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預言書 第3話
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皇「お前の預言書、警察にタイホされる、とか書いてなかったじゃねぇかよ。」
火野「私の預言書じゃないでしょ?」
瀬能「まぁ、正確には逮捕されていませんけどね。任意同行を求められただけで。」
皇「任意で、一晩、拘置所の中に入ってるのも、どうかと思うぜ?」
火野「これ、私の名前が書いてあるけど、私の物じゃないからね?」
瀬能「・・・お腹、減りましたぁ。」
皇「お前のモンだろうが、誰のモンだろうが、関係ねぇよ、ハタ迷惑な預言書だぜ。」
瀬能「事情聴取するなら、モーニングぐらいご馳走してくれてもバチは当たらないと思うんですけど。」
火野「いやいやいやいや。そこ、大事でしょ?マルシー、私、だったら、書いた内容に責任、持つわよ。」
皇「もう11時だろ?モーニングじゃねぇよ、ランチだ、ランチ。」
火野「ああ、にぎりかちらしで、千円で食べられるお寿司屋あるけど、行く?」
瀬能・皇「行く」
火野「デザートに、茶わん蒸しとコーヒーがつくの。あと、サラダ。アンド、味噌汁。」
皇「結構つくな、リーズナブル。」
瀬能「そういう、飲食店口コミサイト以外のローカルな情報を出してくるのが、御影らしい。」
火野「・・・あんた、食べたくないの?」
瀬能「食べるに決まってるでしょ!なんで御影に了解を得ないといけないんですか!」
火野「言っておくけどね。私、自分の足で稼いで、美味しいお店、開拓してるんだからね。感謝しなさいよ!」
瀬能「感謝するのはお店であって、御影じゃないですから!」
皇「いい歳した女が、昼間、シャベル持って、寿司屋に行ったら、どんな顔されるだろうな?」
瀬能「これで事件を起こしたら、シャベルらしきものとか、言われるんですかね?」
火野「どう見ても、シャベルでしょ?シャベル以外のものに見えないじゃない?」
皇「バールと、バールらしきものの違いって何なんだろうな?バールはバールだろ?」
火野「あれは、釘抜きと勘違いされるから、バールと区別してるんでしょ?」
瀬能「だったら、バールらしきものと言わずに、釘抜きと言えばいいじゃないですか。」
皇「そう言えば、マグロも、マグロと、マグロらしきものと分かれてるよな?マグロはマグロじゃねぇのかな?」
瀬能「あれはマグロの種類の話でしょ?マグロにも種類がいっぱいいますから。」
皇「マグロはマグロだろ?どうしてバリエーション、増やす必要があるんだよ?マグロのまま、生きていればいいだろ?」
火野「個性を出したいマグロが出てくるのよ。どこの世界にも。俺はただのマグロで終わらない、唯一無二のマグロになるんだ!っていう奴が。」
瀬能「自分がマグロだと思って食べていたものが、マグロはマグロだけど、マグロの親戚みたいなものを有難たがって食べていたかと思うと、がっかりしますね。」
火野「親戚だってマグロはマグロじゃない?マグロに失礼よ!」
皇「本家と分家ってあるからな。どうせなら本家がいい。」
瀬能「能、歌舞伎みたいに、本家より分家の方に、才能がある人が生まれちゃったりするんですよ、そうなると、悲劇です。跡目争いです。」
火野「マグロの跡目争いって何よ?」
瀬能「誰が本家本元、本マグロか?っていう。」
皇「うまいなぁ、杏子ちゃん、座布団一枚~」
火野「・・・ぐぬぬ」
皇「・・・悔しがるなよ。こいつ、バカなんだから。」
火野「マグロとかけまして、西村知美と解く~、そのココロは?・・・とろりん」
皇「全部自分で言うのかよ?しかも、西村知美って最近見ねぇよ。それに、かかってないし、面白くないし、はい、御影ちゃん。座布団全部没収~」
火野「ぐぬぬぬぬぬ・・・」
瀬能「では、私です。マグロとかけまして、ツーイーソーと解く、そのココロは?・・・中、取ろう。中、トロ。中トロォオオオオ!」
皇「大喜利大会じゃないから。」
火野「マグロとかけまして、将棋の大手と解く、そのコ」
皇「はい、座布団マイナス一枚。・・・もうちょっと考えろよ。前座さんだってもうちょっと気の利いた事、答えるぞ?」
