転生したら、ステータスの上限がなくなったので脳筋プレイしてみた

Mr.Six

文字の大きさ
73 / 101
リシャーダの海賊編

第72話 タガードの奥の手

しおりを挟む
 ソウタとハウルは目の前の強大な敵に立ち向かっていた。タガードの身体はさらに大きく、さらにシュッと引き締まり、身に纏う魔力も桁違いに跳ね上がっている。

「悪いけど、お前らにもう勝ち目はねぇからな」

 タガードは強さに自信を持っているのか、勝利を確信していた。レパルドの力を体に受けたことで強さを増し、今の自分なら目の前の雑魚を蹴散らせる、もはやワンキッドの言葉を忘れ、ソウタを壊すことしか頭にないのだ。しかし、ソウタとハウルはどこか安心していた。最初にソウタが出会った仲間はハウルだ、ここまでずっと一緒にそばで戦ってきたのだ、お互いの強さをわかっているからこそソウタ達は目を合わせずタガードだけに視線を向ける。

「ハウル……死ぬなよ!」

「まさか……ご主人様を置いて死ねるわけがないでしょう、助けてくれた御恩、今ここで果たします!」

 ソウタとハウルは同時に飛出し、タガードに立ち向かう。タガードは高笑いをしながら2人を迎え撃つ。

「どっからでもかかってきやがれ!」

「ハウル! 右から行ってくれ! 俺は左から行く!」

「わかりました、ご武運を!」

 ソウタは左から攻撃を繰り出し、ハウルは右から素早い攻撃をタガードに浴びせるが、タガードにいとも簡単に両腕で防がれてしまう。タガードは反撃をすることなく、淡々と2人の攻撃を防ぎ、時折見せる不敵な笑みが2人に焦りを生み始める。

「くそっ、こいつ、全然攻撃してこねぇな」

「攻撃できないか……あるいは攻撃をあえてしないのか、とにかくわからない以上攻撃を続けるしか手はありません!」

 2人の攻撃を余裕で防ぐタガードは徐々に動きが変わっていく。余裕で防いでいた攻撃を少しずつ、受け流しソウタ達の攻撃はタガードに無力化され、体勢を崩してしまう。

「やばっ!」

「まずい……」

「はは! これでお前らは終わりだ! くたばれぇ!!!!!」

 タガードの両の掌が光を帯び始め、2人にそれぞれ手のひらを向けると、一瞬で魔力を解き放ち爆風を発生させた。ソウタ達は爆風で海賊船の先頭まで吹き飛ばされ、傷を負ってしまう。

「ぐはっ!」

「うぐぅ」

「どうだ! これが俺の反撃魔法だ。相手の攻撃を受ければ受けるほどダメージを蓄積させて開放する。自分たちの攻撃をまとめて喰らった気分はどうだ? ははっ、最高~!」

 傷ついた体を無理やり起こしながら、ソウタはタガードをどう倒すか考えていた。

「……ったく、とんでもねぇ技だな、もう一発喰らったらさすがにやばいな……」

「そうですね、攻撃すれば反撃魔法がまた待ってるでしょう、かといって攻撃しなければ普通に攻撃されますね」

 2人は覚悟を決めていた。

「なら、やることは1つだな」

「……ですね」

「「反撃させない!」」

 ソウタとハウルは同時に攻めに転じた。何度も立ち向かってくるソウタとハウルにタガードは興奮を隠しきれない。こんなにも自分を興奮させてくれる相手には中々出会わないからか、タガードは時間をかけてなぶってやる、そう簡単には殺さない、そう考えていた。だが、その考えが命取りになる事をこの時はまだタガードは知る由もなかった。

「この野郎、全然手応えがねぇな!」

 ソウタは攻撃を続けていたが、一向に攻略の糸口が見えない。このまま攻撃を続ければ反撃魔法がまたソウタ達を襲うだろう。

(なんとか、反撃魔法を阻止しないと……まてよ?)

