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ドワーフの国編
第100話 新たな旅立ち
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ゴルドバは復興に力を入れていた。特に被害の大きかった魔法学研究施設にはゴルドバの兵士も動員し、いち早い復興を目指す。ソウタ達はリアーラとの戦いの後、オーティラの住む小屋に2人を連れて、看病していた。
「もう、大変だったんですから! ご主人はいないし、訳の分からない場所に連れて行かれるし……」
ハウルはソウタのもとに戻っていた。デュゲクを倒した後、繁華街にはゴルドバの兵士が駆け付け、ゾンビの掃討戦を開始しその手伝いをさせられていたらしい。そのあとはゴルドバの王に会い、感謝されたそうだ。
「悪いって……でもこっちも大変だったんだぞ? オーティラがいなかったら多分俺死んでただろうしな」
「まぁ、そうなんでしょうけど……」
「う、うん……?」
オーティラは目を覚ます。パチパチと瞬きをして、何かを思い出したように起き上がると、周りをキョロキョロとし始めた。
「セラヴィア……セラヴィアは!?」
「あぁ、やっと起きた! 大丈夫だよ、セラヴィアちゃんはぐっすり眠ってるから」
オーティラの横にはぐっすりと眠っているセラヴィアの姿があった。セラヴィアの寝顔を見てホッと安堵したのか、肩の力が抜け、バフっと布団に倒れこんだ。
「はぁ、よかった」
「オーティラもゆっくりしなよ? オーティラの怪我も随分だったからな」
「そうか……助けてくれてありがとう、それでギフト鉱石は?」
「あるよ、ほら」
ソウタはポケットから2つのギフト鉱石を取り出した。あの後ルドーが経緯を王に説明し、ギフト鉱石を譲ってくれたのだ。『今ギフト鉱石を必要としているのは我々ではなく、この青年たちです』と告げて。
「それより、これで作ってくれるんでしょ?」
「……ふふ、怪我人に普通頼み事する? まぁ、いいよ。セラヴィア助けてくれたし、でも鍛冶場がないんだよね、ソウタの国で何とか作れない?」
「だと、思って俺たちは一旦、国に帰ろうと思ってるんだ、オーティラが良かったら一緒に来て欲しんだけど、勿論セラヴィアちゃんも一緒にね」
「当たり前でしょ、絶対にもうセラヴィアのそばを離れるつもりはないから」
「だけど、ちょっと問題があるんだよね……」
「ん?」
「セラヴィアちゃんの病気? 金属腐敗症だっけ? まだ完治してないんだ、むしろリアーラの魔法のせいで悪化してるってゴルドバの医者たちが……」
「そう……」
オーティラは酷く落ち込んだ様子を見せ、下をうつむいた。
「うちの知り合いにソフィアさんって人がいるんだけど、その人なら何か解決できるかもしれないんだ」
「わかった、あ、ソウタ、そこの棚の引き出しちょっと開けてみて」
オーティラが指さしたのはソウタの身長ほどもある少し大きめのタンス、ズボラな性格のオーティラの下着なのがはみ出ており、少し視線を送るのをためらっていたが、見ろと言われたら見るしかない、ソウタは恐る恐るタンスの引き出しを開けてみた。中には少し大きめの装置のようなものが2つ入っている。
「なにこれ?」
「私が作った転送装置よ、それがあれば、どんなに離れていても一瞬で移動が可能になるの、私はこの大陸を出なかったから使う機会なかったけど、今のソウタには必要じゃない?」
「確かに、これがあれば、いつでもエンドルフに帰れるな! ありがとうオーティラ」
「ソウタ、そしたら一旦ソウタだけ国に帰ったらどうだ? ハウルはオーティラ達を守るためにここに残ってもらって……」
「えぇ、僕また離れるんですか!?」
「確かに、この転送装置を守る人は信頼できる奴じゃないとダメだもんな、オーティラとセラヴィアちゃんはまだ動けないわけだし、こっちにソフィアさんを連れてくればいいわけだ」
「そういうことだ、頼むよハウル、大事な役目だからね」
「うぅ、わかりました、このハウル、責任をもってオーティラさんとセラヴィアさんをお守りいたします」
「頼むぞ、ハウル!」
「ソウタ、そろそろ出向の時間だぞ?」
「あ、やべ、急いで魔法学研究施設に向かわねぇと!」
「え? もう出入りできるの?」
「あぁ、ルドーが特別に許可出してくれたんだ! あいつなんだかんだいい奴だな!」
ソウタは魔法学研究施設から外の世界に向かい、マルタ港で待つルブトンの下に向かった。
Mr.Sixの独り言
記念すべき100話です。
ここで一回この話は未完という形で終わらせたいと思います。
もしこの先を書くことがあればまた報告いたします。
改めてここまで読んでくださった方、本当にありがとうございました!