火野「ぐぬぬぉおぬぬぬぬぉおお・・・・」
瀬能「あははははははははははははははは あはははははははは ひぃぃいいいいひっひひひひっひひひひひ」
皇「・・・お前、ホント、御影、おちょくるのが好きだなぁ。」
火野「いい?杏子!あとで、面白い事言って、ケチョンケチョンにしてやるから!」
皇「なんだよ、その、あとで面白い事言うって。今、言えよ。」
瀬能「やれやれ。」
火野「やれやれって何よ?・・・村上か?村上か!」
瀬能「御影の預言書、私達が焼き肉屋に行く事は書いてありましたけど、寿司屋に行く事は書いてなかったですよね。」
皇「そんな、どうでもいいプライベートな事、預言されても困るだろ?」
瀬能「でも、カードゲーム屋さんでデュエルした事は、書いてありましたよ?デュエルくらいどうでもいい事、ないでしょ?」
皇「・・・どうでもいい事に、付き合わせたのかよ?お前は。」
火野「確かに昨日、死体を発見したけど、あれって、預言かどうかは疑わしいのよね。」
皇「あ?どういう事だ?」
瀬能「簡単なトリックです。書いた本人が、殺して、・・・殺したかどうかは横に置いておいても、死体を埋めておけば済む話です。死体を埋めた本人が、預言書に、ここに死体を埋めたと書いたんだから、当たって、当然です。」
火野「だから、預言って言えないのよ。これからの未来の事が書かれていても、第三者が関与できない話なら、まだ、納得できる部分もあるでしょうけど、こういう本人が関与できる話は、預言とは言えないじゃない?」
皇「それにしたって、死体を埋めるって、大概だぜ?」
火野「予言を信じさせる、古典的なトリックよ。」
瀬能「予言と言っておきながら、実は、選択肢が限られていて、自ら選んだ様に思えるけど、誘導されていた、っていうのは手品の古典ですよ。・・・台湾とかの出店屋台でやってるババアのインチキギャンブルもこれの類ですから。」
皇「地震とかスキャンダルの話はどうなんだよ?あれは第三者が関与できる話じゃないじゃないか。」
火野「私が預言書を手に入れる前の事が書いてあったら、それは、預言じゃないじゃない。過去の話だし。しかもこれ、鉛筆書きでしょ?いつだって修正が出来る。消しゴムで消して、書き足せる、そんな預言書、信じられる?」
瀬能「これから起こる、未来の事が書いてあっても、その日その時間になってみなければ検証のしようがありません。猫です。猫箱です。」
皇「スレテンガーの猫か。」
火野「シュレーディンガーね。まぁ、ちょっと違うけど似たようなもの。答え合わせまで、この『預言書』は本物かも知れないし、虚言かも知れない。」
瀬能「死体の掘り起こしに関しては、御影が、その日、やろうって言わなければ回避できた問題です。おかげで、『預言書』は未だ猫箱状態。」
火野「だから言ったじゃない。もう早く、決着を付けたかったのよ。どうせ、インチキだと思ってたし。まさか本当に死体が出て来るとは思ってなかったし。それより」
皇「・・・なんだよ、それよりって。」
火野「『預言書』に私の名前が書いてある方がよっぽど深刻な問題よ。誰が何の目的で、私の名前を書いたのか。ここに私の名前が書いてあるから、回り回って、これが、私の手元にやってきた訳じゃない?・・・誰かが意図して、私にこれを押し付けたのよ?気味が悪くない?」
瀬能「顔が悪いよりかはいいじゃないですか。・・・・痛い!なんなんですか!こいつ、性格も態度も悪いですよ!」
火野「お前よりマシだ」
瀬能「ドイヒーです、ドイヒー」
皇「発見された死体はあくまで預言書に書かれた、ひとつの事案と考えるのか、それとも死体を押し付ける為のデコイなのか。」
火野「死体自体がデコイの可能性だってあるわ。」
瀬能「既にこうやって『預言書』に振り回されている時点で、御影の負けですけどね。」
火野「うるさい!アドバンテージはいつだって、私にあるの!」
瀬能「うわっ何ですか?どっかの弱小劇団で言ってた台詞ですか? うわぁ主人公っぽい!主人公っぽい!ああ、もう、フラグが立っちゃう!」
皇「・・・もう、寿司屋に到着するぞ。私は、ちらし!」
瀬能「私もちらしです。」
ガチャ
火野「ただいま~、と言っても、誰もいないのよぉ~・・・なん!
