悪役令嬢はゴブリンに愛される

ほのじー

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ゴブリンの運命の出会いSideウィリアム

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ウィリアムの名前はウィリアム・ド・ライト。この国の第二王子だった。今はただの醜いゴブリンだ。


第一王子の我が儘な行動っぷりにあきれ果てるほどだった。何度も彼に伝えたが、聞いてくれなかった。しまいには頭脳明晰で魔法の才能まで露見したウィリアムを疎み、(第一王子には魔法の才能はなかった)緑の魔女と共謀してウィリアムをゴブリンの姿に変えてしまった。地獄の森に移り住んだウィリアムは、なんとかジャックなどの第一王子を見限った騎士や貴族の力を借り、身を隠して生活できている状況だ。



ーそんなある時


「キャアアアアアア!!」


(悲鳴?)


ウィリアムは女の子の悲鳴のような声を聞いた。池の方だ。確認するためにウィリアムは急ぐ。そこには魔物に襲われている女性の姿が見えた。


(なんでこんなところに!!)


ウィリアムは怪獣を威嚇し、持っていた棍棒で殴ってやるとそそくさと逃げていった。


(酷い傷だ・・・)


ウィリアムは家の側に入る。そこはウィリアムの仕事場だ。地獄の森は薬草の宝庫である。薬草をグツグツ煮詰め、様々な薬を完成させるのだ。まず彼女の傷を消毒し糸で縫い付け、飲み薬も無理やり飲ます。熱も上がってきてとても苦しそうだ。


(っ・・・なんでこんな子が・・・)


ウィリアムは血にまみれた彼女の顔を拭いてあげると、そこからは、ウィリアムが今まで目にしたことのないような可愛らしい顔が露になったのである。


(貴族・・・だよな?)



怪我をして傷はあるが、爪や髪は綺麗に整えられているようで、空から舞い降りた天使かとウィリアムは錯覚するほどだった。


怪我の影響で寝ている間も体が辛いのか、魘されている彼女の手を握ってあげたり、高熱が出た時は頻繁に額のタオルを変えてあげた。


(山は越えたな。あとは目覚めるのを待つだけだ)


夕飯の為の薪を切り、部屋に入ると、彼女のくりっとした大きな水色の目が大きく見開かれた。

「キャアアアアアア!!」


彼女の悲鳴を聞いたが、その瞳に吸い込まれ、ウィリアムは彼女に近づいていった。彼女は目をギュっと瞑っていたが、しばらくて彼女は恐る恐る目を開けた。再びウィリアムと目が合って意識を手放した。


(そりゃそうだよな・・・俺は醜いゴブリンだ。彼女みたいな小さい女の子が見たらそりゃぁびっくりするだろう)


ウィリアムは置き手紙をして部屋を出た。食後の薬を仕事場に取りに行き、窓を覗くと彼女は意識が回復したようだ。彼のメモ書きにも気づいた。




「ゴブリンさん、ごめんなさい。あなたが助けてくれたのね。入ってきてちょうだい?」



そーっと顔を窓から出す。彼女は先ほどとは違い落ち着いていた。無事会話をすることができ、彼女にスープを勧めた。まだ体が辛いようだったので、スープを食べさせてあげた。



(口ちっちゃい・・・小鳥みたいで可愛い)


彼女はスープを褒めてくれた。あまりにも純粋な目で褒めるので少し照れてしまった。


それからウィリアムの手で彼女に食事を与えるのが日課になった。動物の本能か、彼女を独占している気がして、ウィリアムも食事の時間が一番好きな時間であった。



(メラニア、メラニー・・・良い名前だ)


彼女はメラニアと名乗った。愛称であるメラニーと呼んでほしいと言われたので、ウィリアムも愛称であるウィルと呼んで欲しいとお願いした。



彼女はウィリアムを怖れなかった。メラニアはウィリアムを優しい人と言う。こんな可愛らしくて純粋な女性がいるなんてやはり天使なんじゃないかと思った。


メラニアの体調も回復した。これで王都へ無事に帰れるだろう。


(帰ってほしくない・・・でも駄目だ。彼女がこんなところずっと住んでるような人じゃない)


しかし彼女はここで住まわせてくれと言ってきた。去ってほしくない気持ちと、家に帰してあげたい気持ちが攻めぎあい、結局ここで住むことを許してしまった。布団で一緒に寝ると言われたときは仰天したが・・・。



(メラニーは警戒心というものがないのか!!それとも僕をペットか何かだと思っているのだろうか・・・)



ミリアの寝つきは良く、布団に入るとスースーと寝息が聞こえてくる。ウィリアムはそっと外に出て、己の欲望を吐き出すのだ。


「うぐっ・・・」

ズボンから出したウィリアムの陰茎は、肌の色と違い赤黒く、普通の人間の二倍近くの大きさはあった。ところどころにイボが付いており、全体的にカエルのようにヌメリがある。


(顔だけじゃなく、ここも醜いな・・・)



ウィリアムはそっと部屋に戻り、メラニアの寝息に誘われて眠るのだった。




ジャックが来たときに、メラニアのことを相談した。そして第一王子をそろそろ表舞台から下ろす準備にとりかかる。



(メラニーを傷つけたあいつは許さない・・・)



その夜メラニアが悪夢を見てウィリアムに引っ付いてきた。我慢できずにメラニアにキスをしてしまった。彼女の口の中は温かく、いつまでも舐めてしまい、彼女が酸欠を起こしてしまうくらいだった。



(こんな醜いゴブリンのキスを受け入れるなんて・・・優しすぎるよ、メラニーは・・・)


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