転生したら、ステータスの上限がなくなったので脳筋プレイしてみた

Mr.Six

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リシャーダの海賊編

第70話 甲板の4人

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 犬耳を生やし、銀色の髪をなびかせ満月の夜にも関わらず、銀色の体毛が輝いているようだった。ソウタより小柄ながら細身の筋肉質を持ち、端正な顔たちをしている。姿かたちは少年そのもの、だがその顔は自信に満ち溢れていた。

「ふぅ、やっとこの姿になれたよ。長かった~」

「貴様、ワーウルフの個体種だな、それで下等な人間に懐いていたのか」

 獣人の姿となったハウルは、レパルドの言葉に反応するように、ハウルは一瞬で間を詰めた。拳はすでにレパルドの顔の近くにあり、殺気を感じたレパルドは、距離をすぐさま保つ。

「……貴様」

「ご主人様のことを悪く言わないでくれる? ムカつくんだけど」

「ハウル……お前、なんだよその姿!」

 ハウルはソウタの言葉に反応して、レパルドに軽い一撃を加え、吹き飛ばした。

「あ、ご主人様! いやぁ、話すと長いんですけどね」

「おそらく、個体種と呼ばれるものだ、ある条件の場合に進化することがあるんだが、まさかハウルがその個体種だったとはな。懐いていたのはそれが理由か」

「ほんとはずっとご主人様と話したかったんですが、満月が出てないとダメでさ、中々でなくて、困ってたんですよ! いやぁ、よかった」

 ハウルの尻尾は大きく横に揺れ動いていた。

「ハウル、結構進化前やられてたけど大丈夫か?」

「ん? あぁ、全然痛くないですよ? ほら、進化とかレベル上がると体力回復するじゃないですか、アレです」

「ってか、ハウルって結構お喋りなんだ……」

 ソウタは見た目によらずよく喋るハウルを見て呆れるように笑った。すると、レパルドを音を立てながら立ち上がった。

「ふぅ、位置をずらしてなければダメージを喰らっていただろう、どうするタガード」

「関係ねぇよ、これで2対2だ、強さは変わらねぇし、このままやろうぜ」

 2人はソウタ達にゆっくりと歩み寄った。

「ハウル……やれるか?」

「勿論ですご主人様、背中は必ずお守りいたします、存分にお戦いください」

 海賊船の甲板は戦いによってかなり損傷しており、布のようなものが縁に引っかかっている。風も吹き荒れ、帆も風を受けているのか、海賊船の速度も上がっていく。縁に引っかかった布はずり落ちていき、風で舞い上がり、4人の間にふわっと通り過ぎた。視界が一瞬遮られた瞬間、4人は一斉に動き出した。

「ハウル! あのゴリゴリの豹みたいなやつ頼むぞ! 俺は虎の方をやるから!」

「承知しました、どうかお気を付けください!」

「ふん、他人の心配をして大丈夫なのか? ご主人を守った方が身のためだぞ?」

 レパルドはハウルの周りを高速で動き回り、一撃を加える機を伺っている。しかし、ハウルは動揺しない、静かにレパルドの動きをみて、体を無闇に動かさず、視線だけを動かしていく。

「ハウル! ったく、本当に大丈夫かよ……」

「おい、お前はこっちだろ!」

 タガードは飛び上がり、ソウタに右拳を振り下ろした。ソウタは咄嗟に後ろに回避し攻撃を避けるが、タガードの攻撃で甲板に穴が開く程に粉々になった。

「確か、タガードだっけ? 力強いんだな」

「あぁ? 俺は豪速のハンターだぜ? 俺の攻撃を受け止めれるのはワンキッド様だけだ」

「へぇ、じゃあ、俺の攻撃も受け止めれるの?」

「なに?」

 ソウタは力を込めて、右拳を放った。決してパンチの届く距離ではなく、タガードは不思議そうにソウタの行動を注視していたが、タガードの顔は突然後方に吹き飛んだ。

「……!! なに!?」

「次は直接行くぞ!」

 ソウタは距離を詰め、タガードの腹に一撃を加えようとしたが、タガードは両腕でガードし、ソウタに逆に一撃を加えようとした。

「うおぉ!」

「……今の空砲か? すげぇな、空気圧で吹き飛ばされるとは思わなかったわ、やるじゃん」

「まぁ、そうでもないけど……」

「おぉ、照れるな照れるな」

 ソウタはタガードの言葉に顔を少し赤く染め、神さまにツッコまれる―――

 ―――ハウルはレパルドが高速で動く中心でじっとレパルドの動きを観察していた。

「仕留めないのか?」

「ふん、お前程度、一瞬で仕留めるのは容易い、そう焦るな」

「いやぁ、焦るんだよな~」

 ハウルは頭をポリポリと掻きながら、少し戸惑っている。レパルドはハウルが油断した一瞬の隙を狙った。ハウルの背中から心臓めがけて攻撃を仕掛けた。

「終わりだ! 死ねぇ」

 しかし、仕留められたのはレパルドの方だった。ハウルはレパルドの攻撃より早く、攻撃を当てたことで、レパルドの身体は宙に舞い上がった。

「なっ!? なんだと?」

「僕が勝つに決まってるのに時間を使われると焦るに決まってるだろう? 僕はご主人様より強いんだから」

 ハウルは満月の光に照らされながら自身満々に答えた。
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