え?
なにこれ?
は?
泥棒?泥棒?・・・・え?泥棒?
なんで、荒らされてるの?
え? あ?
け、警察、警察、
あ、お金!お金?おか、、、、、、通帳は?通帳は無事?・・・・・・・・・ハンコ、ハンコ、ハンコ・・・・・・電話、電話、警察、けいさつ」
ピンポーン
火野「え?」
ピンポーン
火野「な・・・・・・誰?」
ピンポーン
火野「・・・」
ガチャ
郵便局員「こんにちは。あの、電報です。」
火野「・・・電報?」
郵便局員「はい。・・・電報です。・・・じゃあ、あの、ここにサインを。・・・ええ。はい、ありがとうございます。では。」
火野「あの、ちょっと、」
郵便局員「はい?・・・なにか?」
火野「え?・・・あの、これ、私、知らないんですけど?この人。」
郵便局員「ああ、・・・そうなんですか。うぅうん、そうですね。・・・・受け取り、拒否されます? 昨今、詐欺とか営業とか、そういうの多いですから。」
火野「あ、ああ。ええ。ま、そうですね。あ、そうですね。・・・・・・一応、もらっておきます。」
郵便局員「お受け取りなさいますか。・・・大丈夫ですか?ご存知ない人なんでしょ?」
火野「あ、あのぉ。・・・もしかしたら、思い出すかも知れないので、知人かも知れないし。・・・・ま、そうですね。あ、はい。一応、もらっておきます。それでも、思い出せなかったら、また、考えます。」
郵便局員「はぁ。そうですか。・・・わかりました。じゃあ、電報、お受け取りをされるという事で。じゃ、また何かありましたら、よろしくお願いします。分からない事はホームページか、本局までお問合せ下さい。では、失礼します。」
火野「あ、どうも。はい、ありがとうございます。・・・ありがとうございます・・・・
誰だよ?・・・フジムラマサヤ?
この忙しい時にぃぃぃぃぃぃいい、
『家に入るな このまま走れ 振り向くな タクシーで駅までむかえ』・・・????
家に入る・・・な? 走れ? え?なによ、これは?」タタ タッタッタ タッタッタッタッタ タッタッタッタッタッタ
男「おい!いたぞ!」
火野「え?」
男「追え!」
火野「なに?」
タッタッタッタッタッタ・タ・タ・タタタタ・タタタタタタタタ・・・・・タタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタ!
火野「なんなのよ!あいつら、なんなのよ!」
男「待てぇえええええええ!」
火野「えぇえ? ハァ ハァ ハァ ハァ な、なんなおぉおお!
あ!
タクシー!
