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20話 相性
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ヤコブにダメージがなく、
不敵に笑うと、
ハンマーを両手で持って、
勢いよくベネッタに振り下ろした。
「くっ!」
攻撃の手を止め、
ベネッタは後方に飛び、
攻撃をかわす。
「へっ、だから言ったろ。相性は悪いってよ」
ヤコブは何も気にすることなく、
歩いてベネッタに近づく。
「別に、魔法の相性が悪いだけで、貴方との相性はどうかしらね?」
ベネッタは立ち上がり、
両手を広げると、
手に魔力が集中したのか、
わずかに光を帯び始めた。
「ヒロ! こいつらは俺たちに任せろ、お前はベルゼルを倒してこい!」
ダンテはディエゴと斬り合いをしながら、
ベルゼルの相手をするよう指示を出した。
「ダンテ、ベネッタ! ありがとう」
ヒロは2人に感謝を伝えると、
ベルゼルの前に立ちふさがる。
「結局、僕と君の戦いか……紋章同士の戦い、みんなが注目しているよ」
「だからどうしたんだよ、そんなに紋章が大事か?」
「当たり前だろう、紋章とは選ばれし者の証、他とは違う。もっとも君と僕では決定的な差があるだろうけどね」
「だったら、試してみろよ!」
ヒロは槍でベルゼルを勢いよく突く。
しかし、
寸前でヒロの攻撃はかわされると、
次の瞬間にはヒロは地面に転んでいた。
「ぐあ! ……!?」
ヒロは何が起きたのか理解ができない。
目の前ではベルゼルがこちらを見て、
クスクスと笑っている。
「このやろぉ!」
ヒロは手に持っている槍で再度ベルゼルに攻撃を仕掛ける。
「何度やっても同じだよ」
ヒロの攻撃はかわされると、
ベルゼルの掌底がヒロのみぞおちを捉えていた。
「ぐほぉ!」
ヒロは吹き飛び、
持っていた槍を手放してしまい、
ゴロゴロっと転がっていく。
「ぐっ……!」
「おぉっと! ヒロ選手の攻撃はベルゼル選手に一切通用していません、それどころか実力に大きな差があるのか、ベルゼル選手まだ余力を残しているようです」
ラブは興奮をしながら実況をしている。
観客の熱は最高潮に達し、
ベルゼルを応戦するコールが沸き起こる―――
―――「ほぉ、魔道流武術か。かなりの域に到達しているようで……将来が楽しみですな」
グルーディアは髭を触りながらベルゼルを褒める。
「”回避”と”反撃”を主とする魔道流武術は守りの型。攻撃のことしか考えないヒロという男とは相性がいいのでしょう」
ゼゼルは腕を組みながら、
椅子に深く座りなおしながら分析をしている。
「確かに、ヒロにとっては相性が悪いであろう……だが、守ることだけを考えるのと攻めるだけを考えるでは戦いの本質はまるっきり違うぞ」
ロゼはヒロ達を見つめながら、
ゆっくりと手に持っているグラスを口に運び、
グイっと一気に飲み干した―――
―――「まずいな……」
ダンテはディエゴとやり合いながら、
ヒロの心配をしていた。
「なに? 他人の心配?」
「ヒロは武器を持っている俺との戦いに慣れ過ぎてる。距離の保ち方、立ち方、全部が異質。それが”素手”だ。特訓の成果が裏目に出たか?」
「バカか! 特訓したぐらいでベルゼルさんに勝てると思ってるのがお笑いだぜ!」
ヤコブは腹を抱えながら笑った。
「ベルゼルさんは紋章の所持者だ、紋章を持たないやつは勝てるわけがないさ……」
一瞬の隙をついたディエゴの剣はダンテの頬を切り、
スーッと一筋の血が流れる。
「あぁ、なら安心だわ」
「何?」
ダンテは流れた血をペロッと舐めて、
大きく笑った。
「ベルゼルの前に立ってるのは、紋章の所持者の”ヒロ”だ。アイツは負けねぇよ。どんだけ特訓したと思ってるんだ」
「なら、どうやって勝つか教えてくれよ!」
ディエゴの渾身の一撃をかわし、
ベネッタのそばに近寄るダンテ。
「この試合が終わったら教えてやるよ、まずはお前たちに負けを教えてやる。な?ベネッタ」
ダンテは剣を肩に置き、
ベネッタはため息をついて、
ダンテの肩を軽く小突いた。
「私一人でも倒せるけど、団体戦だからね。ダンテ、足を引っ張んないでよ」
ヤコブは手に持っているハンマーを地面に突き刺し、
笑いながら2人を煽った。
「わかってねぇようだから教えてやるけど、俺たちは2人の方が強いぞ?」
