軍人伯爵に復讐するはずが・・・

ほのじー

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ガイル⑬

「ガイル様、彼女が帰ってきました・・・」
「そうか、今から行くから警備に彼女を見張らせとけ」
「畏まりました」


ガイルはあれから酒を飲んだが飲んでも飲んでも気分が晴れない。よろよろと立ち上がり、ガイルは彼女の部屋に向かった。


──コンコン──


扉を叩き、彼女が扉を開けると彼女は目を見開き驚いているようだった。ガイルが一歩進むと、彼女は一歩後ずさる。ガイルは扉閉めた。


「どうされましたか、シーガル伯爵」
「別になにも。君の様子を見に来ただけだ」
「・・・まだ使用人が働いております。この家の主人が家庭教師の部屋に入ったと、噂されてしまいます」
「そんなの私は気にしない」


ガイルはサラの前に立つ。彼女のいつもとは違う匂いに顔を歪めた。


「ラベンダーの匂いが、しない」
「え・・・?」
「どこに行ってたんだ」
「街に、楽譜を買いにいったりしておりました」

彼女の回答は歯切れが悪い。彼女からは紳士クラブのVIPルームような、酒とタバコと女たちの匂いがする。


「酒も、飲んでいるな」


彼女の顔は少し蒸気し、口からもアルコールの匂いがする。


「休日なので、少し羽目を外して飲み屋で食事したんです」


(彼女がそういう場所に一人で行くとは思えない)


彼女は確実に嘘をついていると、ガイルは確信した。ガイルはネクタイを取り、サラの手を取った。


「シーガル・・・伯爵?」


ガイルはそのネクタイでサラの両腕を縛る。彼女は戸惑いをみせているようだ。両手はきつく拘束され、簡単に動かすことは出来ないだろう。


「シーガル伯爵・・・何を・・・?」
「君は・・・誰だ」
「っ・・・どういうことでしょう、シーガル伯爵」


(あきらかに動揺している。やはり彼女は黒か・・・)


心の隅で何かの間違いであるという淡い期待があった。しかしそんな都合の良い展開はなさそうである。


「君の家の住所にサラ・ノートンという女はいなかった。この国のサラ・ノートンに君と年齢と見た目が一致するものはいなかった」
「っ・・・」


サラはさらに一歩、また一歩と後ろへさがっていった。しかしガイルは彼女を逃がすつもりはない。


「身分を詐称して、何をしに来たんだ」


彼女の唇はキツく閉じられ、何も言おうとしない。ふと彼女の首筋に赤い花びらがちっているが見えた。それはガイルが付けたものではない。


──ドン!!──


ガイルは壁を強く殴った。その音が部屋中に響く。


「これは、誰が付けたものだ」
「え・・・?」

彼女はそこにキスマークが付いていたことに気づいていなかったようだ。しかし思い出したかのように、みるみると顔が青くなる。


「休日にずいぶんとお楽しみだったようだな」
「・・・ち、違うんです」
「何が違うんだ!!」


ガイルはサラのワンピースを引きちぎった。ボタンが飛び散り、彼女の胸が露になる。


「いやっ・・・」
「ここを、誰かに触らせたのか?」


(この体を見るだけで、私の息子は反応してしまう・・・本当にコイツはとんでもない魔女だ)


「君は私が金づるになると思って抱かれたのか?それとも赤子ができたと言って、金をふんだくろうとしたのか?」


(そうだとしたら、もう少しで成功していたな)


ガイルはサラに何でも買い与えたいと思っていた。ドレスでもなんでも彼女の望むものは全て手にいれたい。


「ほら、吐くんだ、この売女!!」
「っ・・・」


彼女の瞳から涙が盛り上がっている。我慢しているのかその膨らみは止まったままだ。



「・・・そうです。あなたがお金を持っていると聞いて・・・騙そうと思ったんです」

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