乗ります!乗ります!タク、タクシー!タシー!タクシィイイィィイィィィィィイイイイィィイ!待って、待って、止まってぇえええええええええええええええええええええええ!」
キーッ ダン バタン
運転手「あ、はいぃぃ。お客さん、どうぞ。」
火野「すみません。急いでいるんで出して下さぃぃいいい!」
運転手「ああ、そうですか。それで、どちらまでですか?」
火野「あの、だから、だから、あの、あの」
運転手「はいはい、閉めますよぉお、じゃあ、シートベルト、お願いします。」
火野「はい、します、しますから、出して!出して!運転手さん、出してぇぇええ!とにかく、出してぇえええええええええええええ!」
バタン
運転手「・・・あの、お客さん、大丈夫ですか?なんか、慌てているみたいですけど?そんなに急用?」
火野「出してぇええええ!」
運転手「・・・ええ。じゃあ、ま、とりあえず出発しますけども、行先はどちらなんです?」
シャ、シャー
男「タクシーに乗ったぞ!」
男「タクシーだと?」
男「どこに行く気だ!」
男「本部に連絡を取れ!」
火野「なんなの、なんなの、いったい、なんなのぉおおお? 誰なのぉ?」
運転手「・・・お客さん、大丈夫ですか?・・・病院か、どこか、警察か、向かいます?」
火野「え?・・・・は、いいえ。ええ。もう、大丈夫です。ご心配なく。はぁ。・・・・はぁ。ははははははははは。ははははははははははははは。」
運転手「・・・ははははははははははははは」
火野「駅。駅に、向かって下さい。・・・すみません。よろしくお願いします。」
運転手「駅ですね?・・・駅だと、逆方向なんだけど、また、戻る事になっちゃうけど、いいですか?」
火野「いや、困ります。戻るのは困ります。・・・あの、まっすぐ行って、それで、迂回して、それで駅まで。」
運転手「それだと、遠回りになっちゃうけど?」
火野「遠回りでも、何でも、お金、払いますから、ですから、・・・・・お願いします。お願いします。」
運転手「・・・・。まぁ、お客さんがそれでいいって言うんなら、それで構いませんけど。・・・・・・あの、お客さん、クスリとか、やってないですよね?」
火野「クスリ?・・・・花粉症とか?」
運転手「そうじゃない。覚せい剤とか、そういう奴?・・・あのぉ、おかしな事に関わるのは御免だから。警察行く?」
火野「・・・さっき、警察から出て来たばかり。」
運転手「・・・・あ、ああ。そう。ああ、なるほど。」
火野「運転手さん、あの、迷惑かけないから、駅までお願い。・・・・はぁ。はぁ。はぁ。もう、疲れた。」
運転手「お姉さん、若そうだから、あれだけど、・・・あんまり警察のご厄介になっちゃダメだよ。うん、そう。」
火野「いや。あの、・・・何もしてないってぇ。」
キー ガ バタン
運転手「・・・はい、お客さん。駅だよ。交番もあるし。若いんだから、馬鹿な事ばっかしてちゃダメだよ?」
火野「はぁ、どうも。・・・ありがとう、おじさん。助かったわ。・・・危なかったら交番行くから。・・・じゃあ。」
運転手「気を付けなよ?」
火野「・・・うん、そうする。」
バタン ガ シャー
火野「・・・駅についたけど、どうすんのよ?」
ドッガガァァァッァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!
火野「え?」
火野「あ!」
火野「なんで、なんで、なんで、まずい、まずい、まずい、まずい、なんで、まずい、さっきのタクシー、なんで燃えてるの?爆発してるの? なんで、なんで、なんで、なんで、なんで? まずい、まずい、まずい、まずい、まずい」
ウー、カンカンカンカカンカン ウー カンカンカンカンカンカン
ピーポー ピーポー ピー ピーポー ピーピーポー
火野「逃げなきゃ、逃げなきゃ、逃げなきゃ、逃げなきゃ、逃げなきゃ・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
ピーポー ピーポー ピーポー ウー ピーポー ウー カンカンンカンカンカンカン ピーポー ウー カンカンカンカンカン
