病んでる僕は、

蒼紫

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【改訂前】なんて面倒くさい…

新歓祭

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『新歓祭』

力強く書かれたそれ──花坂学園書道部が毎年書くのが伝統になっている幕──は体育館の舞台上に堂々と飾られている。

味のある良い字だ。

と言ってもまぁ、僕は書道のことなんてよく分からないが…。

そんなことを考えながら周りを見渡す。
まるで遠足前の小学生のように──正直に言えば女子高生の方が近いかもしれない──キャッキャキャッキャとはしゃぐ男達。
実際化粧をしている者もいるから、女子高生と言っても强間違っていない、なんて最近は思えてきてたりする。
僕も随分毒されてきたな。

「お前ら、静かにしろっ!」
「「「キャァァァァァァアア!!」」」
「会長様ァ!」
「本日もとてもお綺麗です!!」
「抱いてぇえっ!」
突如現れた会長に会場が沸き立つ。
あぁ、五月蝿い。
男一人であそこまで叫ぶものなのか?
ていうか、声枯れるぞ。

「はい、のど飴」
「ありがと」
「水いる?」
「あ、僕にちょうだい」
「今度は副会長様かな?」
「汗すごいね、はいタオル」

…ここの生徒はかなりやるようです。
準備万端でした。


そんなこんなで、生徒会の話や今日のメインのゲームと説明を聞く。

ざっとまとめると…まぁ、鬼ごっこをするらしい。

鬼ごっこなんて随分久しぶりだ。
というか、この歳になって鬼ごっこをするなんて思いもしなかった。

しかし、周りの金持ち共の反応には驚き通して呆れるばかりだ。
鬼ごっこも知らないなんて…彼らの将来を真面目に心配してしまった。
まぁ、必要ない知識かもしれないが。
…そんなことより僕が一番気になったのは幼少の頃一体何をしていたのか、という事だが。

しまった、また脱線していた……。

今回するのは鬼ごっこ。
最初に逃げる側が逃げ、その五分後、鬼が体育館から出動。
校内ならどこにでも行っていいらしい。
逃げる側は鉢巻きのようなものが配られるから、それを持って鬼に捕まらないように逃げる。
鬼は何人でも捕まえることができ、鉢巻きを奪ったら捕まえた、というカウントになる。
鉢巻きを奪われた逃げる側の人達は体育館に戻り終わるまで待機。
最後まで残っていた逃げる側の人達と奪った鉢巻きの数が多かった鬼側の人達には景品みたいなものがあるらしい。
ちなみに、風紀委員の一部の役員はこのゲームに参加しない。そして、生徒会役員は全員逃げる側。
生徒会役員の鉢巻きは十人分と加算されるらしい。

あぁ、一番大切なことを言うのを忘れていた。
鉢巻きを奪った鬼側の人達はその奪った鉢巻きの持ち主だった人達の中から一人だけ指名して言うことを聞いて貰う事ができる。
あ、もちろんプライバシーに関わることや貞操に関わることは駄目だけど。

後ついでに…
それを聞いた時の周りの反応。
「僕会長様にお願いしたい!」
「副会長様とデートしたいなぁ!」
「書記様…なでなでしたい…」
「いっぱい捕まえて年間食堂無料券とか貰えないかな…」
…ということらしい。
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