星獣の機迹

なビィ

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049. 小石の鑑定

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鑑定台に石ころを並べ、その奥の壁にある棚へと腕を伸ばす。

そこには様々な器材が置かれており、


その中から白い石のようなものと、

先が白く、小さな球状になっている棒状のものを取り出した。



主人は一つの石ころを手で押さえるように上から固定させ、

白い石でその横側の外周を削るようになぞっていく。


白い石を台の脇に置き、棒を手に持ち替える。



「……何やってるの?」


アシュリィの腕に座るようにして抱かれているリリナが

ラウルへひそひそと質問する。


「見ていろ。すぐに分かる。」



アシュリィはまだむすっとしてはいるが、その作業をじっと見ている。



そして、片方の腕を顔を守るように上げ、

手に持った棒の球状の部分をなぞられた跡へ上からそっと当てる。


「……。」


息をのんで見守るリリナ。



「……。

 ……何も起きないよ……?」


とラウルへ言っている最中にそれが起きた。





――ピシッ


高く、鋭い音とともにラウルの持ってきた石ころが真っ二つに割れる。

その音と同時にリリナがビクッと身体を揺する。


「すごぉい……!」



主人がもくもくと次の石ころへと作業を続けていく。

その様子を口が半開きになりながらリリナが見ている。



「こういう場所では鑑定やその道具として紛い物フェルクルムや遺物が使われたりするものだ。」


その作業を見ながらリリナへと説明をするラウル。





「……で、一体何があったんだ?」


横目でちらりと眼下にいるアシュリィに尋ねる。



「別に……大したことじゃ……。」



「……そうか。無理にとは言わんさ。」


目を瞑り、口角を少し上げながら


「ただ、人と話すことで解決することもあると気付かされたばかりでな。」


今朝の実体験をしみじみと語る。



「……。」


目を開けると、アシュリィがこちらを見上げながら

口元をぐっと結び、思い悩んでいる表情を見せている。



「あの……っ。」


言い掛けていた所に

それぞれの重量を測っていた主人が受付の所に戻ってきて

それに気付いたアシュリィがさっと口をつぐむ。



「狼の……あれぁ全部ほんもんだな。」


続けて


「白貨九枚、金貨八枚、銀貨七枚になるが内訳はいるか?」



「ああ、お願いしたい。


 ……。

 ……ふむ、少し見誤ったか。」


口元に指をやり、主人が作業に戻るのを見てぼそりと呟く。





……視線を感じる。それも強烈な。



その視線の主へ顔を向ける。



アシュリィが今までに見せたことがないほどの

驚いた顔をしている。


「……えっ、あっ。えっ。……えっ!?」


口をかくかくと動かすがうまく言葉が出て来ないようだ。

そのアシュリィをぽけーっと眺めているリリナ。



「あ、あ、あの石ころ達が白貨約十枚分!?」



「そうだな。本当は丁度十枚分にしておきたかったんだが仕方あるまい。」


アシュリィに返事をし、腕を組んで主人の作業を眺めているラウル。



「え? え? ……あれ、え?

 さっき言ってた……い、遺物……なの?」


しどろもどろに聞いてくる。



「そうだが……遺物には、その……

 お前が見える【名残の光】のようなものはないのか?」



首をふるふると振りながら


「ないよ! そんなのあったら便利だけど……。


 ……。

 ……!?」


ばっとラウルの顔を見上げる。



「……そうだったか……他言無用で頼む。」


少し渋い顔をして主人の方を見続けている。

アシュリィもそれを察し、


「うん……それはもちろん……。

 そんなことできるってバレたら色々大変だもんね。」





「……食事の時、確かに断言はしていなかったな……。」


顔を上に向け、誰にも聞こえないようにぼそりと呟き、

先程の食事での会話を思い出していた。



手に紙の切れ端を持った主人が帰ってくる。


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