星獣の機迹

なビィ

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084. 少女の故郷

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「……それにしても、まさかこんな大所帯になるとは……。」


町を出て歩いている一行。

ラウルが傍らを歩くリリナとアシュリィを尻目にぼそりと呟く。

一般的に三人での旅は大所帯とは言わないが、ラウルにとっては新鮮なのである。



「俺の目的地を優先する形になってしまったが……。

 本当にアシュリィは目的地を定めなくていいんだな?」



「うん。

 さっき話した通り、あたしの出生探しって言っても

 半人っていうだけで色んな場所をたらい回しにされたらしくてさ。

 どこで生まれたかはそんな興味ないの。


 あるのは両親がどんな人だったか~ってことくらい。

 だったら『星の道』を巡って今やりたいことをして、

 ついでに【啓示】受けられたらいいかなって感じで。

 まぁ、そもそも半人だから両親が存在するかも怪しいんだけどね。」



さも当然と言わんばかりに軽口を叩いている。



「あたしの『エポニム』はカリスだけど、

 これも本当のものかどうかも分からないの。

 ラウルの【ヴォルプス】みたいに歴代のものじゃないかもしれないし。」



ふと気づき、隣を歩くリリナへと目をやる。



「そういえばリリナちゃんってエポニム何て言うの?

 聞いたことなかったかも。」



旅用の道具や小物を買ってもらい、

やる気に満ちたにこにこ顔のリリナへと声を掛ける。



「ん? 私?」



声を掛けられ顔を上げる。



「私、ストレラだよ。

 リリナ=ストレラ。」



にっこりと笑顔で返事をする。

その笑顔に釣られて笑顔になるアシュリィ。



「そっかぁ~。ストレラかぁ~。」



意気揚々と歩いている。が、



「ん? ストレラ……?」



足をピタリと止め、考える。



「人間の子で、ストレラ……?」



一緒に立ち止まったリリナが不思議そうに顔を見上げている。

先程とは打って変わり、神妙な面持ちになるアシュリィ。



「リリナちゃん、村の記憶無くしちゃったって言ってたけど、

 村のこと、何か覚えてることあったりする?」



「村? え?


 ……。

 ……ん~。

 ……ん~?」



目を瞑って頭を傾げている。



「あ……ううん。無理しないで。」



そのやり取りを見ていたラウルが声を掛ける。



「あぁ、そういえば話してなかったか。

 人間だけが住む村らしい。

 まさかとは思ったがな。」



「――!?」



その言葉を聞き、アシュリィの目が大きく見開く。

そして、困惑の表情を見せる。



「え……? 嘘。ちょっと待って。

 いや……でも……。」



再びリリナを見るアシュリィ。

そして、胸元に仕舞われている首飾りの紐に目を留める。



「――!?!?」



見るからに取り乱すアシュリィ。



「あ……っ、う。」



情報が整理されず、手を額にやる。



「どうした? 大丈夫か?」



ラウルが声を掛ける。

リリナと二人で心配そうにアシュリィのことを見つめている。


ゆっくりと口を開くアシュリィ。





「……ラウル、この子のことを絶対に送り届けないとダメ。

 何が何でも。

 全人類、いや世界の損失になるかも。


 【ストレラの隠れ里】。

 叡智の結晶。人類の最奥。

 ……御伽噺、伝説とされてる村だよ。」


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