軍人伯爵に復讐するはずが・・・

ほのじー

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ガイル⑫

「ガイル様・・・今ザスクから連絡があったのですが少し問題がありまして」
「どうした」


ザスクはダンの補佐をしている一人で、サラの実家について調べてもらっていたのだが、彼が調査を終え帰ってきたようだ。彼女について調べるつもりはなかったのだが、ダンがガイルの彼女への気持ちを知り、念のため調べておくべきだと強く言ってきたのでダンの補佐役にお願いしたのだ。


「彼女の履歴書に書いていた住所には、誰も住んでいないようでした。その土地の地主もサラ・ノートンという人物に関して聞いたことがないようでした」
「・・・どういうことだ」


(・・・履歴書には不振そうな点はなかったはずだ)


「彼女の招待状を書いたエリトン男爵に連絡をしましたが、どこか歯切れが悪く回答を渋られました。全国にサラ・ノートンは八人おりまして、いずれも年齢と特徴が一致しないそうです」
「・・・なんてことだ。彼女が嘘を言っているというのか!!」


──ドンッ──


ガイルは机の上を強く叩いた。木目調の机にヒビが入る。


「じゃあ、あのサラ・ノートンは、誰なんだ」
「・・・分かりません。とにかく彼女は我々に嘘をついています」


ガイルにイライラが募る。ガイルは彼女を既に深く愛している。そして彼女を見る限り、彼女もガイルに少なからず好意を持っているはずだった。好きでもない人に、あんなに乱れる訳がない。


(あれが演技であったなら、とんだ女優だ・・・)


ガイルは胸元に納めていた小箱を開ける。そこにはキラキラと輝く大きなダイヤモンドが付いている婚約指輪だ。


(俺は浮かれてこんなものまで準備して・・・)


「彼女の身分について、引き続き調べておいてくれ」
「畏まりました」


ダンが礼をして部屋を出ていく。ガイルは胸に手を当てた。



──ツキン──



戦後感じた絶望と同じくらいの胸の痛みにガイルは顔を歪める。



「嘘だ・・・嘘だ・・・嘘だ!!」



(今夜、彼女に問いただす・・・絶対に全てを吐かせてやる)


ガイルは封印していたウイスキーの瓶を取り出し、グラスに注いだ。その液体をしばらく眺め、グラスを煽った。



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