火野「何がどうなってんの! いったい」
※本作品は全編会話劇です。ご了承下さい。
火野「私の預言書じゃないでしょ?」
瀬能「まぁ、正確には逮捕されていませんけどね。任意同行を求められただけで。」
皇「任意で、一晩、拘置所の中に入ってるのも、どうかと思うぜ?」
火野「これ、私の名前が書いてあるけど、私の物じゃないからね?」
瀬能「・・・お腹、減りましたぁ。」
皇「お前のモンだろうが、誰のモンだろうが、関係ねぇよ、ハタ迷惑な預言書だぜ。」
瀬能「事情聴取するなら、モーニングぐらいご馳走してくれてもバチは当たらないと思うんですけど。」
火野「いやいやいやいや。そこ、大事でしょ?マルシー、私、だったら、書いた内容に責任、持つわよ。」
皇「もう11時だろ?モーニングじゃねぇよ、ランチだ、ランチ。」
火野「ああ、にぎりかちらしで、千円で食べられるお寿司屋あるけど、行く?」
瀬能・皇「行く」
火野「デザートに、茶わん蒸しとコーヒーがつくの。あと、サラダ。アンド、味噌汁。」
皇「結構つくな、リーズナブル。」
瀬能「そういう、飲食店口コミサイト以外のローカルな情報を出してくるのが、御影らしい。」
火野「・・・あんた、食べたくないの?」
瀬能「食べるに決まってるでしょ!なんで御影に了解を得ないといけないんですか!」
火野「言っておくけどね。私、自分の足で稼いで、美味しいお店、開拓してるんだからね。感謝しなさいよ!」
瀬能「感謝するのはお店であって、御影じゃないですから!」
皇「いい歳した女が、昼間、シャベル持って、寿司屋に行ったら、どんな顔されるだろうな?」
瀬能「これで事件を起こしたら、シャベルらしきものとか、言われるんですかね?」
火野「どう見ても、シャベルでしょ?シャベル以外のものに見えないじゃない?」
皇「バールと、バールらしきものの違いって何なんだろうな?バールはバールだろ?」
火野「あれは、釘抜きと勘違いされるから、バールと区別してるんでしょ?」
瀬能「だったら、バールらしきものと言わずに、釘抜きと言えばいいじゃないですか。」
皇「そう言えば、マグロも、マグロと、マグロらしきものと分かれてるよな?マグロはマグロじゃねぇのかな?」
瀬能「あれはマグロの種類の話でしょ?マグロにも種類がいっぱいいますから。」
皇「マグロはマグロだろ?どうしてバリエーション、増やす必要があるんだよ?マグロのまま、生きていればいいだろ?」
火野「個性を出したいマグロが出てくるのよ。どこの世界にも。俺はただのマグロで終わらない、唯一無二のマグロになるんだ!っていう奴が。」
瀬能「自分がマグロだと思って食べていたものが、マグロはマグロだけど、マグロの親戚みたいなものを有難たがって食べていたかと思うと、がっかりしますね。」
火野「親戚だってマグロはマグロじゃない?マグロに失礼よ!」
皇「本家と分家ってあるからな。どうせなら本家がいい。」
瀬能「能、歌舞伎みたいに、本家より分家の方に、才能がある人が生まれちゃったりするんですよ、そうなると、悲劇です。跡目争いです。」
火野「マグロの跡目争いって何よ?」
瀬能「誰が本家本元、本マグロか?っていう。」
皇「うまいなぁ、杏子ちゃん、座布団一枚~」
火野「・・・ぐぬぬ」
皇「・・・悔しがるなよ。こいつ、バカなんだから。」
火野「マグロとかけまして、西村知美と解く~、そのココロは?・・・とろりん」
皇「全部自分で言うのかよ?しかも、西村知美って最近見ねぇよ。それに、かかってないし、面白くないし、はい、御影ちゃん。座布団全部没収~」
火野「ぐぬぬぬぬぬ・・・」
瀬能「では、私です。マグロとかけまして、ツーイーソーと解く、そのココロは?・・・中、取ろう。中、トロ。中トロォオオオオ!」
皇「大喜利大会じゃないから。」
火野「マグロとかけまして、将棋の大手と解く、そのコ」
皇「はい、座布団マイナス一枚。・・・もうちょっと考えろよ。前座さんだってもうちょっと気の利いた事、答えるぞ?」
火野「ぐぬぬぉおぬぬぬぬぉおお・・・・」
