まり〜シイ村

ソーマ久しぶり

ソーマの知り合いと思われる人物の来店に隣にいたローズがちょっと焦っている。

「ソーマ、お知り合い？」

早く紹介しろと言わんばかりにソーマに体を擦り付けている。

「ああ、血は繋がってないけど家族のような存在だよ。
　シイ、エン、よく来てくれたね！
　こちらは婚約者のローズ。
　ローズ、こちらは家族のシイとエンだ」

ほほう、私はソーマに深く受け入れられていたようだ。
ま、貴重な同郷の出だしね。
でもそんな風に言ってもらえて嬉しいな！

「シイちゃんとエン君、よろしくね。
　結婚式には是非出席してくださいね」

「是非是非ー！ありがとう！嬉しいな！
　ソーマが結婚だなんて信じられないなぁ。
　夢に一歩近づいたんだね。おめでとう。
　ね、ね、ローズさん！ソーマをちょっと借りて良いかな？
　家族水いらずでゆっくり話がしたい！
　夜には返すからさー！頼むよー！」

シイ渾身の上目遣いおねだりプラス、エンの無言の上目遣いおねだりを喰らわしてやった。
これでダメなら魅了の魔法でもかけてやろうと思ったけど、ちょろかった。
頬を赤らめて私たちの可愛さにメロメロになったローズ。

「そ、そうね、久しぶりにご家族に会えたんですもの。
　もちろんどうぞ！お店は私に任せて、ゆっくりしてきてね」

「わぁ！ありがとーローズさん！
　ソーマ！ローズさんって優しいねぇ！
　良い奥さんだねぇ！」

「ソーマ、お店を閉めなきゃだから閉店時間には帰ってきてね」

「ああ、わかった。すまないね、お店を頼むよ」

はいはい、閉店時間に帰らないと大変なことになりますねぇ。

「ごめんねーローズさん。またね！」

エプロンを脱いでる途中のソーマを急かすようにお店の外に出た。
さ、どこにいこうかな？
なるべく奴らのいないところに行きたいね。

「お待たせ。宿はとった？」

「あ、まだだった！」

「じゃ、まずは良い宿を紹介しようかな」

「是非是非！お願いします。
　お金いっぱいあるからどこでもいいよ」

ソーマはエンの右側に立って歩き出した。
出会って一緒に歩いた時と同じ位置だね。

「ソーマ、顔色が悪いけど大丈夫なの？」

ソーマの現状を知らないフリをする。

マップの索敵魔法を展開していると奴らが動きだして、私たちを尾行し始めたのがわかった。

「大丈夫だよ。心配かけたね。
　宿代は僕に持たせてね。
　君に祝福してもらわないといけないからさ」

「ふんふん、いいよぉー。
　でも最高級の宿じゃなきゃダメだからね～。
　お風呂があって、大きなベッドがあって、遮音魔法、侵入遮断魔法があってー、あとはー、うんとー、ご飯が美味しくてー」

「お子様ふたりが宿泊しても心配がない最高級の宿がちょうど一軒あるよ！
　貴族御用達の宿で、フォーマルな装いでないと中へ入れてくれないんだ。
　そこを利用する冒険者もわざわざ着替えてから利用する人もいるんだよ。
　なかなか良いおもてなしをするみたいだよ。
　君たちはそのままでも充分だね。
　僕だけ着替えるよ。
　宿へは馬車で行くから、馬車の中でちょっと着替える時間をちょうだいね」

「うん、わかった！
　そんなすっごい宿っていうか、ホテル、なんだね。
　そこなら安心して眠れそう！」

眠らなくても平気なんだけど、暖かい布団は大好きだよ。
じっくりチェックしてやろう。