悪役令嬢は義弟にザマアされる?

ほのじー

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獅子の本能~レオナルド視点~

(・・・最近姉上に避けられてる)


彼女に近づけば目を反らされ、体を触ろうとすれば顔を真っ赤にして逃げていく。彼女が学園の寮に入ることになったと聞いた時は引き止めたかったのだが、最近この国もきな臭くなってきているので逆に寮に住んだ方が安心であると思い、何も言わなかった。


(まったく、チャーリーも人使いが荒い)


「レオ、いるぞ」
「ああ、ザック。わかってる」


最近裏で第三王子であるチャーリーを陥れようとしている者がいる。第一王子が流行り病で亡くなり、第二王子派になるか第三王子派になるかで貴族たちも荒れているようだ。第二王子派がチャーリーに送った刺客や問題を処理するのがレオナルドや今隣にいるザックだ。ザックは狐の半獣で第三王子の幼馴染みでもある。彼はチャーリーを守るため常に彼と行動し、彼の護衛として活躍している。


──ヒュン──


弓が射られる。それをかわしレオナルドはその弓が飛んできた方向に駆け抜けた。その尋常ではない速さに敵も怯むが、レオナルドは逃がさない。


──ドンッ──


「ぐあぁぁあああああああ」
「・・・次はまともな刺客を送ってくるんだね。準備運動にもならないから」


レオナルドは男を勢いよく地面に突き付けた。その衝動で男の腕は折れてしまっただろう。抵抗しようとする男の喉元にいつも携帯している短剣を当てる。暴れようとしたので、刺客の喉元が少し切れてしまったが死にはしないだろう。


「いっそ喉を掻き切りましょうか?」
「それはやめとけ、レオナルド」


ザックがレオナルドをたしなめ、後ろに下がらせる。戦闘力をなくした男をザックが縛り、牢屋へと連れていった。


(ああ・・・こんな姿、姉上には見せられない)



獅子の血が滾り、つい加減が分からなくなってしまう時がある。そういう時にザックがいてくれるので助かるのだ。



(姉上が寮生活にしてくれて良かったのかもしれない)


獅子としての本能を使う度に、理性を失くしてしまう瞬間がある。そんな日にフィーヌに近づかれれば、彼女を無理やり何度も犯してしまうかもしれない。


──ザッ──


そんなことを考えていると、チャーリーがしかめっ面でレオナルドたちに近づいてくる。


「また刺客か・・・最近本当に多いな。兄上第一王子が亡くなった混乱で、闇の勢力が力をつけてるそうだよ。奴隷の売買も横行してるらしい。・・・しかも誘拐している女は、ピンクの髪をした兎の半獣だって言われてるそうだ」
「・・・なんだって?」
「僕も君が想像してる人を思い浮かべたよ。彼女じゃないと信じたいけど、もし本当にそうだったとしたら、レオ・・・僕は彼女に容赦はしないよ」


(バカな・・・姉上がそんなことをするはずがない)


彼女は悪役を演じようとしているも、悪になりきれない、そんな人だ。彼女がそこまでする程落ちぶれてはいない。



(誰かが、彼女を陥れようとしてるのか・・・)



レオナルドはあの未来が見えるという人間が少しきな臭いと感じている。彼女のフィーヌを見る怪しげな瞳も、言動もどこかおかしい。レオナルドは彼女に近づき真相を掴まなければならないだろう。


(必ずや、姉上を・・・フィーヌを守ってみせる)

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