美しい殺し屋

ミニマリスト憂希

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歩く機関銃②

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「あの頃の君は~」

ズンチャ ズンチャ

「ねぇ どうして~そんなこと」

美月がテレビに出ていた
相変わらずの人気ぶり
綺麗な声でバラードを熱唱

それを真が家で張り付くように見ていた

「さすが美月!」

テレビの前で拍手する真
テレビを消すとさっそくムーのバーへ

「美月はすごいや!」

「相変わらず真は美月が大好きだな」

「だ、大好きじゃない!慕ってるだけさ!」

真を馬鹿にするムー

「美月はいつ帰ってくるの?」

「もう少しだと思うよ」

チュー

ストローでアップルジュースを飲み
美月の帰りを待つ真


コッコッ
歩く美月

コツン コツン
美月の後ろを追いかける1人の男

「!?」

気付く美月

コッコッ

コツン コツン

コッ!

立ち止まる美月

「新井 美月さんですね?」

「誰かしら?」

「私 歩く機関銃こと 中野と申します」

「歩く機関銃!?聞いたことあるわ」

「これは これは あの新井 美月さんに
知って頂いていたとは嬉しいですね」

「同業者じゃない それくらい当たり前よ
で?サインでも欲しいのかしら?」

「フフフッ 歌手としての貴方のサインは欲しいですね」

「そう じゃあ」

そういうと美月は男のジャケットに
マジックペンでサインをした

「こ、これは???」

「えっ?だってサインが欲しかったん
じゃないの?」

「………」

「今日 貴方に会いにきたのは
貴方のお命をもらいに来たのです」

「いやよ」

「嫌と言われても 依頼がありましてね
貴方を消してくれと…」
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