瀬能「あははははははははははははははは あはははははははは ひぃぃいいいいひっひひひひっひひひひひ」
皇「・・・お前、ホント、御影、おちょくるのが好きだなぁ。」
火野「いい?杏子!あとで、面白い事言って、ケチョンケチョンにしてやるから!」
皇「なんだよ、その、あとで面白い事言うって。今、言えよ。」
瀬能「やれやれ。」
火野「やれやれって何よ?・・・村上か?村上か!」
瀬能「御影の預言書、私達が焼き肉屋に行く事は書いてありましたけど、寿司屋に行く事は書いてなかったですよね。」
皇「そんな、どうでもいいプライベートな事、預言されても困るだろ?」
瀬能「でも、カードゲーム屋さんでデュエルした事は、書いてありましたよ?デュエルくらいどうでもいい事、ないでしょ?」
皇「・・・どうでもいい事に、付き合わせたのかよ?お前は。」
火野「確かに昨日、死体を発見したけど、あれって、預言かどうかは疑わしいのよね。」
皇「あ?どういう事だ?」
瀬能「簡単なトリックです。書いた本人が、殺して、・・・殺したかどうかは横に置いておいても、死体を埋めておけば済む話です。死体を埋めた本人が、預言書に、ここに死体を埋めたと書いたんだから、当たって、当然です。」
火野「だから、預言って言えないのよ。これからの未来の事が書かれていても、第三者が関与できない話なら、まだ、納得できる部分もあるでしょうけど、こういう本人が関与できる話は、預言とは言えないじゃない?」
皇「それにしたって、死体を埋めるって、大概だぜ?」
火野「予言を信じさせる、古典的なトリックよ。」
瀬能「予言と言っておきながら、実は、選択肢が限られていて、自ら選んだ様に思えるけど、誘導されていた、っていうのは手品の古典ですよ。・・・台湾とかの出店屋台でやってるババアのインチキギャンブルもこれの類ですから。」
皇「地震とかスキャンダルの話はどうなんだよ?あれは第三者が関与できる話じゃないじゃないか。」
火野「私が預言書を手に入れる前の事が書いてあったら、それは、預言じゃないじゃない。過去の話だし。しかもこれ、鉛筆書きでしょ?いつだって修正が出来る。消しゴムで消して、書き足せる、そんな預言書、信じられる?」
瀬能「これから起こる、未来の事が書いてあっても、その日その時間になってみなければ検証のしようがありません。猫です。猫箱です。」
皇「スレテンガーの猫か。」
火野「シュレーディンガーね。まぁ、ちょっと違うけど似たようなもの。答え合わせまで、この『預言書』は本物かも知れないし、虚言かも知れない。」
瀬能「死体の掘り起こしに関しては、御影が、その日、やろうって言わなければ回避できた問題です。おかげで、『預言書』は未だ猫箱状態。」
火野「だから言ったじゃない。もう早く、決着を付けたかったのよ。どうせ、インチキだと思ってたし。まさか本当に死体が出て来るとは思ってなかったし。それより」
皇「・・・なんだよ、それよりって。」
火野「『預言書』に私の名前が書いてある方がよっぽど深刻な問題よ。誰が何の目的で、私の名前を書いたのか。ここに私の名前が書いてあるから、回り回って、これが、私の手元にやってきた訳じゃない?・・・誰かが意図して、私にこれを押し付けたのよ?気味が悪くない?」
瀬能「顔が悪いよりかはいいじゃないですか。・・・・痛い!なんなんですか!こいつ、性格も態度も悪いですよ!」
火野「お前よりマシだ」
瀬能「ドイヒーです、ドイヒー」
皇「発見された死体はあくまで預言書に書かれた、ひとつの事案と考えるのか、それとも死体を押し付ける為のデコイなのか。」
火野「死体自体がデコイの可能性だってあるわ。」
瀬能「既にこうやって『預言書』に振り回されている時点で、御影の負けですけどね。」
火野「うるさい!アドバンテージはいつだって、私にあるの!」
瀬能「うわっ何ですか?どっかの弱小劇団で言ってた台詞ですか? うわぁ主人公っぽい!主人公っぽい!ああ、もう、フラグが立っちゃう!」
皇「・・・もう、寿司屋に到着するぞ。私は、ちらし!」
瀬能「私もちらしです。」
ガチャ
火野「ただいま~、と言っても、誰もいないのよぉ~・・・なん!
