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アーネスト⑧
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「この辺りでウェイン伯爵の馬車を見なかったか?こんなマークなんだが」
アーネストは今までかつてない速さでリーズの街までやってきた。警備隊もアーネストが侯爵だと分かると増員を要請してくれた。
「・・・しらねぇなぁ」
アーネストは何人も聞き込みをし、こちらの方角に向かっていったという証言を得られた。怪しげな裏路地の店に入って店主の男に聞くと、彼は明らかに同様しており彼の視線が不自然に泳ぐ。
──バン!!──
「私はブロア侯爵だ。もしお前が嘘をついてると分かればどうなるか分かっているな?」
「ひぃっ!!」
アーネストが睨みをきかせると店主はウェイン伯爵は上階の客間に滞在していると白状した。階段をかけ上がると護衛の男たちが扉の前に立っている。
「お前、だれだ」
「ウェイン伯爵は、ここか」
男たちが拳銃を取り出した。アーネストも自身の拳銃を抜き、打ち合いになった。
(ぐっ・・・脇腹をヤられたか)
アーネストの玉が護衛二人にヒットし、彼らも苦しんでいるようだ。脇腹を押さえながら部屋のドアを蹴り破る。
「お、お前・・・ブロア侯爵か」
「エレナ・・・」
顔を涙で汚したエレナが体を縛られ天井に吊り下げられていた。鞭で叩かれた跡が胸元に滲んでいていつもの感情的な顔が消え失せ、死を覚悟したような絶望の表情をしている。その横でウェイン伯爵が服を脱ぎ捨てエレナを襲おうとしていた。
「き、貴様っ・・・!!」
アーネストはウェイン伯爵に力一杯拳をふるった。
「ぐっ・・・」
彼は吹き飛ばされ、床に倒れた。
「エレナ、大丈夫か、エレナ・・・」
「アーネスト・・・?」
エレナはまだ何が起こったのか判断できていないようだ。アーネストはエレナの吊るされているフックを外し、紐を肌を傷つけないようナイフで切り彼女にジャケットを被せた
「立てるか?ほら行こう」
「アーネスト・・・本当に、あなたなの?」
「ああ、当たり前だろう」
「血が・・・出てるわ」
エレナはアーネストの脇腹の血に気づいた。エレナは不安気だ。
「ああ、さっきの銃撃戦でやられたみたいだ」
二人が部屋を出て廊下に出ると、先ほどアーネストが殴ったウェイン伯爵が鞄の中から拳銃を取り出し追いかけてきた。
「貴様っ・・・」
──パン!!パン!!──
ウェイン伯爵は拳銃の扱いに慣れていないのかドアの上方に二発玉が当たる。アーネストも対抗しようと銃を構えるも、カチッカチッという音だけが響く。
(くそっ玉切れか・・・)
ウェイン伯爵はニヤリと笑い、銃を再び構えた。
──パリン!!──
エレナが床に落ちていたワインのビンをウェイン伯爵の頭に降り下げた。鈍い音がしてウェイン伯爵は床に崩れ落ちた。
「こんなところにちょうど瓶が落ちてたんだもの」
「ふっ・・・さすがじゃじゃ馬娘だ」
+
+
+
二人は警備隊に報告をし、診療所で身体を診てもらう。エレナには痣が無数にできていたが、一週間程で跡はなくなるそうだ。アーネストというと、脇腹に包帯が巻かれベッドに寝かされている。
「大したことないみたいで良かったわ」
「ああ、見た目よりは悪くなさそうだな」
拳銃の玉が脇腹の肉をえぐったが、内臓は痛めなかったようだ。明日の朝にはコルケット領に帰っても良いそうだ。
アーネストは今までかつてない速さでリーズの街までやってきた。警備隊もアーネストが侯爵だと分かると増員を要請してくれた。
「・・・しらねぇなぁ」
アーネストは何人も聞き込みをし、こちらの方角に向かっていったという証言を得られた。怪しげな裏路地の店に入って店主の男に聞くと、彼は明らかに同様しており彼の視線が不自然に泳ぐ。
──バン!!──
「私はブロア侯爵だ。もしお前が嘘をついてると分かればどうなるか分かっているな?」
「ひぃっ!!」
アーネストが睨みをきかせると店主はウェイン伯爵は上階の客間に滞在していると白状した。階段をかけ上がると護衛の男たちが扉の前に立っている。
「お前、だれだ」
「ウェイン伯爵は、ここか」
男たちが拳銃を取り出した。アーネストも自身の拳銃を抜き、打ち合いになった。
(ぐっ・・・脇腹をヤられたか)
アーネストの玉が護衛二人にヒットし、彼らも苦しんでいるようだ。脇腹を押さえながら部屋のドアを蹴り破る。
「お、お前・・・ブロア侯爵か」
「エレナ・・・」
顔を涙で汚したエレナが体を縛られ天井に吊り下げられていた。鞭で叩かれた跡が胸元に滲んでいていつもの感情的な顔が消え失せ、死を覚悟したような絶望の表情をしている。その横でウェイン伯爵が服を脱ぎ捨てエレナを襲おうとしていた。
「き、貴様っ・・・!!」
アーネストはウェイン伯爵に力一杯拳をふるった。
「ぐっ・・・」
彼は吹き飛ばされ、床に倒れた。
「エレナ、大丈夫か、エレナ・・・」
「アーネスト・・・?」
エレナはまだ何が起こったのか判断できていないようだ。アーネストはエレナの吊るされているフックを外し、紐を肌を傷つけないようナイフで切り彼女にジャケットを被せた
「立てるか?ほら行こう」
「アーネスト・・・本当に、あなたなの?」
「ああ、当たり前だろう」
「血が・・・出てるわ」
エレナはアーネストの脇腹の血に気づいた。エレナは不安気だ。
「ああ、さっきの銃撃戦でやられたみたいだ」
二人が部屋を出て廊下に出ると、先ほどアーネストが殴ったウェイン伯爵が鞄の中から拳銃を取り出し追いかけてきた。
「貴様っ・・・」
──パン!!パン!!──
ウェイン伯爵は拳銃の扱いに慣れていないのかドアの上方に二発玉が当たる。アーネストも対抗しようと銃を構えるも、カチッカチッという音だけが響く。
(くそっ玉切れか・・・)
ウェイン伯爵はニヤリと笑い、銃を再び構えた。
──パリン!!──
エレナが床に落ちていたワインのビンをウェイン伯爵の頭に降り下げた。鈍い音がしてウェイン伯爵は床に崩れ落ちた。
「こんなところにちょうど瓶が落ちてたんだもの」
「ふっ・・・さすがじゃじゃ馬娘だ」
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二人は警備隊に報告をし、診療所で身体を診てもらう。エレナには痣が無数にできていたが、一週間程で跡はなくなるそうだ。アーネストというと、脇腹に包帯が巻かれベッドに寝かされている。
「大したことないみたいで良かったわ」
「ああ、見た目よりは悪くなさそうだな」
拳銃の玉が脇腹の肉をえぐったが、内臓は痛めなかったようだ。明日の朝にはコルケット領に帰っても良いそうだ。
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