「ヤコブ、俺たちのコンビプレー見せてやるか」
ディエゴは剣を振り回し、
周りに斬撃の渦を創り出した。
ヤコブは両手を大きく回して準備運動をした後、
ハンマーを片手でヒョイッと持ち上げる。
「どっちが、先に加勢に行けるか勝負だな」
互いの間に緊張がほとばしる。
「す、すごい! さすがは決勝戦! 互いに一歩も引いていません。まさに好カードといったところでしょうか? ベルゼルVSヒロ、そしてディエゴ・ヤコブVSダンテ・ベネッタの構図が出来上がっております。果たして勝利の女神はどちらに微笑むのでしょうか!」
ラブはマイクを持って前のめりになりながら実況している。
まるで1人の観客のように盛り上がっている。
「イヴ! 間近で見ている感想はどうですか?」
ラブがイブに話を振ると、
イヴは元気に返事をして、
説明を始めた。
「いやぁ、とてつもない緊張感が伝わってきます。現状は五分五分、いや、ベルゼル選手が優勢といったところでしょうか、勝敗のカギはこの2人が握っているといっても過言ではありません!」
イヴは巻き込まれないように、
距離をとって説明をする。
「なるほど、ありがとうございます! まだまだ戦いは続きそうです!」―――
―――「攻撃が当たらない……」
ヒロは幾度となく攻撃を繰り返すが、
ベルゼルにすべて攻撃をかわされ、
その都度一撃を加えられている。
(どうしたら当たるんだ……)
ヒロは思考を張り巡らせる。
どうしたら攻撃が当たる?
ベルゼルの動きに秘密があるのか?
ヒロはベルゼルの動きを注視する。
「あれ、そういえば……?」
ヒロはふと気づいたことがある。
ベルゼルの足元はヒロが動いた形跡はあるが、
ベルゼルの動いた形跡がほとんどないことに気づいたのだ。
(あんなに攻撃しているのになぜ動いてないんだ?)
ヒロは疑問を解消するため、
再度攻撃を仕掛ける。
「ふぅ、何度やっても同じなのに……」
ヒロの攻撃はまたもかわされ、
同時に腹部に強い衝撃を受けた。
「ぐはぁ!」
ベルゼルの膝がヒロの腹を捉える。
衝撃によってヒロは後方に吹き飛ばされ、
その場に倒れこむ。
「ぐぅ、はぁ……はぁ。へへっ」
ヒロは地面を這いつくばりながら、
不敵に笑った。
不敵に笑うと、
ハンマーを両手で持って、
勢いよくベネッタに振り下ろした。
「くっ!」
攻撃の手を止め、
ベネッタは後方に飛び、
攻撃をかわす。
「へっ、だから言ったろ。相性は悪いってよ」
ヤコブは何も気にすることなく、
歩いてベネッタに近づく。
「別に、魔法の相性が悪いだけで、貴方との相性はどうかしらね?」
ベネッタは立ち上がり、
両手を広げると、
手に魔力が集中したのか、
わずかに光を帯び始めた。
「ヒロ! こいつらは俺たちに任せろ、お前はベルゼルを倒してこい!」
ダンテはディエゴと斬り合いをしながら、
ベルゼルの相手をするよう指示を出した。
「ダンテ、ベネッタ! ありがとう」
ヒロは2人に感謝を伝えると、
ベルゼルの前に立ちふさがる。
「結局、僕と君の戦いか……紋章同士の戦い、みんなが注目しているよ」
「だからどうしたんだよ、そんなに紋章が大事か?」
「当たり前だろう、紋章とは選ばれし者の証、他とは違う。もっとも君と僕では決定的な差があるだろうけどね」
「だったら、試してみろよ!」
ヒロは槍でベルゼルを勢いよく突く。
しかし、
寸前でヒロの攻撃はかわされると、
次の瞬間にはヒロは地面に転んでいた。
「ぐあ! ……!?」
ヒロは何が起きたのか理解ができない。
目の前ではベルゼルがこちらを見て、
クスクスと笑っている。
「このやろぉ!」
ヒロは手に持っている槍で再度ベルゼルに攻撃を仕掛ける。
「何度やっても同じだよ」
ヒロの攻撃はかわされると、
ベルゼルの掌底がヒロのみぞおちを捉えていた。
「ぐほぉ!」
ヒロは吹き飛び、
持っていた槍を手放してしまい、
ゴロゴロっと転がっていく。
「ぐっ……!」
「おぉっと! ヒロ選手の攻撃はベルゼル選手に一切通用していません、それどころか実力に大きな差があるのか、ベルゼル選手まだ余力を残しているようです」
ラブは興奮をしながら実況をしている。
観客の熱は最高潮に達し、
ベルゼルを応戦するコールが沸き起こる―――
―――「ほぉ、魔道流武術か。かなりの域に到達しているようで……将来が楽しみですな」