 ソウタはふとある事に気づいた。それは反撃魔法は攻撃を受けなければ魔法を発動できないとうことだ。逆を言えば、ある程度攻撃を受けなければあれだけの威力を出すことはできないという事。そこでソウタはある事を思いつき、タガードから距離をとったソウタはハウルに向かって叫んだ。

「ハウル! 考えがある!」

「……かしこまりました」

 ハウルもタガードから距離を取ると、ソウタのそばに駆け寄り、耳打ちで作戦を聞く。作戦を聞いたハウルの顔は驚きと同時に喜びに満ち溢れていた。ご主人であるソウタが自分を頼りにしているということがハウルにとって何よりも嬉しかったのだ。

「……なるほど、それはいいかもしれません、最後までお供いたします! どうか、お気をつけて!」

「よし、最後の戦いだぞ、気を引き締めろ!」

 ソウタとハウルはジリジリとタガードとの距離を詰めていく。

「何か作戦があるのか? いいぜぇ、相手になってやる!」

 タガードはソウタ達の作戦が何であろうと打ち砕く自信がある。構えをとり、ソウタ達の攻撃をその身に受け、反撃の魔法を発動するために。決して自分からは攻撃をせず、一撃を加える。これが豪速のハンターの本来の戦い方だった。ソウタとハウルはある程度の距離まで近づくと、阿吽の呼吸でタガードに攻撃を仕掛けた。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

没落した貴族家に拾われたので恩返しで復興させます

六山葵
ファンタジー
生まれて間も無く、山の中に捨てられていた赤子レオン・ハートフィリア。 彼を拾ったのは没落して平民になった貴族達だった。 優しい両親に育てられ、可愛い弟と共にすくすくと成長したレオンは不思議な夢を見るようになる。 それは過去の記憶なのか、あるいは前世の記憶か。 その夢のおかげで魔法を学んだレオンは愛する両親を再び貴族にするために魔法学院で魔法を学ぶことを決意した。 しかし、学院でレオンを待っていたのは酷い平民差別。そしてそこにレオンの夢の謎も交わって、彼の運命は大きく変わっていくことになるのだった。 ※2025/12/31に書籍五巻以降の話を非公開に変更する予定です。 詳細は近況ボードをご覧ください。

ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?

音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。 役に立たないから出ていけ? わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます! さようなら! 5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!

解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る

早見羽流
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」 解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。 そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。 彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。 (1話2500字程度、1章まで完結保証です)

魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。

カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。 だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、 ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。 国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。 そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。

異世界転生~チート魔法でスローライフ

玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。 43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。 その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」 大型連休を利用して、 穴場スポットへやってきた! テントを建て、BBQコンロに テーブル等用意して……。 近くの川まで散歩しに来たら、 何やら動物か?の気配が…… 木の影からこっそり覗くとそこには…… キラキラと光注ぐように発光した 「え!オオカミ!」 3メートルはありそうな巨大なオオカミが!! 急いでテントまで戻ってくると 「え!ここどこだ??」 都会の生活に疲れた主人公が、 異世界へ転生して 冒険者になって 魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。 恋愛は多分ありません。 基本スローライフを目指してます(笑) ※挿絵有りますが、自作です。 無断転載はしてません。 イラストは、あくまで私のイメージです ※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが 少し趣向を変えて、 若干ですが恋愛有りになります。 ※カクヨム、なろうでも公開しています

異世界転生おじさんは最強とハーレムを極める

自ら
ファンタジー
定年を半年後に控えた凡庸なサラリーマン、佐藤健一(50歳)は、不慮の交通事故で人生を終える。目覚めた先で出会ったのは、自分の魂をトラックの前に落としたというミスをした女神リナリア。 その「お詫び」として、健一は剣と魔法の異世界へと30代後半の肉体で転生することになる。チート能力の選択を迫られ、彼はあらゆる経験から無限に成長できる**【無限成長(アンリミテッド・グロース)】**を選び取る。 異世界で早速遭遇したゴブリンを一撃で倒し、チート能力を実感した健一は、くたびれた人生を捨て、最強のセカンドライフを謳歌することを決意する。 定年間際のおじさんが、女神の気まぐれチートで異世界最強への道を歩み始める、転生ファンタジーの開幕。

勇者パーティーにダンジョンで生贄にされました。これで上位神から押し付けられた、勇者の育成支援から解放される。

克全
ファンタジー
エドゥアルには大嫌いな役目、神与スキル『勇者の育成者』があった。力だけあって知能が低い下級神が、勇者にふさわしくない者に『勇者』スキルを与えてしまったせいで、上級神から与えられてしまったのだ。前世の知識と、それを利用して鍛えた絶大な魔力のあるエドゥアルだったが、神与スキル『勇者の育成者』には逆らえず、嫌々勇者を教育していた。だが、勇者ガブリエルは上級神の想像を絶する愚者だった。事もあろうに、エドゥアルを含む300人もの人間を生贄にして、ダンジョンの階層主を斃そうとした。流石にこのような下劣な行いをしては『勇者』スキルは消滅してしまう。対象となった勇者がいなくなれば『勇者の育成者』スキルも消滅する。自由を手に入れたエドゥアルは好き勝手に生きることにしたのだった。

処理中です...