草むしりクエスト【BL】

佐々木猫八

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三章

34、いい奴?

「セドリック、仕事を譲渡するのはあまり感心しない。冒険者は信用も必要だからな。依頼された仕事は誠意を持って対応するものだ」

ライナスは先輩冒険者として注意した。

「勿論、仕事をこなす実力も、仕事と自分の実力を計ることも必要だ。だがそもそも依頼を得る為の信用を作らなければ冒険者として長くやって行くことは難しいだろう」

セドリックはちょっと気まずそうにした。

「・・・だが、依頼の中には実力以上のものも多々ある。難易度が想定以上の場合の多い。出来ると思って引き受けて、中を開けてみれば実力が足りない案件だった。そういう時は冒険者ギルドに申し出るんだ」

「断るのは駄目なの?」

「それは冒険者全体の信用に関わるからな、ギルドを通して受けた仕事なら尚更だ。悩んだらギルドに相談するといい」

「わかった!」

ひと通りのライナスの話が終わった頃、ベルッサが叫んだ。

「人が打ちひしがれてるのに何歌と違うことの講義しちゃってんのさ!」

そしてセドリックを睨みつける。

「要は目指す方向の違いなんだから、効果で負けても歌の技術で負けたなんて思えない!見てろよ!必ず効果で勝ってやる!」

そう言ってベルッサは肩で風を切りながら立ち去っていった。
それを見てセドリックは言う。

「歌に熱心ないい奴だったね」

「・・・・」
「・・・・」
「・・・・」

数々の妨害工作を受け流していた彼ら三名はセドリックの言葉に同意しかねた。
いい奴は妨害工作やら勝負を持ちかけてきて、実は審査員は身内ばかりの根回しはしてこないだろう、と。

「打ちひしがれた割には立ち直るの早かったな」

そう言うゾッファにライナスが応える。

「自信が折れてくっついて、さらに意固地に自信を着けたのかもな。自分の心を守ったのだろう」

「まあいいか。兎に角一仕事終わったんだ」

「俺、流石にお腹すいたよ。食べに行こう!!」

「ここは勝利のマジフライと行くか」

「マジフライ!」

セドリックがマジフライと聞いて目を輝かす。
若干よだれも口の端足から出ているかもしれない。

「あら、マジフライを食べに行くの?ならオススメの店があるわよ?幻の黄金のマジフライを出す店よ」

「幻、黄金!」

セドリックは味を想像してみた。
とても美味しそうだ!

「なら急いで行かないとね。売り切れちゃうかも」

「みんな!行こう!!」

「はいはい、行こうな。でもその前に」

「俺のフルアーマーを脱がさせてくれ。流石にこの格好では食事しにくい」

「宿よって着替えてからだな」

「ええー」

「マジフライは逃げないから、たぶん」

「たぶん!!!」

ゾッファは笑いながらセドリックの背を促して歩き始める。
学園長もそれにつて行き。
ライナス、マルクトと続く。

「ん?学園長も行くのか?」

「私が店を知ってるのよ?当然一緒に行くわよ。部外者扱いしないで頂戴よ」

「早く行こうよ!早く!」

「セドリックが良いならいいか」

到着していた馬車に乗って宿へと戻り、着替えを済ませ、最低限の装備を身につける。
学園長の案内に従って、今度は歩いてその店まで歩いて行く。
綺麗に整備された石畳の上を歩く。
セドリックの急ぎ足に促され、皆が早いペースで歩いて向かう。
綺麗な装飾の施された短剣や剣の店や、珍しい魔道具の店の前を全部すっ飛ばしてセドリックは行く。
それは全てマジフライのために!

「ここって・・・」

学園長に案内されて着いたのはこの間来た冒険者ギルドだった。

「ふふ、驚いた?ここの二階には食堂があってね、そこのマジフライは絶品なのよ。なにせ元冒険者の料理長が自ら漁をしてくるの。彼しか知らない漁のポイントがあって、そこのマジは最強に美味しいの。さ、入りましょう」

5人は冒険者ギルドへと入った。
ギルド内は賑わっていて、受付や依頼掲示板には人だかりが出来ている。
奥には酒場がある。
セドリックは「あれ?」と思った。

「あそこで食べるんじゃないの?」

「二階って言ったでしょ。あそこは基本酒場なの。お酒とおつまみ、情報交換がメインなの。食事できる場所は二階。ゆっくり出来るようになってるの」

「冒険者ギルドも街によって違うんだー」

「あら?そうなの?」

「俺等が最初に居た町はギルドとは別の場所に食事処があったみたいだけど、俺達は殆ど宿のご飯だったからな。ギルドで食べることはあんまり無かったな」

「うん、お酒はまだ早いって言われてたからねー」

5人はぞろぞろと二階へと上がっていく。
二階の食堂も人が多く、とても繁盛していた。
それぞれのテーブルに並んでいる料理も豪華で、どの冒険者も羽振りが良さそうだった。
空いているテーブルに座ると食堂のスタッフがやってきた。

「学園長ではないですか!お久しぶりです!」

冷えた水の入ったコップをそれぞれの前に置き、スタッフの男性は学園長に声を掛ける。

「今日は名物の幻の黄金のマジフライを食べに来たのだけど、まだあるかしら?」

「おお!そうでしたか!まだありますよ、直ぐお持ちしますね!」

学園長が他に幾つかの料理を頼むと男性は奥へと消えた。
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