次の次回作をお楽しみください!
「もう、大変だったんですから! ご主人はいないし、訳の分からない場所に連れて行かれるし……」
ハウルはソウタのもとに戻っていた。デュゲクを倒した後、繁華街にはゴルドバの兵士が駆け付け、ゾンビの掃討戦を開始しその手伝いをさせられていたらしい。そのあとはゴルドバの王に会い、感謝されたそうだ。
「悪いって……でもこっちも大変だったんだぞ? オーティラがいなかったら多分俺死んでただろうしな」
「まぁ、そうなんでしょうけど……」
「う、うん……?」
オーティラは目を覚ます。パチパチと瞬きをして、何かを思い出したように起き上がると、周りをキョロキョロとし始めた。
「セラヴィア……セラヴィアは!?」
「あぁ、やっと起きた! 大丈夫だよ、セラヴィアちゃんはぐっすり眠ってるから」
オーティラの横にはぐっすりと眠っているセラヴィアの姿があった。セラヴィアの寝顔を見てホッと安堵したのか、肩の力が抜け、バフっと布団に倒れこんだ。
「はぁ、よかった」
「オーティラもゆっくりしなよ? オーティラの怪我も随分だったからな」
「そうか……助けてくれてありがとう、それでギフト鉱石は?」
「あるよ、ほら」
ソウタはポケットから2つのギフト鉱石を取り出した。あの後ルドーが経緯を王に説明し、ギフト鉱石を譲ってくれたのだ。『今ギフト鉱石を必要としているのは我々ではなく、この青年たちです』と告げて。
「それより、これで作ってくれるんでしょ?」
「……ふふ、怪我人に普通頼み事する? まぁ、いいよ。セラヴィア助けてくれたし、でも鍛冶場がないんだよね、ソウタの国で何とか作れない?」
「だと、思って俺たちは一旦、国に帰ろうと思ってるんだ、オーティラが良かったら一緒に来て欲しんだけど、勿論セラヴィアちゃんも一緒にね」
「当たり前でしょ、絶対にもうセラヴィアのそばを離れるつもりはないから」
「だけど、ちょっと問題があるんだよね……」
「ん?」
「セラヴィアちゃんの病気? 金属腐敗症だっけ? まだ完治してないんだ、むしろリアーラの魔法のせいで悪化してるってゴルドバの医者たちが……」
「そう……」
オーティラは酷く落ち込んだ様子を見せ、下をうつむいた。
「うちの知り合いにソフィアさんって人がいるんだけど、その人なら何か解決できるかもしれないんだ」
「わかった、あ、ソウタ、そこの棚の引き出しちょっと開けてみて」
オーティラが指さしたのはソウタの身長ほどもある少し大きめのタンス、ズボラな性格のオーティラの下着なのがはみ出ており、少し視線を送るのをためらっていたが、見ろと言われたら見るしかない、ソウタは恐る恐るタンスの引き出しを開けてみた。中には少し大きめの装置のようなものが2つ入っている。
「なにこれ?」
「私が作った転送装置よ、それがあれば、どんなに離れていても一瞬で移動が可能になるの、私はこの大陸を出なかったから使う機会なかったけど、今のソウタには必要じゃない?」
「確かに、これがあれば、いつでもエンドルフに帰れるな! ありがとうオーティラ」
「ソウタ、そしたら一旦ソウタだけ国に帰ったらどうだ? ハウルはオーティラ達を守るためにここに残ってもらって……」
「えぇ、僕また離れるんですか!?」
「確かに、この転送装置を守る人は信頼できる奴じゃないとダメだもんな、オーティラとセラヴィアちゃんはまだ動けないわけだし、こっちにソフィアさんを連れてくればいいわけだ」
「そういうことだ、頼むよハウル、大事な役目だからね」
「うぅ、わかりました、このハウル、責任をもってオーティラさんとセラヴィアさんをお守りいたします」
「頼むぞ、ハウル!」
「ソウタ、そろそろ出向の時間だぞ?」
「あ、やべ、急いで魔法学研究施設に向かわねぇと!」
「え? もう出入りできるの?」
「あぁ、ルドーが特別に許可出してくれたんだ! あいつなんだかんだいい奴だな!」
ソウタは魔法学研究施設から外の世界に向かい、マルタ港で待つルブトンの下に向かった。
Mr.Sixの独り言
記念すべき100話です。
ここで一回この話は未完という形で終わらせたいと思います。
もしこの先を書くことがあればまた報告いたします。
改めてここまで読んでくださった方、本当にありがとうございました!
次の次回作をお楽しみください!
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