悪役令嬢は義弟にザマアされる?

ほのじー

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出会い編

(この辺りね、二人が初めて出会う場所は)


今頃主人公は第三王子であるチャーリーに出会っているであろう。彼もレオナルドと同じ獅子の半獣で、レオナルドとフィーヌの従兄弟となる。彼がゲームの中で一番人気のキャラで、傲慢な俺様系の王子だ。レオナルドより背が高く、王子の権力を翳しても興味を持たない主人公に興味を持つ。悪役令嬢であるフィーヌや取り巻きの虐めから主人公を守るため、次第に王子としての自覚を持ち始めるというものだ。


(王子との出会いシーンが終わったら、主人公は人気を避けるためにこの池の畔に来るのよね。そこでレオ様と彼を虐めてる姉に出会うの)



「ちょっとそこに、横になりなさい」
「横に、ですか?こんな感じですか、姉上」
「そ、そうよ」


レオナルドが今度は何するのだと不思議に思っている様子だったが、それでも彼は素直にフィーヌに従い、横になった。フィーヌは主人公らしき耳のない人間を遠くに認めると、彼の下半身あたりを踵でグリグリとした。そして大きな声で主人公に聞こえるように罵声を浴びせる。


「げ、下僕が私より目立つなんて不愉快だわ、クズが!」
「ぐっ・・・姉上、そこは、う・・・ちょっと、姉上・・・はぁっ」


何故か色っぽい声を出すレオナルドに不思議に思いながら大事な出会いシーンを実現させるために、グリグリと足を動かす。靴だとレオナルドが傷つくと思い、靴を脱いでの実行であるが、足元に主人公は気づかないだろう。


「姉上、公共の場では、ちょっと・・・」


息の上がるレオナルドの顔は怒りで赤く蒸気している・・・のだろう。どこか柔らかかった足の感触が硬くなっている気がするのだが、気のせいだろうか。


「・・・」


主人公がとうとう現れた。サラリとした日本人のような長い黒髪を靡かせ、黒く大きな瞳を大きく開けて、口をハクハクと動かしている。

「こ、こんなところでなにをしている!嫌がってるじゃない」
「あなたは、誰?この侯爵家の娘である私に歯向かう度胸があるなんて、後悔しても知りませんからね!!」


主人公の不自然な緊張と言葉の固さを感じ、フィーヌはもしかして彼女も転生者でないかと考えるが、とりあえず出会いシーンを終わらせることに専念しなければならない。主人公はレオナルドを守るためフィーヌを押し倒し、それにフィーヌは激昂し、主人公への虐めが始まるのだ。


「彼苦しそうよ、その足を退けなさい」


主人公はフィーヌに近づき、フィーヌを押し倒した。グラリとフィーヌはバランスを崩し、フィーヌは「倒れる」と思いながら地面に倒れる痛みを堪えようと目を瞑るも、その痛みは襲ってこない。


(ん・・・?)


目を開けるとフィーヌの体はレオナルドの上で抱き締められていた。レオナルドはフィーヌを抱えて立ち上がり、「怪我はないですか」と足や腕を触っている。


「押し倒すなんて危ないでしょう。僕がいたからよかったらものの、彼女が怪我をしたらどうするのですか」
「え・・・?」


レオナルドは主人公に説教を初めてしまった。主人公もポカンと口を開けレオナルドの説教を聞いている。


「姉上、行きましょう。始業式が始まりますよ」
「え、ええ・・・」


(どうしてこうなった──!!)

    
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