え?
なにこれ?
は?
泥棒?泥棒?・・・・え?泥棒?
なんで、荒らされてるの?
え? あ?
け、警察、警察、
あ、お金!お金?おか、、、、、、通帳は?通帳は無事?・・・・・・・・・ハンコ、ハンコ、ハンコ・・・・・・電話、電話、警察、けいさつ」
ピンポーン
火野「え?」
ピンポーン
火野「な・・・・・・誰?」
ピンポーン
火野「・・・」
ガチャ
郵便局員「こんにちは。あの、電報です。」
火野「・・・電報?」
郵便局員「はい。・・・電報です。・・・じゃあ、あの、ここにサインを。・・・ええ。はい、ありがとうございます。では。」
火野「あの、ちょっと、」
郵便局員「はい?・・・なにか?」
火野「え?・・・あの、これ、私、知らないんですけど?この人。」
郵便局員「ああ、・・・そうなんですか。うぅうん、そうですね。・・・・受け取り、拒否されます? 昨今、詐欺とか営業とか、そういうの多いですから。」
火野「あ、ああ。ええ。ま、そうですね。あ、そうですね。・・・・・・一応、もらっておきます。」
郵便局員「お受け取りなさいますか。・・・大丈夫ですか?ご存知ない人なんでしょ?」
火野「あ、あのぉ。・・・もしかしたら、思い出すかも知れないので、知人かも知れないし。・・・・ま、そうですね。あ、はい。一応、もらっておきます。それでも、思い出せなかったら、また、考えます。」
郵便局員「はぁ。そうですか。・・・わかりました。じゃあ、電報、お受け取りをされるという事で。じゃ、また何かありましたら、よろしくお願いします。分からない事はホームページか、本局までお問合せ下さい。では、失礼します。」
火野「あ、どうも。はい、ありがとうございます。・・・ありがとうございます・・・・
誰だよ?・・・フジムラマサヤ?
この忙しい時にぃぃぃぃぃぃいい、
『家に入るな このまま走れ 振り向くな タクシーで駅までむかえ』・・・????
家に入る・・・な? 走れ? え?なによ、これは?」タタ タッタッタ タッタッタッタッタ タッタッタッタッタッタ
男「おい!いたぞ!」
火野「え?」
男「追え!」
火野「なに?」
タッタッタッタッタッタ・タ・タ・タタタタ・タタタタタタタタ・・・・・タタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタ!
火野「なんなのよ!あいつら、なんなのよ!」
男「待てぇえええええええ!」
火野「えぇえ? ハァ ハァ ハァ ハァ な、なんなおぉおお!
あ!
タクシー!
乗ります!乗ります!タク、タクシー!タシー!タクシィイイィィイィィィィィイイイイィィイ!待って、待って、止まってぇえええええええええええええええええええええええ!」
キーッ ダン バタン
運転手「あ、はいぃぃ。お客さん、どうぞ。」
火野「すみません。急いでいるんで出して下さぃぃいいい!」
運転手「ああ、そうですか。それで、どちらまでですか?」
火野「あの、だから、だから、あの、あの」
運転手「はいはい、閉めますよぉお、じゃあ、シートベルト、お願いします。」
火野「はい、します、しますから、出して!出して!運転手さん、出してぇぇええ!とにかく、出してぇえええええええええええええ!」
バタン
運転手「・・・あの、お客さん、大丈夫ですか?なんか、慌てているみたいですけど?そんなに急用?」
火野「出してぇええええ!」
運転手「・・・ええ。じゃあ、ま、とりあえず出発しますけども、行先はどちらなんです?」
シャ、シャー
男「タクシーに乗ったぞ!」
男「タクシーだと?」
男「どこに行く気だ!」
男「本部に連絡を取れ!」
火野「なんなの、なんなの、いったい、なんなのぉおおお? 誰なのぉ?」
運転手「・・・お客さん、大丈夫ですか?・・・病院か、どこか、警察か、向かいます?」
火野「え?・・・・は、いいえ。ええ。もう、大丈夫です。ご心配なく。はぁ。・・・・はぁ。ははははははははは。ははははははははははははは。」
運転手「・・・ははははははははははははは」
火野「駅。駅に、向かって下さい。・・・すみません。よろしくお願いします。」
運転手「駅ですね?・・・駅だと、逆方向なんだけど、また、戻る事になっちゃうけど、いいですか?」
火野「いや、困ります。戻るのは困ります。・・・あの、まっすぐ行って、それで、迂回して、それで駅まで。」
運転手「それだと、遠回りになっちゃうけど?」
火野「遠回りでも、何でも、お金、払いますから、ですから、・・・・・お願いします。お願いします。」