グルーディアは髭を触りながらベルゼルを褒める。
「”回避”と”反撃”を主とする魔道流武術は守りの型。攻撃のことしか考えないヒロという男とは相性がいいのでしょう」
ゼゼルは腕を組みながら、
椅子に深く座りなおしながら分析をしている。
「確かに、ヒロにとっては相性が悪いであろう……だが、守ることだけを考えるのと攻めるだけを考えるでは戦いの本質はまるっきり違うぞ」
ロゼはヒロ達を見つめながら、
ゆっくりと手に持っているグラスを口に運び、
グイっと一気に飲み干した―――
―――「まずいな……」
ダンテはディエゴとやり合いながら、
ヒロの心配をしていた。
「なに? 他人の心配?」
「ヒロは武器を持っている俺との戦いに慣れ過ぎてる。距離の保ち方、立ち方、全部が異質。それが”素手”だ。特訓の成果が裏目に出たか?」
「バカか! 特訓したぐらいでベルゼルさんに勝てると思ってるのがお笑いだぜ!」
ヤコブは腹を抱えながら笑った。
「ベルゼルさんは紋章の所持者だ、紋章を持たないやつは勝てるわけがないさ……」
一瞬の隙をついたディエゴの剣はダンテの頬を切り、
スーッと一筋の血が流れる。
「あぁ、なら安心だわ」
「何?」
ダンテは流れた血をペロッと舐めて、
大きく笑った。
「ベルゼルの前に立ってるのは、紋章の所持者の”ヒロ”だ。アイツは負けねぇよ。どんだけ特訓したと思ってるんだ」
「なら、どうやって勝つか教えてくれよ!」
ディエゴの渾身の一撃をかわし、
ベネッタのそばに近寄るダンテ。
「この試合が終わったら教えてやるよ、まずはお前たちに負けを教えてやる。な?ベネッタ」
ダンテは剣を肩に置き、
ベネッタはため息をついて、
ダンテの肩を軽く小突いた。
「私一人でも倒せるけど、団体戦だからね。ダンテ、足を引っ張んないでよ」
ヤコブは手に持っているハンマーを地面に突き刺し、
笑いながら2人を煽った。
「わかってねぇようだから教えてやるけど、俺たちは2人の方が強いぞ?」
「ヤコブ、俺たちのコンビプレー見せてやるか」
ディエゴは剣を振り回し、
周りに斬撃の渦を創り出した。
ヤコブは両手を大きく回して準備運動をした後、
ハンマーを片手でヒョイッと持ち上げる。
「どっちが、先に加勢に行けるか勝負だな」
互いの間に緊張がほとばしる。
「す、すごい! さすがは決勝戦! 互いに一歩も引いていません。まさに好カードといったところでしょうか? ベルゼルVSヒロ、そしてディエゴ・ヤコブVSダンテ・ベネッタの構図が出来上がっております。果たして勝利の女神はどちらに微笑むのでしょうか!」
ラブはマイクを持って前のめりになりながら実況している。
まるで1人の観客のように盛り上がっている。
「イヴ! 間近で見ている感想はどうですか?」
ラブがイブに話を振ると、
イヴは元気に返事をして、
説明を始めた。
「いやぁ、とてつもない緊張感が伝わってきます。現状は五分五分、いや、ベルゼル選手が優勢といったところでしょうか、勝敗のカギはこの2人が握っているといっても過言ではありません!」
イヴは巻き込まれないように、
距離をとって説明をする。
「なるほど、ありがとうございます! まだまだ戦いは続きそうです!」―――
―――「攻撃が当たらない……」
ヒロは幾度となく攻撃を繰り返すが、
ベルゼルにすべて攻撃をかわされ、
その都度一撃を加えられている。
(どうしたら当たるんだ……)
ヒロは思考を張り巡らせる。
どうしたら攻撃が当たる?
ベルゼルの動きに秘密があるのか?
ヒロはベルゼルの動きを注視する。
「あれ、そういえば……?」
ヒロはふと気づいたことがある。
ベルゼルの足元はヒロが動いた形跡はあるが、
ベルゼルの動いた形跡がほとんどないことに気づいたのだ。
(あんなに攻撃しているのになぜ動いてないんだ?)
ヒロは疑問を解消するため、
再度攻撃を仕掛ける。
「ふぅ、何度やっても同じなのに……」
ヒロの攻撃はまたもかわされ、
同時に腹部に強い衝撃を受けた。
「ぐはぁ!」
ベルゼルの膝がヒロの腹を捉える。
衝撃によってヒロは後方に吹き飛ばされ、
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不敵に笑った。
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