運転手「・・・・。まぁ、お客さんがそれでいいって言うんなら、それで構いませんけど。・・・・・・あの、お客さん、クスリとか、やってないですよね?」
火野「クスリ?・・・・花粉症とか?」
運転手「そうじゃない。覚せい剤とか、そういう奴?・・・あのぉ、おかしな事に関わるのは御免だから。警察行く?」
火野「・・・さっき、警察から出て来たばかり。」
運転手「・・・・あ、ああ。そう。ああ、なるほど。」
火野「運転手さん、あの、迷惑かけないから、駅までお願い。・・・・はぁ。はぁ。はぁ。もう、疲れた。」
運転手「お姉さん、若そうだから、あれだけど、・・・あんまり警察のご厄介になっちゃダメだよ。うん、そう。」
火野「いや。あの、・・・何もしてないってぇ。」
キー ガ バタン
運転手「・・・はい、お客さん。駅だよ。交番もあるし。若いんだから、馬鹿な事ばっかしてちゃダメだよ?」
火野「はぁ、どうも。・・・ありがとう、おじさん。助かったわ。・・・危なかったら交番行くから。・・・じゃあ。」
運転手「気を付けなよ?」
火野「・・・うん、そうする。」
バタン ガ シャー
火野「・・・駅についたけど、どうすんのよ?」
ドッガガァァァッァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!
火野「え?」
火野「あ!」
火野「なんで、なんで、なんで、まずい、まずい、まずい、まずい、なんで、まずい、さっきのタクシー、なんで燃えてるの?爆発してるの? なんで、なんで、なんで、なんで、なんで? まずい、まずい、まずい、まずい、まずい」
ウー、カンカンカンカカンカン ウー カンカンカンカンカンカン
ピーポー ピーポー ピー ピーポー ピーピーポー
火野「逃げなきゃ、逃げなきゃ、逃げなきゃ、逃げなきゃ、逃げなきゃ・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
ピーポー ピーポー ピーポー ウー ピーポー ウー カンカンンカンカンカンカン ピーポー ウー カンカンカンカンカン
火野「何がどうなってんの! いったい」
※本作品は全編会話劇です。ご了承下さい。
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「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
俺の伯爵家大掃除
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伯爵夫人が亡くなり、後妻が連れ子を連れて伯爵家に来た。俺、コーは連れ子も可愛い弟として受け入れていた。しかし、伯爵が亡くなると後妻が大きい顔をするようになった。さらに俺も虐げられるようになったし、可愛がっていた連れ子すら大きな顔をするようになった。
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オッサン齢50過ぎにしてダンジョンデビューする【なろう100万PV、カクヨム20万PV突破】
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これは体力も衰え、知力も怪しくなってきて、ついでに運にも見放されたオッサンが無い知恵絞ってなんとか探索者としてやっていく物語である。
注意事項
50過ぎのオッサンが子供ほどに歳の離れた女の子に惚れたり、悶々としたりするシーンが出てきます。
あらかじめご了承の上読み進めてください。
注意事項2 作者はメンタル豆腐なので、耐えられないと思った感想の場合はブロック、削除等をして見ないという行動を起こします。お気を悪くする方もおるかと思います。予め謝罪しておきます。
注意事項3 お話と表紙はなんの関係もありません。
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感想を下さった方ありがとうございますm(__)m
とても、嬉しいです。
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※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
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